有価証券報告書-第85期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 15:10
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【項目】
124項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経済状況
当社グループは、電子部品事業を中心としてグローバルに事業を展開しており、当連結会計年度の海外売上高は81.8%を占めています。当社グループ製品の大部分は顧客であるメーカーに販売されるため、経済動向に左右される可能性のある顧客の生産水準が、当社グループの事業に大きく影響します。従って、当社グループは直接あるいは間接的に、日本や欧米、アジアの各市場における経済状況の影響を受ける環境にあり、各市場における景気の変動等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(2)競合
当社グループは、電子部品事業をはじめ、全ての事業分野において、他社との激しい競争に晒されています。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給、グローバルなネットワークの整備・拡充等により、顧客満足を得るべく努めていますが、市場における競争は更に激化することが予想されます。従って、失注などの不測事態の発生によって、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(3)顧客ニーズ及び新技術の導入
当社グループの事業は、技術革新のスピードが早く、顧客要求の変化や新製品・サービスの導入が頻繁な市場であり、新たな技術・製品・サービスの開発により短期間に既存の製品・サービスが陳腐化して市場競争力を失うか、又は販売価格が大幅に下落することがあります。従って、当社グループは新技術・新製品等の開発を積極的に進めていますが、その結果が必ずしも市場で優位性を確保できるという保証はありません。急速な技術革新やその予測に迅速な対応ができない場合、又は顧客ニーズに合わせた新製品の導入ができない場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)顧客の生産計画
当社グループの事業は、大部分の顧客はメーカーであり、顧客の生産計画の影響を直接受けます。また、顧客の生産計画は、個人消費の周期性や季節性、新製品の導入、新しい仕様・規格に対する需要予測及び技術革新のスピードなどの要因に左右されます。従って、このような不確実性が、当社グループの中長期的な研究開発や設備投資計画の策定に影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外進出・運営に潜在するリスク
当社グループの事業は、生産及び販売活動の多くを米国や欧州、並びに中国を含むアジア諸国にて行っています。これら海外市場に対する事業進出、また海外での事業運営を行うに当たっては、予期しない法律又は税制の変更、不利な政治又は経済要因、テロ・戦争・その他の社会的混乱等のリスクが常に内在しています。従って、これらの事象が起きた場合には、当社グループの事業の遂行が妨げられる可能性があります。
(6)特定の部品の供給体制
当社グループの事業は、重要部品を当社グループ内で製造するよう努めていますが、一部の重要部品については、当社グループ外の企業から供給を受けています。従って、これらの供給元企業が災害等の事由により当社グループの必要とする数量の部品を予定どおり供給できない場合、生産遅延や販売機会損失等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(7)業績の変動
当社グループの業績は、当社グループのコントロールが及ばない要因によって変動する可能性があります。その要因とは、経済全般及び事業環境の変化、セット製品の市場投入の成否、大口顧客による製品戦略等の変更、大口注文の解約、大口顧客の倒産、大口顧客のM&Aによる消滅に伴う大きな変化、原材料及び購入部品の価格の変動、輸送費及びその他の費用の変動、電力事情、個人情報・機密情報の管理等であり、上記の要因等に好ましくない変化が生じた場合は、当社グループの業績や財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(8)知的財産
特許その他の知的財産は、当社グループ製品の市場の多くが技術革新に重点を置いていることなどから、重要な競争力の要因となっています。当社グループは、基本的に自社開発技術を使用しており、特許、商標及びその他の知的財産権を取得し、場合によっては行使することなどにより、当該技術の保護を図っています。しかし、当社グループの知的財産権の行使に何らかの障害が生じないという保証はなく、他社の知的財産権を侵害しているという申し立てを受ける可能性があります。
また、当社グループが知的財産権を侵害しているとして損害賠償請求を提訴されている訴訟案件については、訴状への反論を行っていますが、裁判の経過により将来において訴訟の解決による損害賠償支払が確定した場合には、当社グループの業績や財務状況に影響が及ぶ可能性があります。更に当社グループの製品には、他社の知的財産権のライセンスを受けているものもありますが、当該知的財産権の保有者が将来において、ライセンスを当社グループに引き続き与えるという保証はありません。当社グループにとって好ましくない事態が生じた場合には、当社グループの事業はその影響を受ける可能性があります。
(9)外国為替リスク及び金利リスク
当社グループは、グローバルに事業展開しており、結果として為替レートの変動による影響を受けます。一例として、外国通貨に対する円高、特に米ドル及びユーロに対して円高に変動した場合には、当社グループの業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。従って当社グループでは、先物為替予約や通貨オプションによるヘッジ取引や外貨建債権債務の相殺等、為替変動による影響額の極小化を図っていますが、為替レートの変動が想定から大きく乖離した場合、業績への影響を抑制できる保証はありません。
また、当社グループでは金利変動リスクを抱える資産・負債を保有しており、一部については金利スワップによりヘッジを行っていますが、金利の変動により金利負担の増加を招く可能性があります。
(10)公的規制
当社グループは、事業展開する各国において事業・投資の許可、関税をはじめとする輸出入規制等、様々な政府規制・法規制の適用を受けています。これらの規制によって、当社グループの事業活動が制限されコストの増加につながる可能性があります。従って、これらの規制は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)環境汚染に関するリスク
当社グループは、CSRの一環として「アルプスグループ環境憲章」のもと、環境リスク対策への取組みを行っており、具体的には、化学物質の漏洩防止策や排水・排気管理の徹底、国内事業所における土壌・地下水の浄化等を実施しています。しかしながら、事業活動を通じて今後新たな環境汚染が発生しないという保証はありません。このような不測の事態が発生又は判明した場合、その対策費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態の悪化につながる可能性があります。
(12)資金繰りに関するリスク
当社グループは、取引先銀行とシンジケートローン契約及びシンジケート方式のコミットメントライン契約を締結していますが、これら契約の財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上げ返済請求を受けることがあり、当社グループの財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(13)災害等のリスク
当社グループは、国内外の各生産拠点において地震を含めた防災対策を徹底しており、過去の災害発生時には事業への影響を最小限に留めることができています。しかしながら、想定を超える大規模な災害が発生した場合には、事業への影響が大きくなる可能性があります。
(14)減損会計に関するリスク
当社グループは、事業の用に供する様々な資産を有しています。こうした資産は、時価の下落や、将来のキャッシュ・インフローの状況により、減損会計の適用を受けるリスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)有価証券の時価変動リスク
当社グループは、売買を目的とした有価証券は保有していませんが、時価を有するものについては全て時価評価を行っており、株式市場における時価の変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16)法的手続き及び訴訟に関するリスク
当社グループは、事業活動に関するコンプライアンス体制を構築し、その実行に努めています。しかしながら、当社グループの活動に関連して、法令違反に関する規制当局による法的手続きが開始された場合、あるいは訴訟が提起された場合には、その結果として、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(17)品質に関するリスク
当社グループは、品質保証体制を構築し、品質改善活動を通じ品質の維持・向上・また問題発生の未然防止に取り組んでいます。しかしながら、当社グループの製品の品質に起因して顧客の損失が発生した場合、生産物賠償責任保険の適用を超える賠償責任を問われる可能性があります。その結果として、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。