訂正有価証券報告書-第67期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2019/08/20 13:18
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、国内では、2025年の医療・介護の将来像の実現に向けて各都道府県において医療の機能分化・連携に関する調整会議が開催されるなど、医療制度改革が進展しました。医療機器業界においても、医療の質向上と効率化、地域医療連携に寄与するソリューション提案がより一層求められる厳しい経営環境となりました。海外では、欧米の政策動向に不透明感はあるものの、先進国、新興国ともに医療機器の需要は総じて堅調に推移しました。
このような状況下、当社グループは、昨年4月に3ヵ年中期経営計画「TRANSFORM 2020」をスタートさせ、「高い顧客価値の創造」「組織的な生産性の向上」による高収益体質への変革を目指すとともに、「地域別事業展開の強化」「コア事業のさらなる成長」などの重要課題に取り組みました。商品面では、診療所市場向け商品ポートフォリオの拡充に注力し、クリニカルアシスタントサービスや医療介護ネットワークシステムを発売しました。ともに、当社初となるクラウドサーバを利用した月額利用料制のITソリューションです。また、Bluetooth機能によりタブレットでの波形確認が可能なホルター心電計や急性期病院向け中位機種ベッドサイドモニタを発売しました。さらに、国内販売子会社制を支社支店制に移行、ビデオ硬性挿管用喉頭鏡の事業を譲受するなど、事業基盤の強化を図りました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は前期比4.8%増の1,742億4千9百万円の増収となり、営業利益は前期比6.9%増の145億1千7百万円、経常利益は前期比3.2%増の145億1百万円となりました。また、特別損失として確定拠出年金制度移行に伴う損失や課徴金等を計上したこと、米国の税制改正の影響により法人税等調整額が増加したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比0.1%増の91億5千4百万円となりました。
<市場別の状況>国内市場においては、急性期病院、中小病院、診療所といった市場別の取り組みを強化するとともに、消耗品・保守サービス事業の拡大に注力した結果、売上を伸ばすことが出来ました。市場別には、大学病院市場が診断情報システムや臨床情報システムの更新商談の受注もあり、好調に推移しました。PAD(※)市場におけるAEDの販売も好調だったほか、私立病院市場も堅調に推移しました。診療所市場の売上は前期実績を下回りましたが、官公立病院市場の売上は前期並みを維持しました。この結果、国内売上高は前期比2.7%増の1,281億4千4百万円となりました。
海外市場においては、生体情報モニタ、除細動器、AEDを中心に、米州、欧州、アジア州で売上を伸ばすことが出来ました。米州では、米国、中南米ともに売上が大きく伸長しました。欧州では、ロシアが好調に推移したほか、ドイツ、トルコでの売上が回復しました。アジア州では、中国が好調に推移したほか、中近東での売上が販売代理店網の整備等により回復しました。その他地域は、前期におけるエジプトでの大口商談の反動もあり、減収となりました。この結果、海外売上高は前期比11.0%増の461億5百万円となりました。
※PAD(Public Access Defibrillation):一般市民によるAEDを用いた除細動。PAD市場には公共施設や学校、民間企業などが含まれる。
<商品群別の状況>[生体計測機器]国内では、心臓カテーテル検査装置群や診断情報システムが好調に推移しました。心電計群もホルター心電計の新商品効果もあって堅調に推移しました。また、脳神経系群の売上は前期並みを維持しました。海外では、心電計群は好調でしたが、脳神経系群が前期実績を下回りました。この結果、売上高は前期比4.4%増の393億2千3百万円となりました。
[生体情報モニタ]国内では、臨床情報システムが好調だったほか、センサ類などの消耗品も堅調に推移しました。海外では、米州、欧州、アジア州で増収となり、特に米国での売上が大幅に伸長しました。一方、その他地域は前期における大口商談の反動もあり減収となりました。この結果、売上高は前期比5.5%増の592億2千9百万円となりました。
[治療機器]国内では、AEDが、更新需要の回復による販売台数の増加に加えて消耗品も伸長したことから、好調に推移しました。除細動器や人工呼吸器も好調でした。海外では、除細動器が全ての州で売上が大きく伸長しました。AEDは米州、欧州で好調に推移しました。この結果、売上高は前期比10.6%増の328億9千2百万円となりました。
[その他]国内では、検体検査装置が低調に推移しました。海外では、血球計数器が中南米、欧州で堅調に推移しました。この結果、売上高は前期比0.1%増の428億4百万円となりました。
売上高を商品群別に分類すると次のとおりです。
金額(百万円)対前期増減率(%)
生体計測機器39,323+ 4.4
生体情報モニタ59,229+ 5.5
治療機器32,892+ 10.6
その他42,804+ 0.1
合計174,249+ 4.8
機器98,744+ 3.8
消耗品・保守サービス75,505+ 6.1

(参考)地域別売上高
国内売上高128,144+ 2.7
海外売上高46,105+ 11.0
米州22,000+ 16.1
欧州8,462+ 21.1
アジア州13,634+ 7.9
その他2,008△ 31.6

区 分内 容
生体計測機器脳波計、筋電図・誘発電位検査装置、心電計、心臓カテーテル検査装置、診断情報システム、関連の消耗品(記録紙、電極、カテーテルなど)、保守サービスなど
生体情報モニタ心電図、呼吸、SpO2(動脈血酸素飽和度)、NIBP(非観血血圧)等の生体情報を連続的にモニタリングする生体情報モニタ、臨床情報システム、関連の消耗品(電極、センサなど)、保守サービスなど
治療機器除細動器、AED(自動体外式除細動器)、心臓ペースメーカ、人工呼吸器、麻酔器、迷走神経刺激装置、人工内耳、関連の消耗品(電極パッド、バッテリなど)、保守サービスなど
その他血球計数器、臨床化学分析装置、超音波診断装置、研究用機器、消耗品(試薬、衛生用品など)、設置工事・保守サービスなど

② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ51億3千4百万円増加し、1,579億4千1百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ53億6千6百万円増加し、1,246億1百万円となりました。これは有価証券(譲渡性預金)や受取手形及び売掛金が増加したことなどによるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ2億3千1百万円減少し、333億3千9百万円となりました。これは無形固定資産が減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億3千3百万円減少し、485億8千6百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ54億6千8百万円増加し、1,093億5千5百万円となりました。これは当期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したことなどによるものです。
これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ71.35円増加して1,284.17円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の68.0%から1.2ポイント増加し69.2%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ27億2千4百万円増加して312億8千5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期比5億1千2百万円減の108億4千3百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益139億5千4百万円、減価償却費33億3千8百万円、および法人税等の支払39億8千3百万円などです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前期比29億9千8百万円減の33億4千6百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得29億1百万円などです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前期比11億1千万円増の46億2千8百万円となりました。主な内訳は、配当金の支払29億9千6百万円、自己株式の取得14億7千1百万円などです。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、医用電子機器関連事業の単一セグメントであり、セグメントごとの業績は、記載を省略しています。
当連結会計年度における生産、受注および販売の実績を商品群別に示すと次のとおりです。
なお、表中の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていません。
イ. 生産実績
区分金額(百万円)前年同期比(%)
生体計測機器39,314102.4
生体情報モニタ56,24895.4
治療機器32,532109.1
その他43,880101.6
合計171,976101.0

(注) 上記金額には、商品購入高が合計で64,544百万円含まれています。
ロ.受注実績
当社グループの商品は、需要予測による見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ハ.販売実績
区分金額(百万円)前年同期比(%)
生体計測機器39,323104.4
生体情報モニタ59,229105.5
治療機器32,892110.6
その他42,804100.1
合計174,249104.8


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。当社グループの事業は、医用電子機器関連事業の単一セグメントであり、セグメントごとの業績は、記載を省略しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債および法人税等であり、見積りおよび判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っています。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
イ.当連結会計年度の経営成績および「TRANSFORM 2020」の進捗状況
初年度にあたる2017年度、国内では医療の機能分化や地域包括ケアの構築といった市場環境の変化に対応するため、販売子会社制から支社支店制に移行し、急性期病院、中小病院、診療所市場といった市場別の取り組みを強化しました。また、在宅医療を担う診療所市場向けの製品・サービスの拡充に努めました。大学病院市場を中心にITシステムの更新需要を取り込めたこともあり、国内売上高は期初計画を達成することができました。海外では、米国現地開発・販売体制の強化により、当社の生体情報モニタシステムが全米トップクラスの大学病院に導入されるなど、米国市場での当社のプレゼンスが向上しました。中南米も好調に推移し、欧州や中近東での売上も回復したものの、東南アジアが低調だったことから、海外売上高は期初計画に届きませんでした。
商品群別では、生体計測機器は、国内で心臓カテーテル検査装置群、診断情報システムが好調に推移したことから、前期比4.4%増の増収となり、概ね計画どおりとなりました。生体情報モニタは、海外は計画の高い成長率に届かなかったものの、国内外ともに好調に推移し、前期比5.5%増の増収となりました。治療機器は、国内外で除細動器およびAEDが好調に推移したことから、前期比10.6%増の増収となり、計画を大幅に上回ることが出来ました。その他商品群は、国内は僅かに減収となったものの、海外が堅調に推移したことから、前期比0.1%増の前期並みとなり、概ね計画どおりとなりました。
営業利益については、増収効果により増益を確保できたものの、期初計画には届きませんでした。収益力の改善、特に売上総利益率の改善が課題として残りました。
2年目にあたる2018年度は収益力改善のための改革を着実に進めます。「高い顧客価値の創造」に向けて、急性期病院向けや新興国向けのベッドサイドモニタ、当社初の人工呼吸器や麻酔器など、顧客価値の高い新製品を相次いで投入する予定です。総合技術開発センタに開発部門を集約させたことで部門間の連携が強化され、コア技術を融合した新製品の開発が実現しました。「組織的な生産性の向上」に向けては、富岡生産センタを中心に生産効率の改善を図るとともに、本社と国内支社支店間の業務のスリム化を進めます。地域別には、国内では、本年4月に医療需要が増加する首都圏に営業リソースを重点的に配備しました。海外では、米国生体情報モニタリング事業で現地開発体制を強化し、大規模ネットワークシステムなどのニーズに対応します。また、新興国市場への販売を統括する海外営業統括部を創設し、新興国市場に合った販売戦略を推進します。
ロ.資本の財源および資金の流動性
当社グル―プでは、財務健全性を維持した持続的成長と企業価値の向上を目指して、資産の効率化と資金の流動性の確保に努めています。
資本の財源については、当社グループの運転資金および設備資金は主として自己資金を充当しており、当連結会計年度末の有利子負債残高はリース債務を含めて5億1千8百万円です。
資金の流動性については、安定的な利益の確保に加え、債権回収の早期化および在庫の圧縮等を推進し、必要運転資金の増加を抑えることで、営業キャッシュ・フローの安定的な確保に努めています。また、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、必要とするグループ会社に配分しています。当連結会計年度末における流動比率は、279.3%となっており、十分な流動性を確保しています。
ハ.経営指標の分析
当社は、3ヵ年中期経営計画「TRANSFORM 2020」において、連結ROE12.0%の水準を確保することを目標としています。当連結会計年度は8.6%と、前年度の9.1%から低下し、目標から乖離する結果となりました。米国の税制改正の影響により法人税等調整額が増加したこともあり、売上高純利益率が低下したことが要因です。当社としましては、中期経営計画の推進による売上、利益の成長に注力するとともに、在庫圧縮など資産効率の改善に努め、ROEの向上を図ります。

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