有価証券報告書-第64期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 16:20
【資料】
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【項目】
138項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスが猛威を振るい、抑え込みに成功した中国や他のわずかな国を除いて大きく落ち込みました。年度初めはこの新たな脅威との向き合い方を模索する過程で厳しい行動制限が行われ、経済活動が大きく停滞しました。年度中頃になると経済を回しながら対応する方向に軌道修正され、経済も回復していきました。年末からは早い国ではワクチン接種が進み、回復期待が一気に高まりました。いまやワクチンがこの災厄からの出口としての希望となっており、実際にワクチン接種が進んでいる国では感染状況が改善し、コロナ前の生活が戻ろうとしています。しかしながら、ワクチン接種の進み具合により国内状況の明暗が分かれる中、インドでは変異株が凄まじい猛威を振るい新たな脅威となっており、変異株へのワクチンの有効性も含めまだまだ先の見えない状況にあるように思われます。
一方日本におきましては、2020年4月に1回目の緊急事態宣言を発令して感染を抑え込むことに成功しましたが、その後はGoToキャンペーン等の感染防止とは相反する政策を推進しました。このちぐはぐな対応の結果12月には感染が急拡大して2回目の緊急事態宣言を発令、ここでも何とか抑え込みましたが、2021年4月の第4波の波は大きく、3回目となる緊急事態宣言が発令されました。第4波では、変異株の感染が進んでいること、人流抑制が従前ほど徹底されなくなっていることなどが拡大の要因として挙げられていますが、頼みの綱のワクチン接種も進まない中、オリンピック・パラリンピックという大きなイベントの開催が近づいており、発生から1年以上を経て今まさに危機的な状況にあるように思われます。
当社グループの主要事業領域であります自動車産業界は、年度初めの第1四半期においては厳しい行動制限に伴い完成車メーカーをはじめ多くの工場が操業を停止し、生産は激減しました。第2四半期から生産は徐々に回復し、第3四半期には前年を超える増産となりました。第4四半期は、この増産と自然災害や火災に伴う半導体や樹脂材料の工場停止が重なり、各社の生産に影響を及ぼして弱含みとなりました。
このような状況の中、当社グループの連結売上高は、上半期の落ち込みが響き18,965百万円(前連結会計年度比11.4%減)となりました。営業利益につきましては、上半期の生産減に伴う経費が重くのしかかり997百万円(前連結会計年度比20.6%減)となりました。経常利益につきましては、一時帰休に伴う助成金の計上もあり1,589百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、過年度分利益課税で税金負担が膨らみましたが974百万円(前連結会計年度比15.1%増)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 金属関連部品事業
当連結会計年度の当事業の売上高は、16,701百万円(前年同期比10.1%減)となりました。上半期は大きく落ち込みましたが、第3四半期連結会計期間においては挽回分も含んで大きく生産が回復し、この期間の国内では前年同期の売上を上回りました。第4四半期連結会計期間においては、半導体や樹脂材料不足の影響もあり、弱含みました。年間では、国内・海外共に上半期の新型コロナウイルス感染拡大に伴う客先の操業停止等による影響が大きく、減少しました。
② 樹脂関連部品事業
当連結会計年度の当事業の売上高は、1,444百万円(前年同期比23.5%減)となりました。金属関連部品事業同様上半期は大きく落ち込み、第3四半期連結会計期間において大きく回復、第4四半期連結会計期間において弱含みました。年間では、国内・海外共に新型コロナウイルス感染拡大に伴う客先の操業停止等による影響が大きく、減少しました。
③ その他
当連結会計年度の当事業の売上高は、819百万円(前年同期比13.1%減)となりました。海外は各国のロックダウン措置の影響などにより欧州と米国、カナダ、韓国で減少しました。国内は太陽光発電向け締結部材の新規貢献がありましたが、期初からの緊急事態宣言による移動制限と経済停滞等により減少しました。
(2)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,968百万円増加し、26,753百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,918百万円増加し、8,957百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,050百万円増加し、17,795百万円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費、仕入債務の増加額、定期預金の払戻による収入、有価証券の償還による収入や短期借入金の純増額があったものの、退職給付に係る負債の減少額、法人税等の支払額、定期預金の預入による支出、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出や配当金の支払額などがあり、当期連結会計年度末には7,038百万円(前連結会計年度末比48.4%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は2,780百万円(前年同期比73.1%増)となりました。これは法人税等の支払額374百万円、退職給付に係る負債の減少266百万円、売上債権の増加200百万円などの資金の流出があったものの、税金等調整前当期純利益1,586百万円、減価償却費1,266百万円、仕入債務の増加347百万円、未払金の増加額220百万円などの資金の流入があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,744百万円(前年同期比102.3%増)となりました。これは定期預金の払戻による収入462百万円、有価証券の償還による収入523百万円などの資金の流入があったものの、定期預金の預入による支出425百万円、有形固定資産の取得による支出2,060百万円、無形固定資産の取得による支出140百万円などの資金の流出があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は1,289百万円(前年同期は975百万円の使用)となりました。これは長期借入金の返済による支出236百万円、短期社債の償還による支出110百万円、配当金の支払額265百万円などの資金の流出があったものの、短期借入金の純増額1,814百万円、長期借入れによる収入160百万円などの資金の流入があったことによります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
金属関連部品事業(千円)16,350,77989.2
樹脂関連部品事業(千円)1,463,05178.2
報告セグメント計(千円)17,813,83188.1
その他(千円)621,73274.4
合計(千円)18,435,56487.6

(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、得意先の生産計画に基づく週単位、旬単位、月単位での内示情報と、過去の流動傾向を基にした見込生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
金属関連部品事業(千円)16,701,04089.9
樹脂関連部品事業(千円)1,444,25476.5
報告セグメント計(千円)18,145,29488.7
その他(千円)819,89386.9
合計(千円)18,965,18788.6

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
トヨタ自動車株式会社2,651,55112.42,698,75114.2
本田技研工業株式会社2,336,23310.92,313,77612.2

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。そのため、実際の業績や財務状況は記載予想とは異なる可能性があります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要な費用につきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。
(2) 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 財政状態の分析
流動資産は、有価証券の減少312百万円がありましたが、現金及び預金の増加2,231百万円、電子記録債権の増加92百万円、流動資産のその他の増加219百万円により、前連結会計年度末と比較して2,238百万円の増加となりました。
固定資産は、繰延税金資産の減少248百万円がありましたが、有形固定資産の増加548百万円、無形固定資産のその他の増加88百万円、投資有価証券の増加94百万円、長期貸付金の増加63百万円、投資その他の資産のその他の増加98百万円により、前連結会計年度末と比較して730百万円の増加となりました。
以上の結果、資産合計は前連結会計年度末と比較して2,968百万円増加し、26,753百万円となりました。
負債につきましては、1年内償還予定の社債の減少100百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少149百万円、退職給付に係る負債の減少266百万円がありましたが、電子記録債務の増加268百万円、短期借入金の増加1,814百万円、未払金の増加228百万円、未払法人税等の増加205百万円により前連結会計年度末と比較して1,918百万円増加して、8,957百万円となりました。
純資産につきましては、17,795百万円と前連結会計年度末と比較して1,050百万円の増加となりました。これは配当金の支払265百万円、為替換算調整勘定154百万円の減少がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上974百万円、その他有価証券評価差額金の増加214百万円、退職給付に係る調整累計額の増加281百万円によるものであります。
② 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度における売上高は18,965百万円(前連結会計年度比△2,436百万円・11.4%減)、営業利益は997百万円(前連結会計年度比△259百万円・20.6%減)、経常利益は1,589百万円(前連結会計年度比+193百万円・13.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は974百万円(前連結会計年度比+127百万円・15.1%増)となりました。
売上に関しましては、当社グループの主要取引先であります自動車業界の当連結会計年度における国内生産台数が7,969千台(前連結会計年度比△1,519千台・16.0%減)、1~12月の海外生産が15,376千台(前連結会計年度比△3,475千台・18.4%減)、これらを合算した全世界生産台数が23,346千台(前連結会計年度比△4,995千台・17.6%減)と減少したことによる押し下げの影響等により、前連結会計年度までの連結対象部分での売上では11.4%減少しました。
利益に関しましては、国内・海外共に改善が例年以上に推移したことやコロナ対策で出張等の出費が抑えられたこと、鉄等のスクラップ価格が値上りしたこと等のプラス要因がありましたが、第1四半期の客先ライン停止に伴う一時帰休の実施や設備費の増加等により、営業利益は20.6%減少しました。営業外では雇用調整助成金等の補助金があったこともあり、経常利益は13.9%増加しました。結果、親会社株主に帰属する当期純利益は15.1%増加しました。
現金及び現金同等物の期末残高の推移
2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
現金及び現金同等物の期末残高(千円)4,482,7525,000,3124,741,6397,038,908

キャッシュポジションについては、上記の表の様に推移しておりますが、過年度より増加傾向で安定しており、経営安全度は高いと考えております。
新型コロナウイルスの対応から経済活動の急激な低迷によりキャッシュポジションも悪化することが予測されますが、手元流動性の確保を最優先とした施策を推進してまいります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要)(3) キャッシュ・フローに記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2019年3月期2020年3月期2021年3月期
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)27.264.2101.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)320.9124.5160.8

(注) 1.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
2.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループでは、売上高の大半を車輌関連部品が占めています。したがいまして当社グループの売上は、自動車生産台数とその生産地域の影響を強く受けます。
当社グループは鉄系材料を使用した製品を多く供給しており、鉄鋼市況や鉄スクラップ市況の影響を強く受けます。
近年では海外子会社の売上や利益が連結に占める割合が増加傾向にあり、為替変動による影響を受けます。
(4) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは様々なお客様とお取引をさせていただいており、このことは個社事情による業績の変動を和らげて安定させる要素になり、強みであると考えております。この戦略については、今後も基本路線として堅持していくものでありますが、お客様の多さが安定性をもたらす一方で、それ故に経営効率を落としている面もあります。このことについては、取引規模や将来性、全体像等を勘案しながら見直しをかけていく必要があると考えております。
当社グループが製品を受注する上での競争力の源は、製品の具現化力と量産化力の高さにあると考えております。逆に言えば、簡単に形にできてすぐに良品が量産できるような製品では、当社グループの強みが十分に発揮できません。現状でも当社グループが競争力を有している製品は高難度部品、高付加価値部品でありますが、この戦略を踏襲しつつさらに深掘りし、現在手掛けていないような形状、加工、分野の製品にも挑戦していきたいと考えております。また、そのための研究開発についても引き続き注力していく所存であります。
当社グループの金属関連部品事業の海外生産工場は、米国、ベトナム、インドネシアの3拠点でしたが、2019年10月に中国湖北省に設立しました睦諾汽車部件(湖北)有限公司が今夏量産開始予定となっており、同事業海外4つ目の生産拠点となります。今回の中国進出は、現在国内で生産・供給している部品を中国現地でも生産・供給をというお客様からの要望があり、実現したものです。これにより中国にも足場ができますので、中国でのビジネスをこれからの成長のエンジンにしていきたいと考えます。当社グループといたしましては、海外拠点を最大限有効活用しつつグローバルでの生産・供給体制をさらに充実させてまいる所存であります。
また、いがり産業が加わったことで当社グループに樹脂という新たな事業領域が加わり、樹脂のみで無く樹脂+金属の複合的な部品も生産できるようになりました。いがり産業も当社同様金型の設計・製作から手掛けている企業であり、高付加価値部品戦略を展開できるだけの技術力を備えております。樹脂+金属というコラボレーションもできるようになれば、さらに付加価値の高い製品を開発、提案することが可能になると考えますので、シナジー効果をしっかり出せるように連携を密にしてまいります。

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