有価証券報告書-第112期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 13:22
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当社グループの連結財務諸表は国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて、当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用」に記載のとおりです。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいております。
この報告書には、当社独自の予測や評価に基づいた将来に関する記述を含んでおります。当社グループが営業活動を行っている電動工具市場は、経済情勢の急激な変化、住宅需要、為替レート、競合他社との競業状況の変化及びその他の要因に影響を受けます。このようなリスクや状況の変化により、記載内容と実際の結果が著しく異なることがあります。従って、文中の将来に関する記述は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現の可能性を述べているものではありません。
(1)経営成績の状況
① 業績
当社グループは世界のプロユーザー向けの電動工具の製造・販売を主な事業としております。当連結会計年度の連結売上収益の83.4%が海外売上収益です。電動工具の需要は、住宅建築や修繕、商業施設・プラント建設、その他の公共投資・個人投資の影響を受けます。
当連結会計年度の連結売上収益は、前連結会計年度比3.0%(23,311百万円)減少して741,391百万円となりました。当連結会計年度の円ドル為替相場の平均レートは、前連結会計年度に比べ6.7%の円安、1ドル=144.59円でした。円ユーロ為替相場の平均レートは、11.2%の円安、1ユーロ=156.75円でした。全通貨の加重平均では6.1%の円安、為替による売上収益の増加額は35,679百万円となります。このドル高及びユーロ高といった為替の影響を除いた場合、当社グループの連結売上収益は7.7%(58,990百万円)減少となります。また当連結会計年度の販売台数は前連結会計年度比14.5%減少となりました。
DIY市場が確立されている北米及び欧州などの先進国では、電動工具需要は経済成長に加え、消費動向の影響を受けます。一方、発展途上国では、電動工具需要は経済成長が増加すれば拡大すると予測されます。
技術的な革新は電動工具市場を活性化させ、特に近年では小型軽量化され高性能化されたリチウムイオンバッテリ充電式電動工具は新たな需要を喚起しております。
当社グループは、電動工具メーカーとして世界で確固たる地位を築いておりますが、世界レベルでの競争は更に激しくなっております。
当期の国際的な経済情勢を見ますと、インフレ抑制のための金融引き締め政策が各国で行われる中、金利の高止まりなどから住宅投資が低調に推移するなど、世界的に経済成長が鈍化しました。また、ロシアによるウクライナ侵攻や中東地域の情勢不安が一層の物価上昇、景気後退を招く可能性もあり、依然として先行き不透明な状況が続いています。
このような情勢の中で当社グループは、開発面では、ハイパワー・長寿命・高耐久の「40Vmaxリチウムイオンバッテリ」(XGT)シリーズの電動工具・園芸用機器をはじめとした充電製品のラインアップ拡充に注力するとともに、ロボット芝刈機や充電式スイーパなど新規カテゴリへも新製品を投入しました。
生産面では、あらゆる製造工程内でムダ取りとコストダウン活動に努めるとともに、各工場での取り組みを他工場に横展開していくことで、グループ全体での効率向上に努めました。
営業面では、地域密着・顧客密着のサービス体制のレベルアップに注力し、世界各地域のお客さまとの信頼関係の更なる強化に努めるとともに、40Vmaxリチウムイオンバッテリを活用したハイパワーな製品を軸に市場の深耕・開拓に取り組みました。
利益面においては、輸送コストの低減と為替の影響などにより原価率が改善したことから、営業利益は前期比134.3%増の66,169百万円(営業利益率 8.9%)となりました。税引前利益は前期比168.0%増の64,017百万円(税引前利益率8.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は273.3%増の43,691百万円(親会社の所有者に帰属する当期利益率5.9%)となりました。
当社グループの目標は、グループ全体の持続的成長により、高い利益体質を確立し、連結ベースで売上収益に対する営業利益率10%を維持することです。さらに、中長期的な戦略として、当社グループは、高いブランド力を構築し、世界各地域におけるプロ用電動工具をはじめ、園芸用機器など工具のグローバルサプライヤーとしてトップシェアの維持・獲得を目指しております。
当社グループは、プロユーザー満足度の高い新製品開発、高品質とコスト競争力を両立させたグローバルな生産体制、国内及び海外各地域における販売・サービス体制を常に強化していくことにより、これらの目標を達成できると確信しております。この経営戦略を実行するために、当社グループは、為替相場変動リスク、地理的リスク、経営上の主要な機能や生産拠点の集中から生じるリスクなど、予期せぬ経済環境の変動に耐えうる確固たる財務体質を維持することに努めております。
製品グループ別業績
電動工具等
電動工具等には、ドリル、ハンマドリル、震動ドリル、グラインダ、充電式インパクトドライバ、丸ノコ等があります。このグループは当社グループの連結売上収益のうち最も大きな割合を占めております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比3.6%減の403,968百万円で、連結売上収益の54.5%となりました。このうち国内は前連結会計年度比3.4%減の53,682百万円で、国内売上収益の43.6%となりました。海外は前連結会計年度比3.6%減の350,286百万円で、海外売上収益の56.7%となりました。
当連結会計年度に発売した製品としては、高剛性な筒形モータハウジング、防振構造採用でモータ高回転化で他社機を上回る高能率を実現した充電式グラインダ、握りやすい細径グリップ採用、ヘッド幅を小さくすることで優れた作業性を実現した充電式コンパクトカッタ、ノコ刃をハンドルの左側に配置し刃先の視認性向上と重心バランスの最適化を図り、操作性に優れた充電式防じんマルノコなどがあります。
園芸用機器・家庭用機器・その他製品
園芸用機器・家庭用機器・その他製品には、チェンソーや草刈機、掃除機、充電式クリーナ等があります。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比7.6%減の181,008百万円で、連結売上収益の24.4%となりました。このうち国内は前連結会計年度比0.7%増の40,211百万円で、国内売上収益の32.6%となりました。海外は前連結会計年度比9.7%減の140,797百万円で、海外売上収益の22.8%となりました。 当連結会計年度に発売した製品としては、18V化で最大切断径φ30mmまで対応させた充電式せん定ハサミ、軽量コンパクト(清掃幅)、高いメンテナンス性に加え使用しない時の収納性にも配慮した充電式スイーパ、高い稼働率で最大作業面積3,500㎡(120時間連続運転時)、盗難抑止・本機を丸洗い可能とする防水性・メンテナンス機能といった様々な安心機能を搭載した充電式ロボット芝刈機などがあります。
当社グループはリチウムイオンバッテリを主体とする充電式園芸用機器に注力しており、騒音や排ガスといった点で環境にやさしい製品の拡販に努めております。
部品・修理・アクセサリー
当社グループはアフターサービスとして部品・アクセサリーの販売や修理を行っております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比4.4%増の156,415百万円で、連結売上収益の21.1%となりました。このうち国内は前連結会計年度比6.8%増の29,329百万円で、国内売上収益の23.8%となりました。海外は前連結会計年度比3.8%増の127,086百万円で、海外売上収益の20.5%となりました。
②地域別売上収益
国内では、需要環境は厳しく低迷しているものの、公共施設関連の建設需要は比較的堅調に推移し、また園芸用機器において主にプロ向け製品を中心に拡販に努めた結果、前期比0.2%増の123,222百万円となりました。
欧州では、依然高金利の影響から各国で建築市場が低迷しており、低調な需要状況が続いているものの、円安現地通貨高の影響により前期比2.1%増の356,491百万円となりました。
北米では、全体としては個人消費が比較的堅調に推移しているものの、依然として高金利な環境が続いていることから住宅関連の需要が鈍く、主にホームセンター向けを中心に売上が減少したことから、前期比21.3%減の93,677百万円となりました。
アジアでは、中国をはじめとした各国での不動産市場の不振が続き、総じて工具需要が低調に推移したことから、前期比13.4%減の46,133百万円となりました。
中南米では、需要環境は厳しいものの、各国において注力している40Vmaxシリーズの拡販に努めたことおよび円安現地通貨高の影響により、前期比5.2%増の49,697百万円となりました。
オセアニアでは、依然として続くインフレ、高金利の影響により消費が低迷しており、住宅投資も低水準で推移したことから、前期比3.8%減の56,340百万円となりました。
中近東・アフリカでは、国によって濃淡はあるものの、総じて建設・建築需要は堅調に推移しており、前期比8.9%増の15,831百万円となりました。
③地域別セグメント
セグメント情報は当社及び連結子会社の所在地に基づき決定されます。セグメント売上は出荷元基準であり、それぞれの市場における売上収益を示す地域別売上とは異なります。
当社は全ての報告セグメントの業績をIFRSで一般に公正妥当と認められた会計基準により評価しております。各セグメントの営業利益の算出方法は、連結損益計算書における営業利益の算出方法と一致しており、受取利息及び配当金、支払利息、為替差損益、及び金融資産の売却損益、金融資産及び金融負債の評価損益などを含みません。
日本セグメント
当連結会計年度の日本セグメントの売上収益は前期比22.6%減少し321,243百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は3.1%減少して141,766百万円(連結売上収益の19.1%)となりました。これは、主に海外での販売が減少したことが要因となります。また、為替の影響や輸送コストや調達コストの減少の影響などにより、営業利益率は△0.5%から5.9%と6.4ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は19,006百万円となりました(前連結会計年度は2,119百万円の損失)。
欧州セグメント
当連結会計年度の欧州セグメントの売上収益は前期比2.2%増加し371,074百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は2.3%増加して359,348百万円(連結売上収益の48.5%)となりました。これは、円安の影響や、大手ホームセンタ、ネット通販向けの出荷が大きく回復したことが要因となります。売上収益が増加したことに加え、輸送コストや調達コストが減少したことの影響などにより、営業利益率は2.5%から4.8%と2.3ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は96.2%増加し17,830百万円となりました。
北米セグメント
当連結会計年度の北米セグメントの売上収益は、前期比19.8%減少し100,295百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は、21.0%減少して96,111百万円(連結売上収益の13.0%)となりました。売上収益は、高インフレと高金利などの影響により住宅販売が低迷していることから減少しております。輸送コストや調達コストの減少の影響により、営業利益率は△0.7%から△0.1%と0.6ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業損失は86.2%減少し△126百万円となりました。
アジアセグメント
当連結会計年度のアジアセグメントの売上収益は前期比28.5%減少し240,209百万円となりました。外部顧客に対する売上は5.5%減少して32,592百万円(連結売上収益の4.4%)となりました。これは、中国をはじめとした各国での不動産市場の不振が続き、総じて工具需要が低調に推移したことから売上収益が減少しております。売上収益の減少により営業利益率は9.8%から7.2%と2.6ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は47.8%悪化し17,256百万円となりました。
その他の地域セグメント
当連結会計年度のその他の地域セグメントの売上収益は前期比0.4%増加し111,868百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は0.6%増加して111,574百万円(連結売上収益の15.0%)となりました。これは、主に為替の影響によって売上収益が増加したことが要因となります。輸送コストや調達コストの減少などにより、営業利益率は2.1%から4.9%と2.8ポイント改善しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は136.0%増加し5,470百万円となりました。
(2)財政状態の状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2023年3月31日)
当連結会計年度
(2024年3月31日)
増減
資産1,099,3511,055,808△43,543
負債323,652180,602△143,050
資本775,699875,20699,507
1株当たり親会社所有者帰属持分(円)2,832.893,227.06394.17
親会社所有者帰属持分比率(%)70.0%82.2%12.2%

資産合計は、前連結会計年度末に比べ43,543百万円減少し、1,055,808百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の減少によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ143,050百万円減少し180,602百万円となりました。主な要因は、借入金の減少によるものです。
資本合計は、前連結会計年度末に比べ99,507百万円増加し、875,206百万円となりました。主な要因は、その他の資本の構成要素に含まれる在外営業活動体の換算差額によるものです。

(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー44,430237,086
投資活動によるキャッシュ・フロー△37,680△25,619
財務活動によるキャッシュ・フロー80,970△191,277
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)91,66333,925
現金及び現金同等物の期末残高162,720196,645

現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ33,925百万円増加し、196,645百万円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、237,086 百万円(前期44,430 百万円)となりました。主な要因は、棚卸資産の減少によるものです。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動に使用した資金は、25,619 百万円(前期37,680 百万円)となりました。主な要因は、固定資産の取得によるものです。
この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、211,467 百万円(前期6,750 百万円)となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動に使用した資金は、191,277 百万円(前期の財務活動の結果得られた資金80,970 百万円)となりました。主な要因は、短期借入金の返済などによるものです。
当社グループの流動性の主な源泉は、手元現預金、営業活動から得た現預金及び与信限度枠内の借入金で構成されます。
現在、当社グループは資金調達について、グループ内でキャッシュマネジメントを整備し資金を有効に活用すると共に、連結ベースで十分な手元流動性を確保するために、資金調達手段については、金融機関借入も行っております。
当社グループは当連結会計年度末現在196,645百万円の現金及び現金同等物を保有しております。このほかに307,767百万円の与信限度枠を備えており、与信限度枠のうち19,891百万円を使用しておりますが、287,876百万円は未使用でありました。当連結会計年度末現在の連結財政状態計算書において19,891百万円の短期借入金が計上されており、主に当社グループの日々の営業活動に使用されております。
当社グループの一部の借入金は変動金利で調達しておりますが、全て短期のため、市場金利の変動が当社グループの損益に与える影響は軽微と考えられます。平均レート等短期借入金に関する情報は連結財務諸表の注記13を参照下さい。
当社グループは、従前より高い流動比率を維持してきており、当連結会計年度末は196,645百万円の現金及び現金同等物があります。当社の経営者はこれらの現金及び今後当社グループの営業活動によって生み出される現金で、将来にわたる運転資本の需要、設備投資及び研究開発等を十分行えると見込んでおります。当社の経営者は、運転資本は、当社グループの現在の必要性に照らして十分であると考えております。
(4)生産、受注及び販売の状況
当社グループは見込生産方式を採用しており、受注状況は集計しておりません。
当連結会計年度の販売価格による生産金額は前連結会計年度と比較して59,906百万円(12.8%)減の409,822百万円となりました。
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度を3.0%下回る741,391百万円となりました。
なお、当社グループは、主に電動工具を製造・販売する単一事業分野において営業活動を行っており、単一事業部門で組織されているため事業の種類別セグメントに関連付けた説明は記載しておりません。

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