有価証券報告書

【提出】
2018/06/22 16:23
【資料】
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【項目】
118項目

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、大きく変化した経営環境をふまえ、新たに『ビジョン』『ミッション』を以下の通り定めました。
[ビジョン] (創りたい社会)
モビリティの可能性を追求し、活力ある社会をつくります
[ミッション] (ビジョンを実現する方法)
1. 独創的な商品と優れたサービスにより、お客様に新たな体験を提供します
2. 社会の持続可能な発展に貢献します
3. 信頼される企業として誠実に活動します
4. アライアンスを活用し、ステークホルダーにより高い価値を提供します
自動車業界は過去にない大きな変革の時代を迎えており、電動化、自動運転、コネクティビティなど、開発競争はこれまでとは質的にも量的にも全く異なるものになっていくと考えられます。これらの大きな環境変化に適応し、社会から存在を求められる企業であり続けるために、『ミッション』の実践を通じて『ビジョン』の実現に努めてまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社は、2017年度に、2019年度までの3ヵ年を対象とした中期経営計画「DRIVE FOR GROWTH」を策定しました。
この中期経営計画では、次の3つの課題に重点を置き、利益ある持続的成長への基盤作りを目指します。
第一の課題は、燃費不正問題で傷ついた信頼の回復であります。
コンプライアンスを最優先に、IT等も活用しながら内部統制・ガバナンス体制の抜本的改革と強化に取り組み、お客様や社会からの信頼を早期に取り戻すべく、不断の努力を続けてまいります。
第二の課題は、業績のV字回復を確実に軌道に乗せることであります。
これまで100万台前後で推移してきた販売台数を2019年度までに130万台に増加させ、売上高も2016年度に比べ30%増となる2兆5千億円まで増やすことを目標とします。同時に、コスト管理も徹底し、営業利益率について過去ピーク並みの6%以上まで引き上げることを目指します。
中期経営計画一年目の2017年度は、販売台数が前年比18.9%増の110.1万台、売上高が15.0%増の2兆1,924億円、営業利益率も4.5%まで回復するなど、2019年度の目標達成に向け順調なスタートとなっております。
また、ボリューム面での成長と収益力強化の両立を図るため、新型車の投入や事業基盤の整備に向けた開発および設備に3年間累計で6千億円を超える資金を投入します。一方、このように積極的に投資を行う中でも、毎年のフリー・キャッシュ・フローは黒字を確保し、健全な財務体質の維持に努めます。
第三の課題は、新型車を成功させることであります。
当社は、今後も成長が見込まれるSUVセグメントを中心に、4WDやピックアップトラックなど当社の強みを活かした商品ラインアップを更に強化していきます。具体的には、2017年度に生産・発売を開始した新型の『エクスパンダー』『エクリプス・クロス』をはじめとして、この中期経営計画期間中に11モデルを新たに投入する計画であります。
当社が強みを持つアセアンだけでなく、日本、オセアニア、米国、中国などの主要な市場での販売に注力する中で、これらの新型車を成功させ、ブランドの向上と規模の成長に繋げていく考えであります。
これらの課題への取組みに際しては、日産自動車とのアライアンスも活用していきます。2018年4月には、当社の購買機能の一部を、ルノー・日産連合の購買機能と統合しました。2019年度からは、研究開発、生産、アフターサービス、事業開発の各分野においても、本格的にアライアンスへの取り組みを加速させていきます。
[合弁会社「Nissan-Mitsubishi B.V.」の設立]
当社と日産自動車は、両社のシナジーを探求・促進・調整・奨励することを使命とする、折半出資の合弁会社「Nissan-Mitsubishi B.V.」(以下、「NMBV」)を2017年6月にオランダに設立しました。NMBVの設立時取締役会は、カルロス・ゴーン(NMBV会長兼CEO)、西川 廣人、益子 修の3名で構成されます。
NMBVは、シナジー創出への貢献の対価として、当社及び日産自動車よりフィーを受け取り、オペレーション費用や同社取締役・従業員の報酬の支払いに加え、シナジー創出に貢献するグループ各社の従業員に対するインセンティブを負担します。