有価証券報告書-第41期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成におきまして、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。
もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積れるような場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。
NIDECは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用されるNIDECの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと認識しております。
①たな卸資産
たな卸資産は、当社の連結財務諸表において低価法により評価されております。NIDECは販売傾向と需要予測、技術革新等により変化する、たな卸資産の市場価値を定期的に評価しております。予期しない市場価格の下落、需要の変化あるいは生産ラインの変更の結果、たな卸資産評価損を追加認識しなければならない可能性があります。
②市場性のある有価証券の減損
NIDECの市場性のある有価証券には、売却可能有価証券と満期保有目的有価証券があります。決算日において、一時的ではない、市場性のある有価証券の減損は当該会計期間で損失計上されます。売却可能有価証券の減損については、公正価値が帳簿価額を下回っている期間と程度に基づいて一時的であるか否かを判定しております。NIDECは、これらの各企業に対する投資が減損しているか否か、そしてその減損が一時的であるか否かを判断するために、各社の財政状態や各社が事業を行っている市場状況を検討することによって、当該投資の回収可能性を評価するという体系的な手法を採用しております。
NIDECは以下の理由により、投資の減損に関連する見積りが重要な会計方針であると考えております。
・NIDECが被投資会社の将来の財政状態とキャッシュ・フローに関する仮定を立てることを必要としている。
・減損の認識は当社株主に帰属する当期純利益への影響はもちろん、総資産にも大きく影響を与えることが考えられる。
なお、当連結会計年度の有価証券の減損はありません。
③貸倒引当金
NIDECは、一般債権を貸倒損失の実績値で評価し貸倒引当金を計上しています。それに加え、回収不能とみなされた特定の顧客の債権に対して追加で引当金を計上しています。NIDECは顧客の財政状態の変化と回収期限切れの債権の状況をもとに、これら特定の債権に対する引当金計上の必要性を判断しています。NIDECの顧客は集中しており、主要顧客のたった1社の支払不履行や支払遅延でさえ、多額の引当金の追加計上が必要になるかもしれません。更に、経済が沈滞している間は、いくつかの顧客がキャッシュ・フローにおいて困難な状況に直面するかもしれません。
NIDECは、信頼性のある見積りのもと貸倒引当金を計上していると考えておりますが、経済状況だけでなく顧客の集中がNIDECの正確な貸倒引当金の見積りに影響を与える可能性があります。
④繰延税金資産
連結財務諸表の作成過程において、NIDECが事業を展開する各管轄地の法人税を見積ることが要求されております。これは繰延収益のように税務と会計の視点から異なる扱いの項目から発生する一時差異を評価することを含めて、NIDECの実際の税負担を見積ることを要求しています。この差異は繰延税金資産・負債として認識されます。そして、その繰延税金資産は将来の課税所得から回収されるかどうか可能性を評価しなければならず、回収可能性が見込めない場合は評価性引当金を設定しなければなりません。実際の結果が見積りと異なる場合、あるいは将来これらの見積りを修正する場合には、評価性引当金を追加設定する必要があり、財政状態と経営成績に不利な影響を与える可能性もあります。
⑤長期性資産の減損
主に有形固定資産から構成される長期性資産は、当連結会計年度末においてNIDECの連結総資産の約25.6%を占めております。NIDECはこれらの資産の見積経済耐用年数の適正性を注視しております。NIDECが長期性資産の減損の適用を始めた平成14年4月1日以降、これらの資産が回復不能であるかもしれない価値下落の発生を示すような事象や状況の変化が起こった場合には、NIDECは減損の調査を行っております。当該資産の帳簿価額が、その資産から将来生み出されると期待される割引前のキャッシュ・フローを上回る場合に減損損失が認識されます。NIDECは、資産の状態や将来の使用見込みから減損の可能性のある遊休資産をレビューしております。技術の変化や市場の需要の変化、NIDECの製品構成計画の変化やこれらの資産の使用用途の変更は、見積られた使用期間や資産価値に変化を引き起こす可能性があります。更に、競合会社の増加といったような一般的な経営環境の変化もこれらの資産価値に変化を引き起こす可能性があります。見積経済耐用年数と潜在的減損の測定に用いられた見積りや仮定は、重要な判断を必要とします。
⑥買収
近年、NIDECはいくつかの重要な企業買収をしております。平成21年3月31日までそれらはパーチェス法を用いて会計処理しておりました。平成21年4月1日よりASC 805「企業結合(Business Combinations)」を適用しており、企業買収は取得法を用いて会計処理しております。パーチェス法及び取得法の適用にあたっては、取得価額と取得した純資産の公正価値の調整や耐用年数の見積りに複雑な判断を要します。資産と負債の公正価値の測定は、主にキャッシュ・フロー分析や市場価格などに基づいており、独立した鑑定人の評価報告を受けております。
⑦営業権の評価
NIDECは企業結合により発生した営業権は償却せず、年1回(1月1日)レポーティング・ユニットレベルで減損判定を行います(レポーティング・ユニットとは、ASC 280「セグメント情報(Segment Reporting)」における報告対象セグメントと同じか一段低いレベルとASC 350「無形資産-営業権及びその他(Intangibles-Goodwill and Other)」において定義されております)。更に、回復不能であるかもしれない価値下落の発生を示すような事象や状況の変化が起こった場合に営業権の減損の判定を行います。具体的には、以下のような事象が発生した場合に減損の判定を行います。
・著しく低調な営業実績または将来予測される営業成績
・事業全体の経営戦略の重要な変更
・著しくネガティブな業界動向または経済動向
・買収企業の株価の長期にわたる深刻な下落
・買収企業の時価総額と帳簿価額の重大な差
営業権は2ステップの減損判定を行います。第1ステップでは、レポーティング・ユニットの公正価値と簿価(営業権を含む)を比較します。公正価値が簿価を上回っている場合は減損していないと考えられます。もし、簿価が公正価値を上回る場合には減損の測定をするために第2ステップを実施します。第2ステップでは、レポーティング・ユニットの営業権の公正価値とその簿価を比較します。
この営業権の減損判定における公正価値の計算の感応度分析をするため、NIDECはそれぞれのレポーティング・ユニットレベルの公正価値が下落したと仮定して計算を行います。割引キャッシュ・フローモデルに基づき、各レポーティング・ユニットの簿価を上回る十分な公正価値を確認しており、減損の兆候に該当する事象が発生することは予測されておりません。また、レポーティング・ユニットのうち上場子会社に配分された営業権の減損を判定する際、その上場子会社ごとの簿価とコントロール・プレミアムを考慮した時価総額とを検討しております。コントロール・プレミアムは比較可能な企業の支配持分の取得事例の中からコントロール・プレミアムを識別することが可能であった取引に基づいて見積もられております。ただし、上場子会社株式の取引は行われていても、取引量が少ないことに起因し、常に高い流動性を保持しているとは限りません。コントロール・プレミアム考慮前の時価総額はテスト基準日における発行済株式数と株価に基づき算出されております。
NIDECは、上記事象が発生し減損の判定を行い営業権の評価を決定する際に、NIDECの現状のビジネスモデル特有のリスクに見合った将来予測割引キャッシュ・フローに基づいて減損を測定します。この将来予測割引キャッシュ・フローの変化は営業権の評価に重要な影響を与える可能性があります。このモデルは予測キャッシュ・フロー、技術変化、顧客需要、自然災害に起因する経済回復の予測と実態の乖離など不確実な要素を含んでおります。
⑧年金制度
NIDECは、確定給付年金制度に関して、数理計算に基づき会計処理を行っております。従業員年金費用及び給付債務の計算では、年金資産の予想収益率、割引率、賃金水準の増加率、そして従業員の平均残存勤務年数などの構成要素を想定することが要求されています。NIDECは年金資産の予想収益率を作成するために、過去の長期実質収益情報、及び将来の長期投資収益の見積りを、外部情報を参照することにより使用しております。割引率は年金給付の満期と同じ満期の信用力の高い債券の利率を基に仮定しています。また賃金水準の上昇率と平均残存勤務年数は過去のデータを基に仮定しています。これらの仮定の変更はNIDECの年金費用に影響を与えます。
⑨法人税
ASC 740「法人所得税(Income Taxes) 」を適用しております。NIDECは法人税等の不確実性の評価及び見積りにおいて多くの要素を考慮しており、それらの要素には、税務当局との解決の金額及び可能性、並びに税法上の技術的な解釈を含んでおります。不確実性に関する実際の解決が見積りと異なるのは不可避的であり、そのような差異が連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
(2)経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度の連結売上高は、前年度比23.4%増収の8,751億9百万円となり過去最高となりました。なお、当連結会計年度の平均為替レートは対ドルで円安(1ドル当たり100.24円で前年度比17.14円(約21%)の円安)、対ユーロでも円安(1ユーロ当たり134.37円で前年度比27.23円(約25%)の円安)が進みました。前年度比の為替の影響は売上高では約1,182億円の増収要因となりました。製品グループ別の売上高と営業利益の状況は以下のとおりであります。
「精密小型モータ」製品グループの売上高は前年度比13.4%増収の3,625億13百万円、為替の影響は前年度比約540億円の増収要因となりました。HDD用モータは前年度比12.1%増収の1,855億6百万円となりました。販売数量は、前年度比約3%減少しました。その他小型モータはDCモータ、ファンモータ、その他精密小型モータ共に増収となり、売上高は前年度比14.7%増収の1,770億7百万円となりました。
「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの売上高は前年度比38.9%増収の3,452億36百万円となりました。家電・商業・産業用ではエアコン用モータの増収を始め、前年度の期中に買収した新規連結のNidec ASI S.p.A.(以下「Nidec ASI社」)、Nidec Avtron Automation Corporation(以下「Nidec Avtron社」)、Nidec Kinetek Corporation(以下「Nidec Kinetek社」)の3社の売上と為替の影響により、前年度比42.2%の増収となりました。車載では当第4四半期連結会計期間に買収が完了した新規連結の日本電産サンキョーシーエムアイの売上分と電動パワーステアリング用モータ等の新機種量産開始及び新規顧客向け製品の量産開始と為替の影響により、前年度比32.9%の増収となりました。なお、「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの売上高への為替の影響は前年度比約489億円の増収要因となりました。
「機器装置」製品グループの売上高は液晶ガラス基板搬送用ロボットとカードリーダの増収を主な要因として前年度比36.9%増収の869億55百万円となりました。
「電子・光学部品」製品グループの売上高は住設機器向け製品などが堅調に推移し、前年度比5.3%増収の728億45百万円となりました。
「その他」製品グループの売上高は前年度比9.7%減収の75億60百万円となりました。
②売上原価
売上原価は6,746億99百万円で前年度比1,020億65百万円(17.8%)の増加となりました。Nidec ASI社、Nidec Avtron社、SCD Co., Ltd.、Nidec Kinetek社、日本電産凱宇汽車電器(江蘇)有限公司及び日本電産サンキョーシーエムアイ株式会社(以下「新規連結子会社」)の影響を除くと、6,087億12百万円で前年度比664億19百万円(12.2%)の増加となります。この増加は、主に売上高の増加、円安によるものです。売上高比は前連結会計年度80.7%から当連結会計年度77.1%に減少致しました。新規連結子会社の影響を除くと、売上高比は前連結会計年度80.8%から当連結会計年度77.1%に減少致しました。この減少は、主に全製品に占める高い利益率の製品の増加、前連結会計年度にいくつかの主力製品が急激かつ大幅な需要減少に見舞われたことによるたな卸資産の減損があった影響で当連結会計年度は単位当たりの固定費用が改善したこと及び原材料価格の低下によるものです。
③販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は775億34百万円で前年度比72億26百万円(8.5%)の減少となりました。新規連結子会社の影響を除くと、639億83百万円で前年度比126億99百万円(16.6%)の減少となります。この減少は主に前連結会計年度の固定資産関連損失によるものであります。前連結会計年度下期にパーソナルコンピュータ関連、デジタルカメラ関連、液晶パネル製造装置関連等の主力製品が急激かつ大幅な需要減少に見舞われたため、NIDECは収益構造改革やリースバック取引を行いました。
売上高比は前連結会計年度12.0%から当連結会計年度8.9%に減少致しました。新規連結子会社の影響を除くと、売上高比は前連結会計年度11.4%から当連結会計年度8.1%に減少致しました。
④研究開発費
研究開発費は378億8百万円で前年度比35億30百万円(10.3%)の増加となりました。新規連結子会社の影響を除くと、361億12百万円で前年度比25億87百万円(7.7%)の増加となります。この増加は主に「車載及び家電・商業・産業用」製品グループ、「精密小型モータ」製品グループの開発費用の増加によるものであります。売上高比は前連結会計年度4.8%から当連結会計年度4.3%に減少致しました。新規連結子会社の影響を除くと、売上高比は前連結会計年度5.0%から当連結会計年度4.6%に減少致しました。
⑤営業利益
営業利益は850億68百万円で前年度比674億70百万円の増加となりました。
「精密小型モータ」製品グループの営業利益は前年度比2.5倍の567億3百万円となりました。前期構造改革効果を含む原価改善と収益性向上、また為替の影響による増益要因が約130億円となっております。
「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの営業利益は前年度比8.4倍の224億9百万円となりました。これは、売上増加、新規連結子会社の内のNidec ASI社、Nidec Avtron社、Nidec Kinetek社の影響及び為替の影響が主因となっております。
「機器装置」製品グループの営業利益は増収により前年度比72.2%増益の120億81百万円となりました。
「電子・光学部品」製品グループの営業利益は増収に加えて、生産性改善、原価改善、固定費削減により14億48百万円となりました。
「その他」製品グループの営業利益は前年度比59.0%減益の3億66百万円となりました。
これらの結果、営業利益率は前連結会計年度2.5%から当連結会計年度9.7%に増加致しました。
⑥その他の収益・費用
その他の収益・費用は4億4百万円の費用(純額)で前年度比37億96百万円(90.4%)の減少となりました。新規連結子会社の影響を除くと、1億27百万円の費用(純額)で前年度比39億15百万円の減少となります。この減少は主に為替差損の減少によるものであります。
為替差損は56百万円で前年度比29億17百万円(98.1%)の減少となりました。新規連結子会社の影響を除くと、為替差損益は2億63百万円の利益(前連結会計年度は29億84百万円の損失)となりました。この改善は主に前連結会計年度と比較して外貨建負債が減少したこと及び円安が進んだためであります。
下記の表は日本円と米国ドル及び日本円とユーロの為替レートを示しております。
⑦税引前当期純利益
税引前当期純利益は846億64百万円で前年度比712億66百万円の増加となりました。売上高比は前連結会計年度1.9%から当連結会計年度9.7%に増加致しました。
⑧法人税等
法人税等は257億29百万円で前年度比191億67百万円の増加となりました。この増加は主に税引前当期純利益の増加によるものです。
当連結会計年度の実効税率は、30.4%となり、前連結会計年度の実効税率と比較して18.6ポイント減少しました。この税率が減少した主な要因は、前期において発生した子会社における繰越欠損金に係る繰延税金資産の取り崩しに伴う評価性引当金の計上が、当期においては業績の回復により大幅に減少したためであります。
⑨持分法投資損益
持分法投資損益は25百万円の損失(前連結会計年度は13百万円の利益)となりました。
⑩非支配持分控除前当期純利益
非支配持分控除前当期純利益は589億10百万円で前年度比520億61百万円の増加となりました。
⑪非支配持分帰属損益
非支配持分帰属損益は25億6百万円の利益(前連結会計年度は11億37百万円の損失)となりました。これは主にNIDECが100%未満で所有している日本電産コパル電子グループを始めとしたグループ会社の高い利益によるものであります。
⑫当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は564億4百万円で前年度比484億18百万円の増加となりました。売上高比は前連結会計年度1.1%から当連結会計年度6.4%に増加致しました。
(3)財政状態の分析
当社の手元流動性は、主に営業キャッシュ・フロー及び長期の有利子負債で賄われております。キャッシュ・フロー改善のために、ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)に焦点をあて、運転資金の効率化に取り組んでおります。なお、ワーキングキャピタルは前連結会計年度末の1,358億13百万円から当連結会計年度末は3,335億53百万円へ増加しております。また、当社の運転資金を有効活用するために、日本及び中国においてキャッシュマネジメントシステム等を活用したグループ間での余剰資金活用も継続しております。
当社及び当社の連結子会社(以下「NIDEC」)の現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は2,477億40百万円であり、前連結会計年度末は1,934億20百万円でありました。なお当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約87%を日本以外の子会社で保有しています。
グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、日本電産への資金の効率的なグループ会社間の送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ・フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めております。なおこの制限は、当社の流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。
NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・M&A・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは支払手形及び買掛金を1,663億83百万円、短期借入金を226億円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を3,286億56百万円保有しております。さらに、当連結会計年度末時点において、2,286億74百万円の銀行に対するクレジットラインを保有しております。
当連結会計年度の設備投資による支払は402億97百万円であり、翌連結会計年度の主要な設備投資は182億78百万円を計画しております。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は24億25百万円であります。
当連結会計年度の研究開発費は378億8百万円であり、翌連結会計年度は約450億円を計画しております。
当連結会計年度に、NIDECは日本電産サンキョーシーエムアイ社を52億28百万円、日本電産エレシス社を243億20百万円で取得致しました。NIDECは今後も子会社への追加投資と新たな買収の機会を模索し続けます。
短期借入金は前年度比101億98百万円減少の226億円となりました。この短期借入金は銀行からの借入で構成されております。この主な減少理由は、2013年12月に発行された無担保社債により得た資金を元に短期借入金を返済したことによります。また、当連結会計年度末及び有価証券報告書提出日時点ではコマーシャル・ペーパーの残高はありません。
1年以内返済予定長期債務は前年度比1,043億83百万円減少の292億45百万円となりました。この減少の主な要因は、2015年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(以下「本新株予約権付社債」)が平成25年9月20日に繰上償還期限を迎えたことから、本新株予約権付社債約960億円を流動負債から固定負債へ振り替えたためであります。なお、平成25年9月20日に繰上償還を行った本新株予約権付社債は42億50百万円となりました。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は、株式会社国際協力銀行(以下「JBIC」)が実施するクレジットラインを活用したユーロ建て・ドル建ての借入で構成されております。
長期債務は前年度比1,531億40百万円増加の2,994億11百万円となりました。この増加の主な要因は、本新株予約権付社債が平成25年9月20日に繰上償還期限を迎えたことから本新株予約権付社債約960億円を流動負債から固定負債へ振り替えたことと、2013年12月に500億円の無担保社債(社債間限定同順位特約付)を発行したこと、さらに2014年3月に300億円の円建借入を行ったことによります。一方で、JBICが実施するクレジットラインを活用したユーロ建て・ドル建ての借入の一部を固定負債から流動負債へ振り替えたことにより減少しております。当連結会計年度末時点での長期債務は、JBICが実施するクレジットラインを活用したユーロ建て・ドル建ての借入、2012年11月に発行された無担保社債(社債間限定同順位特約付)1,000億円、2013年12月に発行された無担保社債(社債間限定同順位特約付)500億円、本新株予約権付社債約960億円及び2014年3月からの300億円の円建借入で構成されております。
平成24年7月、JBICが実施している「円高対応緊急ファシリティ」における「本邦金融機関向けM&Aクレジットライン」を活用して、民間金融機関から買収総額の一部として2.4億ユーロの借入を行いました。更に平成24年12月、同クレジットラインを活用して民間金融機関から買収総額の一部として5億ドルの借入を行いました。これらの借入は、ユーロ建ては2年間、ドル建ては3年間の間、半年ごとに元本の部分的な返済をする義務があります。当連結会計期間末時点で、当プログラムにおける長期債務及び1年以内返済予定長期債務の残高は60百万ユーロ及び3億33百万ドルであります。
平成24年11月に、2017年満期額面650億円・2019年満期額面150億円・2022年満期額面200億円の無担保社債(社債間限定同順位特約付)を発行しております。この収入は、コマーシャル・ペーパー及び短期借入金の返済に充てられました。さらに平成25年12月、2016年満期額面500億円の無担保社債(社債間限定同順位特約付)を発行しております。この収入は、短期借入金の返済に充てられました。なお、当該社債は平成24年3月に関東財務局長へ提出した平成24年4月5日から平成26年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書を基に発行しております。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としております。さらに、平成26年3月28日、平成26年4月5日から平成28年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書を関東財務局長に提出致しました。有価証券報告書の提出日時点で、本発行登録による社債の発行は行っておりません。
当社の無担保資金調達の大部分は、親会社である日本電産が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しております。この資金調達方針のもと、当社は、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保致します。
私たちは、将来の合併•買収、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、合併•買収、研究開発活動、および将来的の設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しております。
平成25年10月、当社を株式交換完全親会社として、議決権比率が66.5%であった日本電産コパル株式会社及び議決権比率が72.3%であった日本電産トーソク株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を行っております。NIDECは当該株式交換において、平成26年4月1日付の普通株式1株につき2株の株式分割後に換算すると、日本電産コパル株式会社では自己株式4,856,764株を、日本電産トーソク株式会社では2,624,000株を割当て交付しております。
平成26年3月31日時点において、平成26年1月27日から平成27年1月26日の期間に、平成26年4月1日付の普通株式1株につき2株の株式分割後に換算すると、4,000,000株及び240億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて、平成26年1月27日から平成26年5月31日の間には自己株式の購入はございませんでした。なお、平成25年1月25日から平成26年1月24日の期間に同様の自己株式取得を決議しており、当該決議において平成25年4月1日から平成26年1月24日までの期間に、約27億円で株式分割後換算にて1,000,000株を取得しております。
NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えております。
①資産、負債及び株主資本
NIDECの総資産は1兆1,659億18百万円で前年度比1,605億1百万円の増加となりました。新規連結子会社の影響を除くと、総資産は1兆1,206億83百万円で前年度比1,152億66百万円の増加となります。1,605億1百万円増加した主な要因は、現金及び現金同等物が543億20百万円増加、売上増加及び円安傾向による影響を受けて売掛金が354億90百万円増加、需要増加及び円安による影響を受けてたな卸資産が240億55百万円増加、新規連結の影響を受けて営業権が221億52百万円増加、新規連結及び円安による影響を受けて有形固定資産が209億4百万円増加したためであります。
総負債は6,250億13百万円で前年度比734億13百万円の増加となりました。新規連結子会社の影響を除くと、負債合計は5,765億52百万円で前年度比251億66百万円の増加となります。734億13百万円増加した主な要因は、42億5百万円の本新株予約権付社債の繰上償還及びJBICプログラムで調達した長期債務を一部返済したものの、500億円の無担保社債の発行と300億円の円建借入を行ったことにより長期債務が増加したためであります。さらに、顧客需要の増加により支払手形及び買掛金も322億18百万円増加致しました。一方で、上記の社債を発行したことにより短期借入金を一部返済し、短期借入金は101億98百万円減少しております。
ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は3,335億53百万円で前年度比1,977億40百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、本新株予約権付社債約960億円を長期債務から1年以内返済予定長期債務へ振り替えたことと、現金及び現金同等物が増加したことによります。
売上債権(受取手形+売掛金)回転率(売上÷売上債権)は4.5で、前年度と同ポイントとなりました。また、たな卸資産回転率(売上原価÷たな卸資産)は5.4で、前年度比0.3ポイントの減少となりました。この主な要因はたな卸資産が新規連結の影響により増加したためであります。
株主資本は5,181億1百万円で前年度比1,024億48百万円の増加となりました。この主な要因は利益剰余金が449億79百万円増加、円安の影響により外貨換算調整額が419億3百万円増加、株式交換に伴う自己株式の減少により173億67百万円増加致しました。これらの結果、NIDECの株主資本比率は前連結会計年度41.3%から当連結会計年度44.4%に増加致しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照下さい。
なお、当連結会計年度末に保有する主な通貨は、米国ドル、タイバーツ、中国人民元、日本円、ユーロであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成におきまして、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。
もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積れるような場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。
NIDECは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用されるNIDECの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと認識しております。
①たな卸資産
たな卸資産は、当社の連結財務諸表において低価法により評価されております。NIDECは販売傾向と需要予測、技術革新等により変化する、たな卸資産の市場価値を定期的に評価しております。予期しない市場価格の下落、需要の変化あるいは生産ラインの変更の結果、たな卸資産評価損を追加認識しなければならない可能性があります。
②市場性のある有価証券の減損
NIDECの市場性のある有価証券には、売却可能有価証券と満期保有目的有価証券があります。決算日において、一時的ではない、市場性のある有価証券の減損は当該会計期間で損失計上されます。売却可能有価証券の減損については、公正価値が帳簿価額を下回っている期間と程度に基づいて一時的であるか否かを判定しております。NIDECは、これらの各企業に対する投資が減損しているか否か、そしてその減損が一時的であるか否かを判断するために、各社の財政状態や各社が事業を行っている市場状況を検討することによって、当該投資の回収可能性を評価するという体系的な手法を採用しております。
NIDECは以下の理由により、投資の減損に関連する見積りが重要な会計方針であると考えております。
・NIDECが被投資会社の将来の財政状態とキャッシュ・フローに関する仮定を立てることを必要としている。
・減損の認識は当社株主に帰属する当期純利益への影響はもちろん、総資産にも大きく影響を与えることが考えられる。
なお、当連結会計年度の有価証券の減損はありません。
③貸倒引当金
NIDECは、一般債権を貸倒損失の実績値で評価し貸倒引当金を計上しています。それに加え、回収不能とみなされた特定の顧客の債権に対して追加で引当金を計上しています。NIDECは顧客の財政状態の変化と回収期限切れの債権の状況をもとに、これら特定の債権に対する引当金計上の必要性を判断しています。NIDECの顧客は集中しており、主要顧客のたった1社の支払不履行や支払遅延でさえ、多額の引当金の追加計上が必要になるかもしれません。更に、経済が沈滞している間は、いくつかの顧客がキャッシュ・フローにおいて困難な状況に直面するかもしれません。
NIDECは、信頼性のある見積りのもと貸倒引当金を計上していると考えておりますが、経済状況だけでなく顧客の集中がNIDECの正確な貸倒引当金の見積りに影響を与える可能性があります。
④繰延税金資産
連結財務諸表の作成過程において、NIDECが事業を展開する各管轄地の法人税を見積ることが要求されております。これは繰延収益のように税務と会計の視点から異なる扱いの項目から発生する一時差異を評価することを含めて、NIDECの実際の税負担を見積ることを要求しています。この差異は繰延税金資産・負債として認識されます。そして、その繰延税金資産は将来の課税所得から回収されるかどうか可能性を評価しなければならず、回収可能性が見込めない場合は評価性引当金を設定しなければなりません。実際の結果が見積りと異なる場合、あるいは将来これらの見積りを修正する場合には、評価性引当金を追加設定する必要があり、財政状態と経営成績に不利な影響を与える可能性もあります。
⑤長期性資産の減損
主に有形固定資産から構成される長期性資産は、当連結会計年度末においてNIDECの連結総資産の約25.6%を占めております。NIDECはこれらの資産の見積経済耐用年数の適正性を注視しております。NIDECが長期性資産の減損の適用を始めた平成14年4月1日以降、これらの資産が回復不能であるかもしれない価値下落の発生を示すような事象や状況の変化が起こった場合には、NIDECは減損の調査を行っております。当該資産の帳簿価額が、その資産から将来生み出されると期待される割引前のキャッシュ・フローを上回る場合に減損損失が認識されます。NIDECは、資産の状態や将来の使用見込みから減損の可能性のある遊休資産をレビューしております。技術の変化や市場の需要の変化、NIDECの製品構成計画の変化やこれらの資産の使用用途の変更は、見積られた使用期間や資産価値に変化を引き起こす可能性があります。更に、競合会社の増加といったような一般的な経営環境の変化もこれらの資産価値に変化を引き起こす可能性があります。見積経済耐用年数と潜在的減損の測定に用いられた見積りや仮定は、重要な判断を必要とします。
⑥買収
近年、NIDECはいくつかの重要な企業買収をしております。平成21年3月31日までそれらはパーチェス法を用いて会計処理しておりました。平成21年4月1日よりASC 805「企業結合(Business Combinations)」を適用しており、企業買収は取得法を用いて会計処理しております。パーチェス法及び取得法の適用にあたっては、取得価額と取得した純資産の公正価値の調整や耐用年数の見積りに複雑な判断を要します。資産と負債の公正価値の測定は、主にキャッシュ・フロー分析や市場価格などに基づいており、独立した鑑定人の評価報告を受けております。
⑦営業権の評価
NIDECは企業結合により発生した営業権は償却せず、年1回(1月1日)レポーティング・ユニットレベルで減損判定を行います(レポーティング・ユニットとは、ASC 280「セグメント情報(Segment Reporting)」における報告対象セグメントと同じか一段低いレベルとASC 350「無形資産-営業権及びその他(Intangibles-Goodwill and Other)」において定義されております)。更に、回復不能であるかもしれない価値下落の発生を示すような事象や状況の変化が起こった場合に営業権の減損の判定を行います。具体的には、以下のような事象が発生した場合に減損の判定を行います。
・著しく低調な営業実績または将来予測される営業成績
・事業全体の経営戦略の重要な変更
・著しくネガティブな業界動向または経済動向
・買収企業の株価の長期にわたる深刻な下落
・買収企業の時価総額と帳簿価額の重大な差
営業権は2ステップの減損判定を行います。第1ステップでは、レポーティング・ユニットの公正価値と簿価(営業権を含む)を比較します。公正価値が簿価を上回っている場合は減損していないと考えられます。もし、簿価が公正価値を上回る場合には減損の測定をするために第2ステップを実施します。第2ステップでは、レポーティング・ユニットの営業権の公正価値とその簿価を比較します。
この営業権の減損判定における公正価値の計算の感応度分析をするため、NIDECはそれぞれのレポーティング・ユニットレベルの公正価値が下落したと仮定して計算を行います。割引キャッシュ・フローモデルに基づき、各レポーティング・ユニットの簿価を上回る十分な公正価値を確認しており、減損の兆候に該当する事象が発生することは予測されておりません。また、レポーティング・ユニットのうち上場子会社に配分された営業権の減損を判定する際、その上場子会社ごとの簿価とコントロール・プレミアムを考慮した時価総額とを検討しております。コントロール・プレミアムは比較可能な企業の支配持分の取得事例の中からコントロール・プレミアムを識別することが可能であった取引に基づいて見積もられております。ただし、上場子会社株式の取引は行われていても、取引量が少ないことに起因し、常に高い流動性を保持しているとは限りません。コントロール・プレミアム考慮前の時価総額はテスト基準日における発行済株式数と株価に基づき算出されております。
NIDECは、上記事象が発生し減損の判定を行い営業権の評価を決定する際に、NIDECの現状のビジネスモデル特有のリスクに見合った将来予測割引キャッシュ・フローに基づいて減損を測定します。この将来予測割引キャッシュ・フローの変化は営業権の評価に重要な影響を与える可能性があります。このモデルは予測キャッシュ・フロー、技術変化、顧客需要、自然災害に起因する経済回復の予測と実態の乖離など不確実な要素を含んでおります。
⑧年金制度
NIDECは、確定給付年金制度に関して、数理計算に基づき会計処理を行っております。従業員年金費用及び給付債務の計算では、年金資産の予想収益率、割引率、賃金水準の増加率、そして従業員の平均残存勤務年数などの構成要素を想定することが要求されています。NIDECは年金資産の予想収益率を作成するために、過去の長期実質収益情報、及び将来の長期投資収益の見積りを、外部情報を参照することにより使用しております。割引率は年金給付の満期と同じ満期の信用力の高い債券の利率を基に仮定しています。また賃金水準の上昇率と平均残存勤務年数は過去のデータを基に仮定しています。これらの仮定の変更はNIDECの年金費用に影響を与えます。
⑨法人税
ASC 740「法人所得税(Income Taxes) 」を適用しております。NIDECは法人税等の不確実性の評価及び見積りにおいて多くの要素を考慮しており、それらの要素には、税務当局との解決の金額及び可能性、並びに税法上の技術的な解釈を含んでおります。不確実性に関する実際の解決が見積りと異なるのは不可避的であり、そのような差異が連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
(2)経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度の連結売上高は、前年度比23.4%増収の8,751億9百万円となり過去最高となりました。なお、当連結会計年度の平均為替レートは対ドルで円安(1ドル当たり100.24円で前年度比17.14円(約21%)の円安)、対ユーロでも円安(1ユーロ当たり134.37円で前年度比27.23円(約25%)の円安)が進みました。前年度比の為替の影響は売上高では約1,182億円の増収要因となりました。製品グループ別の売上高と営業利益の状況は以下のとおりであります。
「精密小型モータ」製品グループの売上高は前年度比13.4%増収の3,625億13百万円、為替の影響は前年度比約540億円の増収要因となりました。HDD用モータは前年度比12.1%増収の1,855億6百万円となりました。販売数量は、前年度比約3%減少しました。その他小型モータはDCモータ、ファンモータ、その他精密小型モータ共に増収となり、売上高は前年度比14.7%増収の1,770億7百万円となりました。
「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの売上高は前年度比38.9%増収の3,452億36百万円となりました。家電・商業・産業用ではエアコン用モータの増収を始め、前年度の期中に買収した新規連結のNidec ASI S.p.A.(以下「Nidec ASI社」)、Nidec Avtron Automation Corporation(以下「Nidec Avtron社」)、Nidec Kinetek Corporation(以下「Nidec Kinetek社」)の3社の売上と為替の影響により、前年度比42.2%の増収となりました。車載では当第4四半期連結会計期間に買収が完了した新規連結の日本電産サンキョーシーエムアイの売上分と電動パワーステアリング用モータ等の新機種量産開始及び新規顧客向け製品の量産開始と為替の影響により、前年度比32.9%の増収となりました。なお、「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの売上高への為替の影響は前年度比約489億円の増収要因となりました。
「機器装置」製品グループの売上高は液晶ガラス基板搬送用ロボットとカードリーダの増収を主な要因として前年度比36.9%増収の869億55百万円となりました。
「電子・光学部品」製品グループの売上高は住設機器向け製品などが堅調に推移し、前年度比5.3%増収の728億45百万円となりました。
「その他」製品グループの売上高は前年度比9.7%減収の75億60百万円となりました。
②売上原価
売上原価は6,746億99百万円で前年度比1,020億65百万円(17.8%)の増加となりました。Nidec ASI社、Nidec Avtron社、SCD Co., Ltd.、Nidec Kinetek社、日本電産凱宇汽車電器(江蘇)有限公司及び日本電産サンキョーシーエムアイ株式会社(以下「新規連結子会社」)の影響を除くと、6,087億12百万円で前年度比664億19百万円(12.2%)の増加となります。この増加は、主に売上高の増加、円安によるものです。売上高比は前連結会計年度80.7%から当連結会計年度77.1%に減少致しました。新規連結子会社の影響を除くと、売上高比は前連結会計年度80.8%から当連結会計年度77.1%に減少致しました。この減少は、主に全製品に占める高い利益率の製品の増加、前連結会計年度にいくつかの主力製品が急激かつ大幅な需要減少に見舞われたことによるたな卸資産の減損があった影響で当連結会計年度は単位当たりの固定費用が改善したこと及び原材料価格の低下によるものです。
③販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は775億34百万円で前年度比72億26百万円(8.5%)の減少となりました。新規連結子会社の影響を除くと、639億83百万円で前年度比126億99百万円(16.6%)の減少となります。この減少は主に前連結会計年度の固定資産関連損失によるものであります。前連結会計年度下期にパーソナルコンピュータ関連、デジタルカメラ関連、液晶パネル製造装置関連等の主力製品が急激かつ大幅な需要減少に見舞われたため、NIDECは収益構造改革やリースバック取引を行いました。
売上高比は前連結会計年度12.0%から当連結会計年度8.9%に減少致しました。新規連結子会社の影響を除くと、売上高比は前連結会計年度11.4%から当連結会計年度8.1%に減少致しました。
④研究開発費
研究開発費は378億8百万円で前年度比35億30百万円(10.3%)の増加となりました。新規連結子会社の影響を除くと、361億12百万円で前年度比25億87百万円(7.7%)の増加となります。この増加は主に「車載及び家電・商業・産業用」製品グループ、「精密小型モータ」製品グループの開発費用の増加によるものであります。売上高比は前連結会計年度4.8%から当連結会計年度4.3%に減少致しました。新規連結子会社の影響を除くと、売上高比は前連結会計年度5.0%から当連結会計年度4.6%に減少致しました。
⑤営業利益
営業利益は850億68百万円で前年度比674億70百万円の増加となりました。
「精密小型モータ」製品グループの営業利益は前年度比2.5倍の567億3百万円となりました。前期構造改革効果を含む原価改善と収益性向上、また為替の影響による増益要因が約130億円となっております。
「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの営業利益は前年度比8.4倍の224億9百万円となりました。これは、売上増加、新規連結子会社の内のNidec ASI社、Nidec Avtron社、Nidec Kinetek社の影響及び為替の影響が主因となっております。
「機器装置」製品グループの営業利益は増収により前年度比72.2%増益の120億81百万円となりました。
「電子・光学部品」製品グループの営業利益は増収に加えて、生産性改善、原価改善、固定費削減により14億48百万円となりました。
「その他」製品グループの営業利益は前年度比59.0%減益の3億66百万円となりました。
これらの結果、営業利益率は前連結会計年度2.5%から当連結会計年度9.7%に増加致しました。
⑥その他の収益・費用
その他の収益・費用は4億4百万円の費用(純額)で前年度比37億96百万円(90.4%)の減少となりました。新規連結子会社の影響を除くと、1億27百万円の費用(純額)で前年度比39億15百万円の減少となります。この減少は主に為替差損の減少によるものであります。
為替差損は56百万円で前年度比29億17百万円(98.1%)の減少となりました。新規連結子会社の影響を除くと、為替差損益は2億63百万円の利益(前連結会計年度は29億84百万円の損失)となりました。この改善は主に前連結会計年度と比較して外貨建負債が減少したこと及び円安が進んだためであります。
下記の表は日本円と米国ドル及び日本円とユーロの為替レートを示しております。
| 通貨 | 平成24年 3月31日 | 平成25年 3月31日 | 平成24年3月31日から 平成25年3月31日への 変動 | 平成26年 3月31日 | 平成25年3月31日から 平成26年3月31日への 変動 |
| 米国ドル | 82.19円 | 94.05円 | 11.86円 | 102.92円 | 8.87円 |
| ユーロ | 109.80円 | 120.73円 | 10.93円 | 141.65円 | 20.92円 |
⑦税引前当期純利益
税引前当期純利益は846億64百万円で前年度比712億66百万円の増加となりました。売上高比は前連結会計年度1.9%から当連結会計年度9.7%に増加致しました。
⑧法人税等
法人税等は257億29百万円で前年度比191億67百万円の増加となりました。この増加は主に税引前当期純利益の増加によるものです。
当連結会計年度の実効税率は、30.4%となり、前連結会計年度の実効税率と比較して18.6ポイント減少しました。この税率が減少した主な要因は、前期において発生した子会社における繰越欠損金に係る繰延税金資産の取り崩しに伴う評価性引当金の計上が、当期においては業績の回復により大幅に減少したためであります。
⑨持分法投資損益
持分法投資損益は25百万円の損失(前連結会計年度は13百万円の利益)となりました。
⑩非支配持分控除前当期純利益
非支配持分控除前当期純利益は589億10百万円で前年度比520億61百万円の増加となりました。
⑪非支配持分帰属損益
非支配持分帰属損益は25億6百万円の利益(前連結会計年度は11億37百万円の損失)となりました。これは主にNIDECが100%未満で所有している日本電産コパル電子グループを始めとしたグループ会社の高い利益によるものであります。
⑫当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は564億4百万円で前年度比484億18百万円の増加となりました。売上高比は前連結会計年度1.1%から当連結会計年度6.4%に増加致しました。
(3)財政状態の分析
当社の手元流動性は、主に営業キャッシュ・フロー及び長期の有利子負債で賄われております。キャッシュ・フロー改善のために、ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)に焦点をあて、運転資金の効率化に取り組んでおります。なお、ワーキングキャピタルは前連結会計年度末の1,358億13百万円から当連結会計年度末は3,335億53百万円へ増加しております。また、当社の運転資金を有効活用するために、日本及び中国においてキャッシュマネジメントシステム等を活用したグループ間での余剰資金活用も継続しております。
当社及び当社の連結子会社(以下「NIDEC」)の現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は2,477億40百万円であり、前連結会計年度末は1,934億20百万円でありました。なお当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約87%を日本以外の子会社で保有しています。
グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、日本電産への資金の効率的なグループ会社間の送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ・フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めております。なおこの制限は、当社の流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。
NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・M&A・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは支払手形及び買掛金を1,663億83百万円、短期借入金を226億円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を3,286億56百万円保有しております。さらに、当連結会計年度末時点において、2,286億74百万円の銀行に対するクレジットラインを保有しております。
当連結会計年度の設備投資による支払は402億97百万円であり、翌連結会計年度の主要な設備投資は182億78百万円を計画しております。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は24億25百万円であります。
当連結会計年度の研究開発費は378億8百万円であり、翌連結会計年度は約450億円を計画しております。
当連結会計年度に、NIDECは日本電産サンキョーシーエムアイ社を52億28百万円、日本電産エレシス社を243億20百万円で取得致しました。NIDECは今後も子会社への追加投資と新たな買収の機会を模索し続けます。
短期借入金は前年度比101億98百万円減少の226億円となりました。この短期借入金は銀行からの借入で構成されております。この主な減少理由は、2013年12月に発行された無担保社債により得た資金を元に短期借入金を返済したことによります。また、当連結会計年度末及び有価証券報告書提出日時点ではコマーシャル・ペーパーの残高はありません。
1年以内返済予定長期債務は前年度比1,043億83百万円減少の292億45百万円となりました。この減少の主な要因は、2015年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(以下「本新株予約権付社債」)が平成25年9月20日に繰上償還期限を迎えたことから、本新株予約権付社債約960億円を流動負債から固定負債へ振り替えたためであります。なお、平成25年9月20日に繰上償還を行った本新株予約権付社債は42億50百万円となりました。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は、株式会社国際協力銀行(以下「JBIC」)が実施するクレジットラインを活用したユーロ建て・ドル建ての借入で構成されております。
長期債務は前年度比1,531億40百万円増加の2,994億11百万円となりました。この増加の主な要因は、本新株予約権付社債が平成25年9月20日に繰上償還期限を迎えたことから本新株予約権付社債約960億円を流動負債から固定負債へ振り替えたことと、2013年12月に500億円の無担保社債(社債間限定同順位特約付)を発行したこと、さらに2014年3月に300億円の円建借入を行ったことによります。一方で、JBICが実施するクレジットラインを活用したユーロ建て・ドル建ての借入の一部を固定負債から流動負債へ振り替えたことにより減少しております。当連結会計年度末時点での長期債務は、JBICが実施するクレジットラインを活用したユーロ建て・ドル建ての借入、2012年11月に発行された無担保社債(社債間限定同順位特約付)1,000億円、2013年12月に発行された無担保社債(社債間限定同順位特約付)500億円、本新株予約権付社債約960億円及び2014年3月からの300億円の円建借入で構成されております。
平成24年7月、JBICが実施している「円高対応緊急ファシリティ」における「本邦金融機関向けM&Aクレジットライン」を活用して、民間金融機関から買収総額の一部として2.4億ユーロの借入を行いました。更に平成24年12月、同クレジットラインを活用して民間金融機関から買収総額の一部として5億ドルの借入を行いました。これらの借入は、ユーロ建ては2年間、ドル建ては3年間の間、半年ごとに元本の部分的な返済をする義務があります。当連結会計期間末時点で、当プログラムにおける長期債務及び1年以内返済予定長期債務の残高は60百万ユーロ及び3億33百万ドルであります。
平成24年11月に、2017年満期額面650億円・2019年満期額面150億円・2022年満期額面200億円の無担保社債(社債間限定同順位特約付)を発行しております。この収入は、コマーシャル・ペーパー及び短期借入金の返済に充てられました。さらに平成25年12月、2016年満期額面500億円の無担保社債(社債間限定同順位特約付)を発行しております。この収入は、短期借入金の返済に充てられました。なお、当該社債は平成24年3月に関東財務局長へ提出した平成24年4月5日から平成26年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書を基に発行しております。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としております。さらに、平成26年3月28日、平成26年4月5日から平成28年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書を関東財務局長に提出致しました。有価証券報告書の提出日時点で、本発行登録による社債の発行は行っておりません。
当社の無担保資金調達の大部分は、親会社である日本電産が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しております。この資金調達方針のもと、当社は、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保致します。
私たちは、将来の合併•買収、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、合併•買収、研究開発活動、および将来的の設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しております。
平成25年10月、当社を株式交換完全親会社として、議決権比率が66.5%であった日本電産コパル株式会社及び議決権比率が72.3%であった日本電産トーソク株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を行っております。NIDECは当該株式交換において、平成26年4月1日付の普通株式1株につき2株の株式分割後に換算すると、日本電産コパル株式会社では自己株式4,856,764株を、日本電産トーソク株式会社では2,624,000株を割当て交付しております。
平成26年3月31日時点において、平成26年1月27日から平成27年1月26日の期間に、平成26年4月1日付の普通株式1株につき2株の株式分割後に換算すると、4,000,000株及び240億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて、平成26年1月27日から平成26年5月31日の間には自己株式の購入はございませんでした。なお、平成25年1月25日から平成26年1月24日の期間に同様の自己株式取得を決議しており、当該決議において平成25年4月1日から平成26年1月24日までの期間に、約27億円で株式分割後換算にて1,000,000株を取得しております。
NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えております。
①資産、負債及び株主資本
NIDECの総資産は1兆1,659億18百万円で前年度比1,605億1百万円の増加となりました。新規連結子会社の影響を除くと、総資産は1兆1,206億83百万円で前年度比1,152億66百万円の増加となります。1,605億1百万円増加した主な要因は、現金及び現金同等物が543億20百万円増加、売上増加及び円安傾向による影響を受けて売掛金が354億90百万円増加、需要増加及び円安による影響を受けてたな卸資産が240億55百万円増加、新規連結の影響を受けて営業権が221億52百万円増加、新規連結及び円安による影響を受けて有形固定資産が209億4百万円増加したためであります。
総負債は6,250億13百万円で前年度比734億13百万円の増加となりました。新規連結子会社の影響を除くと、負債合計は5,765億52百万円で前年度比251億66百万円の増加となります。734億13百万円増加した主な要因は、42億5百万円の本新株予約権付社債の繰上償還及びJBICプログラムで調達した長期債務を一部返済したものの、500億円の無担保社債の発行と300億円の円建借入を行ったことにより長期債務が増加したためであります。さらに、顧客需要の増加により支払手形及び買掛金も322億18百万円増加致しました。一方で、上記の社債を発行したことにより短期借入金を一部返済し、短期借入金は101億98百万円減少しております。
ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は3,335億53百万円で前年度比1,977億40百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、本新株予約権付社債約960億円を長期債務から1年以内返済予定長期債務へ振り替えたことと、現金及び現金同等物が増加したことによります。
売上債権(受取手形+売掛金)回転率(売上÷売上債権)は4.5で、前年度と同ポイントとなりました。また、たな卸資産回転率(売上原価÷たな卸資産)は5.4で、前年度比0.3ポイントの減少となりました。この主な要因はたな卸資産が新規連結の影響により増加したためであります。
株主資本は5,181億1百万円で前年度比1,024億48百万円の増加となりました。この主な要因は利益剰余金が449億79百万円増加、円安の影響により外貨換算調整額が419億3百万円増加、株式交換に伴う自己株式の減少により173億67百万円増加致しました。これらの結果、NIDECの株主資本比率は前連結会計年度41.3%から当連結会計年度44.4%に増加致しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照下さい。
なお、当連結会計年度末に保有する主な通貨は、米国ドル、タイバーツ、中国人民元、日本円、ユーロであります。