有価証券報告書-第76期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 9:45
【資料】
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【項目】
127項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境は、世界的には新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、厳しい状況が続きました。第1四半期における自動車メーカー各社の工場稼働停止や減産に伴う売上減少の影響は大きく、第2四半期以降は経済活動が回復傾向にあるものの、感染第2波、第3波の到来により、景気回復は再び鈍化しています。当社グループにおいても、新型コロナウイルス感染拡大の影響として、世界各地の工場稼働停止に伴う売上の減少等の影響を受けております。
この結果、当連結会計年度の売上収益は、216,926百万円(前期比11.9%減)、営業利益は、3,900百万円(前期比49.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、517百万円(前期は350百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
自動車及び汎用計器事業は、日本・米州・欧州で四輪車用計器等が減少し、売上収益163,708百万円(前期比15.1%減)、営業利益2,836百万円(前期比60.1%減)となりました。
コンポーネント事業は、OA・情報機器操作パネル、アミューズメント向け基板ユニット等が減少し、売上収益14,120百万円(前期比6.9%減)、営業損失1,294百万円(前期は2,139百万円の営業損失)となりました。
樹脂材料事業は、樹脂材料の販売が減少し、売上収益8,852百万円(前期比3.3%減)となりましたが、営業利益1,063百万円(前期比53.6%増)となりました。
自動車販売事業は、新車販売等が減少し、売上収益21,005百万円(前期比5.5%減)、営業利益789百万円(前期比13.6%減)となりました。
その他は、情報システムサービス等が増加し、売上収益9,239百万円(前期比32.1%増)となりましたが、営業利益622百万円(前期比50.8%減)となりました。
当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度末と比較して18,201百万円増加し、315,188百万円となりました。
負債については、前連結会計年度末と比較して6,499百万円増加し、128,658百万円となりました。
資本については、前連結会計年度末と比較して11,701百万円増加し、186,530百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、41,650百万円(前連結会計年度末と比較して4,992百万円増加)となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、10,599百万円の収入となりました。前連結会計年度と比較して棚卸資産の増減額が1,449百万円減少したものの、営業債権及びその他の債権の増減額が7,685百万円増加したこと等により、6,245百万円の収入減となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、13,007百万円の支出となりました。前連結会計年度と比較して有形固定資産及び無形資産の取得による支出が5,378百万円減少したこと等により、5,313百万円の支出減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,883百万円の収入となりました。前連結会計年度と比較して、長期借入れによる収入が6,040百万円増加したこと等により、7,096百万円の収入増となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
自動車及び汎用計器事業151,659△16.7
コンポーネント事業12,827△10.7
樹脂材料事業5,295△5.9
自動車販売事業--
その他3,04210.1
合計172,825△15.7

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
自動車及び汎用計器事業163,708△15.1
コンポーネント事業14,120△6.9
樹脂材料事業8,852△3.3
自動車販売事業21,005△5.5
その他9,23932.1
合計216,926△11.9

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
本田技研工業株式会社グループ56,05522.852,65624.3
GENERAL MOTORS COMPANYグループ24,60810.022,77610.5

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループは、車載計器などの設計・製造技術を中心に、幅広く高度な専門技術を蓄積・進化させ成長を図るとともに、お客様の要求を実現するための事業視点での機能連携と、横断的な機能軸でのグループ連携により、持続的な利益創出の実現を推進してまいりました。
自動車及び汎用計器事業においては、車両並びに車載部品の機能の高度化、競合サプライヤーの増加及びヘッドアップディスプレイ(HUD)の市場拡大等の変化に対し、次世代コックピットを見据えた技術開発、HUD事業の拡大、ものづくり競争力の強化及び設計開発体制の強化を行ってまいりました。
次世代コックピットにおいて重要な役割を担うHUDにつきましては、2020年9月より、メルセデス・ベンツ社向けに当社初の技術であるAR-HUD(Augmented Reality:拡張現実型HUD)の納入を開始するなど、次世代HUDの製品開発を進めてまいりました。
ものづくり競争力強化においては、より一層効率的な一貫加工生産体制の構築と、成長領域へのリソース強化を図るため、日本においては連結子会社であるエヌエスアドバンテック株式会社とエヌエスエレクトロニクス株式会社の合併、米州においてはニッポンセイキ・デ・メヒコ社、ニッセイ・アドバンテック・メヒコ社及びニッセイ・ディスプレイ・メヒコ社の合併に向けた準備を進めてまいりました。
また、製品の高機能化に伴い、グローバルでの設計開発力強化に取り組むとともに、ソフトウエアのプラットフォーム化を進めることで、開発コストの低減を図ってまいりました。
このように、当社グループは、取り巻く環境の変化に柔軟に対応しつつ、将来を見据えた体制構築を行い、一層の競争力強化を図るとともに、新たな価値創出に取り組んでまいりました。
経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は、前連結会計年度に比べ11.9%減収の216,926百万円となりました。国内売上収益は、前連結会計年度に比べ8.2%減収の81,914百万円となり、海外売上収益は、14.1%減収の135,012百万円となりました。セグメント別の売上収益については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における売上原価、販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ10.3%減の214,105百万円となり、売上収益に対する比率は1.8ポイント上昇して98.7%となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ49.1%減益の3,900百万円となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失)
当連結会計年度における金融収益(費用)は、前連結会計年度の103百万円の費用(純額)から2,298百万円の収益(純額)となりました。これは、主に為替差益が前連結会計年度から増加したこと等によります。
この結果、前連結会計年度は350百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失に対し、当連結会計年度は517百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益となりました。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産については、現金及び現金同等物、その他の金融資産の増加等により、前連結会計年度末と比較して18,201百万円増加し、315,188百万円となりました。
(負債)
負債については、未払法人所得税が減少したものの、借入金及び繰延税金負債の増加等により、前連結会計年度末と比較して6,499百万円増加し、128,658百万円となりました。
(資本)
資本については、その他の資本の構成要素の増加等により、前連結会計年度末と比較して11,701百万円増加し、186,530百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のため当社グループの新たな成長につながる戦略的研究開発への先行投資及びグローバル事業展開に向けた国内外の生産販売体制の整備・強化のために必要な資金として内部留保の確保を行っております。
当社グループはグローバルな経営の実現に向けて、機動的かつ効率的な資金の循環による有利子負債の削減、金融費用の削減を図るため、国内グループ会社及び海外グループ会社に対し、提出会社を通じた資金調達体制を確立しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。