訂正有価証券報告書-第40期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/30 13:07
【資料】
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【項目】
117項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる場合があります。
(1)財政状態の分析
①資産
当連結会計年度における資産の残高は、434億79百万円(前連結会計年度末320億67百万円)となり114億11百万円増加いたしました。流動資産の残高は、337億71百万円(同240億80百万円)となり96億91百万円増加いたしました。これは、商品及び製品49億22百万円、現金及び預金20億90百万円、原材料及び貯蔵品15億8百万円の増加等があったことによるものであります。また、固定資産は97億7百万円(同79億87百万円)となり17億20百万円増加いたしました。これは、土地13億29百万円の増加等によるものであります。
②負債
当連結会計年度における負債の残高は、282億86百万円(同241億88百万円)となり40億97百万円増加いたしました。流動負債の残高は、217億64百万円(同185億44百万円)となり32億19百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金15億5百万円、1年内返済予定の長期借入金8億87百万円の増加等があったことによるものであります。固定負債の残高は、65億22百万円(同56億44百万円)となり8億78百万円増加いたしました。これは長期借入金11億43百万円の増加等があったことによるものであります。
③純資産
当連結会計年度における純資産の残高は、151億93百万円(同78億79百万円)となり73億13百万円増加いたしました。これは、利益剰余金24億35百万円、資本剰余金23億53百万円、資本金23億42百万円の増加等があったことによるものであります。
(2)経営成績の分析
①売上高
消費税増税の影響を受けつつも国内売上高は微増し、海外売上高は、円安効果を除いても欧州地域とアジア・オセアニア地域を中心に大幅な増加となりました。
SG市場向けでは、これまでの主力製品JV33シリーズ、CJV30シリーズの後継機種として、新製品JV300、JV150、CJV300、CJV150シリーズを当連結会計年度に発売し、上半期は既存製品を中心に、下半期は新製品を中心に販売台数を好調に伸ばしました。IP市場向けでは、主力の小型モデルが堅調に推移したことに加え、大型モデルのJFX200-2513が小型モデルに並ぶ主力製品に成長し、販売台数を大きく伸ばしました。TA市場向けでは、当社が他社に先駆けて提案してきた昇華転写方式がファッションアパレルでの活用が進み、エントリーモデルのTS34-1800A、上位機種のTS500-1800ともに販売好調で、昇華染料インクも大きく売上を伸ばしました。その結果、売上高は466億37百万円(前連結会計年度比15.5%増)となりました。
②売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
一部部材の値上げ等によるコスト増加要因があったものの、国内工場を主な生産拠点としているため、円安効果は売上原価率の改善にも寄与し、51.0%(同2.3ポイント改善)となりました。販売費及び一般管理費は、新製品開発のための研究開発費や、国内外における販路拡大と地域密着の販売・保守サービス体制の強化を図るための人件費、物流費、販売促進費等が増加したこと等により、183億76百万円(同15.7%増)となり、売上高販売管理費比率は39.4%(前連結会計年度も39.4%)となりました。その結果、営業利益は44億91百万円(前連結会計年度比51.9%増)となりました。
③営業外損益、経常利益
営業外費用として、為替差損4億54百万円を計上しております。為替差損の内訳は、主に新興国通貨(ブラジルレアル、インドネシアルピア等)の大幅な下落に起因するものであります。その結果、経常利益は37億53百万円(同124.9%増)となりました。
④特別損益、当期純利益
特別利益は、固定資産売却益等により16百万円(同61.5%減)となりました。特別損失は、固定資産売却損により3百万円(同609.9%増)となりました。その結果、当期純利益は25億22百万円(同185.2%増)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、前述「第2事業の状況 1業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前述「第2事業の状況 4事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループでは中期的な連結売上高目標を500億円とする“M500プロジェクト”を掲げており、この中期プロジェクトの3年目となる平成28年3月期は、経営スローガンを“M500総仕上げ”としております。M500プロジェクト達成後のさらなる成長を見据え、次の重点施策に取り組んでまいります。
①SG、IP、TA市場の事業拡大
•産業用途のデジタル・オンデマンド生産の提案を強化し、IP、TA市場をSG市場に並ぶ第2、第3の柱とする。
•当社製品の魅力をお客様に直接伝える“ミニ展”をグローバル展開する。
•本体だけでなく、インク・メディア・前後装置を含めたトータル提案を強化する。
•機能、価格等の品揃えを拡充し、市場の上下拡大を図る。
②第4、第5の柱となる市場開拓とコア技術の確立
•当社独自の3Dプリンタ開発を進め、その強みが活かせる市場を開拓する。
•当社技術が活かせる潜在用途を開拓し、その市場ニーズを満たす本体・インク・ソフトウェア等の開発テーマに取り組む。
•新たな機能性インクの開発を進め、これを安定吐出させるヘッドコントロール技術を追求する。
•将来の強みとなる研究開発、要素技術開発を進める。
③PSI管理(生産・販売・在庫管理)の強化
•販売と在庫の管理を「日本」「アジア・オセアニア」「欧州・中東・アフリカ」「北・中南米」の4極体制とし、極ごとのマネジメント体制を強化する。
•4極の需要動向に応じたタイムリーな製品供給が可能な物流体制を構築する。
•部材調達から製品出荷までの計画と進捗を一気通貫で管理する仕組みと情報システムを整備し、在庫の徹底管理と生産効率の向上を図り、需要動向に追従可能な生産体制を構築する。
④経営基盤の強化
•平成27年3月に取得した工場用地への新工場建設について具体的なフロアプランを策定し、当社グループの今後の事業拡大に対応した生産・開発体制の増強を図る。(平成27年11月着工予定)
•平成27年5月に開設した八王子開発センターにより首都圏周辺の開発人材を確保し、平成27年7月1日付をもって当社に吸収合併する連結子会社ウィズテック(東京都八王子市)と合わせて、研究・開発体制の増強を図る。
•年度目標値を定め、製造コストダウンを継続推進する。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループでは、多様なニーズを的確に捉え、そこに狙いを絞った製品を素早く提供することで新たな市場と顧客を創出し、独自性と先進性による強みで優位に事業を展開するため、下記の4項目を経営ビジョンとして掲げ、基本方針としております。
①独自技術を保有し、自社ブランド製品を世界に供給する「開発型企業」を目指します。
②顧客に満足いただける商品を素早く提供する小回りの利いた会社を目指します。
③市場に常に「新しさと違い」を提供するイノベーターを目指します。
④各人が持っている個性・能力を力一杯発揮できる企業風土を目指します。