有価証券報告書-第106期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 15:00
【資料】
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【項目】
173項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営方針
当社では、歩むべき方向性を明確にするため、経営理念を2003年4月に制定しております。この理念に則り、半導体をコアビジネスに技術力と創造力の革新に努め、独自技術によるグローバルな事業展開を進めるとともに、企業に対する社会的要請や環境との調和に対する着実な対応を通じて企業価値を最大限に高めるべく、確固たる経営基盤の確保に邁進してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社では、2021年4月から向こう3ヵ年にわたる中期経営計画(以下、「21中計」といいます。)を策定しております。本計画では、21中計最終年度である2023年度連結目標として、営業利益率13%以上、売上高1,700億円以上、ROE12%以上と設定しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社では、長期的に目指す姿を「独自性のある技術、人と組織のパフォーマンスで成長し、社会のイノベーションに貢献する高収益企業の実現」と設定し、21中計では、事業ポートフォリオをパワーモジュール、パワーデバイス、センサーとして、半導体の市場成長率を上回る売上成長を目指します。21中計達成に向けた経営方針につきましては以下に記載の通りです。
21中計の経営方針


市場・製品電動化・デジタル化が加速する未来市場に適合した製品での
売上・利益拡大
技術・開発SPPの浸透・徹底によりスピード、実行力で差別化を図り
技術的に認められる企業への変革
生産革新的ものづくりの追求、強固なバリューチェーンの確立による
グローバル競争力の確保
販売成長市場におけるマーケティング強化と
グローバルな販売戦略構築による売上拡大

改革働き方改革とデジタル化の推進、絶え間ない改革による
成長戦略の実現
組織多様性を尊重すると共に、ステークホルダーからの信頼をかさねていく組織文化の実現
SDGs地球環境保全に寄与する製品・技術開発と、環境負荷低減活動による持続可能な社会の実現に貢献


(4)会社の対処すべき課題
今後の世界経済は、中国でのアフターコロナによる経済回復が期待され、また、欧米においてはインフレ抑制など金融政策の変化が見込まれるものの、特に米国景気の減速による生産・消費活動への影響が想定され、先行きの見通しは不透明な状況です。
当社グループが想定する中長期的な市場環境においては、xEVやADASなど自動車のパワートレーンや安全機能の面で、パラダイムシフトへの動きが想定されます。また、世界の電力量の多くを消費するルームエアコンや業務用空調ではインバータ化、DCモータ化が進み、更には、ヒートポンプ式暖房への急速な転換など、ますます省エネ機能が強化されて行きます。これらに使用される高効率・高耐圧・高放熱のパワー半導体は更に重要度を増していくものと思われます。
21中計最終年次である2024年3月期、当社グループでは、サンケンコアの収益性改善とアレグロの一段の成長の総仕上げを図り、これら中長期の市場環境を見据えた成長に向けた戦略投資を進め、次の24中計に繋げていく所存です。成長戦略を実現するためのリソース配分として、21中計期間中に連結全体で400億円を予定していた設備投資については、同期間で増額し、旺盛な需要増にタイムリーに対応できる強靭なサプライチェーンを構築してまいります。