有価証券報告書-第109期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/28 13:28
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当社グループの連結財務諸表は国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて、当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用」に記載のとおりです。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいております。
この報告書には、当社独自の予測や評価に基づいた将来に関する記述を含んでおります。当社グループが営業活動を行っている電動工具市場は、経済情勢の急激な変化、住宅需要、為替レート、競合他社との競業状況の変化及びその他の要因に影響を受けます。このようなリスクや状況の変化により、記載内容と実際の結果が著しく異なることがあります。従って、文中の将来に関する記述は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現の可能性を述べているものではありません。
(1)経営成績の状況
① 業績
当社グループは世界のプロユーザー向けの電動工具の製造・販売を主な事業としております。当連結会計年度の連結売上収益の81.4%が海外売上収益です。電動工具の需要は、住宅建築や修繕、商業施設・プラント建設、その他の公共投資・個人投資の影響を受けます。
当連結会計年度の連結売上収益は、前連結会計年度比23.5%(115,714百万円)増加して608,331百万円となりました。当連結会計年度の円ドル為替相場の平均レートは、前連結会計年度に比べ2.4%の円高、1ドル=106.10円でした。円ユーロ為替相場の平均レートは、2.4%の円安、1ユーロ=123.76円でした。全通貨の加重平均では1.7%の円高、為替による売上収益の減少額は8,684百万円となります。このドル安及びユーロ高といった為替の影響を除いた場合、当社グループの連結売上収益は25.3%(124,398百万円)増加となります。また当連結会計年度の販売台数は前連結会計年度比21.6%増加となりました。
DIY市場が確立されている北米及び欧州などの先進国では、電動工具需要は消費動向によって大きく影響を受けます。一方、発展途上国では、電動工具需要は経済成長が増加すれば拡大すると予測されます。
技術的な革新は電動工具市場を活性化させ、特に近年では小型軽量化され高性能化されたリチウムイオンバッテリ充電式電動工具は新たな需要を喚起しております。
当社グループは、電動工具メーカーとして世界で確固たる地位を築いておりますが、世界レベルでの競争は更に激しくなっております。
当期の国際的な経済情勢を見ますと、新型コロナウイルス感染拡大により急激に落ち込んだ世界経済は、各国の経済・金融政策やワクチン接種の広がりもあり徐々に持ち直す傾向にありますが、変異株による感染再拡大への懸念や米中摩擦の行方など、先行きの不透明な状況が依然として続いています。
このような情勢の中で当社グループは、開発面では、ハイパワー・長寿命・高耐久の「40Vmaxリチウムイオンバッテリ」シリーズの充電式工具をはじめとしたリチウムイオンバッテリ製品のラインアップ拡充に注力しました。
生産面では、需要の増加に対応した増産に取り組みました。また、グローバル生産の多極化を推進するとともに、製品の包装に使用されるポリ袋等を削減し、紙製等の環境に優しい素材へ切り替える脱プラスチック化の取り組みを開始しました。
営業面では、充電式の園芸用機器をはじめとするリチウムイオンバッテリ製品の拡販に引き続き注力するとともに、コロナ禍において通常の営業活動が困難になる中、地道な顧客サポートやアフターサービスを継続し、世界各地域のお客様との信頼関係のさらなる強化に努めました。
利益面においては、原価率が上昇したものの、売上収益の増加により、営業利益は前期比38.1%増の88,464百万円(営業利益率 14.5%)となりました。税引前利益は前期比32.1%増の87,199百万円(税引前利益率14.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は同29.9%増の62,018百万円(親会社の所有者に帰属する当期利益率10.2%)となりました。
当社グループの目標は、グループ全体の持続的成長により、高い利益体質を確立し、連結ベースで売上収益に対する営業利益率10%を維持することです。さらに、中長期的な戦略として、当社グループは、高いブランド力を構築し、世界各地域におけるプロ用電動工具をはじめ、園芸用機器など工具のグローバルサプライヤーとしてトップシェアの維持・獲得を目指しております。
当社グループは、プロユーザー満足度の高い新製品開発、高品質とコスト競争力を両立させたグローバルな生産体制、国内及び海外各地域における販売・アフターサービス体制を常に強化していくことにより、これらの目標を達成できると確信しております。この経営戦略を実行するために、当社グループは、為替相場変動リスク、地理的リスク、経営上の主要な機能や生産拠点の集中から生じるリスクなど、予期せぬ経済環境の変動に耐えうる確固たる財務体質を維持することに努めております。
世界経済が新型コロナウイルスの影響から次第に回復し、当社グループの関連する市場においても引き続き底堅い需要が見込まれる一方、当期に発生した巣ごもり需要効果の持続性など当社グループを取り巻く環境は先行きの不透明な状況が続くものと思われます。
製品グループ別業績
電動工具等
電動工具等には、ドリル、ハンマドリル、震動ドリル、グラインダ、充電式インパクトドライバ、丸ノコ等があります。このグループは当社グループの連結売上収益のうち最も大きな割合を占めております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比21.8%増の356,232百万円で、連結売上収益の58.6%となりました。このうち国内は前連結会計年度比12.1%増の54,653百万円で、国内売上収益の48.3%となりました。海外は前連結会計年度比23.7%増の301,579百万円で、海外売上収益の60.9%となりました。 当連結会計年度に発売した製品としては、40Vmaxリチウムイオンバッテリとハイパワーブラシレスモータにより、クラス最強の締付トルクを実現した充電式インパクトレンチをはじめ、Bluetooth による集じん機との無線連動機能対応の100 ㎜/125 mm充電式ディスクグラインダ、クラス最速の切断スピードを実現した125 ㎜充電式マルノコ、パワフルで取り回し性に優れた40mm充電式仕上釘打などの40Vmaxリチウムイオンバッテリ製品シリーズなどがあります。
園芸用機器・家庭用機器・その他製品
園芸用機器・家庭用機器・その他製品には、チェンソーや草刈機、掃除機、充電式クリーナ等があります。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比31.3%増の147,937百万円で、連結売上収益の24.3%となりました。このうち国内は前連結会計年度比16.4%増の35,924百万円で、国内売上収益の31.8%となりました。海外は前連結会計年度比36.9%増の112,013百万円で、海外売上収益の22.6%となりました。 当連結会計年度に発売した製品としては、30mlエンジン式同等の使用感と優れた防水性を有した充電式スプリット草刈機、広範囲をパワフルに芝刈りが可能な530 ㎜充電式芝刈機、場所を選ばず保冷・保温可能な充電式保冷温庫などがあります。
当社グループはエンジン式園芸用機器及びリチウムイオンバッテリを主体とする充電式園芸用機器の生産を行っており、騒音や排気ガスといった点で環境にやさしい製品の拡販に努めております。
部品・修理・アクセサリー
当社グループはアフターサービスとして部品・アクセサリーの販売や修理を行っております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比19.1%増の104,162百万円で、連結売上収益の17.1%となりました。このうち国内は前連結会計年度比6.5%増の22,471百万円で、国内売上収益の19.9%となりました。海外は前連結会計年度比23.1%増の81,691百万円で、海外売上収益の16.5%となりました。
②地域別売上収益
国内では、建築・建設現場における高効率な充電製品への需要に加え、持続化給付金などの政策による下支えや巣ごもり需要などもあり、電動工具・園芸用機器共に販売が好調に推移したことから、前期比12.3%増の113,048百万円となりました。
欧州では、コロナ禍による移動制限の中、建築・建設現場における工具需要や旺盛な巣ごもり需要に対して、各国に拠点を持つ強みを発揮し、前期比30.8%増の282,725百万円となりました。西欧と東欧に分けると、西欧の売上は前年比33.6%の増加、東欧・ロシアの売上は前年比26.0%増加となりました。為替の影響を除くと、西欧が31.0%増、東欧・ロシアが30.5%増となり、欧州全体での売上は30.8%増加となります。
北米では、巣ごもり需要及び住宅着工件数の増加に伴う工具需要に加え、主力の充電製品のプロモーションが功を奏し、前期比25.8%増の90,945百万円となりました。為替変動の影響を除くと、北米の売上は28.8%増加となります。
アジアでは、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞によって多くの国で販売が伸び悩みましたが、中国や台湾などでの販売の増加により、前期比0.9%増の39,331百万円となりました。為替変動の影響を除くとアジアの売上は2.4%増加となりました。
中南米では、大幅な現地通貨安による売上の目減りがあったものの、コロナ禍での巣ごもり需要や、経済活動の再開による工具需要及び充電製品の積極的な販売により、前期比13.1%増の29,403百万円となりました。為替の影響を除くと38.9%の増加となりました。
オセアニアでは、巣ごもり需要に加え、オーストラリアにおける政府の景気支援策などもあり、電動工具・園芸用機器共に充電製品を中心に売上を伸ばしたことから、前期比45.3%増の41,304百万円となりました。為替の影響を除くと41.7%の増加となりました。中近東・アフリカでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続くものの、一部の国においてコロナ禍収束後の需要回復に備える動きがあったことなどから、前期比16.1%増の11,575百万円となりました。為替の影響を除くと18.3%の増加となりました。
③地域別セグメント
セグメント情報は当社及び連結子会社の所在地に基づき決定されます。セグメント売上は出荷元基準であり、それぞれの市場における売上収益を示す地域別売上とは異なります。
当社は全ての報告セグメントの業績をIFRSで一般に公正妥当と認められた会計基準により評価しております。各セグメントの営業利益の算出方法は、連結損益計算書における営業利益の算出方法と一致しており、受取利息及び配当金、支払利息、為替差損益、及び金融資産の売却損益、金融資産及び金融負債の評価損益などを含みません。
日本セグメント
当連結会計年度の日本セグメントの売上収益は前期比28.2%増加し378,714百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は10.5%増加して131,329百万円(連結売上収益の21.6%)となりました。これは、販売が好調に推移したことに伴うグループ間取引の増加及び国内市場での販売が好調だったことが要因となります。また、売上収益の増加が営業費用の増加を上回ったことにより、営業利益率は7.7%から8.2%と0.5ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は36.9%増加し31,102百万円となりました。
欧州セグメント
当連結会計年度の欧州セグメントの売上収益は前期比32.3%増加し297,016百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は31.0%増加して284,419百万円(連結売上収益の46.7%)となりました。これは、一部の国でロックダウンが発生したものの、各国できめ細かく拠点を持ち、供給を継続できたことで販売が好調に推移したことが要因となります。売上収益の増加が営業費用の増加を上回ったことにより、営業利益率は5.9%から10.0%と4.1ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は125.2%増加し29,837百万円となりました。
北米セグメント
当連結会計年度の北米セグメントの売上収益は、前期比24.3%増加し97,032百万円となりました。この内、外部顧客に対する売上収益は、前年同期比25.2%増の92,812百万円(連結売上収益の15.3%)となりました。これは、激しい競争下でも旺盛な巣ごもり需要や郊外での住宅建築が活況であることを背景に、販売が好調に推移したことが要因となります。また、売上収益の増加が営業費用の増加を上回ったことにより、営業利益率は△0.3%から3.8%と4.1ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は3,681百万円となりました(前連結会計年度は201百万円の損失)。
アジアセグメント
当連結会計年度のアジアセグメントの売上収益は前期比36.6%増加し290,785百万円となりました。外部顧客に対する売上は1.3%増加して25,238百万円(連結売上収益の4.1%)となりました。これは、全地域で販売が好調に推移したことに伴うグループ間取引の増加及びコロナ禍からいちはやく脱却できた中国や台湾で販売が堅調に推移したことが要因となります。為替が元高に推移したことに加え、世界的な輸送コスト増大の影響などにより、営業利益率は8.4%から7.1%と1.3ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は15.9%増加し20,722百万円となりました。
その他の地域セグメント
当連結会計年度のその他の地域セグメントの売上収益は前期比28.9%増加し75,101百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は29.3%増加し74,533百万円(連結売上収益の12.3%)となりました。これは、販売が好調に推移したことによるものです。営業費用の増加よりも売上収益の増加が上回ったため、営業利益率は2.3%から5.8%と3.5ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は228.4%増加し4,358百万円となりました。
(2)財政状態の状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2020年3月31日)
当連結会計年度
(2021年3月31日)
増減
資産674,564812,878138,314
負債98,816149,55250,736
資本575,748663,32687,578
1株当たり親会社所有者帰属持分(円)2,104.012,422.80318.79
親会社所有者帰属持分比率(%)84.69%80.93%△3.76%

資産合計は、前連結会計年度末に比べ138,314百万円増加し、812,878百万円となりました。主な要因は、棚卸資産、有形固定資産の増加によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ50,736百万円増加し、149,552百万円となりました。主な要因は、営業債務及びその他の債務の増加によるものです。
資本合計は、前連結会計年度末に比べ87,578百万円増加し、663,326百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー57,31064,537
投資活動によるキャッシュ・フロー△30,506△42,913
財務活動によるキャッシュ・フロー△22,931△23,036
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)△3,0735,201
現金及び現金同等物の期末残高143,439148,640

現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ5,201百万円増加し、148,640百万円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ7,227百万円増加し、64,537百万円(前期57,310百万円)となりました。主な要因は、営業債務及びその他の債務の増加によるものです。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動に使用した資金は、定期預金の預入による支出及び固定資産の取得による支出が増加したことなどから、前期に比べ12,407百万円増加し、42,913百万円(前期30,506百万円)となりました。
この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、前期に比べ5,180百万円減少し、21,624百万円(前期26,804百万円)となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動に使用した資金は、短期借入金の返済による支出が増加したことなどから、前期に比べ105百万円増加し、23,036百万円(前期22,931百万円)となりました。
当社グループの流動性の主な源泉は、手元現預金、営業活動から得た現預金及び与信限度枠内の借入金で構成されます。
現在、当社グループは資金調達について、グループ内金融を主体に行っており、子会社の余剰資産は他の資金不足の子会社へ融資することにしております。当社は自己資金で経営しており、当社グループの各子会社についてもグループ内融資主体のため支払利息に重要性はありません。
当社グループは運転資本の需要に応じて随時資金調達が可能です。しかし、当社グループには翌連結会計年度において、重要な資金調達の潜在的需要はありません。
当社グループは、従前より高い流動比率を維持してきており、当連結会計年度末は148,640百万円の現金及び現金同等物があります。当社の経営者はこれらの現金及び今後当社グループの営業活動によって生み出される現金で、将来にわたる運転資本の需要、設備投資及び研究開発等を十分行えると見込んでおります。当社の経営者は、運転資本は、当社グループの現在の必要性に照らして十分であると考えております。
(4)生産、受注及び販売の状況
当社グループは見込生産方式を採用しており、受注状況は集計しておりません。
当連結会計年度の販売価格による生産金額は前連結会計年度と比較して119,329百万円(32.9%)増の482,499百万円となりました。
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度を23.5%上回る608,331百万円となりました。
なお、当社グループは、主に電動工具を製造・販売する単一事業分野において営業活動を行っており、単一事業部門で組織されているため事業の種類別セグメントに関連付けた説明は記載しておりません。

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