有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/17 11:35
【資料】
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【項目】
159項目

対処すべき課題

(1) 経営の基本方針
当社はメーカーとして、技術開発に努め、お客様の要望に応えた高いレベルの商品を提供するとともに、企業の社会的責任を認識し、地球環境保全と内部統制に努め、世界とそれぞれの地域で、社会、株主・顧客、そして従業員など、すべてのステークホルダーから期待される「良い会社」であり続けることを使命とし、当社グループ全体の企業価値向上を目指して活動しております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
創業80周年を機に、長期ビジョン「PACIFIC GLOCAL VISION 2020」を策定し、その実現に向けた具体的なアクションプランである中期経営計画「OCEAN-20」を2017年度に策定し推進してまいりました。
自動車業界の環境は、電気自動車・ハイブリッド車・自動運転といった次世代モビリティの普及に伴い大きく変化しており、当社がこれらの市場の変化に応え、新たな成長を遂げるためには、新製品・新技術の深化・拡充、新規顧客の獲得や北米・欧州を中心とした海外拠点の確保、コスト競争力の強化等が必要であると認識しております。
この様な環境変化をチャンスと捉え、当社は、Schraderグループが展開する米国およびフランスの自動車・タイヤ・空調・産業機械用等のバルブ開発・製造および販売事業を取得し、子会社化いたしました。これに伴い、中期経営計画「OCEAN-20」を見直しました。
日本・アジア市場を持つ「PACIFICブランド」に加え、欧米市場において圧倒的な認知度を有する「SCHRADERブランド」の使用が可能となる他、日本・アジア・北米・欧州に生産・販売拠点を有する「世界4極体制」の構築が実現できます。加えて、製品・技術ラインナップの拡充・製品開発力の向上および、グローバル生産体制の最適化とシナジーの創出によるコスト競争力の強化も可能であると考えております。
社会から信頼され、期待される企業であり続けるため、ステークホルダーの皆様との絆を深める活動に積極的に取組み、未来に向けた価値の創造と企業経営の質の向上を実現してまいります。
成長戦略

2020年度目標
前回今回見直し
連結売上高1,400億円1,550億円
連結営業利益率8%台8%台
ROA(営業利益)7%台7%台

ROAとはリターン・オン・アセット(Return on Assets)であり、事業の効率性を示す指標であります。利益を総資産で除して求めます。当社では、事業の成果を測定するのに最適な、営業利益を採用しております。
(3) 経営環境、中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
当社グループの主要事業分野であります自動車産業におきましては、ハイブリッド車・電気自動車などのエコカーへのシフトや自動運転支援技術・コネクテッドカーの開発が加速するなど、100年に一度の大変革の時代を迎えております。また、世界の自動車市場は、国内は横這いもしくは漸減傾向、海外は増加傾向であり、特にアジア・中東・中南米などの新興国が伸長する見込みであります。
こうした中、当社グループでは中期経営計画「OCEAN-20」を推進しており、次世代モビリティを見据えた新技術・新工法の開発、国内外の拠点の拡充・自立化の推進、環境・安全・品質・生産性の向上、そして、人財育成とともに、競争力のある原価を実現いたします。また、2030年に迎える創業100周年に向けて、企業の社会的責任・コーポレートガバナンス体制を強化し、将来の飛躍に向けた成長基盤を構築してまいります。SDGsへの取り組みについても、今後の経営戦略に織り込み、アクションを起こしていきたいと考えています。
刻々と変化する状況を総合的な視点で判断し、スピード感を持って課題に取り組み、未来に向けた価値の創造と企業経営の質の向上の実現をめざします。
具体的には、次の6項目について、取り組んでまいります。
①経営基盤の強化
急激な事業環境の変化にも柔軟に対処すべく、グループ全体の体質強化および各拠点の自立化を推進します。
②新技術の開発
既存事業の競争力強化と高付加価値製品の創出に向け、固有技術の深化と融合を図り、新技術開発に邁進します。
③海外事業の再編・拡充
お客様の多様なニーズにお応えするため、当社グループの海外拠点を再編・拡充し、海外事業の拡大とグローバル戦略の推進を図ります。
④人財育成・ものづくりの強化
「ものづくり」は「ひとづくり」の考えのもと、安全・品質の確保および技術・技能の伝承による次世代人財・海外人財の育成を進めます。
⑤地球環境保全
環境負荷の低減に配慮した製品、工法、技術の開発、および「太平洋里山の森活動」など環境保全活動に積極的に取り組みます。
⑥コーポレートガバナンスの強化
『コーポレートガバナンス・コード』を踏まえた取り組みを行い、ステークホルダー目線の会社経営を実践します。