四半期報告書-第124期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/13 15:00
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35項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、企業収益や雇用情勢が改善し、生産も徐々に増加するなど、緩やかに回復しました。また海外の景気は、米国で着実な回復が継続し、ユーロ圏でも次第に改善する一方、中国でも持ち直しの動きが続くなど、総じて緩やかに上昇しました。
こうした中、当社グループでは、「8KとAIoTで世界を変える」という事業ビジョンを掲げ、平成29年5月26日に発表した「2017年度~2019年度 中期経営計画※1」の達成に向け、「人に寄り添うIoT」「8Kエコシステム」をキーワードに事業拡大に取り組みました。
世界初の8K対応液晶テレビ・8K映像モニターとなる「AQUOS 8K※2」、高精細・高画質な70型8K映像モニター※3、業務用8Kカムコーダー※4、HEMS機能を搭載した「クラウド連携エネルギーコントローラ※5」を発売するなど、独自商品・特長デバイスの創出に努めました。また、フラグシップスマートフォンの統一モデルとなる「AQUOS R※6」を発売するなど、ブランド力の強化を図りました。
当第3四半期連結累計期間の業績は、アドバンスディスプレイシステムなど全セグメントの売上が増加し、売上高が1,829,445百万円(前年同四半期比 122.7%)となりました。営業利益は、アドバンスディスプレイシステムやスマートホームなどが改善し、70,330百万円(前年同四半期比 371.4%)となりました。経常利益は、営業利益に加え、持分法による投資損失が持分法による投資利益に転じ営業外損益が改善したことから、71,108百万円(前年同四半期は15,299百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、減損損失が減少するなど特別損益が改善したこともあり、55,384百万円(前年同四半期は41,164百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
なお、当社は2017年6月30日に㈱東京証券取引所に対し、当社普通株式の市場第一部銘柄への指定申請を行っていましたが、2017年12月7日をもって市場第一部銘柄に再指定されています。
※1 詳細につきましては、2017年5月26日公表の「2017~2019年度 中期経営計画」をご覧ください。
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/event/policy_meeting/index.html
※2 究極のリアリズムを追求した、世界初の「8K対応液晶テレビ」「8K映像モニター」。詳細につきましては、2017年8月31日公表の「『AQUOS 8K』を日本・中国・台湾・欧州4地域で発売」をご覧ください。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170831-b.html
※3 8K(スーパーハイビジョン)規格に準拠し、業界で初めて8K解像度でのHDR規格(HLG・PQ方式)にも対応した高精細・高画質な70型8K映像モニター。詳細につきましては、2017年4月12日公表の「70型8K映像モニターを発売」をご覧ください。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170412-a.html
※4 世界で初めて8K(60p)映像の「撮影」「収録」「再生」「ライン出力」が可能なカメラ/記録部一体型の業務用8Kカムコーダー。詳細につきましては、2017年11月7日公表の「業務用8Kカムコーダー<8C-B60A>を発売」をご覧ください。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/171107-b.html
※5 太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー関連機器の制御や家電の電力使用状況の“見える化”ができるエネルギーコントローラ。詳細につきましては、2017年4月6日公表の「「クラウド連携エネルギーコントローラ」を発売」をご覧ください。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170406-b.html
※6 徹底したリアリティ(臨場感のある映像美)の追求など、「4つのR」で表す新たな価値をユーザーに提供する、スマートフォン フラグシップモデルのシリーズ名称。詳細につきましては、2017年4月18日公表の「フラグシップスマートフォンのシリーズ名を「AQUOS R」に統一」をご覧ください。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170418-a.html
セグメントの業績は、概ね次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。以下の前年同四半期との比較については、前年同四半期の数値を変更後の区分に組替えた数値で比較しております。報告セグメントの変更については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に詳細を記載しております。
①スマートホーム
携帯電話や掃除機が大きく伸長したほか、洗濯機やプラズマクラスターイオン関連商品などの販売も増加しました。利益面では、売上の増加に加え、コストダウンなどもあり、収益性が大幅に改善しました。この結果、売上高は439,602百万円(前年同四半期比 112.0%)、セグメント利益は31,132百万円(前年同四半期比 178.1%)となりました。
②スマートビジネスソリューション
海外で複合機の売上が増加したほか、サイネージの販売も伸長したことから、売上高は242,900百万円(前年同四半期比 104.7%)となりました。経費削減に取り組んだものの、価格下落の影響があり、セグメント利益は12,540百万円(前年同四半期比 81.4%)となりました。
③IoTエレクトロデバイス
スマートフォン向けカメラモジュールなどの販売が増加し、売上高は381,657百万円(前年同四半期比 120.1%)、セグメント利益は8,726百万円(前年同四半期比 212.1%)となりました。
④アドバンスディスプレイシステム
液晶テレビやスマートフォン向け中小型液晶パネル、タブレット向けの中型液晶パネル、車載向けの液晶パネルなどの販売が増加しました。利益面では、売上が増加したほか、コストダウンや経費削減に取り組んだこともあり収益性が大きく改善しました。この結果、売上高は836,311百万円(前年同四半期比 138.7%)、セグメント利益は29,569百万円(前年同四半期は3,639百万円のセグメント損失) となりました。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態については、資産合計が、前連結会計年度末に比べ224,291百万円増加の1,997,973百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が増加したことなどによるものであります。負債合計は、支払手形及び買掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ142,579百万円増加の1,608,460百万円となりました。また、純資産合計は利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ81,711百万円増加し、389,512百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ75,298百万円(16.6%)減少し、378,178百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において営業活動による資金の収入は、44,611百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ25,486百万円(36.4%)減少しました。これは、前第3四半期連結累計期間に比べて、税金等調整前四半期純損失が税金等調整前四半期純利益に転じたものの、未収入金の増減額が減少から増加に転じたことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において投資活動による資金の支出は、99,207百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ27,620百万円(38.6%)増加しました。これは、前第3四半期連結累計期間に比べて、有形固定資産の取得による支出が20,258百万円増加したほか、投資有価証券の取得による支出が16,788百万円増加したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において財務活動による資金の支出は、24,252百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ295,555百万円増加しました。これは、前第3四半期連結累計期間に比べて、自己株式の取得による支出が29,947百万円減少したものの、前第3四半期連結累計期間において、普通株式の発行による収入が287,496百万円あったほか、種類株式の発行による収入が99,624百万円あったことなどによるものであります。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、経営方針、経営環境及び対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は81,167百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。