有価証券報告書-第89期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 12:56
【資料】
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【項目】
103項目

研究開発活動

当社グループは、電気エネルギーのマネジメントで、環境と社会へ貢献することを基本とした商品及び要素技術の開発を積極的に行っております。
現在、研究開発は、コンデンサ開発部、電力システム開発部、情報機器技術課を設け、市場のニーズに対し、機敏に応えることができる組織体制とし、また各子会社の開発部門との連携により今まで以上に商品開発のスピードアップを図っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4億4千3百万円であります。
当連結会計年度における各事業の研究目的、主要取組、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)コンデンサ・モジュール
電動化車両(xEV)、鉄道車両、大型産業機器等のインバータ回路用コンデンサに要求される高い品質・機能・信頼性・安全性と、コスト最適を狙った小型軽量化・高エネルギー密度化されたパワエレ用フィルムコンデンサの開発に継続して注力してまいりました。
また、電力市場では、海外規格対応の高圧進相用コンデンサの開発に注力し、海外市場の開拓を進めています。
今後は、各種用途における最適設計を更に追求し、機能の追加や使い易さを向上させ、商品力を高めて参ります。
当事業に係る研究開発費は4億1百万円であります。
(2)電力機器システム
電力(鉄道を含む)分野でのエネルギー有効利用・力率改善・電力品質改善・安全対策に関連する商品開発を推進してまいりました。
その成果として、昇降機、工作機械など変動負荷の回生エネルギー有効利用・ピークカット・負荷平準化などのニーズに応える「パワーマネージメント装置」のSiC(シリコンカーバイト)モジュ-ル搭載により小型・高効率品の開発や用途別ラインナップを拡張いたしました。また昨今、普及の著しい省エネ・節電・CO2削減などを目的とするインバータの高調波問題を解消する小型・安価な「小容量アクティブフィルタ」のラインナップの拡張や、設備予防保全の重要度の高まりから、分散設置のニーズに対応した小容量品や海外市場向の三相四線式品、さらに長時間補償を可能にするリチウムイオンバッテリ-式「瞬時電圧低下・短時間停電補償装置」の開発などラインナップ拡張を積極的に取り組んでまいりました。
鉄道地上設備においても直流き電回路の保護装置や、交流き電回路で使用される直列コンデンサなどの商品力強化を図り、お客様のご要望に応える小型・安価な商品を開発いたしました。
今後も、当社のパワエレ技術をベースとして、高電圧直流給電や蓄電システムを含めたエネルギーマネージメントシステムなど、電力品質の向上、エネルギー有効利用に役立つ新商品の開発を推進してまいります。
当事業に係る研究開発費は4千1百万円であります。
(3)情報機器システム
バス、鉄道等の交通機関を中心に、情報案内システムの開発・商品化に取り組んでまいりました。
当期の主な活動は、バス搭載用の運行システムのラインナップを充実すべく開発を進めました。