有価証券報告書-第77期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 11:08
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156項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の概要
当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響から企業活動、個人消費などの経済活動が抑制されました。一方、中国においてはいち早く経済活動の正常化が進み世界経済の回復を牽引するとともに、年度後半にかけて半導体関連市場、電動車関連市場などの分野の需要拡大が進みました。
こうした状況下、当社グループにおける受注高は昨年7月を底に急激な回復を見せており、第4四半期の受注高は前年同期と比べ38.4%増となりました。この結果、当連結会計年度における受注高は13,645百万円(前年同期比306百万円、2.3%増)となりました。しかし第2四半期連結累計期間における受注残の減少の影響等から、連結累計売上高は13,289百万円(前年同期比1,793百万円、11.9%減)と減収となりました。
利益面に関しては、売上原価及び販売管理費の抑制に努め、営業利益は362百万円(前年同期比23百万円、7.0%増)、経常利益は357百万円(前年同期比82百万円、29.9%増)と増益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は新型コロナウイルス感染対策費用に加え、在宅勤務の継続を見据えた事務所フロアーの統合費用等を計上したことにより、126百万円(前年同期比5百万円、4.1%減)と減益となりました。第4四半期だけを見れば当期純利益は前年同期比約6倍と大幅な改善となりました。
セグメントの業績は以下のとおりです。
なお、下記セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて表示しております。
○ 駆動システム
当セグメントでは、受注においては第4四半期より中国や半導体製造装置向けを中心に急激な回復を見せており、受注高は5,796百万円(前年同期比895百万円、18.3%増)となりました。第4四半期では前年同期比93.2%の急増です。一方、売上高は製造リードタイムの関係で需要の急拡大に増産が追い付かなかったことや、欧州における新型コロナウィルス問題の影響からドイツの子会社の業績が低迷したことなどから、5,527百万円(前年同期比1,409百万円、20.3%減)となり、営業利益は99百万円(前年同期比259百万円、72.3%減)と大幅な減収減益となりました。
○ 金型システム
当セグメントでは、第2四半期連結累計期間まで減少傾向であった受注高は、第3四半期連結会計期間より大きな回復を見せ、通期では4,561百万円(前年同期比265百万円、6.2%増)となりました。売上高は車載用モーター向け金型および周辺システムの売上貢献及び家電用モーターコア等の増加により、4,414百万円(前年同期比862百万円、24.3%増)となり、営業利益は226百万円(前年同期は営業損失242百万円)と業績は大きく改善しました。
○ 機工・計測システム
当セグメントでは、自動車分野やロボット向け減速機市場、工作機械市場の低迷が継続し、要素機器・システム商品ともに受注・売上が落ち込みました。受注高は3,300百万円(前年同期比860百万円、20.7%減)、売上高は3,360百万円(前年同期比1,252百万円、27.2%減)と大幅な減少となったことにより、利益面に関しては営業利益64百万円(前年同期比191百万円、74.9%減)と大幅な減収減益となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は19,659百万円となり、前連結会計年度末と比較して820百万円増加しました。これは主に売上債権の増加等により流動資産が369百万円増加し、投資有価証券等の増加により固定資産が451百万円増加したことによるものです。
負債合計額は10,352百万円となり、前連結会計年度末と比較して332百万円増加しました。これは主に短期借入金及び長期借入金の増加等によるものです。
また、当連結会計年度末の純資産は9,306百万円となり、前連結会計年度末と比較して488百万円増加しました。これは主にその他有価証券評価差額金及び為替換算調整勘定等でその他包括利益累計合計額が439百万円増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に対し78百万円減の2,136百万円となりました。各キャッシュ・フロ-の状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は531百万円(前年同期は436百万円の増加)となりました。これは売上債権の増加629百万円、仕入債務の減少184百万円等により資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益246百万円、減価償却費770百万円等により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は887百万円(前年同期は1,132百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得900百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は315百万円(前年同期は270百万円の増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入1,315百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
駆動システム(千円)5,481,652△18.8
金型システム(千円)4,844,21915.9
機工・計測システム(千円)3,406,628△29.4
合計(千円)13,732,499△12.8

(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
駆動システム5,796,53518.32,239,91513.7
金型システム4,561,8806.21,751,2849.2
機工・計測システム3,300,233△20.7764,360△7.3
調整額△12,716△32.1--
合計13,645,9322.34,755,5608.1

(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
駆動システム(千円)5,527,072△20.3
金型システム(千円)4,414,76424.3
機工・計測システム(千円)3,360,378△27.2
調整額(千円)△12,716△32.1
合計(千円)13,289,499△11.9

(注)1 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10を超えている相手先が無いため記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。
・売上高
米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大による影響により、売上高は13,289百万円となり、前連結会計年度に比べ11.9%の減収となりました。
各セグメント別においては下記のとおりとなりました。
駆動システム5,527百万円(20.3%減)、金型システム4,414百万円(24.3%増)、機工・システム3,360百万円(27.2%減)
・売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価については、全社的な収益改善活動に取り組んだものの、売上高の減少を補うには至らず、当連結会計年度の原価率は74.8%と前連結会計年度に比べ0.4ポイント増加しました。
販売費及び一般管理費については、人件費、研究開発費及び売上高減少に伴う運賃荷造費・輸出諸掛が減少したことなどにより、2,984百万円と前連結会計年度に比べ540百万円減少しております
・営業損益
以上の結果、駆動システム、機工・計測システムにおいては減益となったものの、金型システムの大幅な増益により、営業利益は362百万円と前連結会計年度に比べ7.0%の増加となりました。
・営業外損益及び経常損益
営業外収益169百万円(前年同期比13百万円減)、営業外費用174百万円(前年同期比71百万円減)の結果、経常利益は357百万円となり、前連結会計年度に比べ29.9%の増加となりました。
・特別損益
特別利益として雇用調整助成金等を264百万円(前年同期比218百万円増)、特別損失として新型コロナウイルス感染症拡大に伴う海外子会社の操業停止費用や一時帰休に伴う費用等293百万円を含め、376百万円(前年同期比284百万円増)を計上しております。その結果、税金等調整前当期純利益は246百万円となり、前年連結会計年度に比べ7.5%の増加となりました。
・親会社株主に帰属する当期純損益
税金等調整前当期純利益から法人税等合計117百万円(前年同期比53百万円増加)と非支配株主に帰属する当期純利益2百万円(前年同期比31百万円減)を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、126百万円となり、前連結会計年度に比べ4.1%の減少となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに財源及び資金の流動性についての分析
・キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は531百万円(前年同期は436百万円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローにより減少した資金は887百万円(前年同期は1,132百万円の減少)、財務活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は315百万円(前年同期は270百万円の増加)となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,136百万円となり前連結会計年度末に比較し78百万円の減少となりました。
・資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料・外注加工費の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
・資金の調達と流動性
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は、金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。当連結会計年度末における借入及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,537百万円となり前連結会計年度末に比較し、451百万円の増加となりました。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。