有価証券報告書-第88期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/23 9:21
【資料】
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【項目】
159項目

研究開発活動

当社グループは、「感動創造企業」を企業目的とし、世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供することを目指しています。その実現のために、「新しく独創性ある発想・発信」「お客様の悦び・信頼感を得る技術」「洗練された躍動感を表現する魅力あるデザイン」「お客様と生涯にわたり結びつく力」を目指す「ヤマハ発動機らしいモノ創り」に挑戦し続け、人間の論理と感性を織り合わせる技術により、個性的かつ高品質な製品・サービスを提供します。
当社は、こうした「ヤマハ発動機らしさ」が「ヤマハ」ブランドとして様々なステークホルダーの皆様に認識され、生涯にわたって当社の製品・サービスを選んでいただけるよう、努力を続けることが当社の持続的な成長を実現するとともに中長期的な企業価値を高めるものと考えます。
当社は、2030年を見据えた長期ビジョンならびに2022年からの3ヵ年における中期経営計画において、サステナビリティと企業価値向上の両立を実現するための施策の取組みを行っています。コア事業の稼ぐ力を高め、サステナブルな社会に貢献する新規・成長事業への研究開発投資の拡大、多様なエネルギー源に対応したパワートレインの開発を推進し、デジタル技術の活用と共創の加速によりヤマハらしい新価値創造を進めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は、1,052億円となりました。各セグメントの主要な製品及びサービス、セグメントごとの研究開発費及び研究開発活動の成果は、次のとおりです。
ランドモビリティ二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・
ビークル、スノーモビル、電動アシスト自転車、電動車いす、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント
当連結会計年度の研究開発費:778億円

主な成果は以下のとおりです。
(二輪車)
・二輪車の安定性に寄与し、軽快性の向上に貢献する新たなライダー支援技術、ステアリングサポートシステム「Electric Power Steering(EPS)」の開発。
・ミリ波レーダー連携UBS(ユニファイドブレーキシステム)、アダプティブクルーズコントロールなどを搭載し、さらに電子制御サスペンションも連動させ、ライダーに負担の少ないフィーリングを実現した「TRACER9 GT+」の開発。
・原付二種クラスEVや急速充電の市場受容性を探ることを目的に行い、車両固定式バッテリー搭載の出力8.1kWクラス電動スクーター「E01(イーゼロワン)」の実証実験を日本国内にて実施。
(電動アシスト自転車)
・新モデル「WABASH RT(ワバッシュ アールティー)」、「CROSSCORE RC(クロスコア アールシー)」の開発。従来ユニット比約100gの軽量化を果たし、上質なアシストを提供するドライブユニット「PWseries ST」を初めてスポーツ電動アシスト自転車(eBike)「YPJシリーズ」として採用。
マリン船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船
当連結会計年度の研究開発費:157億円

主な成果は以下のとおりです。
(船外機)
・従来のV型8気筒、排気量5,559cm³のエンジンをベースに新設計し、新たな充電システムによる優れた電力供給能力、独自の新機能「TotalTilt®」によるチルト機構の操作性向上など、利便性と快適性を追求した、当社最大馬力となる450馬力の4ストローク船外機「F450A」の開発。
(ボート)
・新たに次世代ボート制御システム「ヘルムマスターEX(HELM MASTER EX)」を採用、定点保持機能「セットポイント」に新たに「フィッシュポイント」と「ドリフトポイント」が加わり、船外機を自動制御してポイントを維持、または船首を特定の方位に維持することが可能となった、快適で楽しいボートライフを提供するプレジャーボート「SR330」、「YFR-27HMEX」、「S-QUALO」の開発。
(プール)
・FRP(繊維強化プラスチック)技術で社会課題の解決に対する取り組みとして、静粛空間の実現と、生産コストの低減を両立するカプセルホテル用 「FRP製カプセルユニット」の、株式会社ナインアワーズとの共同開発。
ロボティクスサーフェスマウンター、半導体製造装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター
当連結会計年度の研究開発費:91億円

主な成果は以下のとおりです。
(産業用ロボット)
・モジュール構造とリニアモータによる高速ダイレクト駆動が特長の搬送システム、リニアコンベアモジュール「LCMR200」の最大可搬質量を30kgに倍増させ、トラバースユニットとの組み合わせで自由度の高い搬送システムを構築。
(産業用無人ヘリコプター)
・有効積載量(ペイロード)最大50kg(注)を実現(従来モデル比で15kg向上)し、運搬に関わる機能・性能を強化した運搬専用機の開発。
・農業用途に自動飛行機能を追加し、散布作業の効率化や操縦者の負担軽減に寄与する次世代の産業用無人ヘリコプター「FAZER R AP(フェザー アール エーピー)」の開発。
・従来機との比較で収納時約1/2サイズの縮小を実現させ、自動飛行機能を標準搭載し、高い飛行安定性を実現した産業用マルチローター「YMR-II(ワイエムアール・ツー)」の開発。
注:有効積載量(ペイロード)は、天候や気象条件、標高等によって異なる。
その他ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機
当連結会計年度の研究開発費:27億円

主な成果は以下のとおりです。
(ゴルフカー)
・当社と株式会社ティアフォーが設立した合弁会社「株式会社eve autonomy(イヴ オートノミー)」が手掛ける、搬送の自動化ニーズへの対応を目的に新規開発された、EV車両による自動搬送サービス「eve auto」を本格始動。