有価証券報告書-第127期(2025/04/01-2026/03/31)
(4) 【役員の報酬等】
<報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針等>当社は、会社法に従って、報酬委員会が取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めている。当社の役員報酬は、顧客、株主、事業を展開する地域社会、従業員といった当社のステークホルダーに最大限の価値をもたらすべく、その価値創造に向けて動機付けられるよう設計されることを基本方針とし、報酬委員会が以下の原則を総合的に勘案し、決定している。
[役員報酬制度の6つの原則]
当社報酬委員会においては、上記基本方針に則り個々の報酬プログラムを設計し、その設計に従って、適切な審議等を経て、当事業年度に係る取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容を決定している。また、その内容は、当社報酬委員会が定める報酬等の決定方針に沿うものであると判断している。
当事業年度に係る主な改定内容
当事業年度の目標設定時においては、関税に係る外部環境の変動性が高く予測困難な状況であったことを踏まえ、各主要指標の年間目標を、関税影響を除いた数値として定めた。同時に、このような状況下においても業績向上を図るため、年間を通して関税影響の低減を推奨する「関税影響」を、新たに評価指標として追加した。関税にかかわる不透明な状況に対応するため、より短期間の業績向上を目指し、一部の項目では関税影響を含んだ目標を四半期(上期)、半期(下期)ごとに設定した。当事業年度に係る各役員報酬項目の主な改定内容は以下のとおりである。
報酬水準の考え方
報酬水準の検討にあたっては、報酬のベンチマーク結果を参考にしている。トップコーポレートエグゼクティブについては、当社と同様の事業規模と事業展開上の複雑性を有するグローバル企業群を参照している。その他執行役については、日本の株式市場に上場する大手企業群を参照している。
これら企業には、当社と競合する主要な自動車会社を含んでいる。
報酬の構成
i) 取締役
取締役の報酬は、(1)基本報酬に、(2)各人の役割に応じて委員会参加報酬や委員長報酬、筆頭社外取締役報酬等を加算した固定報酬のみとしている。執行役を兼務しない取締役には、変動報酬である年次賞与及び長期インセンティブ報酬は支給しない。また、執行役を兼務する取締役には、取締役としての報酬は支給しない。
ii) 執行役
執行役の報酬は、(1)固定報酬である基本報酬、(2)変動報酬である年次賞与及び長期インセンティブ報酬からなる。
中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬制度及び報酬構成とするため、長期インセンティブ報酬(特に業績連動報酬)の割合を高め、原則、役位が上位の執行役ほど、総報酬に占める変動報酬(年次賞与及び長期インセンティブ報酬)の割合が高くなるように設定している。当事業年度の報酬構成割合は、以下(図表)のとおりである。なお、報酬ベンチマーク企業群の報酬水準動向を踏まえ、報酬水準及び報酬構成割合は適宜改定を行っている。
[執行役の報酬構成割合]

(注).上記割合は、2025年度の変動報酬の目標の総合達成率を100%とした場合の理論値で計算している。
基本報酬
執行役の基本報酬については、グローバル企業の報酬のベンチマーク結果や外部専門機関の調査結果に加え、個々のスキルや経験、社内の職責、前年度の貢献、及び当社の業績等に鑑みて設定している。
変動報酬
執行役の変動報酬は、毎年の業績に応じて支給する「年次賞与」と、株主価値を高め、会社の持続的成長と収益性を高める行動を動機付けることを目的とした2種類の「長期インセンティブ報酬」で構成されている。この「長期インセンティブ報酬」は、目標が達成された場合にのみ支払う「業績連動型インセンティブ(金銭報酬)」と、非業績連動報酬である「譲渡制限付株式ユニット(RSU)」で構成されている。そのため、当社の変動報酬プログラムは、経営陣が単年度と中長期の両方の業績目標達成及び株主価値の向上等に対し動機付けられるように設計されている。
[年次賞与及び業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の支給率モデル及び算定式]

目標の総合達成率は、達成率50%に相当する閾値(下限)と達成率125%に相当する閾値(上限)をもとに算出された評価指標ごとの目標達成率に、評価ウェイトを乗じた値の合計である。なお、達成率50%に相当する閾値(下限)に満たない指標については、当該値は0と扱い、また達成率125%に相当する閾値(上限)を上回る指標については、当該値は125%と扱う方針としている。
年次賞与
業績連動報酬の年次賞与は、基本報酬に役位別比率を乗じた上で、持続的な成長の実現を目指して設定された目標の総合達成率を乗じて算出し、支給する。なお、CEOについては、100%を全社業績目標の達成度と連動させている。その他の執行役については、70%を全社業績目標の達成度と連動させ、30%を担当業務分野ごとに設定された個々の重要な評価指標(以下個別目標)の達成度と連動するよう構成している。
各評価指標の内容及び選定理由等については<執行役に対する年次賞与の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>に記載する。
長期インセンティブ報酬
当社の長期インセンティブ報酬は、「譲渡制限付株式ユニット(RSU)」及び「業績連動型インセンティブ(金銭報酬)」の2種類で構成しており、譲渡制限付株式ユニット(RSU)は長期インセンティブ報酬全体の40%を、業績連動型インセンティブ(金銭報酬)は60%を占めている。業績連動型インセンティブ(金銭報酬)は、年次賞与で参照する単年度の業績指標ではなく、複数年にかかる業績指標により評価することで、長期的な取り組みを促進するように設計されている。
[長期インセンティブ報酬の導入目的]
長期インセンティブ報酬は、次の4点に基づいて設計されている。
(1)中長期的な事業の継続や成長に向けた業績目標の達成を動機づけること
(2)役員の利益を株主の利益と一致させること
(3)株主価値の創造を役員に動機付けること
(4)当社の主要な人材の長期的な定着を促進すること
[2種類の長期インセンティブ報酬の概要]
■譲渡制限付株式ユニット(RSU)
譲渡制限付株式ユニット(RSU)は、当社が定める期間(以下、「対象期間」という。)中の勤務継続等を条件として対象者ごとに予め定める数の当社普通株式(以下、「本交付株式」という。)に相当するRSUを付与するものである。対象期間は3年間とし、このRSUを付与後3事業年度にわたり3分の1ずつ権利確定させ、本交付株式を支給する。RSUは、非金銭報酬等かつ非業績連動報酬であり、当事業年度に執行役に付与したRSUについて、付与後3事業年度にわたり支給する本交付株式の総数は最大で約441千株である。
なお、対象者による重大な不正・違法行為等があった場合には、当社は本交付株式の割当てを受ける権利の剥奪や割当て済みの当社普通株式の返還請求を実施することができる。この方針(マルス・クローバック)は、コーポレート・ガバナンスを改善するための当社の取り組みの一環として導入された。本方針は事後交付型株式報酬規程に明記した上で、対象者へ付与する際に周知している。
■業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
付与年度を起点に3事業年度の期間における目標の総合達成率、及び役位別比率を基本報酬に乗じて算出し、支給する。
各評価指標の内容及び選定理由等については<執行役に対する業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>に記載する。
[長期インセンティブ報酬の支給スケジュール]
2023年度/2025年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)については、目標に対する達成率を毎年集計し、3事業年度の合計達成率に応じて支給する。2024年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)については、3事業年度目の目標に対する達成率に応じて支給する。

執行役退任時の報酬等の決定方針
当社は、執行役が当社を退任した後一定期間、競業避止義務及び守秘義務等の義務を遵守すること、並びに経営の適切な移行を促進することを目的として、退任する執行役に対する退任時報酬等の決定方針を有している。当該方針は、当社の報酬委員会の裁量により運用されており、報酬委員会は、執行役退任時の事実関係及び状況を踏まえて、退任時の支給の有無及び金額を決めることができる。
<役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数>(単位:百万円)
(注)1.Re:Nissanのアクションにより従業員及びその他ステークホルダーに及ぼす影響を分かち合うため、イヴァン エスピノーサは年次賞与の50%を返上した。当該自主返上額を減額した後の金額を記載している。
2.支給予定額を記載している。なお、支給額が未確定の部分は、当事業年度に費用計上された金額を記載している。
3.当社の取締役又は執行役が、当事業年度において、過去の事業年度に付与された株価連動型インセンティブ受領権を行使して当社から受けた金銭の額から、過去の事業年度に係る有価証券報告書に開示した当時の株価に基づく当該株価連動型インセンティブ受領権の公正価額を控除した額を記載している。当事業年度の実績はない。
4.当事業年度に費用計上された額(2025年6月24日付けで退任した対象者については、在任期間に対応した報酬額)を記載している。
5.住宅手当その他のフリンジ・ベネフィット相当額の金銭報酬である。
6.2025年6月24日付けで取締役を退任した4名のうち、無報酬の1名を除いた3名を含んでいる。
7.取締役を兼務する執行役には、執行役としての報酬等のみを支給しており、執行役の区分にて記載している。
8.上記表に記載した報酬のほかに、当社からの報酬として確定した前年度分の25百万円の税額補填がある。
9.2025年6月24日付けで執行役を退任した1名を含んでいる。
10.役員に外貨建てで支払われる報酬等については、便宜上年間平均レートを用いて円換算した額を記載している。
<役員ごとの連結報酬等の総額等 但し、連結報酬等の総額1億円以上である者>(単位:百万円)
(注)1.支給予定額を記載している。なお、支給額が未確定の部分は、当事業年度に費用計上された金額を記載している。
2.当事業年度に費用計上された額(2025年6月24日付けで退任した対象者については、在任期間に対応した報酬額)を記載している。
3.住宅手当その他のフリンジ・ベネフィット相当額の金銭報酬である。
4.Re:Nissanのアクションにより従業員及びその他ステークホルダーに及ぼす影響を分かち合うため、イヴァン エスピノーサは年次賞与の50%を返上した。当該自主返上額を減額した後の金額を記載している。
5.上記表に記載した報酬のほかに、当社からの報酬として確定した前年度分の25百万円の税額補填がある。
6.役員に外貨建てで支払われる報酬等については、便宜上年間平均レートを用いて円換算した額を記載している。
<執行役に対する年次賞与の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>2025年度年次賞与
「Re:Nissan」の初年度として重点的に取り組むべき事項に対応し、以下の表の8つの評価指標を選択した。年次賞与に係る全社の業績指標の目標と2025年度の実績は以下のとおりである。
(注)1.関税影響を除いた目標、実績とする。
2.中国市場における販売台数を含む。
3.当社内部で制御可能な項目として重点管理するため、財務諸表で使用される定義とは異なるものを設定。
4.2025年5月13日の決算報告における業績見通しをベースに目標を設定。
5.事業計画に基づく目標を設定。
6.年間目標に加え、関税影響を含んだ四半期目標(上期)及び半期目標(下期)も設定。
7.市場初期品質及び耐久性に関する内部管理目標を設定。
8.従業員エンゲージメント/満足度等の3つの指標からなるグローバル従業員サーベイのスコアについて、前年度からの改善に必要な目標を設定。
なお、CEO以外の執行役について、担当業務分野における個別目標の達成率は76~125%であった。
上記を受け、2025年度年次賞与におけるCEOの支給率は84%、CEO以外の執行役の支給率は81.6~96.3%となった。
<執行役に対する業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>付与年度を起点に3事業年度の期間における目標の総合達成率、及び役位別比率を基本報酬に乗じて算出し支給する。この業績連動型インセンティブ(金銭報酬)に基づく支払いは、3年間の評価期間が終了して結果が確定した後に予定されている。
2023年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
この業績評価期間は各事業年度の目標を設定、実績を集計しており、当事業年度の目標と実績に関してはそれぞれ以下のとおりである。
(注)1.関税影響を除いた目標、実績とする。
2.カーボンニュートラルにかかわる取り組みを評価する外部指標。
3.DEIに関するグローバル従業員サーベイのスコアについて将来的にグローバルベンチマーク水準に到達するために必要な目標を設定。
4.2025年5月13日の決算報告における業績見通しをベースに目標を設定。
5.事業計画に基づく目標を設定。年間目標に加え、関税影響を含んだ四半期目標(上期)及び半期目標(下期)も設定。
上記を受け、2023年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の支給率は、3年間の評価期間における達成率を踏まえ、66%となった。
2024年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
3事業年度目の目標のみを設定するため、今年度の実績は集計していない。
2025年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
この業績評価期間は各事業年度の目標を設定、実績を集計しており、当事業年度の目標と実績に関してはそれぞれ以下のとおりである。
(注)1.関税影響を除いた目標、実績とする。
2.2025年5月13日の決算報告における業績見通しをベースに目標を設定。
3.事業計画に基づく目標を設定。
4.中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム(NGP)」における将来のCO2削減計画を達成するための目標を設定。
5.DEIに関するグローバル従業員サーベイのスコアについて、将来的にグローバルベンチマーク水準に到達するために必要な目標を設定。
6.対象期間における当社TSRと1) 東証株価指数(TOPIX)成長率、2)グローバル競合企業群、3)日本国内競合企業群との比較において、同等もしくは上回る目標を設定。
7.総合達成率は3事業年度終了後に、TSR達成率を加えて集計する。
<報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針等>当社は、会社法に従って、報酬委員会が取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めている。当社の役員報酬は、顧客、株主、事業を展開する地域社会、従業員といった当社のステークホルダーに最大限の価値をもたらすべく、その価値創造に向けて動機付けられるよう設計されることを基本方針とし、報酬委員会が以下の原則を総合的に勘案し、決定している。
[役員報酬制度の6つの原則]
| ガバナンスと監督責任 | 当社は、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、及び企業倫理のより一層の向上に努めている。報酬プログラムについても、このような動きを踏まえて、効果的に運用され、方針に沿っているかを適切に監督していく。 |
| 公平性と透明性 | 人種、性別、国籍、個人の属性にかかわらず、公平で一貫した報酬プログラムとする。業績評価や報酬の仕組みは、透明性のある開かれたものとし、公平な取扱いを前提とする。 |
| 価値創造とアカウンタビリティ | 顧客、株主、事業を展開する地域社会、従業員といった当社のステークホルダーに対して長期的な価値を創造できるような業績や行動に繋がる報酬のプログラムとする。 |
| 競争力のある報酬水準 | 人材確保において競合している自動車企業やグローバル大企業に比肩する、競争力のある報酬を提供する。 |
| 運用の実効性 | 報酬プログラムは、適切に運用され、役員にも理解しやすく、費用対効果が高く、グローバルに適用されうる、実効性があるものとする。 |
| 変革と適応 | 当社は、テクノロジーや人々の生活が大きく変化している環境下で、グローバルに事業を展開している。よって、グローバル基準の視点を持って、今後も人材市場とビジネス環境の多様性に報酬プログラムを適応させる。 |
当社報酬委員会においては、上記基本方針に則り個々の報酬プログラムを設計し、その設計に従って、適切な審議等を経て、当事業年度に係る取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容を決定している。また、その内容は、当社報酬委員会が定める報酬等の決定方針に沿うものであると判断している。
当事業年度に係る主な改定内容
当事業年度の目標設定時においては、関税に係る外部環境の変動性が高く予測困難な状況であったことを踏まえ、各主要指標の年間目標を、関税影響を除いた数値として定めた。同時に、このような状況下においても業績向上を図るため、年間を通して関税影響の低減を推奨する「関税影響」を、新たに評価指標として追加した。関税にかかわる不透明な状況に対応するため、より短期間の業績向上を目指し、一部の項目では関税影響を含んだ目標を四半期(上期)、半期(下期)ごとに設定した。当事業年度に係る各役員報酬項目の主な改定内容は以下のとおりである。
| 項目 | 改定内容 | |
| 年次賞与 | 評価指標 | 「Re:Nissan」を着実に実行するために変動費削減及び固定費削減を評価指標に追加し、生産拠点やサプライチェーンの見直しを通して関税影響の低減を促進するために関税影響を評価指標に追加した。なお、自動車事業のフリーキャッシュフロー、販売台数、固定費については関税影響を除いた年間目標に加え、関税影響を含んだ四半期目標(上期)、半期目標(下期)も設定した。 |
| 2023年度 業績連動型インセンティブ(金銭報酬) | 評価指標 | 自動車事業のフリーキャッシュフローについては関税影響を除いた年間目標に加え、関税影響を含んだ四半期目標、半期目標も設定した。 |
| 2025年度 業績連動型インセンティブ(金銭報酬) | 評価指標 | 年次賞与と同様、関税影響を評価指標に追加した。 |
| 目標設定 | 「Re:Nissan」を着実に実行するために、3事業年度における単年度目標設定とした。 | |
報酬水準の考え方
報酬水準の検討にあたっては、報酬のベンチマーク結果を参考にしている。トップコーポレートエグゼクティブについては、当社と同様の事業規模と事業展開上の複雑性を有するグローバル企業群を参照している。その他執行役については、日本の株式市場に上場する大手企業群を参照している。
これら企業には、当社と競合する主要な自動車会社を含んでいる。
報酬の構成
i) 取締役
取締役の報酬は、(1)基本報酬に、(2)各人の役割に応じて委員会参加報酬や委員長報酬、筆頭社外取締役報酬等を加算した固定報酬のみとしている。執行役を兼務しない取締役には、変動報酬である年次賞与及び長期インセンティブ報酬は支給しない。また、執行役を兼務する取締役には、取締役としての報酬は支給しない。
ii) 執行役
執行役の報酬は、(1)固定報酬である基本報酬、(2)変動報酬である年次賞与及び長期インセンティブ報酬からなる。
中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬制度及び報酬構成とするため、長期インセンティブ報酬(特に業績連動報酬)の割合を高め、原則、役位が上位の執行役ほど、総報酬に占める変動報酬(年次賞与及び長期インセンティブ報酬)の割合が高くなるように設定している。当事業年度の報酬構成割合は、以下(図表)のとおりである。なお、報酬ベンチマーク企業群の報酬水準動向を踏まえ、報酬水準及び報酬構成割合は適宜改定を行っている。
[執行役の報酬構成割合]

(注).上記割合は、2025年度の変動報酬の目標の総合達成率を100%とした場合の理論値で計算している。
基本報酬
執行役の基本報酬については、グローバル企業の報酬のベンチマーク結果や外部専門機関の調査結果に加え、個々のスキルや経験、社内の職責、前年度の貢献、及び当社の業績等に鑑みて設定している。
変動報酬
執行役の変動報酬は、毎年の業績に応じて支給する「年次賞与」と、株主価値を高め、会社の持続的成長と収益性を高める行動を動機付けることを目的とした2種類の「長期インセンティブ報酬」で構成されている。この「長期インセンティブ報酬」は、目標が達成された場合にのみ支払う「業績連動型インセンティブ(金銭報酬)」と、非業績連動報酬である「譲渡制限付株式ユニット(RSU)」で構成されている。そのため、当社の変動報酬プログラムは、経営陣が単年度と中長期の両方の業績目標達成及び株主価値の向上等に対し動機付けられるように設計されている。
[年次賞与及び業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の支給率モデル及び算定式]

目標の総合達成率は、達成率50%に相当する閾値(下限)と達成率125%に相当する閾値(上限)をもとに算出された評価指標ごとの目標達成率に、評価ウェイトを乗じた値の合計である。なお、達成率50%に相当する閾値(下限)に満たない指標については、当該値は0と扱い、また達成率125%に相当する閾値(上限)を上回る指標については、当該値は125%と扱う方針としている。
年次賞与
業績連動報酬の年次賞与は、基本報酬に役位別比率を乗じた上で、持続的な成長の実現を目指して設定された目標の総合達成率を乗じて算出し、支給する。なお、CEOについては、100%を全社業績目標の達成度と連動させている。その他の執行役については、70%を全社業績目標の達成度と連動させ、30%を担当業務分野ごとに設定された個々の重要な評価指標(以下個別目標)の達成度と連動するよう構成している。
各評価指標の内容及び選定理由等については<執行役に対する年次賞与の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>に記載する。
長期インセンティブ報酬
当社の長期インセンティブ報酬は、「譲渡制限付株式ユニット(RSU)」及び「業績連動型インセンティブ(金銭報酬)」の2種類で構成しており、譲渡制限付株式ユニット(RSU)は長期インセンティブ報酬全体の40%を、業績連動型インセンティブ(金銭報酬)は60%を占めている。業績連動型インセンティブ(金銭報酬)は、年次賞与で参照する単年度の業績指標ではなく、複数年にかかる業績指標により評価することで、長期的な取り組みを促進するように設計されている。
[長期インセンティブ報酬の導入目的]
長期インセンティブ報酬は、次の4点に基づいて設計されている。
(1)中長期的な事業の継続や成長に向けた業績目標の達成を動機づけること
(2)役員の利益を株主の利益と一致させること
(3)株主価値の創造を役員に動機付けること
(4)当社の主要な人材の長期的な定着を促進すること
[2種類の長期インセンティブ報酬の概要]
■譲渡制限付株式ユニット(RSU)
譲渡制限付株式ユニット(RSU)は、当社が定める期間(以下、「対象期間」という。)中の勤務継続等を条件として対象者ごとに予め定める数の当社普通株式(以下、「本交付株式」という。)に相当するRSUを付与するものである。対象期間は3年間とし、このRSUを付与後3事業年度にわたり3分の1ずつ権利確定させ、本交付株式を支給する。RSUは、非金銭報酬等かつ非業績連動報酬であり、当事業年度に執行役に付与したRSUについて、付与後3事業年度にわたり支給する本交付株式の総数は最大で約441千株である。
なお、対象者による重大な不正・違法行為等があった場合には、当社は本交付株式の割当てを受ける権利の剥奪や割当て済みの当社普通株式の返還請求を実施することができる。この方針(マルス・クローバック)は、コーポレート・ガバナンスを改善するための当社の取り組みの一環として導入された。本方針は事後交付型株式報酬規程に明記した上で、対象者へ付与する際に周知している。
■業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
付与年度を起点に3事業年度の期間における目標の総合達成率、及び役位別比率を基本報酬に乗じて算出し、支給する。
各評価指標の内容及び選定理由等については<執行役に対する業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>に記載する。
[長期インセンティブ報酬の支給スケジュール]
2023年度/2025年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)については、目標に対する達成率を毎年集計し、3事業年度の合計達成率に応じて支給する。2024年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)については、3事業年度目の目標に対する達成率に応じて支給する。

執行役退任時の報酬等の決定方針
当社は、執行役が当社を退任した後一定期間、競業避止義務及び守秘義務等の義務を遵守すること、並びに経営の適切な移行を促進することを目的として、退任する執行役に対する退任時報酬等の決定方針を有している。当該方針は、当社の報酬委員会の裁量により運用されており、報酬委員会は、執行役退任時の事実関係及び状況を踏まえて、退任時の支給の有無及び金額を決めることができる。
<役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数>(単位:百万円)
| 区分 | 総報酬 | 総報酬の内訳 | 対象となる 人数 | ||||||
| 基本報酬 | 業績連動報酬 | 譲渡制限付 株式ユニット(RSU) (非金銭報酬) (注4) | 税額補填 | その他報酬 (注5) | |||||
| 年次賞与 (注1) | 業績連動型 インセンティブ(金銭報酬) (注2) | 株価連動型 インセンティブ 受領権 (注3) | |||||||
| 取締役 (独立社外取締役を除く) | 41 | 38 | - | - | - | - | - | 3 | 5 (注6) |
| 取締役 (独立社外取締役) | 186 | 186 | - | - | - | - | - | - | 8 |
| 執行役 (注7) | 1,429 | 467 | 294 | 106 | - | 99 | 294 (注8) | 169 | 5 (注9) |
(注)1.Re:Nissanのアクションにより従業員及びその他ステークホルダーに及ぼす影響を分かち合うため、イヴァン エスピノーサは年次賞与の50%を返上した。当該自主返上額を減額した後の金額を記載している。
2.支給予定額を記載している。なお、支給額が未確定の部分は、当事業年度に費用計上された金額を記載している。
3.当社の取締役又は執行役が、当事業年度において、過去の事業年度に付与された株価連動型インセンティブ受領権を行使して当社から受けた金銭の額から、過去の事業年度に係る有価証券報告書に開示した当時の株価に基づく当該株価連動型インセンティブ受領権の公正価額を控除した額を記載している。当事業年度の実績はない。
4.当事業年度に費用計上された額(2025年6月24日付けで退任した対象者については、在任期間に対応した報酬額)を記載している。
5.住宅手当その他のフリンジ・ベネフィット相当額の金銭報酬である。
6.2025年6月24日付けで取締役を退任した4名のうち、無報酬の1名を除いた3名を含んでいる。
7.取締役を兼務する執行役には、執行役としての報酬等のみを支給しており、執行役の区分にて記載している。
8.上記表に記載した報酬のほかに、当社からの報酬として確定した前年度分の25百万円の税額補填がある。
9.2025年6月24日付けで執行役を退任した1名を含んでいる。
10.役員に外貨建てで支払われる報酬等については、便宜上年間平均レートを用いて円換算した額を記載している。
<役員ごとの連結報酬等の総額等 但し、連結報酬等の総額1億円以上である者>(単位:百万円)
| 氏名 | 役員区分 | 会社区分 | 総報酬 | 総報酬の内訳 | ||||||
| 基本報酬 | 業績連動報酬 | 譲渡制限付株式ユニット(RSU) (非金銭報酬) (注2) | 税額補填 | その他報酬 (注3) | ||||||
| 年次賞与 | 業績連動型 インセンティブ (金銭報酬) (注1) | 株価連動型インセンティブ受領権 | ||||||||
| イヴァン エスピノーサ | 執行役 | 当社 | 561 | 226 | 95 (注4) | 39 | - | 48 | 90 | 63 |
| ジェレミー パパン | 執行役 | 当社 | 436 | 122 | 118 | 36 | - | 20 | 75 | 65 |
| スティーブン マー | 執行役 | 当社 | 241 | 30 | 22 | 12 | - | 7 | 129 (注5) | 41 |
(注)1.支給予定額を記載している。なお、支給額が未確定の部分は、当事業年度に費用計上された金額を記載している。
2.当事業年度に費用計上された額(2025年6月24日付けで退任した対象者については、在任期間に対応した報酬額)を記載している。
3.住宅手当その他のフリンジ・ベネフィット相当額の金銭報酬である。
4.Re:Nissanのアクションにより従業員及びその他ステークホルダーに及ぼす影響を分かち合うため、イヴァン エスピノーサは年次賞与の50%を返上した。当該自主返上額を減額した後の金額を記載している。
5.上記表に記載した報酬のほかに、当社からの報酬として確定した前年度分の25百万円の税額補填がある。
6.役員に外貨建てで支払われる報酬等については、便宜上年間平均レートを用いて円換算した額を記載している。
<執行役に対する年次賞与の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>2025年度年次賞与
「Re:Nissan」の初年度として重点的に取り組むべき事項に対応し、以下の表の8つの評価指標を選択した。年次賞与に係る全社の業績指標の目標と2025年度の実績は以下のとおりである。
| 評価指標 (全社業績目標) | 割合 | 指標選定理由 | 評価方法 | 目標 | 実績 | 達成率 | ||
| 営業利益(注1) | 15% | 持続的な成長の実現及び事業の収益性・効率性の向上のため | 当事業年度の目標値に対する達成度により評価 | (注4) | 目標を上回る | 18.8% | ||
| 自動車事業のフリーキャッシュフロー(注1) | 20% | (注5,6) | 目標を上回る | 24.5% | ||||
| 販売台数(小売り)(注1,2) | 15% | (注4,6) | 目標を下回る | 0.0% | ||||
| 関税影響 | 10% | (注5) | 目標を下回る | 6.0% | ||||
| 変動費削減(注1,3) | 10% | 「Re:Nissan」の着実な実行のため | (注5) | 目標を下回る | 0.0% | |||
| 固定費削減 (注1,3) | 10% | (注5,6) | 目標を上回る | 11.5% | ||||
| 品質 | 10% | 品質保証及び顧客満足度の向上のため | (注7) | 目標を上回る | 12.6% | |||
| コーポレートカルチャー | 10% | 一人ひとりの能力を最大限に引き出し、より高いパフォーマンスを発揮できる企業文化を醸成するため | (注8) | 目標を上回る | 10.6% | |||
| 総合達成率 | 84% | |||||||
(注)1.関税影響を除いた目標、実績とする。
2.中国市場における販売台数を含む。
3.当社内部で制御可能な項目として重点管理するため、財務諸表で使用される定義とは異なるものを設定。
4.2025年5月13日の決算報告における業績見通しをベースに目標を設定。
5.事業計画に基づく目標を設定。
6.年間目標に加え、関税影響を含んだ四半期目標(上期)及び半期目標(下期)も設定。
7.市場初期品質及び耐久性に関する内部管理目標を設定。
8.従業員エンゲージメント/満足度等の3つの指標からなるグローバル従業員サーベイのスコアについて、前年度からの改善に必要な目標を設定。
なお、CEO以外の執行役について、担当業務分野における個別目標の達成率は76~125%であった。
上記を受け、2025年度年次賞与におけるCEOの支給率は84%、CEO以外の執行役の支給率は81.6~96.3%となった。
<執行役に対する業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>付与年度を起点に3事業年度の期間における目標の総合達成率、及び役位別比率を基本報酬に乗じて算出し支給する。この業績連動型インセンティブ(金銭報酬)に基づく支払いは、3年間の評価期間が終了して結果が確定した後に予定されている。
2023年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
この業績評価期間は各事業年度の目標を設定、実績を集計しており、当事業年度の目標と実績に関してはそれぞれ以下のとおりである。
| 評価指標(全社業績目標) | 割合 | 指標選定理由 | 評価方法 | 目標 | 実績 | 達成率 | ||
| 財務的 価値指標 | 売上高営業利益率 (注1) | 30% | 持続的な成長の実現及び事業の収益性・効率性の向上のため | 3事業年度における各事業年度の目標値に対する達成度により評価 | (注4) | 目標を上回る | 37.5% | |
| 自動車事業のフリーキャッシュフロー(注1) | 30% | (注5) | 目標を上回る | 36.8% | ||||
| 売上高(注1) | 30% | (注4) | 目標を下回る | 0.0% | ||||
| 社会的 価値指標 | カーボンニュートラル(環境)(注2) | 5% | 中長期的な企業価値、社会価値の向上のため | A- | A | 6.25% | ||
| DEIインデックス (社会)(注3) | 5% | (注3) | 目標を下回る | 0.0% | ||||
| 総合達成率 | 81% | |||||||
(注)1.関税影響を除いた目標、実績とする。
2.カーボンニュートラルにかかわる取り組みを評価する外部指標。
3.DEIに関するグローバル従業員サーベイのスコアについて将来的にグローバルベンチマーク水準に到達するために必要な目標を設定。
4.2025年5月13日の決算報告における業績見通しをベースに目標を設定。
5.事業計画に基づく目標を設定。年間目標に加え、関税影響を含んだ四半期目標(上期)及び半期目標(下期)も設定。
上記を受け、2023年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の支給率は、3年間の評価期間における達成率を踏まえ、66%となった。
2024年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
3事業年度目の目標のみを設定するため、今年度の実績は集計していない。
2025年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
この業績評価期間は各事業年度の目標を設定、実績を集計しており、当事業年度の目標と実績に関してはそれぞれ以下のとおりである。
| 評価指標(全社業績目標) | 割合 | 指標選定理由 | 評価方法 | 目標 | 実績 | 達成率 | ||
| 財務的 価値指標 | 売上高営業利益率 (注1) | 30% | 持続的な成長の実現及び事業の収益性・効率性の向上のため | 3事業年度における各事業年度の目標値に対する達成度により評価 | (注2) | 目標を上回る | 37.5% | |
| 売上高(注1) | 20% | (注2) | 目標を下回る | 0.0% | ||||
| 関税影響 | 10% | (注3) | 目標を下回る | 6.0% | ||||
| 社会的 価値指標 | CO2排出削減率(環境) | 10% | 中長期的な株主価値、企業価値の向上のため | (注4) | 目標を下回る | 0.0% | ||
| DEIインデックス(社会) | 10% | (注5) | 目標を下回る | 0.0% | ||||
| 株価指標 | 株主総利回り(TSR) | 20% | 3事業年度目の目標値に対する達成度により評価 | (注6) | ― | ― | ||
| 総合達成率 | (注7) | |||||||
(注)1.関税影響を除いた目標、実績とする。
2.2025年5月13日の決算報告における業績見通しをベースに目標を設定。
3.事業計画に基づく目標を設定。
4.中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム(NGP)」における将来のCO2削減計画を達成するための目標を設定。
5.DEIに関するグローバル従業員サーベイのスコアについて、将来的にグローバルベンチマーク水準に到達するために必要な目標を設定。
6.対象期間における当社TSRと1) 東証株価指数(TOPIX)成長率、2)グローバル競合企業群、3)日本国内競合企業群との比較において、同等もしくは上回る目標を設定。
7.総合達成率は3事業年度終了後に、TSR達成率を加えて集計する。