有価証券報告書-第82期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、「先端技術を先端で支える」を経営理念とし、世界中のお客さまにご満足いただける製品・サービスを提供するために、たえず自己研鑚に励み、最先端の技術開発を通して社会の発展に貢献することを使命としています。
この経営理念に従い、当社グループは、すべてのステークホルダーに対して、常に心を開き、正直であり、お互いを尊敬することで、当社グループの持続的な発展と中長期的な企業価値の向上を目指します。また、あらゆる事象に対し、表層に現われている現象の「根源にあるものは何か」、そこに「内包される本質は何か」を厳しく追求し、正しいソリューション(解決)を見出すように努めます。これらを体現していくため、公平、効率的かつ透明性の高いガバナンス体制を構築することをコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としております。
当社グループでは上記の考え方をThe Advantest Wayとして体系化し、当社グループ全役員および従業員の活動の基礎として周知徹底しています。The Advantest Wayの詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方および取組」に記載のとおりです。
② 企業統治の体制の概要
<取締役会>取締役会は、経営の意思決定機関として、グループ全体の経営方針、経営戦略などの重要事項について決定するとともに、業務執行機関の業務執行を監視、監督しております。当社は、取締役の過半数を社外取締役とすることで、取締役会の監視、監督機能を強化しております。
・構成
有価証券報告書提出日(2024年6月26日)現在の取締役会は、業務執行取締役(社内取締役)2名、非業務執行取締役(社内取締役)2名、非業務執行取締役(社外取締役)5名、計9名(いずれも監査等委員である取締役を含む)、うち2名は外国籍(米国籍)、2名は女性の取締役で構成されております。取締役会の議長は、非業務執行の取締役会長である吉田芳明氏が務めております。取締役会の構成員の詳細につきましては、「(2)役員の状況」に記載のとおりです。
なお、2024年6月28日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名選任の件」および「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しております。当該議案が承認可決された場合についても、取締役会の構成に変更はありません。また、当該定時株主総会において取締役選任議案が会社提案のとおり可決された場合、2024年6月28日開催予定の臨時取締役会以降も吉田芳明氏が議長を務める予定です。
・活動状況
定例の取締役会は月1回開催し、1回につき3~5時間程度かけて重要事項について議論しています。また、取締役会の中で議論しきれない中長期的な課題については、オフサイトミーティングを開催し、その中で取締役会メンバーが議論しています。取締役会の議論を確実に執行側のオペレーションに反映させるため、社外取締役から指摘された課題や助言を明文化し、それら事項に対する執行側の対応状況を翌月の取締役会で報告しています。なお、取締役の多様化に伴い意思の疎通が取れないことがないよう、取締役会には同時通訳を配し日本語、英語双方で自由に発言ができるよう配慮しており、資料および議事録についても英訳を準備しています。
当連結会計年度において取締役会は13回、オフサイトミーティングを1回開催し、全取締役がすべての回に出席しております。取締役会およびオフサイトミーティングでは、様々な議題に対して幅広い知識と経験を有する取締役がそれぞれの視点から意見を表明し、活発な議論が交わされています。
当連結会計年度における取締役会およびオフサイトミーティングでの主な討議・報告事項は、以下のとおりです。
- 2024年度から次期中期経営計画をスタートさせるにあたり、目まぐるしく変化しつつも成長が期待できる半導体市場において当社グループのより一層の飛躍を実現するため、2024年4月1日付でグループ経営執行の最高責任者(Group CEO)をDouglas Lefever氏 とし、Group COOおよび当社の社長を津久井幸一氏に変更することを決議しました。
- 第2期中期経営計画(MTP2)の最終年度である当年度の取り組みの進捗、および中期経営計画期間全体における経営指標と戦略施策の達成度を総括し、取締役会に報告しました。
- 中長期経営方針「グランドデザイン」の改定および第3期中期経営計画(MTP3)の策定に向けて討議を重ねました。中でも中核テーマとなる、中長期的に当社がありたい姿について取締役会で議論を深めました。
- 当社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、より投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ることを目的に、2023年9月30日を基準日として、当社普通株式1株を、1株につき4株の割合をもって分割することを決議しました。
- 成長投資として過去実施したM&Aのレビューを報告し、今後のM&Aへの教訓等について議論しました。
- IR報告を行い、投資家とのコミュニケーション状況や株主の保有状況について取締役会に報告しました。
- ESG行動計画2021-2023の進捗について取締役会に報告するとともに、次期サステナビリティ行動計画や各種法令対応について議論しました。
- 売上や利益、キャッシュ・フロー等の現況について毎月取締役会で報告を行いました。棚卸資産残高の増加を受け、全体のオペレーションにおける課題について議論しました。
- コンプライアンス報告を年4回、内部監査報告を年2回行い、ヘルプラインからの通報を含むコンプライアンスに係るインシデントや内部監査体制と内部監査指摘事項について取締役会に報告しました
<指名報酬委員会>当社は、取締役および執行役員の選任・選定、解任・解職ならびに報酬の公正性、妥当性および透明性を向上させることを目的として、取締役および執行役員の選解任および報酬の決定にあたり取締役会の役割を補完する任意の機関として指名報酬委員会を設置しています。指名報酬委員会が指名委員会および報酬委員会双方の機能を担っています。
指名報酬委員会は、取締役および執行役員の選解任等については、取締役会の定める「取締役および執行役員を選任・選定、解任・解職するに当たっての方針と手続」(以下、「方針と手続」という。)に従い、当社グループの持続的な発展と中長期的な企業価値の向上に貢献できる人物を候補者として取締役会に答申します。独立社外取締役については、前述の「方針と手続」に加え、取締役会の定める「独立社外取締役の独立性判断基準」に従い、豊かな知見を持ち、取締役会への積極的な貢献が期待できる人物を候補者として取締役会に答申します。取締役会はそれらの答申について審議し、取締役候補者を決定、および執行役員を選任します。
取締役および執行役員の解任・解職については、指名報酬委員会から解任・解職基準に該当するとの審議結果の報告があった場合、または他の取締役から解任・解職基準に該当する旨の提案があった場合に取締役会で審議します。
・構成
指名報酬委員会は、取締役会決議により、取締役の中から選定された委員によって構成されます。独立した視点を取り入れるため、委員の過半数は社外取締役により構成されております。委員長は社外取締役としております。
有価証券報告書提出日現在の委員は、占部利充氏、住田清芽氏および吉田芳明氏が務めており、占部利充氏が委員長を務めております。また、2024年6月28日開催予定の定時株主総会後に開催が予定されている取締役会において、指名報酬委員として上記3名を選任し、占部利充氏を委員長に選定する予定です。
・活動状況
当連結会計年度において指名報酬委員会は14回開催し、占部利充氏、住田清芽氏および吉田芳明氏はいずれも14回出席しており、出席率は100%であります。当連結会計年度における指名報酬委員会における主な検討内容は、以下のとおりです。なお、次年度以降も以下の課題について継続的に議論と検討を重ねていきます。
- 最高経営責任者等の後継者の計画について
当社では2024年4月1日付で、Group CEOを吉田芳明氏からDouglas Lefever氏に変更しました。その検討プロセスは以下のとおりです。
当社は、吉田芳明氏がCEOに就任(2017年1月)して4年が経過する2020年頃から、本格的に後継者計画の検討を開始しました。指名報酬委員会を中心に、CEOや経営執行役員の評価および事業面・人財面の状況と課題を社外取締役とCEOで共有し、取締役会に報告しました。2022年からは、外部専門家を起用して、これらの課題を客観的視点で再整理し、次期CEOと経営チームの要件を指名報酬委員会と取締役会で討議・再確認しました。候補者については、社内と社外の両方から探し、候補者に対して外部専門家のアセスメントを実施しました。その結果、次世代は、Douglas Lefever氏と津久井幸一氏を中心にしたトップマネジメント体制が最も適切であるという結論に至り、2022年秋に指名報酬委員会から取締役会へ報告しました。この構想に基づき、2023年1月からLefever氏と津久井氏の両氏を代表取締役兼執行役員副社長に任命し、この準備期間を経て、両氏の適性や組み合わせを再確認することができたため、2024年4月から新体制に移行することに決めました。新体制では、Douglas Lefever氏が代表取締役兼経営執行役員 Group CEOとして、アドバンテストグループ全体の最高経営執行責任者になり、津久井幸一氏が代表取締役兼経営執行役員社長 Group COOとして日本法人である株式会社アドバンテストの業務執行を担うとともにGroup CEOを補佐し、吉田芳明氏が取締役会長として取締役会の議長を務めます。今後の後継者計画についても、同様のプロセスで進めていく予定です。
- 取締役および執行役員の候補者ならびに経営体制について
2023年6月以降の取締役・執行役員体制については、候補者を選定し取締役会に提案するとともに、CxO体制の強化を含む経営体制に関する議論を行い、取締役会へ提案しました。
2024年6月以降の取締役・執行役員体制については、取締役会の構成や候補者の選定に関する議論を行うとともに、Group CEOの変更に伴う経営体制などの議論を行い、適宜取締役会に報告しました。
- 取締役、経営執行役員に求める知見・経験(スキルマトリックス)について
スキルマトリックスは、経営環境の分析・予測から始まり、当社の経営戦略・事業戦略、それらを実行する執行体制、経営執行を監督、指導する取締役会体制への流れで執行体制および取締役会体制を検討する際に参照するツールであるとの認識のもと、非業務執行取締役との議論も踏まえ、取締役、執行役員に求める知見・経験の要素を設定しました。
- 役員報酬制度の運用について
あらかじめ設定された各役員の役割および期待する成果に対する実績を評価した上で、2022年度役員賞与個人別評価について議論、決定しました。
2023年度役員固定報酬、業績連動賞与の業績指標、株式報酬について議論し、取締役会に提案しました。
経営体制の変更および新しい中期経営計画等を踏まえ、役員報酬制度の一部見直しについて議論を行い、取締役会に提案しました。
<監査等委員会>監査等委員会の活動状況については、「(3)監査の状況 ①監査等委員会監査の状況」に記載のとおりです。
<経営会議>当社は、業務執行機関が迅速かつ効率的な業務執行ができるように必要な権限委譲を行っており、経営会議を重要な業務執行の決定機関としております。権限委譲された業務のうち、一定以上の重要案件については、原則経営会議での審議が行われます。会議は月2回程度開催しております。
経営会議は経営執行役員で構成されております。執行役員の中からグループ経営を牽引するにふさわしい役員を経営会議のメンバーとして経営執行役員に任命しております。経営会議の構成員の詳細につきましては、「(2)役員の状況」に記載のとおりです。経営会議の議長につきましては、2024年3月末をもって吉田 芳明氏が代表取締役兼執行役員社長・Group CEOを退任したことに伴い、2024年4月以降はDouglas Lefever氏が議長を務めています。2024年6月28日開催予定の臨時取締役会以降もDouglas Lefever氏が議長を務める予定です。
当社の経営上の意思決定、業務執行および監査に係るコーポレート・ガバナンス体制の概要を図示するとは以下のとおりとなります。

③ 企業統治の体制を採用する理由
当社は、2015年6月24日に監査等委員会設置会社に移行しました。監査等委員会設置会社の下では、監査等委員である取締役が取締役会において議決権を持つことになるなど、取締役会の監査・監督機能を一層強化することができるようになるとともに、業務執行の多くの権限を執行役員に委譲することで迅速な業務執行ができるようになっています。それらにより、持続的な発展と中長期的な企業価値の向上を図ることができると考え、当社では、監査等委員会設置会社および執行役員制度を採用しています。
また、当社グループの持続的な発展と中長期的な企業価値の向上につながる助言と経営の監視・監督を行うためには、取締役会の構成員の中に一定程度の人数の外部者が必要であると考え、当社では5名の社外取締役を選任しています。2024年6月28日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名選任の件」および「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しておりますが、当該議案が承認可決された場合、引き続き取締役の過半数が社外取締役となります。
④ 企業統治に関するその他の事項
<内部統制システムの整備の状況>・当社は、経営の効率化を図るため、取締役会が取締役会規則に基づき経営の意思決定および監督を行い、執行役員および従業員は、グローバル組織およびグローバル職務権限規定に基づき業務執行を行っております。2023年6月にCxOの役割および体制を見直したことに伴い、2023年11月に経営会議からCxOおよびユニットリーダーへの権限委譲を進めるとともに適切な内部統制を維持しつつ、プロセスやオペレーションをシンプル、明確、簡潔にするため、グローバル組織およびグローバル職務権限規定を改定しました(2023年12月施行)。
・当社は、経営会議を重要な業務の決定機関としております。執行役員の中からグループ経営を牽引するにふさわしい役員を経営会議のメンバーとして経営執行役員に任命しております。また、スピード感のある経営を実現するため、経営会議からユニットリーダーに大幅に権限を委譲しております。
・2024年度から次期中期経営計画をスタートさせるにあたり、目まぐるしく変化しつつも成長が期待できる半導体市場において当社グループのより一層の飛躍を実現するため、2024年4月1日付でグループ経営執行の最高責任者(Group CEO)をDouglas Lefever氏とし、Group COOおよび当社の社長を津久井 幸一氏に変更しました。
・当社では、日々の業務でINTEGRITYを体現すること、INTEGRITYを真の企業文化とすることを目指す取り組みを進めております。具体的には、INTEGRITYを体現している従業員を、周りの従業員の推薦により表彰し称える「The INTEGRITY Award」を2022年度より開始しました。また、INTEGRITYを企業文化に確実に取り込むため、従来の短期的なプロジェクトではなく、全世界の各ユニットから「INTEGRITY Ambassador」を任命し、Group CEOをトップとした「Culture Council」がそれをサポートする体制を2022年度に整えました。全社および各ユニットでの具体的な活動を進めることによりINTEGRITYの浸透を目指しています。
・当社は、ヘルプラインの窓口を社内外に設置しております。2023年3月にヘルプラインの外部窓口をより秘匿性の高いシステムに移行しました。ヘルプラインの役割等を全世界の役員および従業員に対して周知徹底し、適切な通報体制を構築しております。また、2023年度より、コンプライアンス意識向上と最低限のルールを知ることを目的とした基礎教育をアドバンテストグループすべての従業員に届けるGCEP(Group-wide Compliance Education Program)を開始しました。「The Advantest Way」、「フェア・ディスクロージャー/インサイダー取引」、「情報セキュリティ」、「輸出管理」など11のe-learningを16言語(一部を除く)で実施しております。
<リスク管理体制等の整備の状況>・当社では、世界経済や事業環境全般における広範なリスクについて取締役会や経営会議にて議論を行うことに加え、執行役員社長が委員長を務め、社外取締役がオブザーバーとして参加できる内部統制委員会が、当社グループ全体の重要なリスクの全社横断的な洗い出しおよび分析を行い、リスクごとの責任部門と対応の方針と手順を明確にしております。また、内部統制システムの整備および運用状況、内部統制の評価過程にて重大な欠陥および重要な不備が発見された場合については、取締役会へ報告することとしております。
・当社は、執行役員社長を本部長とする危機管理本部を設置し、洪水やパンデミック等の災害の緊急事態に対応しています。2023年度は主要な国内事業所においてBCM(Business Continuity Management)を、(1)初動対応(ERP*1)、(2)本社および現地対策本部による検討/指示(CMP*2)、(3)事業継続/復旧(BCP*3)の3フェーズに分けて再構築しました。従来のBCPは地震と河川氾濫に限定したものでしたが、事象に限定しないBCPをISOに準拠した形式で作成しました。また、新しいBCPに基づき、訓練を実施しております。2024年度は、国内の他事業所および主要な海外拠点への展開を図る予定です。
*1 ERP: Emergency Response Plan
*2 CMP: Crisis Management Plan
*3 BCP: Business Continuity (Recovery) Plan
・当社は、株主総会、取締役会の議事録および関連資料、取締役の職務執行に関する重要な文書を社内規定に基づいて保存管理しております。また、グループ全体の情報セキュリティ基本方針の遂行のために、従来の情報セキュリティ委員会を2023年8月よりGlobal Information Security Committeeと改め、海外子会社のメンバーも加えた組織に変更しました。当該Committeeは四半期に1度開催し、セキュリティインシデントの共有と再発防止策、個人情報の保護と機密情報の漏洩防止の対策、ITシステムのセキュリティの維持と向上に取り組んでおります。
・当事業年度は、サイバー攻撃に対する模擬訓練を実施するとともに、フィッシングメールを受信した場合には、適宜従業員に注意喚起しております。
・当社は情報セキュリティマネジメントシステムであるISO27001の認証取得を2021年より開始しました。同年8月に当社が日本で取得し、2022年5月にドイツの当社子会社が、2023年5月には米国の当社子会社が認証を取得しました。
<子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況>・当社は、当社グループ全体として重要な業務プロセスを設定し、リスク分析およびそれらのリスクへの適切な対応について指導することによりグループ会社で同質の内部統制システムを構築、運営しております。内部統制委員会は、社内監査部門が実施する各ユニットについてのCSA(統制自己評価)に基づき各社の内部統制状況を把握するとともに、社内監査部門の監査により状況を把握し、グループ各社が内部統制システム構築の方針のとおり運営できるように指導しております。また、内部統制委員会は、グループ各社の内部統制に関する重要な事項が判明した場合には、その旨を取締役会へ報告しています。
・当社の内部監査部門は監査結果を執行役員社長および監査等委員会に報告するほか、取締役会にも報告しています。
・当社の内部監査の状況については、「(3)監査の状況 ②内部監査の状況」に記載のとおりです。
⑤ 責任限定契約および役員等補償契約の概要
・責任限定契約の内容の概要
業務執行取締役等である者を除く取締役と当社は、会社法第427条第1項に基づく責任限定契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額であります。また、吉田芳明氏は非業務執行取締役となりますので、2024年6月28日開催予定の定時株主総会で原案どおり選任されますと、当社は、同氏との間で当該契約を新たに締結する予定であります。
・役員等との間で締結している補償契約の内容の概要
当社は、当該取締役全員との間に、会社法第430条の2第1項に基づく補償契約を締結しております。当該契約では、同項第1号の費用および同第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしております。ただし、当該補償契約によって会社役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、一定の免責事由を設けるとともに、300万円以上の補償を受ける際には取締役会にて審議を経ることとしております。
・役員等を被保険者として締結している役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、取締役、執行役員および管理・監督者の地位にある従業員を含む全従業員ならびに子会社の役員および管理・監督者の地位にある従業員を含む全従業員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。
保険料は特約部分も含めその全額を被保険者が所属する会社が負担しており、被保険者の実質的な保険料負担はありません。
当該保険契約では、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと、または、当該責任の追及に係る請求を受けることによって被保険者が負担することとなる損害賠償費用・争訟費用について填補することとしております。
なお、当該保険契約では、被保険者が法令違反に当たる行為であることを認識して行った行為に起因して当該被保険者自身に生じた損害は填補されないなど、一定の免責事由を設けることにより、被保険者の職務執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じております。
⑥ 当社定款の規定
・取締役の定数
当社の取締役は15名以内とし、そのうち監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めております。
・取締役の選任および解任の決議要件
取締役は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して、株主総会で選任します。当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。取締役の解任決議については、会社法第341条に基づき、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行うこととなります。
また、取締役の選任は、累積投票によらない旨定款に定めております。
・取締役会で決議できる株主総会決議事項
当社は、経営判断をより機動的に行えるよう、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨定款に定めております。
当社は、取締役が職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む)の損害賠償責任を法令の限度において取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めております。なお、当社は、監査等委員会設置会社への移行に関する定款の変更前の監査役の行為に基づく責任の取締役会の決議による一部の免除および当該責任の限定に関する契約については、当該変更前の定款の定めがなお効力を有する旨定款の附則に定めております。
・株主総会の特別決議要件
当社は、特別決議を機動的に行えるよう、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、「先端技術を先端で支える」を経営理念とし、世界中のお客さまにご満足いただける製品・サービスを提供するために、たえず自己研鑚に励み、最先端の技術開発を通して社会の発展に貢献することを使命としています。
この経営理念に従い、当社グループは、すべてのステークホルダーに対して、常に心を開き、正直であり、お互いを尊敬することで、当社グループの持続的な発展と中長期的な企業価値の向上を目指します。また、あらゆる事象に対し、表層に現われている現象の「根源にあるものは何か」、そこに「内包される本質は何か」を厳しく追求し、正しいソリューション(解決)を見出すように努めます。これらを体現していくため、公平、効率的かつ透明性の高いガバナンス体制を構築することをコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としております。
当社グループでは上記の考え方をThe Advantest Wayとして体系化し、当社グループ全役員および従業員の活動の基礎として周知徹底しています。The Advantest Wayの詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方および取組」に記載のとおりです。
② 企業統治の体制の概要
<取締役会>取締役会は、経営の意思決定機関として、グループ全体の経営方針、経営戦略などの重要事項について決定するとともに、業務執行機関の業務執行を監視、監督しております。当社は、取締役の過半数を社外取締役とすることで、取締役会の監視、監督機能を強化しております。
・構成
有価証券報告書提出日(2024年6月26日)現在の取締役会は、業務執行取締役(社内取締役)2名、非業務執行取締役(社内取締役)2名、非業務執行取締役(社外取締役)5名、計9名(いずれも監査等委員である取締役を含む)、うち2名は外国籍(米国籍)、2名は女性の取締役で構成されております。取締役会の議長は、非業務執行の取締役会長である吉田芳明氏が務めております。取締役会の構成員の詳細につきましては、「(2)役員の状況」に記載のとおりです。
| 区分 | 氏名 | 取締役会出席状況 (13回開催) | 指名報酬委員会出席状況 (14回開催) | |
| 社内 取締役 | 業務 執行 | Douglas Lefever | 100%(13回) | - |
| 津久井 幸一 | 100%(13回) | - | ||
| 非業務執行 | 吉田 芳明 | 100%(13回) | 100%(14回) | |
| 栗田 優一 | 100%(13回) | - | ||
| 社外 取締役 | 占部 利充 | 100%(13回) | 100%(14回) | |
| Nicholas Benes | 100%(13回) | - | ||
| 西田 直人 | 100%(10回) | - | ||
| 住田 清芽 | 100%(13回) | 100%(14回) | ||
| 中田 朋子 | 100%(10回) | - | ||
なお、2024年6月28日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名選任の件」および「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しております。当該議案が承認可決された場合についても、取締役会の構成に変更はありません。また、当該定時株主総会において取締役選任議案が会社提案のとおり可決された場合、2024年6月28日開催予定の臨時取締役会以降も吉田芳明氏が議長を務める予定です。
・活動状況
定例の取締役会は月1回開催し、1回につき3~5時間程度かけて重要事項について議論しています。また、取締役会の中で議論しきれない中長期的な課題については、オフサイトミーティングを開催し、その中で取締役会メンバーが議論しています。取締役会の議論を確実に執行側のオペレーションに反映させるため、社外取締役から指摘された課題や助言を明文化し、それら事項に対する執行側の対応状況を翌月の取締役会で報告しています。なお、取締役の多様化に伴い意思の疎通が取れないことがないよう、取締役会には同時通訳を配し日本語、英語双方で自由に発言ができるよう配慮しており、資料および議事録についても英訳を準備しています。
当連結会計年度において取締役会は13回、オフサイトミーティングを1回開催し、全取締役がすべての回に出席しております。取締役会およびオフサイトミーティングでは、様々な議題に対して幅広い知識と経験を有する取締役がそれぞれの視点から意見を表明し、活発な議論が交わされています。
当連結会計年度における取締役会およびオフサイトミーティングでの主な討議・報告事項は、以下のとおりです。
- 2024年度から次期中期経営計画をスタートさせるにあたり、目まぐるしく変化しつつも成長が期待できる半導体市場において当社グループのより一層の飛躍を実現するため、2024年4月1日付でグループ経営執行の最高責任者(Group CEO)をDouglas Lefever氏 とし、Group COOおよび当社の社長を津久井幸一氏に変更することを決議しました。
- 第2期中期経営計画(MTP2)の最終年度である当年度の取り組みの進捗、および中期経営計画期間全体における経営指標と戦略施策の達成度を総括し、取締役会に報告しました。
- 中長期経営方針「グランドデザイン」の改定および第3期中期経営計画(MTP3)の策定に向けて討議を重ねました。中でも中核テーマとなる、中長期的に当社がありたい姿について取締役会で議論を深めました。
- 当社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、より投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ることを目的に、2023年9月30日を基準日として、当社普通株式1株を、1株につき4株の割合をもって分割することを決議しました。
- 成長投資として過去実施したM&Aのレビューを報告し、今後のM&Aへの教訓等について議論しました。
- IR報告を行い、投資家とのコミュニケーション状況や株主の保有状況について取締役会に報告しました。
- ESG行動計画2021-2023の進捗について取締役会に報告するとともに、次期サステナビリティ行動計画や各種法令対応について議論しました。
- 売上や利益、キャッシュ・フロー等の現況について毎月取締役会で報告を行いました。棚卸資産残高の増加を受け、全体のオペレーションにおける課題について議論しました。
- コンプライアンス報告を年4回、内部監査報告を年2回行い、ヘルプラインからの通報を含むコンプライアンスに係るインシデントや内部監査体制と内部監査指摘事項について取締役会に報告しました
<指名報酬委員会>当社は、取締役および執行役員の選任・選定、解任・解職ならびに報酬の公正性、妥当性および透明性を向上させることを目的として、取締役および執行役員の選解任および報酬の決定にあたり取締役会の役割を補完する任意の機関として指名報酬委員会を設置しています。指名報酬委員会が指名委員会および報酬委員会双方の機能を担っています。
指名報酬委員会は、取締役および執行役員の選解任等については、取締役会の定める「取締役および執行役員を選任・選定、解任・解職するに当たっての方針と手続」(以下、「方針と手続」という。)に従い、当社グループの持続的な発展と中長期的な企業価値の向上に貢献できる人物を候補者として取締役会に答申します。独立社外取締役については、前述の「方針と手続」に加え、取締役会の定める「独立社外取締役の独立性判断基準」に従い、豊かな知見を持ち、取締役会への積極的な貢献が期待できる人物を候補者として取締役会に答申します。取締役会はそれらの答申について審議し、取締役候補者を決定、および執行役員を選任します。
取締役および執行役員の解任・解職については、指名報酬委員会から解任・解職基準に該当するとの審議結果の報告があった場合、または他の取締役から解任・解職基準に該当する旨の提案があった場合に取締役会で審議します。
・構成
指名報酬委員会は、取締役会決議により、取締役の中から選定された委員によって構成されます。独立した視点を取り入れるため、委員の過半数は社外取締役により構成されております。委員長は社外取締役としております。
有価証券報告書提出日現在の委員は、占部利充氏、住田清芽氏および吉田芳明氏が務めており、占部利充氏が委員長を務めております。また、2024年6月28日開催予定の定時株主総会後に開催が予定されている取締役会において、指名報酬委員として上記3名を選任し、占部利充氏を委員長に選定する予定です。
・活動状況
当連結会計年度において指名報酬委員会は14回開催し、占部利充氏、住田清芽氏および吉田芳明氏はいずれも14回出席しており、出席率は100%であります。当連結会計年度における指名報酬委員会における主な検討内容は、以下のとおりです。なお、次年度以降も以下の課題について継続的に議論と検討を重ねていきます。
- 最高経営責任者等の後継者の計画について
当社では2024年4月1日付で、Group CEOを吉田芳明氏からDouglas Lefever氏に変更しました。その検討プロセスは以下のとおりです。
当社は、吉田芳明氏がCEOに就任(2017年1月)して4年が経過する2020年頃から、本格的に後継者計画の検討を開始しました。指名報酬委員会を中心に、CEOや経営執行役員の評価および事業面・人財面の状況と課題を社外取締役とCEOで共有し、取締役会に報告しました。2022年からは、外部専門家を起用して、これらの課題を客観的視点で再整理し、次期CEOと経営チームの要件を指名報酬委員会と取締役会で討議・再確認しました。候補者については、社内と社外の両方から探し、候補者に対して外部専門家のアセスメントを実施しました。その結果、次世代は、Douglas Lefever氏と津久井幸一氏を中心にしたトップマネジメント体制が最も適切であるという結論に至り、2022年秋に指名報酬委員会から取締役会へ報告しました。この構想に基づき、2023年1月からLefever氏と津久井氏の両氏を代表取締役兼執行役員副社長に任命し、この準備期間を経て、両氏の適性や組み合わせを再確認することができたため、2024年4月から新体制に移行することに決めました。新体制では、Douglas Lefever氏が代表取締役兼経営執行役員 Group CEOとして、アドバンテストグループ全体の最高経営執行責任者になり、津久井幸一氏が代表取締役兼経営執行役員社長 Group COOとして日本法人である株式会社アドバンテストの業務執行を担うとともにGroup CEOを補佐し、吉田芳明氏が取締役会長として取締役会の議長を務めます。今後の後継者計画についても、同様のプロセスで進めていく予定です。
- 取締役および執行役員の候補者ならびに経営体制について
2023年6月以降の取締役・執行役員体制については、候補者を選定し取締役会に提案するとともに、CxO体制の強化を含む経営体制に関する議論を行い、取締役会へ提案しました。
2024年6月以降の取締役・執行役員体制については、取締役会の構成や候補者の選定に関する議論を行うとともに、Group CEOの変更に伴う経営体制などの議論を行い、適宜取締役会に報告しました。
- 取締役、経営執行役員に求める知見・経験(スキルマトリックス)について
スキルマトリックスは、経営環境の分析・予測から始まり、当社の経営戦略・事業戦略、それらを実行する執行体制、経営執行を監督、指導する取締役会体制への流れで執行体制および取締役会体制を検討する際に参照するツールであるとの認識のもと、非業務執行取締役との議論も踏まえ、取締役、執行役員に求める知見・経験の要素を設定しました。
- 役員報酬制度の運用について
あらかじめ設定された各役員の役割および期待する成果に対する実績を評価した上で、2022年度役員賞与個人別評価について議論、決定しました。
2023年度役員固定報酬、業績連動賞与の業績指標、株式報酬について議論し、取締役会に提案しました。
経営体制の変更および新しい中期経営計画等を踏まえ、役員報酬制度の一部見直しについて議論を行い、取締役会に提案しました。
<監査等委員会>監査等委員会の活動状況については、「(3)監査の状況 ①監査等委員会監査の状況」に記載のとおりです。
<経営会議>当社は、業務執行機関が迅速かつ効率的な業務執行ができるように必要な権限委譲を行っており、経営会議を重要な業務執行の決定機関としております。権限委譲された業務のうち、一定以上の重要案件については、原則経営会議での審議が行われます。会議は月2回程度開催しております。
経営会議は経営執行役員で構成されております。執行役員の中からグループ経営を牽引するにふさわしい役員を経営会議のメンバーとして経営執行役員に任命しております。経営会議の構成員の詳細につきましては、「(2)役員の状況」に記載のとおりです。経営会議の議長につきましては、2024年3月末をもって吉田 芳明氏が代表取締役兼執行役員社長・Group CEOを退任したことに伴い、2024年4月以降はDouglas Lefever氏が議長を務めています。2024年6月28日開催予定の臨時取締役会以降もDouglas Lefever氏が議長を務める予定です。
当社の経営上の意思決定、業務執行および監査に係るコーポレート・ガバナンス体制の概要を図示するとは以下のとおりとなります。

③ 企業統治の体制を採用する理由
当社は、2015年6月24日に監査等委員会設置会社に移行しました。監査等委員会設置会社の下では、監査等委員である取締役が取締役会において議決権を持つことになるなど、取締役会の監査・監督機能を一層強化することができるようになるとともに、業務執行の多くの権限を執行役員に委譲することで迅速な業務執行ができるようになっています。それらにより、持続的な発展と中長期的な企業価値の向上を図ることができると考え、当社では、監査等委員会設置会社および執行役員制度を採用しています。
また、当社グループの持続的な発展と中長期的な企業価値の向上につながる助言と経営の監視・監督を行うためには、取締役会の構成員の中に一定程度の人数の外部者が必要であると考え、当社では5名の社外取締役を選任しています。2024年6月28日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名選任の件」および「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しておりますが、当該議案が承認可決された場合、引き続き取締役の過半数が社外取締役となります。
④ 企業統治に関するその他の事項
<内部統制システムの整備の状況>・当社は、経営の効率化を図るため、取締役会が取締役会規則に基づき経営の意思決定および監督を行い、執行役員および従業員は、グローバル組織およびグローバル職務権限規定に基づき業務執行を行っております。2023年6月にCxOの役割および体制を見直したことに伴い、2023年11月に経営会議からCxOおよびユニットリーダーへの権限委譲を進めるとともに適切な内部統制を維持しつつ、プロセスやオペレーションをシンプル、明確、簡潔にするため、グローバル組織およびグローバル職務権限規定を改定しました(2023年12月施行)。
・当社は、経営会議を重要な業務の決定機関としております。執行役員の中からグループ経営を牽引するにふさわしい役員を経営会議のメンバーとして経営執行役員に任命しております。また、スピード感のある経営を実現するため、経営会議からユニットリーダーに大幅に権限を委譲しております。
・2024年度から次期中期経営計画をスタートさせるにあたり、目まぐるしく変化しつつも成長が期待できる半導体市場において当社グループのより一層の飛躍を実現するため、2024年4月1日付でグループ経営執行の最高責任者(Group CEO)をDouglas Lefever氏とし、Group COOおよび当社の社長を津久井 幸一氏に変更しました。
・当社では、日々の業務でINTEGRITYを体現すること、INTEGRITYを真の企業文化とすることを目指す取り組みを進めております。具体的には、INTEGRITYを体現している従業員を、周りの従業員の推薦により表彰し称える「The INTEGRITY Award」を2022年度より開始しました。また、INTEGRITYを企業文化に確実に取り込むため、従来の短期的なプロジェクトではなく、全世界の各ユニットから「INTEGRITY Ambassador」を任命し、Group CEOをトップとした「Culture Council」がそれをサポートする体制を2022年度に整えました。全社および各ユニットでの具体的な活動を進めることによりINTEGRITYの浸透を目指しています。
・当社は、ヘルプラインの窓口を社内外に設置しております。2023年3月にヘルプラインの外部窓口をより秘匿性の高いシステムに移行しました。ヘルプラインの役割等を全世界の役員および従業員に対して周知徹底し、適切な通報体制を構築しております。また、2023年度より、コンプライアンス意識向上と最低限のルールを知ることを目的とした基礎教育をアドバンテストグループすべての従業員に届けるGCEP(Group-wide Compliance Education Program)を開始しました。「The Advantest Way」、「フェア・ディスクロージャー/インサイダー取引」、「情報セキュリティ」、「輸出管理」など11のe-learningを16言語(一部を除く)で実施しております。
<リスク管理体制等の整備の状況>・当社では、世界経済や事業環境全般における広範なリスクについて取締役会や経営会議にて議論を行うことに加え、執行役員社長が委員長を務め、社外取締役がオブザーバーとして参加できる内部統制委員会が、当社グループ全体の重要なリスクの全社横断的な洗い出しおよび分析を行い、リスクごとの責任部門と対応の方針と手順を明確にしております。また、内部統制システムの整備および運用状況、内部統制の評価過程にて重大な欠陥および重要な不備が発見された場合については、取締役会へ報告することとしております。
・当社は、執行役員社長を本部長とする危機管理本部を設置し、洪水やパンデミック等の災害の緊急事態に対応しています。2023年度は主要な国内事業所においてBCM(Business Continuity Management)を、(1)初動対応(ERP*1)、(2)本社および現地対策本部による検討/指示(CMP*2)、(3)事業継続/復旧(BCP*3)の3フェーズに分けて再構築しました。従来のBCPは地震と河川氾濫に限定したものでしたが、事象に限定しないBCPをISOに準拠した形式で作成しました。また、新しいBCPに基づき、訓練を実施しております。2024年度は、国内の他事業所および主要な海外拠点への展開を図る予定です。
*1 ERP: Emergency Response Plan
*2 CMP: Crisis Management Plan
*3 BCP: Business Continuity (Recovery) Plan
・当社は、株主総会、取締役会の議事録および関連資料、取締役の職務執行に関する重要な文書を社内規定に基づいて保存管理しております。また、グループ全体の情報セキュリティ基本方針の遂行のために、従来の情報セキュリティ委員会を2023年8月よりGlobal Information Security Committeeと改め、海外子会社のメンバーも加えた組織に変更しました。当該Committeeは四半期に1度開催し、セキュリティインシデントの共有と再発防止策、個人情報の保護と機密情報の漏洩防止の対策、ITシステムのセキュリティの維持と向上に取り組んでおります。
・当事業年度は、サイバー攻撃に対する模擬訓練を実施するとともに、フィッシングメールを受信した場合には、適宜従業員に注意喚起しております。
・当社は情報セキュリティマネジメントシステムであるISO27001の認証取得を2021年より開始しました。同年8月に当社が日本で取得し、2022年5月にドイツの当社子会社が、2023年5月には米国の当社子会社が認証を取得しました。
<子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況>・当社は、当社グループ全体として重要な業務プロセスを設定し、リスク分析およびそれらのリスクへの適切な対応について指導することによりグループ会社で同質の内部統制システムを構築、運営しております。内部統制委員会は、社内監査部門が実施する各ユニットについてのCSA(統制自己評価)に基づき各社の内部統制状況を把握するとともに、社内監査部門の監査により状況を把握し、グループ各社が内部統制システム構築の方針のとおり運営できるように指導しております。また、内部統制委員会は、グループ各社の内部統制に関する重要な事項が判明した場合には、その旨を取締役会へ報告しています。
・当社の内部監査部門は監査結果を執行役員社長および監査等委員会に報告するほか、取締役会にも報告しています。
・当社の内部監査の状況については、「(3)監査の状況 ②内部監査の状況」に記載のとおりです。
⑤ 責任限定契約および役員等補償契約の概要
・責任限定契約の内容の概要
業務執行取締役等である者を除く取締役と当社は、会社法第427条第1項に基づく責任限定契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額であります。また、吉田芳明氏は非業務執行取締役となりますので、2024年6月28日開催予定の定時株主総会で原案どおり選任されますと、当社は、同氏との間で当該契約を新たに締結する予定であります。
・役員等との間で締結している補償契約の内容の概要
当社は、当該取締役全員との間に、会社法第430条の2第1項に基づく補償契約を締結しております。当該契約では、同項第1号の費用および同第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしております。ただし、当該補償契約によって会社役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、一定の免責事由を設けるとともに、300万円以上の補償を受ける際には取締役会にて審議を経ることとしております。
・役員等を被保険者として締結している役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、取締役、執行役員および管理・監督者の地位にある従業員を含む全従業員ならびに子会社の役員および管理・監督者の地位にある従業員を含む全従業員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。
保険料は特約部分も含めその全額を被保険者が所属する会社が負担しており、被保険者の実質的な保険料負担はありません。
当該保険契約では、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと、または、当該責任の追及に係る請求を受けることによって被保険者が負担することとなる損害賠償費用・争訟費用について填補することとしております。
なお、当該保険契約では、被保険者が法令違反に当たる行為であることを認識して行った行為に起因して当該被保険者自身に生じた損害は填補されないなど、一定の免責事由を設けることにより、被保険者の職務執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じております。
⑥ 当社定款の規定
・取締役の定数
当社の取締役は15名以内とし、そのうち監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めております。
・取締役の選任および解任の決議要件
取締役は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して、株主総会で選任します。当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。取締役の解任決議については、会社法第341条に基づき、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行うこととなります。
また、取締役の選任は、累積投票によらない旨定款に定めております。
・取締役会で決議できる株主総会決議事項
当社は、経営判断をより機動的に行えるよう、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨定款に定めております。
当社は、取締役が職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む)の損害賠償責任を法令の限度において取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めております。なお、当社は、監査等委員会設置会社への移行に関する定款の変更前の監査役の行為に基づく責任の取締役会の決議による一部の免除および当該責任の限定に関する契約については、当該変更前の定款の定めがなお効力を有する旨定款の附則に定めております。
・株主総会の特別決議要件
当社は、特別決議を機動的に行えるよう、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。