四半期報告書-第119期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)
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四半期連結財務諸表注記事項(IFRS)
1 報告企業
株式会社リコー(以下、当社)は日本に所在する企業であります。当社の要約四半期連結財務諸表は、当社及び連結子会社(以下、当社グループ)、並びに当社の関連会社に対する持分により構成されております。当社は、複写機器及び関連消耗品、サービス、ソリューション商品等のオフィスプリンティング分野、パソコン、サーバー、ネットワーク関連サービス等のオフィスサービス分野、カットシートPP(プロダクションプリンター)等の商用印刷分野、インクジェットヘッド等の産業印刷分野、サーマルメディア等のサーマル分野、デジタルカメラ等を含むその他分野で構成されております。各分野の内容については、注記4 事業セグメントに記載しております。
2 作成の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表はIAS第34号に準拠して作成しており、連結会計年度の連結財務諸表で要求されている全ての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。当社は、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定を適用しております。
要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。
見積り及び判断の利用
要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定をすることが義務付けられております。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
要約四半期連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び判断は、前連結会計年度の連結財務諸表と同様であります。
3 重要な会計方針
要約四半期連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、以下の新たに適用する基準書を除き、前連結会計年度において適用した会計方針と同一であります。
①IFRS第9号「金融商品」の適用
当社グループは、2018年4月1日よりIFRS第9号「金融商品」を適用しております。
本基準の適用にあたっては、経過措置として認められている本基準の適用による累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用しております。
当社グループでは、従前の会計基準において売却可能金融資産として分類していた資本性金融商品は原則、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益で表示するという取消不能な選択をしている一方、売却可能金融資産として分類していた資本性金融商品の一部を、純損益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品として分類しております。この結果、期首時点でその他の資本の構成要素から利益剰余金へ 27,856百万円振り替えております。この変更により、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当第3四半期連結累計期間の四半期利益が 27,856百万円減少しております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、公正価値が著しく下落した場合、または認識を中止した場合にはその他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えます。
また、金融資産について予想信用損失モデルに基づき減損を認識することとしております。この結果、期首時点で利益剰余金が 661百万円増加しております。この変更による当第3四半期連結累計期間の損益に与える影響は軽微です。
②IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用
当社グループは、2018年4月1日よりIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用しております。
本基準の適用にあたっては、経過措置として認められている本基準の適用による累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用しております。
当社グループでは、顧客との契約獲得のための増分コストを資産として認識し、売上収益の認識に合わせて償却することとしております。
この結果、従前の会計基準を適用した場合と比較して、期首時点で利益剰余金が 5,174百万円増加しております。この変更による当第3四半期連結累計期間の損益に与える影響は軽微です。
また、本基準の適用に伴い、事業セグメントとの関係が理解できるように分解した収益の開示が必要となるため、売上高について注記5 売上高に記載のとおり、開示内容を変更しております。そのため、従来行っていた「製品」「アフターセールス及びレンタル」「その他」に分類した売上高及び売上原価の開示を廃止しております。
4 事業セグメント
当社グループにおける事業の種類別セグメントは、オフィスプリンティング分野、オフィスサービス分野、商用印刷分野、産業印刷分野、サーマル分野、その他分野で構成されております。
事業の種類別セグメントの内容は以下のとおりです。
セグメント損益は、営業利益で表示しており、当社の経営者により経営資源の配分の決定や業績の評価の目的に使用されております。セグメント損益には、人事、法務、IR、広報、経営企画及び社会環境保護といった特定の全社共通費用は含まれておりません。
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における事業の種類別セグメント及び地域別情報は以下のとおりです。セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。なお、前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間において、連結売上高の 10%以上を占める重要な単一顧客はありません。
(1) 事業の種類別セグメント情報
(2) 地域別情報
顧客の所在地別売上高は以下のとおりです。
5 売上高
当社グループは、注記4 事業セグメントに記載のとおり、「オフィスプリンティング分野」、「オフィスサービス分野」、「商用印刷分野」、「産業印刷分野」、「サーマル分野」、「その他分野」の6つを報告セグメントとしております。また、売上高は顧客の所在地を基礎とし、地域別に分解しております。これらの分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関係は以下のとおりです。
(注)1 セグメント間の内部売上収益を除いた金額を表示しております。
2 売上高にはIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に従い会計処理している売上に加え、IAS第17号「リース」に従い会計処理している製品のリース収益等が含まれております。
6 社債
前第3四半期連結累計期間において、普通社債 15,000百万円(年利 0.05%、償還期限2020年7月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.16%、償還期限2022年7月)、普通社債 5,000百万円(年利 0.35%、償還期限2027年7月)及びユーロ建普通社債 100百万ユーロ(13,494百万円)(年利 0.35%、償還期限2020年7月)を発行しております。また、前第3四半期連結累計期間において、普通社債 20,000百万円(年利 0.88%、償還期限2017年6月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.15%、償還期限2017年7月)及び普通社債 20,000百万円(年利 0.35%、償還期限2017年11月)を償還しております。
当第3四半期連結累計期間において、普通社債 10,000百万円(年利 0.05%、償還期限2021年9月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.19%、償還期限2023年9月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.20%、償還期限2023年12月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.46%、償還期限2028年12月)を発行しております。また、当第3四半期連結累計期間において、普通社債 10,000百万円(年利 0.47%、償還期限2018年7月)を償還しております。
7 配当金
前第3四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年12月31日)
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が前第3四半期連結累計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が前第3四半期連結会計期間の末日後となるもの
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年12月31日)
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当第3四半期連結累計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当第3四半期連結会計期間の末日後となるもの
該当事項はありません。
8 金融商品
(1) 金融商品の公正価値
金融商品の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。
(注)1 現金及び現金同等物、定期預金、営業債務及びその他の債務
これらの勘定は短期間で決済されるので、帳簿価額と公正価値が近似しております。そのため、上記の表中には含めておりません。
2 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権のうち、短期間で決済される債権については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。
短期間で回収又は決済されない債権については、一定の業種ごとに区分した債権ごとに、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値を算定しているため、公正価値の測定及び開示ではレベル3に分類しております。
3 リース債権、営業貸付金
リース債権及び営業貸付金については、一定の期間ごとに区分した債権ごとに、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値を算定しているため、公正価値の測定及び開示ではレベル3に分類しております。
4 デリバティブ
デリバティブには、金利スワップ、為替予約等が含まれており、これらの公正価値は、金融機関より入手した見積価格や、利用可能な情報に基づく適切な評価方法により、算定しております。
5 株式、社債
株式、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場株式が含まれております。市場性のある株式及び社債は、主に市場価格に基づいて算定しております。非上場株式については類似公開会社比較法等の評価技法を用いて公正価値を算定しております。
6 社債及び借入金、リース債務
社債及び借入金のうち、12か月以内に償還及び返済される部分については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。
社債及び借入金、リース債務については、契約ごとの将来キャッシュ・フローから、類似の満期日の借入金に対して適用される期末借入金利を用いて割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、公正価値の測定及び開示ではレベル2に分類しております。
7 各金融資産及び金融負債の測定方法
IFRS第9号「金融商品」に基づく各金融資産及び金融負債の測定方法は、以下のとおりです。
償却原価で測定:営業債権、営業貸付金、社債(負債)及び借入金
純損益を通じて公正価値で測定:デリバティブ資産、デリバティブ負債
その他の包括利益を通じて公正価値で測定:株式、社債(資産)
8 当第3四半期連結会計期間末における株式及びデリバティブ負債の帳簿価額及び公正価値の減少は、主にコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社による自己株式の公開買付けの決済が完了したことによるものです。
(2) 要約四半期連結財政状態計算書において認識された公正価値の測定
以下は金融商品を当初認識した後、公正価値で測定された金融商品の分析であります。分析に使用する公正価値ヒエラルキーは、以下のように定義付けられております。
なお、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
公正価値により測定された金融商品
(注)1 デリバティブ
デリバティブには、金利スワップ、為替予約等が含まれており、LIBOR等観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しております。
2 株式、社債
株式、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場株式が含まれております。市場性のある株式及び社債は、活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を算定しており、観察可能であるためレベル1に分類しております。非上場株式は、類似企業の市場価格等の観察可能な指標と観察不能な指標を用いた評価技法により公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
レベル3に区分される株式については、当第3四半期連結累計期間において、重要な変動は生じておりません。
9 補足的損益情報
前第3四半期連結累計(会計)期間及び当第3四半期連結累計(会計)期間における費用計上額は以下のとおりです。
10 子会社に対する支配喪失
(1) Ricoh India Limited
当社の連結子会社であるRicoh India Limited(以下、リコーインド)は、2018年1月29日にインドNational Company Law Tribunal(会社法審判所)に対してインド破産倒産法(Insolvency and Bankruptcy Code)第10条に基づく会社更生手続開始の申立(*1)を行っておりましたが、その開始決定が2018年5月になされました。これに伴い会社法審判所によってモラトリアム(*2)が発令されるとともに、Interim Resolution Professionalと呼ばれる暫定管財人が任命されました。
当社はリコーインドの議決権の過半数を所有しておりますが、上記の事象により管財人の管理下となっているため、同社に対する当社の支配が喪失していると判断し、当第1四半期連結会計期間よりリコーインドを連結の範囲から除外しております。
この連結除外による当第3四半期連結累計期間の損益に与える影響は、軽微です。
なお、リコーインドの金融債権者により構成される債権者委員会において、暫定管財人の任用を継続し又は改選する旨の判断が行われ、2018年6月に暫定管財人がResolution Professionalと呼ばれる正式な管財人として任命されております。
2018年7月にはExpression of Interest と呼ばれるリコーインドの会社更生に興味がある候補者の募集を公示しました。これを受けて、募集に参加したResolution Prospective Applicants と呼ばれる応募者が策定、提出した更生計画について、現在債権者委員会による審議が行われています。
今後、債権者委員会によって選定される更生計画によっては、当社グループが保有するリコーインド向け債権に関する債権放棄等の要請が行われ、追加の損失が発生する可能性があります。
*1…インド破産倒産法第10条に基づく会社更生手続について
当該申立てを受けた会社法審判所により手続開始決定がなされると、管財人による財産管理が行われるとともに、債権者委員会による承認及び会社法審判所による認可を目指して更生計画案の作成が行われる期間が設けられます。当該期間内に会社法審判所に更生計画案が提出されなかった場合、その他インド破産倒産法所定の事由が発生した場合には、清算手続きへと移行することとなります。
*2…モラトリアムについて
インド会社法審判所は、倒産処理手続開始決定と同時にモラトリアムを発令します。モラトリアム発令中は、債務者が占有する財産の所有者等による占有の回復、債務者に対する司法その他の手続き、担保権の実行、債務者の資産や権利の処分などの行為が禁止されます。モラトリアムは会社審判所による更生計画案の承認命令または清算命令が行われるまで継続されます。
(2) リコーロジスティクス株式会社
①支配喪失の概要
当社は、2018年5月18日に、当社の連結子会社であるリコーロジスティクス株式会社(以下、リコーロジスティクス)の発行済み株式の 66.6%(小数点第二位以下を切り捨て)をSBSホールディングス株式会社(以下、SBSホールディングス)に譲渡する株式譲渡契約を締結し、2018年8月1日に譲渡しました。
併せて、当社が新たに設立したROホールディングス株式会社(以下、ROホールディングス)に対して、SBSホールディングスへの株式譲渡後に当社が保有するリコーロジスティクスの普通株式のすべて(発行済み株式数の1/3を超える 33.3%(小数点第二位以下を切り捨て)に相当)を譲渡しました。
さらに、当社はROホールディングスの発行済み株式数の 33.4%に相当する普通株式を株式会社大塚商会に対して譲渡しました。この一連の取引に伴い、リコーロジスティクスは当社の持分法適用会社となりました。
②支配喪失を伴う資産及び負債
③子会社の支配喪失に伴う利益
注)株式譲渡益は「その他の収益」に計上しております。なお、株式譲渡益には支配喪失日現在の公正価値で評価したことによる評価益が 4,742百万円含まれております。
④支配喪失に伴う現金及び現金同等物の変動
なお、ROホールディングスの発行済み株式数の 33.4%に相当する普通株式の譲渡に対する株式会社大塚商会からの受取対価については、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書上、「連結範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入」に含まれております。
11 1株当たり利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する四半期利益は以下のとおりです。
なお、希薄化後1株当たり四半期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
12 資本的支出契約及び偶発事象
前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末現在における、決算日以降の有形固定資産及びその他の資産の取得に係る既契約額は、それぞれ 14,449百万円及び 13,076百万円です。
また、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末現在において、金額的重要性のある債務保証はありません。
当第3四半期連結会計期間末現在、特許等に係る一般的な係争はありますが、当該係争から生ずる最終的債務が仮に発生した場合においても、財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるものではありません。
13 要約四半期連結財務諸表の承認
2019年2月13日に、要約四半期連結財務諸表は当社代表取締役社長執行役員 山下良則及び取締役専務執行役員 松石秀隆によって承認されております。
株式会社リコー(以下、当社)は日本に所在する企業であります。当社の要約四半期連結財務諸表は、当社及び連結子会社(以下、当社グループ)、並びに当社の関連会社に対する持分により構成されております。当社は、複写機器及び関連消耗品、サービス、ソリューション商品等のオフィスプリンティング分野、パソコン、サーバー、ネットワーク関連サービス等のオフィスサービス分野、カットシートPP(プロダクションプリンター)等の商用印刷分野、インクジェットヘッド等の産業印刷分野、サーマルメディア等のサーマル分野、デジタルカメラ等を含むその他分野で構成されております。各分野の内容については、注記4 事業セグメントに記載しております。
2 作成の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表はIAS第34号に準拠して作成しており、連結会計年度の連結財務諸表で要求されている全ての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。当社は、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定を適用しております。
要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。
見積り及び判断の利用
要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定をすることが義務付けられております。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
要約四半期連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び判断は、前連結会計年度の連結財務諸表と同様であります。
3 重要な会計方針
要約四半期連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、以下の新たに適用する基準書を除き、前連結会計年度において適用した会計方針と同一であります。
基準書 | 基準名 | 新設・改訂の概要 |
IFRS第9号 | 金融商品 | 金融商品の分類、測定及び認識に係る改訂、金融資産の予想信用損失モデルによる減損規定の導入 |
IFRS第15号 | 顧客との契約から生じる収益 | 収益認識の会計処理に使用する単一のフレームワークの提示 |
①IFRS第9号「金融商品」の適用
当社グループは、2018年4月1日よりIFRS第9号「金融商品」を適用しております。
本基準の適用にあたっては、経過措置として認められている本基準の適用による累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用しております。
当社グループでは、従前の会計基準において売却可能金融資産として分類していた資本性金融商品は原則、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益で表示するという取消不能な選択をしている一方、売却可能金融資産として分類していた資本性金融商品の一部を、純損益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品として分類しております。この結果、期首時点でその他の資本の構成要素から利益剰余金へ 27,856百万円振り替えております。この変更により、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当第3四半期連結累計期間の四半期利益が 27,856百万円減少しております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、公正価値が著しく下落した場合、または認識を中止した場合にはその他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えます。
また、金融資産について予想信用損失モデルに基づき減損を認識することとしております。この結果、期首時点で利益剰余金が 661百万円増加しております。この変更による当第3四半期連結累計期間の損益に与える影響は軽微です。
②IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用
当社グループは、2018年4月1日よりIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用しております。
本基準の適用にあたっては、経過措置として認められている本基準の適用による累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用しております。
当社グループでは、顧客との契約獲得のための増分コストを資産として認識し、売上収益の認識に合わせて償却することとしております。
この結果、従前の会計基準を適用した場合と比較して、期首時点で利益剰余金が 5,174百万円増加しております。この変更による当第3四半期連結累計期間の損益に与える影響は軽微です。
また、本基準の適用に伴い、事業セグメントとの関係が理解できるように分解した収益の開示が必要となるため、売上高について注記5 売上高に記載のとおり、開示内容を変更しております。そのため、従来行っていた「製品」「アフターセールス及びレンタル」「その他」に分類した売上高及び売上原価の開示を廃止しております。
4 事業セグメント
当社グループにおける事業の種類別セグメントは、オフィスプリンティング分野、オフィスサービス分野、商用印刷分野、産業印刷分野、サーマル分野、その他分野で構成されております。
事業の種類別セグメントの内容は以下のとおりです。
セグメント | 製品・サービス |
オフィスプリンティング分野 | MFP(マルチファンクションプリンター)・複写機・プリンター・印刷機・広幅機・FAX・スキャナ等機器、関連消耗品・サービス・サポート・ソフトウェア等 |
オフィスサービス分野 | パソコン・サーバー・ネットワーク関連機器、関連サービス・サポート・ソフトウェア、ドキュメント関連サービス・ソリューション等 |
商用印刷分野 | カットシートPP(プロダクションプリンター)・連帳PP等機器、関連消耗品・サービス・サポート・ソフトウェア等 |
産業印刷分野 | インクジェットヘッド・作像システム・産業プリンター等 |
サーマル分野 | サーマルメディア等 |
その他分野 | 産業用光学部品・モジュール、電装ユニット、精密機器部品、デジタルカメラ、3Dプリント、環境、ヘルスケア、金融サービス等 |
セグメント損益は、営業利益で表示しており、当社の経営者により経営資源の配分の決定や業績の評価の目的に使用されております。セグメント損益には、人事、法務、IR、広報、経営企画及び社会環境保護といった特定の全社共通費用は含まれておりません。
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における事業の種類別セグメント及び地域別情報は以下のとおりです。セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。なお、前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間において、連結売上高の 10%以上を占める重要な単一顧客はありません。
(1) 事業の種類別セグメント情報
前第3四半期連結累計期間 (自2017年4月1日 至2017年12月31日) (百万円) | 当第3四半期連結累計期間 (自2018年4月1日 至2018年12月31日) (百万円) | ||
損益情報: | |||
売上高: | |||
オフィスプリンティング分野 | 849,247 | 809,213 | |
オフィスサービス分野 | 317,583 | 348,835 | |
商用印刷分野 | 137,797 | 135,147 | |
産業印刷分野 | 13,429 | 15,614 | |
サーマル分野 | 46,292 | 50,608 | |
その他分野 | 203,569 | 165,170 | |
セグメント間取引 | △51,717 | △35,136 | |
合計 | 1,516,200 | 1,489,451 | |
セグメント損益: | |||
オフィスプリンティング分野 | 88,581 | 90,248 | |
オフィスサービス分野 | △3,007 | 9,412 | |
商用印刷分野 | 19,998 | 20,236 | |
産業印刷分野 | △1,778 | △2,999 | |
サーマル分野 | 4,640 | 2,638 | |
その他分野 | 5,705 | 17,063 | |
合計 | 114,139 | 136,598 | |
セグメント損益と 税引前四半期利益との調整項目: | |||
消去又は全社 | △66,105 | △57,419 | |
金融収益 | 2,866 | 2,346 | |
金融費用 | △7,786 | △5,135 | |
持分法による投資損益 | 51 | 507 | |
税引前四半期利益 | 43,165 | 76,897 |
前第3四半期連結会計期間 (自2017年10月1日 至2017年12月31日) (百万円) | 当第3四半期連結会計期間 (自2018年10月1日 至2018年12月31日) (百万円) | ||
損益情報: | |||
売上高: | |||
オフィスプリンティング分野 | 289,877 | 270,636 | |
オフィスサービス分野 | 105,506 | 117,468 | |
商用印刷分野 | 47,213 | 48,634 | |
産業印刷分野 | 4,534 | 5,828 | |
サーマル分野 | 16,874 | 17,538 | |
その他分野 | 70,678 | 48,085 | |
セグメント間取引 | △17,319 | △6,994 | |
合計 | 517,363 | 501,195 | |
セグメント損益: | |||
オフィスプリンティング分野 | 37,861 | 33,009 | |
オフィスサービス分野 | △467 | 3,189 | |
商用印刷分野 | 8,549 | 9,046 | |
産業印刷分野 | △795 | △979 | |
サーマル分野 | 1,759 | 885 | |
その他分野 | 3,600 | 1,268 | |
合計 | 50,507 | 46,418 | |
セグメント損益と 税引前四半期利益との調整項目: | |||
消去又は全社 | △24,488 | △19,247 | |
金融収益 | 963 | 365 | |
金融費用 | △1,606 | △993 | |
持分法による投資損益 | 17 | 277 | |
税引前四半期利益 | 25,393 | 26,820 |
(2) 地域別情報
顧客の所在地別売上高は以下のとおりです。
前第3四半期連結累計期間 (自2017年4月1日 至2017年12月31日) (百万円) | 当第3四半期連結累計期間 (自2018年4月1日 至2018年12月31日) (百万円) | ||
売上高: | |||
日本 | 579,205 | 587,705 | |
米州 | 431,905 | 420,364 | |
欧州・中東・アフリカ | 348,024 | 340,727 | |
その他地域 | 157,066 | 140,655 | |
合計 | 1,516,200 | 1,489,451 | |
上記米州のうち米国 | 359,283 | 346,756 |
前第3四半期連結会計期間 (自2017年10月1日 至2017年12月31日) (百万円) | 当第3四半期連結会計期間 (自2018年10月1日 至2018年12月31日) (百万円) | ||
売上高: | |||
日本 | 194,089 | 192,610 | |
米州 | 143,843 | 141,879 | |
欧州・中東・アフリカ | 123,866 | 117,374 | |
その他地域 | 55,565 | 49,332 | |
合計 | 517,363 | 501,195 | |
上記米州のうち米国 | 119,323 | 117,566 |
5 売上高
当社グループは、注記4 事業セグメントに記載のとおり、「オフィスプリンティング分野」、「オフィスサービス分野」、「商用印刷分野」、「産業印刷分野」、「サーマル分野」、「その他分野」の6つを報告セグメントとしております。また、売上高は顧客の所在地を基礎とし、地域別に分解しております。これらの分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関係は以下のとおりです。
前第3四半期連結累計期間 (自2017年4月1日 至2017年12月31日) | 日本 | 米州 | 欧州・中東・ アフリカ | その他地域 | 合計 |
(百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | |
オフィスプリンティング分野 | 262,055 | 260,671 | 233,682 | 92,839 | 849,247 |
オフィスサービス分野 | 166,520 | 78,164 | 56,130 | 16,769 | 317,583 |
商用印刷分野 | 18,076 | 72,592 | 37,703 | 9,426 | 137,797 |
産業印刷分野 | 2,104 | 3,799 | 2,630 | 4,896 | 13,429 |
サーマル分野 | 10,028 | 13,934 | 12,116 | 10,214 | 46,292 |
その他分野 | 120,422 | 2,745 | 5,763 | 22,922 | 151,852 |
合計 | 579,205 | 431,905 | 348,024 | 157,066 | 1,516,200 |
当第3四半期連結累計期間 (自2018年4月1日 至2018年12月31日) | 日本 | 米州 | 欧州・中東・ アフリカ | その他地域 | 合計 |
(百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | |
オフィスプリンティング分野 | 255,679 | 245,167 | 222,956 | 85,411 | 809,213 |
オフィスサービス分野 | 192,076 | 83,655 | 59,465 | 13,639 | 348,835 |
商用印刷分野 | 19,462 | 70,052 | 36,627 | 9,006 | 135,147 |
産業印刷分野 | 2,023 | 4,539 | 4,014 | 5,038 | 15,614 |
サーマル分野 | 10,492 | 14,713 | 13,296 | 12,107 | 50,608 |
その他分野 | 107,973 | 2,238 | 4,369 | 15,454 | 130,034 |
合計 | 587,705 | 420,364 | 340,727 | 140,655 | 1,489,451 |
前第3四半期連結会計期間 (自2017年10月1日 至2017年12月31日) | 日本 | 米州 | 欧州・中東・ アフリカ | その他地域 | 合計 |
(百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | |
オフィスプリンティング分野 | 89,706 | 85,474 | 83,219 | 31,478 | 289,877 |
オフィスサービス分野 | 51,307 | 26,961 | 20,380 | 6,858 | 105,506 |
商用印刷分野 | 6,003 | 24,553 | 13,208 | 3,449 | 47,213 |
産業印刷分野 | 638 | 1,240 | 878 | 1,778 | 4,534 |
サーマル分野 | 3,677 | 4,598 | 4,239 | 4,360 | 16,874 |
その他分野 | 42,758 | 1,017 | 1,942 | 7,642 | 53,359 |
合計 | 194,089 | 143,843 | 123,866 | 55,565 | 517,363 |
当第3四半期連結会計期間 (自2018年10月1日 至2018年12月31日) | 日本 | 米州 | 欧州・中東・ アフリカ | その他地域 | 合計 |
(百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | |
オフィスプリンティング分野 | 85,605 | 80,730 | 75,677 | 28,624 | 270,636 |
オフィスサービス分野 | 62,497 | 28,303 | 21,555 | 5,113 | 117,468 |
商用印刷分野 | 6,644 | 25,571 | 12,957 | 3,462 | 48,634 |
産業印刷分野 | 452 | 1,652 | 1,279 | 2,445 | 5,828 |
サーマル分野 | 3,814 | 4,933 | 4,434 | 4,357 | 17,538 |
その他分野 | 33,598 | 690 | 1,472 | 5,331 | 41,091 |
合計 | 192,610 | 141,879 | 117,374 | 49,332 | 501,195 |
(注)1 セグメント間の内部売上収益を除いた金額を表示しております。
2 売上高にはIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に従い会計処理している売上に加え、IAS第17号「リース」に従い会計処理している製品のリース収益等が含まれております。
6 社債
前第3四半期連結累計期間において、普通社債 15,000百万円(年利 0.05%、償還期限2020年7月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.16%、償還期限2022年7月)、普通社債 5,000百万円(年利 0.35%、償還期限2027年7月)及びユーロ建普通社債 100百万ユーロ(13,494百万円)(年利 0.35%、償還期限2020年7月)を発行しております。また、前第3四半期連結累計期間において、普通社債 20,000百万円(年利 0.88%、償還期限2017年6月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.15%、償還期限2017年7月)及び普通社債 20,000百万円(年利 0.35%、償還期限2017年11月)を償還しております。
当第3四半期連結累計期間において、普通社債 10,000百万円(年利 0.05%、償還期限2021年9月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.19%、償還期限2023年9月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.20%、償還期限2023年12月)、普通社債 10,000百万円(年利 0.46%、償還期限2028年12月)を発行しております。また、当第3四半期連結累計期間において、普通社債 10,000百万円(年利 0.47%、償還期限2018年7月)を償還しております。
7 配当金
前第3四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年12月31日)
(1) 配当金支払額
(決議) | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり 配当額(円) | 基準日 | 効力発生日 | 配当の原資 |
2017年6月16日 定時株主総会 | 普通株式 | 9,061 | 12.5 | 2017年3月31日 | 2017年6月19日 | 利益剰余金 |
2017年10月30日 取締役会 | 普通株式 | 5,437 | 7.5 | 2017年9月30日 | 2017年12月1日 | 利益剰余金 |
(2) 基準日が前第3四半期連結累計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が前第3四半期連結会計期間の末日後となるもの
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年12月31日)
(1) 配当金支払額
(決議) | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり 配当額(円) | 基準日 | 効力発生日 | 配当の原資 |
2018年6月22日 定時株主総会 | 普通株式 | 5,437 | 7.5 | 2018年3月31日 | 2018年6月25日 | 利益剰余金 |
2018年10月26日 取締役会 | 普通株式 | 7,249 | 10.0 | 2018年9月30日 | 2018年12月3日 | 利益剰余金 |
(2) 基準日が当第3四半期連結累計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当第3四半期連結会計期間の末日後となるもの
該当事項はありません。
8 金融商品
(1) 金融商品の公正価値
金融商品の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。
前連結会計年度 (2018年3月31日) (百万円) | 当第3四半期連結会計期間末 (2018年12月31日) (百万円) | |||||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |||
<資産> | ||||||
営業債権 | 110,375 | 115,018 | 126,017 | 131,318 | ||
リース債権 | 842,908 | 860,968 | 838,389 | 855,741 | ||
営業貸付金 | 136,260 | 137,055 | 144,082 | 144,923 | ||
デリバティブ資産 | 1,605 | 1,605 | 1,954 | 1,954 | ||
株式 | 100,883 | 100,883 | 24,070 | 24,070 | ||
社債 | 1,147 | 1,147 | 1,046 | 1,046 | ||
合計 | 1,193,178 | 1,216,676 | 1,135,558 | 1,159,052 | ||
<負債> | ||||||
デリバティブ負債 | 19,830 | 19,830 | 596 | 596 | ||
社債及び借入金 | 658,707 | 657,165 | 598,759 | 597,512 | ||
リース債務 | 3,535 | 3,616 | 4,275 | 4,372 | ||
合計 | 682,072 | 680,611 | 603,630 | 602,480 |
(注)1 現金及び現金同等物、定期預金、営業債務及びその他の債務
これらの勘定は短期間で決済されるので、帳簿価額と公正価値が近似しております。そのため、上記の表中には含めておりません。
2 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権のうち、短期間で決済される債権については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。
短期間で回収又は決済されない債権については、一定の業種ごとに区分した債権ごとに、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値を算定しているため、公正価値の測定及び開示ではレベル3に分類しております。
3 リース債権、営業貸付金
リース債権及び営業貸付金については、一定の期間ごとに区分した債権ごとに、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値を算定しているため、公正価値の測定及び開示ではレベル3に分類しております。
4 デリバティブ
デリバティブには、金利スワップ、為替予約等が含まれており、これらの公正価値は、金融機関より入手した見積価格や、利用可能な情報に基づく適切な評価方法により、算定しております。
5 株式、社債
株式、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場株式が含まれております。市場性のある株式及び社債は、主に市場価格に基づいて算定しております。非上場株式については類似公開会社比較法等の評価技法を用いて公正価値を算定しております。
6 社債及び借入金、リース債務
社債及び借入金のうち、12か月以内に償還及び返済される部分については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。
社債及び借入金、リース債務については、契約ごとの将来キャッシュ・フローから、類似の満期日の借入金に対して適用される期末借入金利を用いて割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、公正価値の測定及び開示ではレベル2に分類しております。
7 各金融資産及び金融負債の測定方法
IFRS第9号「金融商品」に基づく各金融資産及び金融負債の測定方法は、以下のとおりです。
償却原価で測定:営業債権、営業貸付金、社債(負債)及び借入金
純損益を通じて公正価値で測定:デリバティブ資産、デリバティブ負債
その他の包括利益を通じて公正価値で測定:株式、社債(資産)
8 当第3四半期連結会計期間末における株式及びデリバティブ負債の帳簿価額及び公正価値の減少は、主にコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社による自己株式の公開買付けの決済が完了したことによるものです。
(2) 要約四半期連結財政状態計算書において認識された公正価値の測定
以下は金融商品を当初認識した後、公正価値で測定された金融商品の分析であります。分析に使用する公正価値ヒエラルキーは、以下のように定義付けられております。
なお、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
レベル1・・・ | 活発な市場における公表価格により測定された公正価値 |
レベル2・・・ | レベル1以外の、観察可能なインプットを直接、又は間接的に使用して算出された公正価値 |
レベル3・・・ | 観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値 |
公正価値により測定された金融商品
前連結会計年度 (2018年3月31日) | レベル1 (百万円) | レベル2 (百万円) | レベル3 (百万円) | 合計 (百万円) |
<資産> | ||||
デリバティブ資産 | - | 1,605 | - | 1,605 |
株式 | 97,259 | - | 3,624 | 100,883 |
社債 | 1,147 | - | - | 1,147 |
合計 | 98,406 | 1,605 | 3,624 | 103,635 |
<負債> | ||||
デリバティブ負債 | - | 19,830 | - | 19,830 |
合計 | - | 19,830 | - | 19,830 |
当第3四半期連結会計期間末 (2018年12月31日) | レベル1 (百万円) | レベル2 (百万円) | レベル3 (百万円) | 合計 (百万円) |
<資産> | ||||
純損益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | - | 1,954 | - | 1,954 |
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | ||||
株式 | 19,602 | - | 4,468 | 24,070 |
社債 | 1,046 | - | - | 1,046 |
合計 | 20,648 | 1,954 | 4,468 | 27,070 |
<負債> | ||||
純損益を通じて 公正価値で測定する金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | - | 596 | - | 596 |
合計 | - | 596 | - | 596 |
(注)1 デリバティブ
デリバティブには、金利スワップ、為替予約等が含まれており、LIBOR等観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しております。
2 株式、社債
株式、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場株式が含まれております。市場性のある株式及び社債は、活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を算定しており、観察可能であるためレベル1に分類しております。非上場株式は、類似企業の市場価格等の観察可能な指標と観察不能な指標を用いた評価技法により公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
レベル3に区分される株式については、当第3四半期連結累計期間において、重要な変動は生じておりません。
9 補足的損益情報
前第3四半期連結累計(会計)期間及び当第3四半期連結累計(会計)期間における費用計上額は以下のとおりです。
前第3四半期連結累計期間 (自2017年4月1日 至2017年12月31日) (百万円) | 当第3四半期連結累計期間 (自2018年4月1日 至2018年12月31日) (百万円) | ||
研究開発費 | 68,019 | 67,963 | |
発送運送費 | 20,677 | 20,252 | |
広告宣伝費 | 5,600 | 4,748 |
前第3四半期連結会計期間 (自2017年10月1日 至2017年12月31日) (百万円) | 当第3四半期連結会計期間 (自2018年10月1日 至2018年12月31日) (百万円) | ||
研究開発費 | 21,318 | 20,755 | |
発送運送費 | 6,994 | 6,896 | |
広告宣伝費 | 1,853 | 1,176 |
10 子会社に対する支配喪失
(1) Ricoh India Limited
当社の連結子会社であるRicoh India Limited(以下、リコーインド)は、2018年1月29日にインドNational Company Law Tribunal(会社法審判所)に対してインド破産倒産法(Insolvency and Bankruptcy Code)第10条に基づく会社更生手続開始の申立(*1)を行っておりましたが、その開始決定が2018年5月になされました。これに伴い会社法審判所によってモラトリアム(*2)が発令されるとともに、Interim Resolution Professionalと呼ばれる暫定管財人が任命されました。
当社はリコーインドの議決権の過半数を所有しておりますが、上記の事象により管財人の管理下となっているため、同社に対する当社の支配が喪失していると判断し、当第1四半期連結会計期間よりリコーインドを連結の範囲から除外しております。
この連結除外による当第3四半期連結累計期間の損益に与える影響は、軽微です。
なお、リコーインドの金融債権者により構成される債権者委員会において、暫定管財人の任用を継続し又は改選する旨の判断が行われ、2018年6月に暫定管財人がResolution Professionalと呼ばれる正式な管財人として任命されております。
2018年7月にはExpression of Interest と呼ばれるリコーインドの会社更生に興味がある候補者の募集を公示しました。これを受けて、募集に参加したResolution Prospective Applicants と呼ばれる応募者が策定、提出した更生計画について、現在債権者委員会による審議が行われています。
今後、債権者委員会によって選定される更生計画によっては、当社グループが保有するリコーインド向け債権に関する債権放棄等の要請が行われ、追加の損失が発生する可能性があります。
*1…インド破産倒産法第10条に基づく会社更生手続について
当該申立てを受けた会社法審判所により手続開始決定がなされると、管財人による財産管理が行われるとともに、債権者委員会による承認及び会社法審判所による認可を目指して更生計画案の作成が行われる期間が設けられます。当該期間内に会社法審判所に更生計画案が提出されなかった場合、その他インド破産倒産法所定の事由が発生した場合には、清算手続きへと移行することとなります。
*2…モラトリアムについて
インド会社法審判所は、倒産処理手続開始決定と同時にモラトリアムを発令します。モラトリアム発令中は、債務者が占有する財産の所有者等による占有の回復、債務者に対する司法その他の手続き、担保権の実行、債務者の資産や権利の処分などの行為が禁止されます。モラトリアムは会社審判所による更生計画案の承認命令または清算命令が行われるまで継続されます。
(2) リコーロジスティクス株式会社
①支配喪失の概要
当社は、2018年5月18日に、当社の連結子会社であるリコーロジスティクス株式会社(以下、リコーロジスティクス)の発行済み株式の 66.6%(小数点第二位以下を切り捨て)をSBSホールディングス株式会社(以下、SBSホールディングス)に譲渡する株式譲渡契約を締結し、2018年8月1日に譲渡しました。
併せて、当社が新たに設立したROホールディングス株式会社(以下、ROホールディングス)に対して、SBSホールディングスへの株式譲渡後に当社が保有するリコーロジスティクスの普通株式のすべて(発行済み株式数の1/3を超える 33.3%(小数点第二位以下を切り捨て)に相当)を譲渡しました。
さらに、当社はROホールディングスの発行済み株式数の 33.4%に相当する普通株式を株式会社大塚商会に対して譲渡しました。この一連の取引に伴い、リコーロジスティクスは当社の持分法適用会社となりました。
②支配喪失を伴う資産及び負債
当第3四半期連結累計期間 (自2018年4月1日 至2018年12月31日) (百万円) | ||
支配喪失を伴う資産及び負債 | ||
現金及び現金同等物 | 4,663 | |
営業債権及びその他の債権 | 11,774 | |
棚卸資産 | 7,233 | |
有形固定資産 | 1,281 | |
営業債務及びその他の債務 | △10,520 | |
退職給付に係る負債 | △1,485 | |
その他 | △173 | |
処分した純資産 | 12,773 |
③子会社の支配喪失に伴う利益
当第3四半期連結累計期間 (自2018年4月1日 至2018年12月31日) (百万円) | ||
受取対価 | 18,000 | |
処分した純資産 | △12,773 | |
支配喪失時の残余投資 | 9,000 | |
株式譲渡益 | 14,227 |
注)株式譲渡益は「その他の収益」に計上しております。なお、株式譲渡益には支配喪失日現在の公正価値で評価したことによる評価益が 4,742百万円含まれております。
④支配喪失に伴う現金及び現金同等物の変動
当第3四半期連結累計期間 (自2018年4月1日 至2018年12月31日) (百万円) | ||
現金による受取対価 | 18,000 | |
連結除外した子会社における現金及び現金同等物 | △4,663 | |
子会社の支配喪失に伴う現金及び現金同等物の変動額 | 13,337 |
なお、ROホールディングスの発行済み株式数の 33.4%に相当する普通株式の譲渡に対する株式会社大塚商会からの受取対価については、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書上、「連結範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入」に含まれております。
11 1株当たり利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する四半期利益は以下のとおりです。
なお、希薄化後1株当たり四半期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
前第3四半期連結累計期間 (自2017年4月1日 至2017年12月31日) | 当第3四半期連結累計期間 (自2018年4月1日 至2018年12月31日) | ||||
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 17,335 | 百万円 | 50,633 | 百万円 | |
基本的加重平均発行済普通株式数 | 724,878 | 千株 | 724,868 | 千株 | |
基本的1株当たり四半期利益 | 23.91 | 円 | 69.85 | 円 |
前第3四半期連結会計期間 (自2017年10月1日 至2017年12月31日) | 当第3四半期連結会計期間 (自2018年10月1日 至2018年12月31日) | ||||
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 12,808 | 百万円 | 14,588 | 百万円 | |
基本的加重平均発行済普通株式数 | 724,874 | 千株 | 724,865 | 千株 | |
基本的1株当たり四半期利益 | 17.67 | 円 | 20.13 | 円 |
12 資本的支出契約及び偶発事象
前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末現在における、決算日以降の有形固定資産及びその他の資産の取得に係る既契約額は、それぞれ 14,449百万円及び 13,076百万円です。
また、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末現在において、金額的重要性のある債務保証はありません。
当第3四半期連結会計期間末現在、特許等に係る一般的な係争はありますが、当該係争から生ずる最終的債務が仮に発生した場合においても、財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるものではありません。
13 要約四半期連結財務諸表の承認
2019年2月13日に、要約四半期連結財務諸表は当社代表取締役社長執行役員 山下良則及び取締役専務執行役員 松石秀隆によって承認されております。