有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/17 11:35
【資料】
PDFをみる
【項目】
159項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)日本および世界の経済情勢
当社グループの海外売上高は、アジア21%、欧米30%となり連結売上高全体の約50%を占め、今後も増加が見込まれます。また、海外6カ国に生産拠点があり、少なからず、世界の経済情勢の影響を受けることとなります。
日本経済は、政府・日銀による経済対策や金融政策により、雇用・所得環境の改善が持続し、緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外においては、米国・欧州の経済は緩やかに回復が継続しているものの、中国の経済は成長ペースが鈍化しました。世界経済は、米中貿易摩擦や中国経済の減速、英国のEU離脱問題等、先行き不透明な状況が続いております。これら世界経済の動向が当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)取引先の集中
当社グループは、特定の取引先への依存度が高くなっております(トヨタ自動車株式会社をはじめとする取引先上位5社に対する売上高は、全体のおよそ54%を占めております。)。何らかの理由により、主要得意先からの注文が減少した場合、当社グループは大きな影響を受けることとなります。
また、当社グループは、製造の一部については外注先に依存しており、売上原価に占める外注加工費の割合はおよそ4%であります。当社グループは、得意先への供給責任に支障を来たさぬよう、経営面・技術面から指導を行っておりますが、経済環境によっては不測の事態もあり得ることから、当社グループの製品供給に影響を及ぼす可能性があります。
(3)新製品開発
当社グループでは、「トップクラスのGLOCALな部品メーカー」をめざし、新中期経営計画「OCEAN-20」達成に向け、将来の飛躍に向けた成長基盤の構築を進めております。
当社グループは、今後も継続して魅力ある製品を開発できると考えておりますが、当社グループが属する自動車関連業界では国内外で再編・提携の動きがあり、技術開発競争は日々激化しております。技術的な進歩をはじめとする急速な変化に十分に対応できず、魅力ある新製品を開発できない場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)価格競争
当社グループの主要事業分野である自動車関連業界では、国内外で競合他社との価格競争が熾烈を極めており、厳しい競争下にあります。こうした価格競争に対処すべく、品質・コストを造り込む技術開発、顧客ニーズにマッチした新製品・新技術の開発を進め、総コスト削減活動に取り組んでおりますが、将来においても価格競争力を維持できるという十分な保証はありません。価格競争力の低下による顧客離れは、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の品質不具合
当社グループは、お客様に満足していただける高品質な製品を提供するため、設計・生産準備の段階から品質の造り込みを行うとともに、各工程で徹底した品質チェックと製品データ管理を行い、グローバル基準での品質保証体制を構築しています。
しかし、全ての製品について品質不具合がなく、将来において重大な品質問題が発生しないという保証はありません。大規模な製造物責任賠償につながるような製品の品質不具合が発生した場合には、多額のコスト負担や当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)海外事業展開に潜在するリスク
当社グループは、アジア・欧米に事業を展開しておりますが、これらの海外においては、①予期せぬ法制・税制の変更、②輸出・輸入規制の変更、③社会的インフラ未整備に伴う操業への悪影響およびこれに伴う顧客の信用失墜、④外国為替規制、⑤テロなどによる政治的・社会的混乱などのリスクを内在しており、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(7)為替レートの変動
為替の変動は、①当社および当社グループ各社の外貨建取引の売上高・原価、資産・負債およびキャッシュ・フロー、②連結財務諸表における、海外に所在する当社グループ各社の売上高・原価、資産・負債の現地通貨の円換算額の二つの側面で影響を及ぼします。
当社グループは、短期的には為替予約などにより、為替レートの変動の影響を限定する努力を行っていますが、中長期的には当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)金利の変動
当連結会計年度末における有利子負債は、当社グループ全体で616億円であります。当社グループは、長期借入金(概ね固定金利)と短期借入金(変動金利)を適宜組み合わせて、金利変動リスクを低減するよう努めておりますが、今後金利水準が上昇しますと、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)財務制限条項の抵触に伴うリスク
当社グループの借入金には、純資産の維持、利益の維持に関する財務制限条項が付されております。同条項に定める所定の水準が達成できなかった場合、当社は期限の利益の喪失等、当社の業績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(10)原材料の調達
当社グループは、鉄鋼材をはじめ黄銅材などの金属材料、ゴム材、樹脂材などの化学材料を原材料として使用しております。これら原材料の需給の逼迫や供給能力の制約等により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になった場合や、商品市況価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や販売価格への転嫁などにより吸収できない場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)退職給付債務・費用
当社グループの退職給付債務は、割引率などを前提とした数理計算により算出しております。また、退職給付費用につきましては、数理計算から求められる費用から年金資産額とその期待運用収益率から求められる期待運用収益を控除して算出しております。
割引率・期待運用収益率などの前提が実際と異なる場合、数理計算上の差異を生じ、将来の期間に認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。また、当社においては退職給付制度の60%を占める企業年金(確定給付年金制度)に積立不足を生じた場合は、その補填を要することから、キャッシュ・フローにも影響を及ぼす可能性があります。
(12)減損会計の適用
当社グループは、固定資産の減損に係る会計処理を適用しており、保有する固定資産について、今後、減損処理が必要になった場合には、減損損失の計上により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新規連結に伴い発生したのれん等につきましては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、経営環境や事業の著しい変更等により同社の収益性が低下した場合には、減損損失の計上により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)サイバーテロ
当社グループは、生産管理などの管理業務、会計システム、社内・外の情報伝達などにITネットワークを活用しております。近年、ウイルスの蔓延やハッカーなどによるサイバーテロの危険が増大しております。当社グループは、万全の対策を行っておりますが、完全なリスクの排除は困難なことから、当社グループの情報漏洩・破壊やネットワークの機能マヒなどにより、生産・販売業務、管理業務などに多大の影響を及ぼす可能性があります。
(14)自然災害などの影響
当社グループは、地震などの自然災害により、多大な損害を受ける可能性があります。特に、東海・東南海・南海地震の震源域に比較的近い岐阜県内に主要工場を有していることから、順次地震対策を推進しておりますものの、実際にこれらの地震が発生した場合は、操業の停止、多額の復旧費用など、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、地球環境の保全は企業の責務と認識し、ISO14001を取得するなど、環境負荷の低減・事故の防止に努めておりますが、不測の事態、不測の環境汚染事故を生じる可能性もあり、当社グループの業績などに影響を及ぼす可能性があります。