有価証券報告書-第91期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/24 13:01
【資料】
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【項目】
139項目

研究開発活動

当社グループは、電気エネルギーのマネジメントで、環境と社会へ貢献することを基本とした商品及び要素技術の開発を積極的に行っております。
現在、研究開発は、コンデンサ開発部、電力開発課、システム開発課を設け、市場のニーズに対し、機敏に応えることができる組織体制とし、また各子会社の開発部門との連携により今まで以上に商品開発のスピードアップを図っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、366百万円であります。
当連結会計年度における各事業の研究目的、主要取組、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)コンデンサ・モジュール
近年の自動車市場におけるxEV自動車用及び産業市場におけるインバータ用コンデンサ需要の高まりに対し、新素材研究、新商品開発を加速するため、2019年1月に指月R&Dセンター(兵庫県西宮市)を新設し、高い品質・機能・信頼性・安全性と小型軽量化・高エネルギー密度化されたパワエレ用フィルムコンデンサの開発に継続して注力してまいりました。
また、自動車市場における高耐熱フィルムコンデンサの研究開発、産業機器交流用コンデンサの研究に注力し、新規技術の獲得、商品化を進めております。
今後は、各種用途における最適設計の追求、機能向上により更なる商品力の強化を進めてまいります。
当事業に係る研究開発費は339百万円であります。
(2)電力機器システム
電力システム(鉄道を含む)分野でのエネルギー有効利用・力率改善・電力品質改善・安全対策に関連する商品開発を推進してまいりました。
電力機器においては、海外電力市場に適合した海外規格品で、海外メーカー対抗用として小型・低価格化した進相用コンデンサの拡販及び商品ラインナップ拡充に取り組み、海外の電力会社でご採用頂き始めました。国内電力市場向けでは、進相コンデンサ用直列リアクトルについて、大学との産学連携共同研究などにより、小型・低損失・低騒音・低振動化を進め、商品力強化に取り組んでおります。国内鉄道地上設備においても、進相用・フィルタ用の電力コンデンサの小型化や高効率整流器用変圧器対応の高インダクタンス形直列リアクトルの新機種開発に取り組み、ご採用頂き始めました。重要輸送インフラの省エネ、CO2削減などに貢献しております。
システム機器においては、海外市場向け半導体・精密製造装置用の分散設置、製造装置組込み式のニーズに対応した「ラック式小容量瞬低補償装置」の海外規格認証品(CE、UL)を新たにラインナップしました。また、平常時の電力平準化・再生可能エネルギーの活用・災害時のBCP対策など、様々なエネルギーの課題を解決するための「SiC(シリコンカーバイト)搭載パワーマネジメント装置」、「リチウムイオンバッテリ-蓄電システム:スマート・ストレージ・システム」の開発やIoT技術などの新しい技術を導入した新商品、要素技術の研究・開発を積極的に取り組んでまいりました。
今後も、当社のコンデンサ技術とパワエレ技術をベースとして、エネルギーマネージメントシステムなど、電力品質の向上、エネルギー有効利用に役立つ新商品の研究・開発を推進してまいります。
当事業に係る研究開発費は27百万円であります。