有価証券報告書-第107期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当社グループは、当連結会計年度より、従来の米国会計基準に替えて国際会計基準(以下、「IFRS」という。)を適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5).見積り及び判断の利用」に記載のとおりです。
(業績等の概要)
(1) 業績
当期の経済情勢を見ますと、米国を中心とする先進国での良好な雇用・所得環境、企業業績を背景に、景気は概ね緩やかな拡大基調となりましたが、米国・中国間の貿易摩擦の激化、新興国通貨の下落などから、世界経済の減速に対する懸念及び先行きの不透明感が強まりました。
このような情勢の中で当社グループは、開発面では、AC 機同等以上の作業効率を実現した充電式工具をはじめ、エンジン式同等の使用感を持つ草刈機やスチールデッキタイプの芝刈機といった充電式園芸用機器など、リチウムイオンバッテリ製品のラインアップ拡充に注力するとともに、電装技術の開発力及び開発スピードの向上を目的とする開発拠点を韓国に設立しました。
生産面では、グローバル生産の多極化の推進、部材の現地調達をはじめとするコストダウン、省人化・無人化設備の導入などの取り組みを継続しました。
営業面では、充電式の園芸用機器をはじめとするリチウムイオンバッテリ製品の拡販に注力したほか、販売・サービスの拠点を拡充し、地域・顧客密着型の営業体制の強化を進めました。
当期の当社グループの連結業績は、新興国通貨の下落による売上収益の目減りがあったものの、主に国内市場において売上収益が堅調に推移したことから、売上収益は前期比2.8%増の490,578百万円となり、過去最高を更新しました。利益面においては、売上収益は増加したものの、為替の影響などにより原価率が悪化したことなどから、営業利益は前期比2.4%減の78,305百万円(営業利益率16.0%)となりました。税引前利益は前期比0.1%増の79,919百万円(税引前利益率16.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は同1.5%増の55,750百万円(親会社の所有者に帰属する当期利益率11.4%)となりました。
地域別の売上収益については、次のとおりです。
国内では、電動工具・園芸用機器ともに、リチウムイオンバッテリ製品の販売が引き続き好調に推移し、前期比11.6%増の92,129百万円となりました。
欧州では、概ね全域で底堅い工具需要が見られ、園芸用機器については夏場の猛暑・干ばつによる影響を受けたものの、充電式製品が順調に売上収益を伸ばし、前期比5.5%増の213,238百万円となりました。
北米では、競争環境が一層激しさを増す中、リチウムイオンバッテリ製品を中心とした拡販に取り組んだものの、前期比1.8%減の72,508百万円となりました。
アジアでは、中国・インドなどでの販売が好調だった一方、その他の国での販売の伸び悩みもあり、前期比7.2%減の40,909百万円となりました。
中南米では、概ね各国で販売が堅調に推移したものの、前期に比べて為替が大幅な円高現地通貨安となったことから、前期比0.4%減の27,801百万円となりました。
オセアニアでは、過熱気味だった住宅市場が減速の動きを示す中、前期に続く高い水準で売上収益が推移したものの、現地通貨に対し為替が円高基調となったことなどから、前期比3.4%減の30,222百万円となりました。
中近東・アフリカでは、中東における政治・経済の混乱の中、販売が低調に推移し、前期比11.1%減の13,771百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ808百万円減少し、146,512百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ11,036百万円減少し、23,155百万円(前期34,191百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、固定資産の取得による支出が増加したものの、定期預金の預入による支出が減少したことから、前期に比べ379 百万円減少し、15,329百万円(前期15,708百万円)となりました。
この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、前期に比べ10,657百万円減少し、7,826百万円(前期18,483百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、借入金による調達が増加したことなどから、前期に比べ9,512百万円減少し、8,231百万円(前期17,743百万円)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループは見込生産方式を採用しており、受注状況は集計しておりません。
当連結会計年度の販売価格による生産金額は前連結会計年度と比較して26,599百万円(7.1%)増の399,409百万円となりました。
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度を2.8%上回る490,578百万円となりました。
なお、当社グループは、主に電動工具を製造・販売する単一事業分野において営業活動を行っており、単一事業部門で組織されているため事業の種類別セグメントに関連付けた説明は記載しておりません。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループに関する財政状態および経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいております。
この報告書には、当社独自の予測や評価に基づいた将来に関する記述を含んでおります。当社グループが営業活動を行っている電動工具市場は、経済情勢の急激な変化、住宅需要、為替レート、競合他社との競業状況の変化およびその他の要因に影響を受けます。このようなリスクや状況の変化により、記載内容と実際の結果が著しく異なることがあります。従って、文中の将来に関する記述は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現の可能性を述べているものではありません。
概況および業績
当社グループは世界のプロユーザー向けの電動工具の製造・販売を主な事業としております。当連結会計年度の連結売上収益の約81%が海外売上収益です。電動工具の需要は、住宅建築や修繕、商業施設・プラント建設、その他の公共投資・個人投資の影響を受けます。
主要製品は、ドリル、ハンマドリル、震動ドリル、グラインダ、充電式インパクトドライバ、丸ノコ等の電動工具であり、連結売上収益の約61%を占めます。
また、エンジン式ブラシカッタおよびコードレスクリーナ等の園芸用機器および家庭用機器の販売は当社の連結売上収益の約22%を占めます。
DIY市場が確立されている北米および欧州などの先進国では、電動工具需要は消費動向によって大きく影響を受けます。一方、発展途上国では、電動工具需要は経済成長が増加すれば拡大すると予測されます。
技術的な革新は電動工具市場を活性化させ、特に近年では小型軽量化され高性能化されたリチウムイオンバッテリ充電式電動工具は、これまでのニカドやニッケル水素バッテリに代わり新たな需要を喚起しております。
当社グループは、電動工具メーカーとして世界で確固たる地位を築いておりますが、世界レベルでの競争は更に激しくなっております。
当期の当社グループの連結業績は、新興国通貨の下落による売上収益の目減りがあったものの、主に国内市場において売上収益が堅調に推移したことから、売上収益は前期比 2.8%増の 490,578百万円となり、過去最高を更新しました。
欧州では堅調な建築・建設需要、良好な雇用・所得環境を受け、充電式製品を中心に販売が堅調に推移しました。アジアでは、中国・インドなどで販売が好調だった一方、その他の国での販売が伸び悩みました。中南米は現地通貨の下落による経済への悪影響が懸念されましたが、各国で概ね販売が堅調に推移しました。オーストラリアは近年過熱気味だった住宅市場が減速の動きを示す中、20%近い伸び率を記録した前年に続く高い水準で売上収益が推移しました。日本では、賃金の緩やかな上昇により個人消費も持ち直し、景気の緩やかな回復が続いています。
このような情勢の中で当社は、全社を挙げてコスト削減活動に取り組むとともに経営基盤の整備を着実に進めま した。
開発面では、AC 機同等以上の作業効率を実現した充電式工具をは じめ、エンジン式同等の使用感を持つ草刈機 やスチールデッキタイプの芝刈機といった充電式園芸用機器など、リチウムイオンバッテリ製品のラインアップ拡充に注力するとともに、電装技術の開発力及び開発スピードの向上を目的とする開発拠点を韓国に設立しました。
生産面では、グローバル生産の多極化の推進、部材の現地調達をはじめとするコストダウン、省人化・無人化設備の導入などの取り組みを継続しました。
営業面では、充電式の園芸用機器をはじめとするリチウムイオンバッテリ製品の拡販に注力したほか、販売・サービスの拠点を拡充し、地域・顧客密着型の営業体制の強化を進めました。
当社グループの目標は、グループ全体の持続的成長により、高い利益体質を確立し、連結ベースで売上収益に対す
る営業利益率10%を維持することです。さらに、中長期的な戦略として、当社グループは、高いブランド力を構築し、世界各地域におけるプロ用電動工具をはじめ、エア工具、園芸用機器など工具のグローバルサプライヤーとしてトップシェアの維持・獲得を目指しております。
当社グループは、プロユーザー満足度の高い新製品開発、高品質とコスト競争力を両立させたグローバルな生産体制、国内および海外各地域における販売・アフターサービス体制を常に強化していくことにより、これらの目標を達成できると確信しております。この経営戦略を実行するために、当社グループは、為替相場変動リスク、地理的リスク、経営上の主要な機能や生産拠点の集中から生じるリスクなど、予期せぬ経済環境の変動に耐えうる確固たる財務体質を維持することに努めております。
当事業年度の株主還元施策としては、中間配当として2018年11月に1株当たり10円を支払い、そして、2019年6月26日開催の株主総会において1株当たり52円の配当が決議されております。
通貨変動
当社グループは外国為替相場の変動に影響を受けます。当社グループは特に円/ユーロ、円/米ドル為替相場の影響を受け、同様に、当社グループが事業展開しているそれぞれの国の為替変動の影響も受けます。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されるため、換算リスクと取引リスクを通じて為替変動に影響を受けます。
換算リスクは、それぞれの国に展開する連結子会社が作成する財務諸表を日本円に換算するときの通貨価値の変動リスクを意味します。日本円に対する通貨価値の変動は大きく影響しますが、あくまで財務諸表への影響であり営業の実績とは一致しません。
取引リスクは当社グループの費用と負債の通貨構成が、収益と資産の通貨構成と異なるというリスクを意味します。当社グループは取引リスクの一部をヘッジするために先物為替予約等を行っております。そのため、日本円に対するリスクは軽減されておりますが解消されるものではないため、為替レートの変動は、将来重大な影響を与える可能性があります。
一般に、円安(特にユーロに対する円安)は、当社グループの営業利益と当期利益に好影響を及ぼし、円高(特にユーロに対する円高)は、悪影響を及ぼします。当連結会計年度は、ユーロに対しては円高、また、米ドルに対しては円安に推移しました。
売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は、前連結会計年度比2.8%(13,280百万円)増加して490,578百万円となりました。
当連結会計年度の円ドル為替相場の平均レートは、前連結会計年度に比べ0.1%の円安、1ドル=110.92円でした。
円ユーロ為替相場の平均レートは、0.9%の円高、1ユーロ=128.44円でした。全通貨の加重平均では2.6%の円高、為替による売上収益の減少額は10,673百万円となります。このドル高およびユーロ安といった為替の影響を除いた場合、当社グループの連結売上収益は5.0%(23,953百万円)増加となります。また当連結会計年度の販売台数は前連結会計年度比2.4%増加となりました。
製品等グループ別にみると、電動工具等の売上収益が0.3%(854百万円)増加、園芸用機器・家庭用機器・その他製品の売上収益が8.1%(8,070百万円)増加、部品、修理およびアクセサリー売上収益が5.6%(4,356百万円)増加しております。全製品の販売金額に対する充電式製品比率は前年の52.6%から56.4%に増加しております。
地域別売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は前連結会計年度比で、日本市場は11.6%(9,554百万円)増加し92,129百万円となりました。欧州市場は5.5%(11,184百万円)増加し213,238百万円、北米市場は1.8%(1,365百万円)減少し72,508百万円、アジア市場(日本を除く)は7.2%(3,185百万円)減少し40,909百万円、中南米、オセアニア、中近東・アフリカを含むその他地域市場は3.9%(2,908百万円)減少し71,794百万円となりました。
国内は電動工具・園芸用機器ともに、リチウムイオンバッテリ製品を中心に販売が堅調に推移し、前期比11.6%増の92,129百万円となりました。
欧州は、前期に比べ為替レートが円高ユーロ安となりましたが、西欧/東欧・ロシアともに概ね売上収益が増加したため、前期比5.5%増の213,238百万円となりました。西欧と東欧・ロシアに分けると、西欧の売上収益は前年比5.2%の増加、東欧・ロシアの売上収益は前年比6.1%増加となりました。為替の影響を除くと、西欧が6.2%増、東欧・ロシアが10.6%増となり、欧州全体での売上収益は7.8%(15,728百万円)増加となります。
北米は、対中関税の影響や競争が激しくなったことから、前期比1.8%減の72,508百万円となりました。為替変動の影響を除くと、北米の売上収益は1.6%(1,195百万円)減少となります。
アジアは、中国やインドで売上収益が伸びましたが代理店向けの販売が下がり、また前期に比べ為替レートが円安現地通貨高となったことから、前期比7.2%減少し、40,909百万円となりました。為替変動の影響を除くとアジアの売上収益は6.2%(2,743百万円)減少となりました。
その他地域では、オセアニアでは、リチウムイオンバッテリ製品の販売が好調で、為替変動の影響を除くと2.2%の増加となりましたが、前期に比べ為替レートが円高現地通貨安となり、前期比3.4%減の30,222百万円となりました。中南米では為替が円高に進んだため、前期比0.4%減の27,801百万円となりました。中近東・アフリカは、原油価格の下落と政情不安が続き、前期比11.1%減の13,771百万円となりました。為替変動の影響を除くと、その他の地域の売上収益は3.5%(2,609百万円)増加となります。
製品グループ別業績
電動工具等
電動工具等には、ドリル、ハンマドリル、震動ドリル、グラインダ、充電式インパクトドライバ、丸ノコ等があります。このグループは当社グループの連結売上収益のうち最も大きな割合を占めております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比0.3%増の300,118百万円で、連結売上収益の61.2%となりました。このうち国内は前連結会計年度比4.1%増の42,372百万円で、国内売上収益の46.0%となりました。海外は前連結会計年度比0.3%減の257,745百万円で、海外売上収益の64.7%となりました。
当連結会計年度に発売した製品としては、業界初の、充電式で動く355mm切断機をはじめ、AVT機構を搭載しクラス最速かつ圧倒的低振動を両立した充電式ハンマドリル、ブラシレスモーターを採用して軽量コンパクトを追求し、AC機同等の高速回転を実現したスクリュードライバー、自動変速機構とブラシレスモーターを搭載し、12mmの鉄板もパワフル切断可能なチップソーカッタなどがあります。
園芸用機器・家庭用機器・その他製品
園芸用機器・家庭用機器・その他製品には、チェンソーやエンジン式草刈機、掃除機、充電式クリーナ等があ
ります。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比8.1%増の108,046百万円で、連結売上収益の22.0%となりました。このうち国内は前連結会計年度比23.7%増の30,427百万円で、国内売上収益の33.0%となりました。海外は前連結会計年度比3.0%増の77,620百万円で、海外売上収益の19.5%となりました。
当連結会計年度に発売した製品としては、デッキの丸洗いを可能とした高剛性スチールデッキ搭載の充電式芝刈機、ブラシレスモーター搭載のHEPAフィルターを採用した充電式集塵機、18Vバッテリを2つ使用した、他の充電式工具と無線連動が可能な充電式背負いクリーナなどがあります。
当社グループはエンジン式園芸用機器およびリチウムイオンバッテリを主体とする充電式園芸用機器の生産を
行っており、騒音や排気ガスといった点で環境にやさしい製品の拡販に努めております。
部品・修理・アクセサリー
当社グループはアフターサービスとして部品・アクセサリーの販売や修理を行っております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比5.6%増の82,414百万円で、連結売上収益の16.8%となりました。このうち国内は前連結会計年度比11.9%増の19,323百万円で、国内売上収益の21.0%となりました。海外は前連結会計年度比3.8%増の63,091百万円で、海外売上収益の15.8%となりました。
売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度から0.7%(1,316百万円)増加し177,222百万円になりました。為替等の影響により、売上原価率が前期の63.1%から当期63.9%へと0.8ポイント増加しました。この結果、売上総利益率は、前連結会計年度の36.9%から36.1%になりました。
販売費及び一般管理費等
当連結会計年度の販売費及び一般管理費等は、人件費ならびに広告宣伝費等の増加があったことにより、前連結会計年度と比較して3.4%(3,242百万円)増加し98,917百万円となりました。為替変動の影響を除くと販売費及び一般管理費等は5.2%(4,989百万円)の増加となります。販売費及び一般管理費等の対売上収益比率は前連結会計年度に比べて横ばいで、20.1%になりました。
営業利益
上記の結果、営業利益は前連結会計年度比2.4%減の78,305百万円となりました。営業利益率は0.8ポイント悪化し、前連結会計年度の16.8%から16.0%になりました。
税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度から0.1%(54百万円)増加し79,919百万円になりました。税引前利益率は0.4ポイント悪化し、前連結会計年度の16.7%から16.3%になりました。
法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用等は、前連結会計年度から2.8%(678百万円)減少し23,728百万円になりました。当連結会計年度の実効税率は、前連結会計年度の30.6%から0.9ポイント減少して29.7%となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
上記の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度から1.5%(807百万円)増加し55,750百万円になりました。親会社の所有者に帰属する当期利益率は、前連結会計年度の11.5%から0.1ポイント悪化して11.4%となりました。
基本的1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、前連結会計年度の202.39円から205.37円に増加しました。
地域別セグメント
セグメント情報は当社および連結子会社の所在地に基づき決定されます。セグメント売上収益は出荷元基準であり、それぞれの市場における売上収益を示す地域別売上収益とは異なります。
日本セグメント
当連結会計年度の日本セグメントの売上収益は、前期比7.3%増加し332,254百万円となりました。この内、外部顧客に対する売上収益は、前年同期比4.9%増の112,143百万円(連結売上収益の22.9%)となりました。この増加は、海外市場において売上収益が堅調に推移したことに伴うグループ間取引の増加及び国内では、新製品を中心に販売が堅調に推移したことが影響しております。また、営業利益は、為替による売上原価悪化等により、営業利益率は10.2%から9.7%と0.5ポイント悪化しましたが、売上収益が大きく伸びたため、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は2.1%増加し32,330百万円となりました。
欧州セグメント
当連結会計年度の欧州セグメントの売上収益は前期比6.1%増加し219,805百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は5.7%増加して213,903百万円(連結売上収益の43.6%)となりました。これは、前期と比べて概ね全域で売上収益が堅調に推移したことが要因となります。仕入通貨である米ドルに対してユーロ安が進行したことにより、営業利益率は9.3%から8.4%と0.9ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は4.1%減少し18,424百万円となりました。
北米セグメント
当連結会計年度の北米セグメントの売上収益は、前期比2.4%減少し78,795百万円となりました。この内、外部顧客に対する売上収益は、前年同期比2.0%減の74,854百万円(連結売上収益の15.2%)となりました。これは、米中貿易摩擦や激しい競争下におかれたことによるものです。また、米中間の関税の影響から営業利益率は2.8%から0.3%と2.5ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は88.1%減少し267百万円となりました。
アジアセグメント
当連結会計年度のアジアセグメントの売上収益は前期比3.6%増加し247,413百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は1.1%増加して26,414百万円(連結売上収益の5.4%)となりました。これは中国などで売上収益が堅調に推移したことによるものです。アジアでは、為替が現地通貨安傾向に推移したことにより、営業利益率は10.3%から9.3%と1.0ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は6.0%減少し23,094百万円となりました。
その他の地域セグメント
当連結会計年度のその他の地域セグメントの売上収益は前期比4.6%減少し64,070百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は3.6%減少し63,264百万円(連結売上収益の12.9%)となりました。これは、中近東アフリカ市場が停滞し、オセアニアや中南米では為替の影響で売上収益が目減りした影響によります。中南米の複数国で利益率が改善したため、営業利益率は8.2%から8.9%と0.7ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は4.2%増加し5,715百万円となりました。
キャッシュ・フロー
営業活動から得たキャッシュ・フローは、前連結会計年度の34,191百万円から11,036百万円減少し、当連結会計年度は23,155百万円となりました。前連結会計年度と比べた主な増減理由は以下のとおりです。
(キャッシュ・フロー増加要因)
・売上収益増加などによる顧客からの回収が、22,348百万円増加
(キャッシュ・フロー減少要因)
・生産台数増加に伴う仕入の増加などにより、支出が13,371百万円増加
・売上収益増加による販売費の増加などにより、支出が3,167百万円増加
・税金支払額が、3,906百万円増加
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、前連結会計年度の15,708百万円から379百万円減少し、当連結会計年度は15,329百万円となりました。前連結会計年度と比べた主な増減理由は以下のとおりです。
(使用したキャッシュ・フロー増加要因)
・固定資産の取得が、8,822百万円増加
(使用したキャッシュ・フロー減少要因)
・投資の取得が、4,002百万円増加
・投資の売却及び償還が、10,559百万円減少
財務活動に使用したキャッシュ・フローは、前連結会計年度17,743百万円から9,512百万円減少し、当連結会計年度は8,231百万円となりました。前連結会計年度と比べた主な増減理由は以下のとおりです。
(使用したキャッシュ・フロー増加要因)
・配当金の支払いが、2,715百万円増加
(使用したキャッシュ・フロー減少要因)
・短期借入金の調達が、12,371百万円増加
上記活動の結果および為替レートの変動による影響により、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度の147,320百万円から808百万円減少し、当連結会計年度は146,512百万円となりました。
当社グループは、グローバルな生産体制の強化を図ってきております。世界の電動工具需要が堅調に推移し、その結果、各販売子会社の在庫を増加させたため、前連結会計年度末と比較して、当連結会計年度末は高い在庫水準となりました。
翌連結会計年度の設備投資計画は、当社の岡崎工場の物流センターや、中国工場、ルーマニア工場、アメリカ工場の拡張などがあり、当連結会計年度と比較して設備投資は増加する予定です。
財政状態
当社グループの流動性の主な源泉は、手元現預金、営業活動から得た現預金および与信限度枠内の借入金で構成されます。当社グループは当連結会計年度末現在146,512百万円の現金及び現金同等物を保有しております。このほかに当社の海外子会社は、15,757百万円の与信限度枠を持っており、与信限度枠のうち11,799百万円を使用しておりますが、3,958百万円は未使用でありました。当連結会計年度末現在の連結財政状態計算書において11,799百万円の短期借入金が計上されており、主に海外子会社の日々の営業活動に使用されており、8,438百万円増加しております。平均利率等短期借入金に関する情報は連結財務諸表の注記13「借入金」を参照下さい。
現在、当社グループは資金調達について、グループ内金融を主体に行っており、子会社の余剰資産は他の資金不足の子会社へ融資することにしております。当社は自己資金で経営しており、当社グループの各子会社についてもグループ内融資主体のため支払利息に重要性はありません。
当社グループは運転資本の需要に応じて随時資金調達が可能です。しかし、当社グループには翌連結会計年度において、重要な資金調達の潜在的需要はありません。
当社グループは、従前より高い流動比率を維持してきており、当連結会計年度末は146,512百万円の現金及び現金同等物があります。当社の経営者はこれらの現金および今後当社グループの営業活動によって生み出される現金で、将来にわたる運転資本の需要、設備投資および研究開発等を十分行えると見込んでおります。当社の経営者は、運転資本は、当社グループの現在の必要性に照らして十分であると考えております。
なお、株主還元の施策として2018年11月に1株当たり10円の中間配当金が支払われ、2019年6月26日開催の株主総会において1株当たり52円の配当が決議されており、配当金総支払額は16,831百万円です。
当社グループは、営業活動に必要な資金を資本市場から通常の取引条件で十分に調達できる能力を有しております。
(業績等の概要)
(1) 業績
当期の経済情勢を見ますと、米国を中心とする先進国での良好な雇用・所得環境、企業業績を背景に、景気は概ね緩やかな拡大基調となりましたが、米国・中国間の貿易摩擦の激化、新興国通貨の下落などから、世界経済の減速に対する懸念及び先行きの不透明感が強まりました。
このような情勢の中で当社グループは、開発面では、AC 機同等以上の作業効率を実現した充電式工具をはじめ、エンジン式同等の使用感を持つ草刈機やスチールデッキタイプの芝刈機といった充電式園芸用機器など、リチウムイオンバッテリ製品のラインアップ拡充に注力するとともに、電装技術の開発力及び開発スピードの向上を目的とする開発拠点を韓国に設立しました。
生産面では、グローバル生産の多極化の推進、部材の現地調達をはじめとするコストダウン、省人化・無人化設備の導入などの取り組みを継続しました。
営業面では、充電式の園芸用機器をはじめとするリチウムイオンバッテリ製品の拡販に注力したほか、販売・サービスの拠点を拡充し、地域・顧客密着型の営業体制の強化を進めました。
当期の当社グループの連結業績は、新興国通貨の下落による売上収益の目減りがあったものの、主に国内市場において売上収益が堅調に推移したことから、売上収益は前期比2.8%増の490,578百万円となり、過去最高を更新しました。利益面においては、売上収益は増加したものの、為替の影響などにより原価率が悪化したことなどから、営業利益は前期比2.4%減の78,305百万円(営業利益率16.0%)となりました。税引前利益は前期比0.1%増の79,919百万円(税引前利益率16.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は同1.5%増の55,750百万円(親会社の所有者に帰属する当期利益率11.4%)となりました。
地域別の売上収益については、次のとおりです。
国内では、電動工具・園芸用機器ともに、リチウムイオンバッテリ製品の販売が引き続き好調に推移し、前期比11.6%増の92,129百万円となりました。
欧州では、概ね全域で底堅い工具需要が見られ、園芸用機器については夏場の猛暑・干ばつによる影響を受けたものの、充電式製品が順調に売上収益を伸ばし、前期比5.5%増の213,238百万円となりました。
北米では、競争環境が一層激しさを増す中、リチウムイオンバッテリ製品を中心とした拡販に取り組んだものの、前期比1.8%減の72,508百万円となりました。
アジアでは、中国・インドなどでの販売が好調だった一方、その他の国での販売の伸び悩みもあり、前期比7.2%減の40,909百万円となりました。
中南米では、概ね各国で販売が堅調に推移したものの、前期に比べて為替が大幅な円高現地通貨安となったことから、前期比0.4%減の27,801百万円となりました。
オセアニアでは、過熱気味だった住宅市場が減速の動きを示す中、前期に続く高い水準で売上収益が推移したものの、現地通貨に対し為替が円高基調となったことなどから、前期比3.4%減の30,222百万円となりました。
中近東・アフリカでは、中東における政治・経済の混乱の中、販売が低調に推移し、前期比11.1%減の13,771百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ808百万円減少し、146,512百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ11,036百万円減少し、23,155百万円(前期34,191百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、固定資産の取得による支出が増加したものの、定期預金の預入による支出が減少したことから、前期に比べ379 百万円減少し、15,329百万円(前期15,708百万円)となりました。
この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、前期に比べ10,657百万円減少し、7,826百万円(前期18,483百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、借入金による調達が増加したことなどから、前期に比べ9,512百万円減少し、8,231百万円(前期17,743百万円)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループは見込生産方式を採用しており、受注状況は集計しておりません。
当連結会計年度の販売価格による生産金額は前連結会計年度と比較して26,599百万円(7.1%)増の399,409百万円となりました。
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度を2.8%上回る490,578百万円となりました。
なお、当社グループは、主に電動工具を製造・販売する単一事業分野において営業活動を行っており、単一事業部門で組織されているため事業の種類別セグメントに関連付けた説明は記載しておりません。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループに関する財政状態および経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいております。
この報告書には、当社独自の予測や評価に基づいた将来に関する記述を含んでおります。当社グループが営業活動を行っている電動工具市場は、経済情勢の急激な変化、住宅需要、為替レート、競合他社との競業状況の変化およびその他の要因に影響を受けます。このようなリスクや状況の変化により、記載内容と実際の結果が著しく異なることがあります。従って、文中の将来に関する記述は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現の可能性を述べているものではありません。
概況および業績
当社グループは世界のプロユーザー向けの電動工具の製造・販売を主な事業としております。当連結会計年度の連結売上収益の約81%が海外売上収益です。電動工具の需要は、住宅建築や修繕、商業施設・プラント建設、その他の公共投資・個人投資の影響を受けます。
主要製品は、ドリル、ハンマドリル、震動ドリル、グラインダ、充電式インパクトドライバ、丸ノコ等の電動工具であり、連結売上収益の約61%を占めます。
また、エンジン式ブラシカッタおよびコードレスクリーナ等の園芸用機器および家庭用機器の販売は当社の連結売上収益の約22%を占めます。
DIY市場が確立されている北米および欧州などの先進国では、電動工具需要は消費動向によって大きく影響を受けます。一方、発展途上国では、電動工具需要は経済成長が増加すれば拡大すると予測されます。
技術的な革新は電動工具市場を活性化させ、特に近年では小型軽量化され高性能化されたリチウムイオンバッテリ充電式電動工具は、これまでのニカドやニッケル水素バッテリに代わり新たな需要を喚起しております。
当社グループは、電動工具メーカーとして世界で確固たる地位を築いておりますが、世界レベルでの競争は更に激しくなっております。
当期の当社グループの連結業績は、新興国通貨の下落による売上収益の目減りがあったものの、主に国内市場において売上収益が堅調に推移したことから、売上収益は前期比 2.8%増の 490,578百万円となり、過去最高を更新しました。
欧州では堅調な建築・建設需要、良好な雇用・所得環境を受け、充電式製品を中心に販売が堅調に推移しました。アジアでは、中国・インドなどで販売が好調だった一方、その他の国での販売が伸び悩みました。中南米は現地通貨の下落による経済への悪影響が懸念されましたが、各国で概ね販売が堅調に推移しました。オーストラリアは近年過熱気味だった住宅市場が減速の動きを示す中、20%近い伸び率を記録した前年に続く高い水準で売上収益が推移しました。日本では、賃金の緩やかな上昇により個人消費も持ち直し、景気の緩やかな回復が続いています。
このような情勢の中で当社は、全社を挙げてコスト削減活動に取り組むとともに経営基盤の整備を着実に進めま した。
開発面では、AC 機同等以上の作業効率を実現した充電式工具をは じめ、エンジン式同等の使用感を持つ草刈機 やスチールデッキタイプの芝刈機といった充電式園芸用機器など、リチウムイオンバッテリ製品のラインアップ拡充に注力するとともに、電装技術の開発力及び開発スピードの向上を目的とする開発拠点を韓国に設立しました。
生産面では、グローバル生産の多極化の推進、部材の現地調達をはじめとするコストダウン、省人化・無人化設備の導入などの取り組みを継続しました。
営業面では、充電式の園芸用機器をはじめとするリチウムイオンバッテリ製品の拡販に注力したほか、販売・サービスの拠点を拡充し、地域・顧客密着型の営業体制の強化を進めました。
当社グループの目標は、グループ全体の持続的成長により、高い利益体質を確立し、連結ベースで売上収益に対す
る営業利益率10%を維持することです。さらに、中長期的な戦略として、当社グループは、高いブランド力を構築し、世界各地域におけるプロ用電動工具をはじめ、エア工具、園芸用機器など工具のグローバルサプライヤーとしてトップシェアの維持・獲得を目指しております。
当社グループは、プロユーザー満足度の高い新製品開発、高品質とコスト競争力を両立させたグローバルな生産体制、国内および海外各地域における販売・アフターサービス体制を常に強化していくことにより、これらの目標を達成できると確信しております。この経営戦略を実行するために、当社グループは、為替相場変動リスク、地理的リスク、経営上の主要な機能や生産拠点の集中から生じるリスクなど、予期せぬ経済環境の変動に耐えうる確固たる財務体質を維持することに努めております。
当事業年度の株主還元施策としては、中間配当として2018年11月に1株当たり10円を支払い、そして、2019年6月26日開催の株主総会において1株当たり52円の配当が決議されております。
通貨変動
当社グループは外国為替相場の変動に影響を受けます。当社グループは特に円/ユーロ、円/米ドル為替相場の影響を受け、同様に、当社グループが事業展開しているそれぞれの国の為替変動の影響も受けます。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されるため、換算リスクと取引リスクを通じて為替変動に影響を受けます。
換算リスクは、それぞれの国に展開する連結子会社が作成する財務諸表を日本円に換算するときの通貨価値の変動リスクを意味します。日本円に対する通貨価値の変動は大きく影響しますが、あくまで財務諸表への影響であり営業の実績とは一致しません。
取引リスクは当社グループの費用と負債の通貨構成が、収益と資産の通貨構成と異なるというリスクを意味します。当社グループは取引リスクの一部をヘッジするために先物為替予約等を行っております。そのため、日本円に対するリスクは軽減されておりますが解消されるものではないため、為替レートの変動は、将来重大な影響を与える可能性があります。
一般に、円安(特にユーロに対する円安)は、当社グループの営業利益と当期利益に好影響を及ぼし、円高(特にユーロに対する円高)は、悪影響を及ぼします。当連結会計年度は、ユーロに対しては円高、また、米ドルに対しては円安に推移しました。
売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は、前連結会計年度比2.8%(13,280百万円)増加して490,578百万円となりました。
当連結会計年度の円ドル為替相場の平均レートは、前連結会計年度に比べ0.1%の円安、1ドル=110.92円でした。
円ユーロ為替相場の平均レートは、0.9%の円高、1ユーロ=128.44円でした。全通貨の加重平均では2.6%の円高、為替による売上収益の減少額は10,673百万円となります。このドル高およびユーロ安といった為替の影響を除いた場合、当社グループの連結売上収益は5.0%(23,953百万円)増加となります。また当連結会計年度の販売台数は前連結会計年度比2.4%増加となりました。
製品等グループ別にみると、電動工具等の売上収益が0.3%(854百万円)増加、園芸用機器・家庭用機器・その他製品の売上収益が8.1%(8,070百万円)増加、部品、修理およびアクセサリー売上収益が5.6%(4,356百万円)増加しております。全製品の販売金額に対する充電式製品比率は前年の52.6%から56.4%に増加しております。
地域別売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は前連結会計年度比で、日本市場は11.6%(9,554百万円)増加し92,129百万円となりました。欧州市場は5.5%(11,184百万円)増加し213,238百万円、北米市場は1.8%(1,365百万円)減少し72,508百万円、アジア市場(日本を除く)は7.2%(3,185百万円)減少し40,909百万円、中南米、オセアニア、中近東・アフリカを含むその他地域市場は3.9%(2,908百万円)減少し71,794百万円となりました。
国内は電動工具・園芸用機器ともに、リチウムイオンバッテリ製品を中心に販売が堅調に推移し、前期比11.6%増の92,129百万円となりました。
欧州は、前期に比べ為替レートが円高ユーロ安となりましたが、西欧/東欧・ロシアともに概ね売上収益が増加したため、前期比5.5%増の213,238百万円となりました。西欧と東欧・ロシアに分けると、西欧の売上収益は前年比5.2%の増加、東欧・ロシアの売上収益は前年比6.1%増加となりました。為替の影響を除くと、西欧が6.2%増、東欧・ロシアが10.6%増となり、欧州全体での売上収益は7.8%(15,728百万円)増加となります。
北米は、対中関税の影響や競争が激しくなったことから、前期比1.8%減の72,508百万円となりました。為替変動の影響を除くと、北米の売上収益は1.6%(1,195百万円)減少となります。
アジアは、中国やインドで売上収益が伸びましたが代理店向けの販売が下がり、また前期に比べ為替レートが円安現地通貨高となったことから、前期比7.2%減少し、40,909百万円となりました。為替変動の影響を除くとアジアの売上収益は6.2%(2,743百万円)減少となりました。
その他地域では、オセアニアでは、リチウムイオンバッテリ製品の販売が好調で、為替変動の影響を除くと2.2%の増加となりましたが、前期に比べ為替レートが円高現地通貨安となり、前期比3.4%減の30,222百万円となりました。中南米では為替が円高に進んだため、前期比0.4%減の27,801百万円となりました。中近東・アフリカは、原油価格の下落と政情不安が続き、前期比11.1%減の13,771百万円となりました。為替変動の影響を除くと、その他の地域の売上収益は3.5%(2,609百万円)増加となります。
製品グループ別業績
電動工具等
電動工具等には、ドリル、ハンマドリル、震動ドリル、グラインダ、充電式インパクトドライバ、丸ノコ等があります。このグループは当社グループの連結売上収益のうち最も大きな割合を占めております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比0.3%増の300,118百万円で、連結売上収益の61.2%となりました。このうち国内は前連結会計年度比4.1%増の42,372百万円で、国内売上収益の46.0%となりました。海外は前連結会計年度比0.3%減の257,745百万円で、海外売上収益の64.7%となりました。
当連結会計年度に発売した製品としては、業界初の、充電式で動く355mm切断機をはじめ、AVT機構を搭載しクラス最速かつ圧倒的低振動を両立した充電式ハンマドリル、ブラシレスモーターを採用して軽量コンパクトを追求し、AC機同等の高速回転を実現したスクリュードライバー、自動変速機構とブラシレスモーターを搭載し、12mmの鉄板もパワフル切断可能なチップソーカッタなどがあります。
園芸用機器・家庭用機器・その他製品
園芸用機器・家庭用機器・その他製品には、チェンソーやエンジン式草刈機、掃除機、充電式クリーナ等があ
ります。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比8.1%増の108,046百万円で、連結売上収益の22.0%となりました。このうち国内は前連結会計年度比23.7%増の30,427百万円で、国内売上収益の33.0%となりました。海外は前連結会計年度比3.0%増の77,620百万円で、海外売上収益の19.5%となりました。
当連結会計年度に発売した製品としては、デッキの丸洗いを可能とした高剛性スチールデッキ搭載の充電式芝刈機、ブラシレスモーター搭載のHEPAフィルターを採用した充電式集塵機、18Vバッテリを2つ使用した、他の充電式工具と無線連動が可能な充電式背負いクリーナなどがあります。
当社グループはエンジン式園芸用機器およびリチウムイオンバッテリを主体とする充電式園芸用機器の生産を
行っており、騒音や排気ガスといった点で環境にやさしい製品の拡販に努めております。
部品・修理・アクセサリー
当社グループはアフターサービスとして部品・アクセサリーの販売や修理を行っております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比5.6%増の82,414百万円で、連結売上収益の16.8%となりました。このうち国内は前連結会計年度比11.9%増の19,323百万円で、国内売上収益の21.0%となりました。海外は前連結会計年度比3.8%増の63,091百万円で、海外売上収益の15.8%となりました。
売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度から0.7%(1,316百万円)増加し177,222百万円になりました。為替等の影響により、売上原価率が前期の63.1%から当期63.9%へと0.8ポイント増加しました。この結果、売上総利益率は、前連結会計年度の36.9%から36.1%になりました。
販売費及び一般管理費等
当連結会計年度の販売費及び一般管理費等は、人件費ならびに広告宣伝費等の増加があったことにより、前連結会計年度と比較して3.4%(3,242百万円)増加し98,917百万円となりました。為替変動の影響を除くと販売費及び一般管理費等は5.2%(4,989百万円)の増加となります。販売費及び一般管理費等の対売上収益比率は前連結会計年度に比べて横ばいで、20.1%になりました。
営業利益
上記の結果、営業利益は前連結会計年度比2.4%減の78,305百万円となりました。営業利益率は0.8ポイント悪化し、前連結会計年度の16.8%から16.0%になりました。
税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度から0.1%(54百万円)増加し79,919百万円になりました。税引前利益率は0.4ポイント悪化し、前連結会計年度の16.7%から16.3%になりました。
法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用等は、前連結会計年度から2.8%(678百万円)減少し23,728百万円になりました。当連結会計年度の実効税率は、前連結会計年度の30.6%から0.9ポイント減少して29.7%となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
上記の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度から1.5%(807百万円)増加し55,750百万円になりました。親会社の所有者に帰属する当期利益率は、前連結会計年度の11.5%から0.1ポイント悪化して11.4%となりました。
基本的1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、前連結会計年度の202.39円から205.37円に増加しました。
地域別セグメント
セグメント情報は当社および連結子会社の所在地に基づき決定されます。セグメント売上収益は出荷元基準であり、それぞれの市場における売上収益を示す地域別売上収益とは異なります。
日本セグメント
当連結会計年度の日本セグメントの売上収益は、前期比7.3%増加し332,254百万円となりました。この内、外部顧客に対する売上収益は、前年同期比4.9%増の112,143百万円(連結売上収益の22.9%)となりました。この増加は、海外市場において売上収益が堅調に推移したことに伴うグループ間取引の増加及び国内では、新製品を中心に販売が堅調に推移したことが影響しております。また、営業利益は、為替による売上原価悪化等により、営業利益率は10.2%から9.7%と0.5ポイント悪化しましたが、売上収益が大きく伸びたため、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は2.1%増加し32,330百万円となりました。
欧州セグメント
当連結会計年度の欧州セグメントの売上収益は前期比6.1%増加し219,805百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は5.7%増加して213,903百万円(連結売上収益の43.6%)となりました。これは、前期と比べて概ね全域で売上収益が堅調に推移したことが要因となります。仕入通貨である米ドルに対してユーロ安が進行したことにより、営業利益率は9.3%から8.4%と0.9ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は4.1%減少し18,424百万円となりました。
北米セグメント
当連結会計年度の北米セグメントの売上収益は、前期比2.4%減少し78,795百万円となりました。この内、外部顧客に対する売上収益は、前年同期比2.0%減の74,854百万円(連結売上収益の15.2%)となりました。これは、米中貿易摩擦や激しい競争下におかれたことによるものです。また、米中間の関税の影響から営業利益率は2.8%から0.3%と2.5ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は88.1%減少し267百万円となりました。
アジアセグメント
当連結会計年度のアジアセグメントの売上収益は前期比3.6%増加し247,413百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は1.1%増加して26,414百万円(連結売上収益の5.4%)となりました。これは中国などで売上収益が堅調に推移したことによるものです。アジアでは、為替が現地通貨安傾向に推移したことにより、営業利益率は10.3%から9.3%と1.0ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は6.0%減少し23,094百万円となりました。
その他の地域セグメント
当連結会計年度のその他の地域セグメントの売上収益は前期比4.6%減少し64,070百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は3.6%減少し63,264百万円(連結売上収益の12.9%)となりました。これは、中近東アフリカ市場が停滞し、オセアニアや中南米では為替の影響で売上収益が目減りした影響によります。中南米の複数国で利益率が改善したため、営業利益率は8.2%から8.9%と0.7ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は4.2%増加し5,715百万円となりました。
キャッシュ・フロー
営業活動から得たキャッシュ・フローは、前連結会計年度の34,191百万円から11,036百万円減少し、当連結会計年度は23,155百万円となりました。前連結会計年度と比べた主な増減理由は以下のとおりです。
(キャッシュ・フロー増加要因)
・売上収益増加などによる顧客からの回収が、22,348百万円増加
(キャッシュ・フロー減少要因)
・生産台数増加に伴う仕入の増加などにより、支出が13,371百万円増加
・売上収益増加による販売費の増加などにより、支出が3,167百万円増加
・税金支払額が、3,906百万円増加
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、前連結会計年度の15,708百万円から379百万円減少し、当連結会計年度は15,329百万円となりました。前連結会計年度と比べた主な増減理由は以下のとおりです。
(使用したキャッシュ・フロー増加要因)
・固定資産の取得が、8,822百万円増加
(使用したキャッシュ・フロー減少要因)
・投資の取得が、4,002百万円増加
・投資の売却及び償還が、10,559百万円減少
財務活動に使用したキャッシュ・フローは、前連結会計年度17,743百万円から9,512百万円減少し、当連結会計年度は8,231百万円となりました。前連結会計年度と比べた主な増減理由は以下のとおりです。
(使用したキャッシュ・フロー増加要因)
・配当金の支払いが、2,715百万円増加
(使用したキャッシュ・フロー減少要因)
・短期借入金の調達が、12,371百万円増加
上記活動の結果および為替レートの変動による影響により、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度の147,320百万円から808百万円減少し、当連結会計年度は146,512百万円となりました。
当社グループは、グローバルな生産体制の強化を図ってきております。世界の電動工具需要が堅調に推移し、その結果、各販売子会社の在庫を増加させたため、前連結会計年度末と比較して、当連結会計年度末は高い在庫水準となりました。
翌連結会計年度の設備投資計画は、当社の岡崎工場の物流センターや、中国工場、ルーマニア工場、アメリカ工場の拡張などがあり、当連結会計年度と比較して設備投資は増加する予定です。
財政状態
当社グループの流動性の主な源泉は、手元現預金、営業活動から得た現預金および与信限度枠内の借入金で構成されます。当社グループは当連結会計年度末現在146,512百万円の現金及び現金同等物を保有しております。このほかに当社の海外子会社は、15,757百万円の与信限度枠を持っており、与信限度枠のうち11,799百万円を使用しておりますが、3,958百万円は未使用でありました。当連結会計年度末現在の連結財政状態計算書において11,799百万円の短期借入金が計上されており、主に海外子会社の日々の営業活動に使用されており、8,438百万円増加しております。平均利率等短期借入金に関する情報は連結財務諸表の注記13「借入金」を参照下さい。
現在、当社グループは資金調達について、グループ内金融を主体に行っており、子会社の余剰資産は他の資金不足の子会社へ融資することにしております。当社は自己資金で経営しており、当社グループの各子会社についてもグループ内融資主体のため支払利息に重要性はありません。
当社グループは運転資本の需要に応じて随時資金調達が可能です。しかし、当社グループには翌連結会計年度において、重要な資金調達の潜在的需要はありません。
当社グループは、従前より高い流動比率を維持してきており、当連結会計年度末は146,512百万円の現金及び現金同等物があります。当社の経営者はこれらの現金および今後当社グループの営業活動によって生み出される現金で、将来にわたる運転資本の需要、設備投資および研究開発等を十分行えると見込んでおります。当社の経営者は、運転資本は、当社グループの現在の必要性に照らして十分であると考えております。
なお、株主還元の施策として2018年11月に1株当たり10円の中間配当金が支払われ、2019年6月26日開催の株主総会において1株当たり52円の配当が決議されており、配当金総支払額は16,831百万円です。
当社グループは、営業活動に必要な資金を資本市場から通常の取引条件で十分に調達できる能力を有しております。