有価証券報告書-第52期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/27 15:07
【資料】
PDFをみる
【項目】
120項目

研究開発活動

(1)研究開発活動の方針
当社グループの研究開発活動方針は、科学技術の発展と細分化する市場のニーズに応えていくために客先志向のR&D活動を行い、競争力と新規性を有した製品開発を積極的に進めていくと共に提案型技術を展開することとしております。
その中でも「精密」に対しては特に拘りを持ち、精密金型製作技術が当社の基本をなしております。この精密金型製作技術の開発及び深耕なくして当社の発展はありません。客先が欲しているもの、即ちコスト、難しさ、クオリティーといった課題を追求しております。
また、近年急速な勢いで世界中の懸案事項となっている「環境問題」や「省エネルギー問題」への対応のため、「環境&効率アップ」をキーワードとした新製品の開発も積極的に行っており、市場のニーズを的確に捉えるとともに当社技術の優位性をアピールし、社会への貢献を果たしていくことを目指しております。
(2)研究開発活動の体制
当社グループの研究開発活動は、電気・電子部品事業や自動車部品事業における新製品開発と既存製品の改良改善及び生産設備を中心とした新工法の開発や製造プロセスの中で生産技術的見地から見る新しい物づくりの技術提案、更には設備事業における新製品開発と既存製品の改良改善という大きくは3つの開発グループに分けております。
第一のグループとして、電子部品関連や自動車部品関連の新製品の開発と既存製品の改良改善に取り組んでおり、顧客ニーズを的確に把握し開発テーマを絞りながら魅力ある新製品の開発に取り組んでおります。
この新製品開発を製造プロセス面からバックアップしていくのが、生産設備の開発を主たる目的としている第二グループであり、短納期製作や低コストによる金型製作技術の開発、汎用マシンと成形機との融合による新たなインサートマシンの開発等を主たるテーマとして活動しており、製造技術や生産設備といった面からのオリジナルな技術開発に注力しております。
更に設備事業における新製品開発と既存製品の改良改善を担当する第三のグループがあります。全自動半導体封止装置の開発を行っておりますが、使用樹脂量の削減や省電力化等、環境や省エネルギーをキーワードとして新たな製品の開発に取り組んでおります。
(3)研究開発活動の成果
①電気・電子部品事業
スマートフォンやタブレットパソコンなど高性能携帯機器の普及が加速する中、機器の小型化や薄型化、信号速度の高速化や無線化などの技術要求に対応するコネクタの開発に取り組みました。加えて、医療機器や産業機器分野向けに新たなコネクタの開発に着手しました。
RF同軸コネクタ関連は、より低背、省スペースの新製品開発を行うと共に、細径ケーブルや伝送特性に優れたケーブルへの対応に取り組み、製品バリエーションの拡充を行いました。FPC/FFCコネクタ関連は、低背かつ、より小型の狭ピッチ製品の開発や既存製品のバリエーション拡充を行ったことから、スマートフォンやウェアラブル機器への採用が進みました。基板対基板コネクタは、低背、狭ピッチ、省スペースの製品開発を行うと同時に、医療機器用として強固な構造のコネクタの開発に着手しました。
生産設備開発では、新しく自動組立機のコンセプトを変え、部品点数を削減し、低コスト、省スペース、省人化を実現する装置の開発に取り組みました。また、RF同軸コネクタのインサート成形システムの開発に着手し、試作・検証を進めました。
HDD機構部品向けでは、需要が増加している2色成形Rampなどにおいて、顧客の精度要求に対応すべく、自動成形装置の改良に取り組みました。
当事業に係る研究開発費は1,442,429千円であります。
②自動車部品事業
車載用コネクタにおいて、LEDヘッドライトなどに使用される耐熱、耐振性に優れた小型SMTコネクタのシリーズ展開に取り組み、製品バリエーションの拡充を行いました。また、燃費向上に役立つミッション用コネクタの開発に着手しました。
生産設備開発では、車載用コネクタなどにおける更なる高品質、低コストの生産方式を実現すべく、生産設備装置の改良や新工法の開発、原理試作に取り組みました。
当事業に係る研究開発費は384,942千円であります。
③設備事業
半導体製造装置において、半導体の小型化、薄型化、高機能化が求められる中、ワイヤボンディングを使用しないフリップチップパッケージの製品需要が高まってきていることから、それらに対応する成形金型の開発に取り組みました。
当事業に係る研究開発費は40,034千円であります。