有価証券報告書-第98期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウィルス感染症拡大により、個人消費や設備投資が落ち込み、中国など一部を除きほぼ全ての地域で実質GDP成長率がマイナスとなった。各国政府の積極的な財政・金融政策により、経済減速は想定よりも緩和されたが、本格的な回復軌道には戻らず全体的に厳しい状況で推移した。こうした中、企業業績は、落ち込みが大きい業種と堅調な業種のバラツキが大きく、当社製品のユーザーにおいても、業種間の業績バラツキが非常に大きい状況だった。
このような状況下、当連結会計年度の当社グループの業績は、半導体製造装置部門の業績伸長により、前年同期比で増収増益となった。売上高は97,105百万円(前年同期比10.4%増)となり、利益面は、営業利益15,562百万円(同26.7%増)、経常利益15,867百万円(同28.4%増)となった。経常取引以外では、政策保有株式(退職給付信託内保有株式を含む)の売却を積極的に進め、投資有価証券売却益、退職給付信託返還益を計上したほか、充放電試験システム事業における改革総仕上げ費用として固定資産減損損失、割増退職金を計上する等した結果、最終的に親会社株主に帰属する当期純利益は12,175百万円(同70.1%増)となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりとなる。
半導体製造装置
当連結会計年度を通じて5G通信やテレワークの普及による関連ロジックデバイス並びに電子部品向けの製造装置需要が堅調に推移した。また、米中貿易摩擦による一時的調整はあったものの中国における装置需要が全般的に増加したことに加え、ディスプレイドライバICや車載半導体需要が回復に転じたこと等から、受注高、売上高ともに前年同期比で増加した。なお、当期の受注高は既往ピークを更新した。
検査工程向け装置が台湾向けに堅調に推移、中国向けでは、検査工程向け装置、組立工程向け装置ともに堅調だったほか、ヨーロッパ、アジア向けに加工装置が堅調に推移した。
このような状況下、当社グループとしては、顧客のニーズを満たす製品の開発、生産キャパシティの拡充、消耗品販売促進等に努めた。
この結果、当連結会計年度の当セグメントの業績は、売上高71,745百万円(前年同期比27.7%増)、営業利益は13,565百万円(同71.4%増)となった。
計測機器
前連結会計年度からモノづくり業界全般に設備需要減速が続いていたことに加え、回復期と見込んでいた当連結会計年度においては、新型コロナウィルス感染症拡大が自動車、工作機械をはじめモノづくり業界全般に大きく影響を及ぼし、設備需要は当連結会計年度を通じて低調に推移した。この結果、当セグメントの受注、売上は前年同期比で減少した。
このような状況下、当社グループとしては、モノづくり全般の自動化ニーズに対応するソリューション提供に努めたほか、オンラインセミナーの開催等による顧客との関係強化、海外販売の強化、NEVや医療・精密機械分野の開拓、受託測定サービスの強化等に努めた。
この結果、当連結会計年度の当セグメントの業績は、売上高25,359百万円(前年同期比20.1%減)、営業利益は1,996百万円(同54.3%減)となった。
(注) なお、上記金額には消費税等は含まれていない。
次に当連結会計年度末時点の財政状態の概要を示すと次のとおりとなる。
当連結会計年度末時点の当社グループの財政状態は、資産合計161,556百万円(うち、流動資産111,516百万円、固定資産50,039百万円)に対し、負債合計44,778百万円、純資産合計116,777百万円となった。
i.資産
好業績を受けて「現金及び預金」残高が大きく増加したことに加え、受注・売上増加により売掛債権、棚卸資産も増加したことが主な要因となり、当連結会計年度末の資産の総額は、前連結会計年度末に対し15,007百万円増加した。
ⅱ.負債
生産の拡大に伴って仕入債務が増加したことが主な要因となり、当連結会計年度末の負債の総額は前連結会計年度末に対し7,904百万円増加した。
ⅲ.純資産
2020年11月11日開催の取締役会決議に基づく自己株式取得に伴い「自己株式」が増加した一方で、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「株主資本」が大きく増加したほか、「退職給付に係る調整累計額」の変動による増加が主な要因となり、当連結会計年度末の純資産の総額は前連結会計年度末に対し7,103百万円増加した。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ 2.5 ポイント減少し、71.4%となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度中「現金及び現金同等物」は9,018 百万円増加し、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は43,624百万円となった。
以下、前連結会計年度末と比較して、その内容を営業、投資、財務の各活動別に示すと次のとおりとなる。
営業活動によるキャッシュ・フローは、その入金超の金額が前連結会計年度5,965百万円から当連結会計年度末は22,062百万円へと増加した。これは主に「税金等調整前当期純利益」が前連結会計年度の10,705百万円から当連結会計年度は16,147百万円へ増加したことのほか、仕入債務の増加5,584百万円、減価償却費3,516百万円、退職給付に係る資産の減少2,881百万円、棚卸資産の増加3,491百万円、退職給付信託返還益1,189百万円、売上債権の増加987百万円、法人税等の支払1,304百万円等によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、その支出超の金額が前連結会計年度の6,116百万円から当連結会計年度5,191百万円へと減少した。これは主に投資有価証券の売却による収入864百万円、有形固定資産の取得による支出5,864百万円等によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、その支出超の金額が前連結会計年度は6,375百万円から当連結会計年度8,282百万円へと増加した。これは主に配当金の支払額3,333百万円、自己株式の取得3,002百万円、長期借入金の返済2,000百万円等によるものである。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。
(注) 1 上記生産実績は販売価額による。
2 上記金額には消費税等は含まれていない。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。
(注) 上記金額には消費税等は含まれていない。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先別の販売実績が連結売上高の100分の10以上となる主要な販売先はないため記載を省略している。
2 上記金額には消費税等は含まれていない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
① 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末時点の財政状態の概要は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであるが、業容の拡大に伴い、資産及び負債が急速に増加する中では総資産回転率を向上させ、収益性の確保に努めることが肝要なことになると認識している。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの営む半導体製造装置事業及び計測機器事業は、いずれも技術革新のテンポが早く、製品自体にも高度に技術的な要求が求められる競争の激しい事業である。また、特に半導体製造装置事業におけるユーザーの属する半導体業界等は好不況のサイクルが大きな振幅をもって循環的に訪れる業界であり、当社グループの業績も過去幾度となくその影響を受けてきた。このような事業環境の中にあっては継続的に製品開発を続け、市場動向の影響を最小限にとどめることのできるような競争力の強い製品群をつくり続けていくことが何よりも重要なことであると認識している。
ⅰ.売上高
当連結会計年度の「売上高」は、半導体製造装置事業が71,745百万円(前年同期比27.7%増)、計測機器事業が25,359百万円(同20.1%減)、両事業合計で97,105百万円(同10.4%増)であった。
半導体製造装置事業は、5G関連需要の拡大によるデータセンター並びに端末需要が、引き続き、高水準で安定した推移が見込まれる。また、米中貿易摩擦に端を発した5G端末メーカーのサプライチェーン再構築、自動運転や電装化の盛り上がりによる車載半導体やパワー半導体の生産拡大、新たな市場として拡大する中国での需要、IoT等が活用されることによるセンシングデバイスや電子部品生産の増加等、半導体製造装置部門は中長
期的な拡大を予想している。
翌連結会計年度は、半導体デバイス、電子部品の需給バランスによる一時的な調整懸念はあるものの、装置需要は総じて堅調な推移を見込んでいる。当社は、キャパシティの拡大を進めつつ、引き続き顧客のカスタマイズ要求に応える製品並びにオプションの開発を進めるほか、技術進化が著しい組立装置分野に適応したソリューション対応を進めていく。
計測機器事業は、当連結会計年度は新型コロナウィルス感染症の拡大により、主要ユーザーである自動車並びに工作機械関連業界で設備投資計画の延期・中止等が相次いだが、翌連結会計年度は当連結会計年度からの延期分の発注も含め、緩やかに回復していくものと想定している。これにより、当社の計測機器部門業績も、緩やかな回復を見込んでいる。当社は、コア事業である三次元座標測定機、表面粗さ・輪郭形状測定機、真円度・円筒形状測定機等の汎用計測機器とマシンコントロールゲージやセンサ等の自動計測機器の製品群において、高精度化・高機能化・自動化の要請に応える製品開発を継続し、一層の需要取り込みを図るほか、EV化の流れを見込んだ新たな製品領域として立ち上げた充放電試験システムや、SBSバランサ事業についても、きめ細かく顧客のニーズを汲み上げ、市場開拓を進めていく。
ⅱ.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の「売上原価」は60,190百万円、「販売費及び一般管理費」は21,351百万円であった。
「売上高」に対する「売上原価」の比率は前連結会計年度の60.8%に対し当連結会計年度は62.0%、「販売費及び一般管理費」の比率は前連結会計年度の25.2%に対し当連結会計年度は22.0%であった。
ⅲ.営業損益
これらの結果、当連結会計年度の営業損益は15,562百万円(前年同期比26.7%増)の利益となった。セグメント別の損益では、半導体製造装置事業が13,565百万円(同71.4%増)、計測機器事業が1,996百万円(同54.3%減)の利益であった。
当社グループは、連結営業利益22,000百万円達成を2022年3月期までの中期経営目標としているが、この目標達成に向けて今後とも売上高の拡大と利益率の向上という質量両面からのアプローチを進めていく。
ⅳ.営業外収益、営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は、「為替差益」「補助金収入」等により総額540百万円、営業外費用は「貸倒引当金繰入額」「支払利息」等により総額235百万円であった。
ⅴ.経常損益
これらの結果、当連結会計年度の経常損益は15,867百万円(前年同期比28.4%増)の利益となった。
ⅵ.特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は「退職給付信託返還益」を中心に1,354百万円、特別損失は「建物解体費用」「固定資産減損損失」等により1,074百万円であった。
ⅶ.税金等調整前当期純損益
これらの結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損益は16,147百万円の利益となった。
ⅷ.法人税等
当連結会計年度の「法人税等合計」の金額は3,978百万円で、「税金等調整前当期純利益」に対する割合は 24.6%であった。
ⅸ.非支配株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純損益は6百万円の損失であった。
ⅹ.親会社株主に帰属する当期純利益
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は12,175百万円(前年同期比70.1%増)の利益となった。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであるが、営業活動によるキャッシュ・フローを入金超過に維持しつつ、その資金を投資及び財務活動キャッシュ・フローの出金超過分に使用できているものと考えている。また、こうして蓄積された資金については、新製品開発と生産能力拡充を継続的に推し進めていくための開発投資、設備投資等に有効に活用していくことになる。
なお、当社グループは、設備投資計画に基づく所要の長期的資金は自己資金の他、主として銀行借入により調達することを方針としており、安定的な資金の財源の確保のためには金融機関との良好な関係を維持していくことも重要なことと認識している。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末時点における資産及び負債並びに連結会計期間における収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いている。これらは過去の実績をもとに将来の予測を加味した上で、継続的かつ合理的、保守的な評価に重点を置き見積られたものとなっている。
なお、新型コロナウィルス感染症につきましては、収束時期が見通せない状況にあり、先行き不透明な時期が継続すると予想されるが、当社グループの事業全体への大きな影響はなく、現時点では財政状態及び経営成績に与える影響は軽微であるとの仮定のもとに、会計上の見積りを行っている。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しているが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性がある。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウィルス感染症拡大により、個人消費や設備投資が落ち込み、中国など一部を除きほぼ全ての地域で実質GDP成長率がマイナスとなった。各国政府の積極的な財政・金融政策により、経済減速は想定よりも緩和されたが、本格的な回復軌道には戻らず全体的に厳しい状況で推移した。こうした中、企業業績は、落ち込みが大きい業種と堅調な業種のバラツキが大きく、当社製品のユーザーにおいても、業種間の業績バラツキが非常に大きい状況だった。
このような状況下、当連結会計年度の当社グループの業績は、半導体製造装置部門の業績伸長により、前年同期比で増収増益となった。売上高は97,105百万円(前年同期比10.4%増)となり、利益面は、営業利益15,562百万円(同26.7%増)、経常利益15,867百万円(同28.4%増)となった。経常取引以外では、政策保有株式(退職給付信託内保有株式を含む)の売却を積極的に進め、投資有価証券売却益、退職給付信託返還益を計上したほか、充放電試験システム事業における改革総仕上げ費用として固定資産減損損失、割増退職金を計上する等した結果、最終的に親会社株主に帰属する当期純利益は12,175百万円(同70.1%増)となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりとなる。
半導体製造装置
当連結会計年度を通じて5G通信やテレワークの普及による関連ロジックデバイス並びに電子部品向けの製造装置需要が堅調に推移した。また、米中貿易摩擦による一時的調整はあったものの中国における装置需要が全般的に増加したことに加え、ディスプレイドライバICや車載半導体需要が回復に転じたこと等から、受注高、売上高ともに前年同期比で増加した。なお、当期の受注高は既往ピークを更新した。
検査工程向け装置が台湾向けに堅調に推移、中国向けでは、検査工程向け装置、組立工程向け装置ともに堅調だったほか、ヨーロッパ、アジア向けに加工装置が堅調に推移した。
このような状況下、当社グループとしては、顧客のニーズを満たす製品の開発、生産キャパシティの拡充、消耗品販売促進等に努めた。
この結果、当連結会計年度の当セグメントの業績は、売上高71,745百万円(前年同期比27.7%増)、営業利益は13,565百万円(同71.4%増)となった。
計測機器
前連結会計年度からモノづくり業界全般に設備需要減速が続いていたことに加え、回復期と見込んでいた当連結会計年度においては、新型コロナウィルス感染症拡大が自動車、工作機械をはじめモノづくり業界全般に大きく影響を及ぼし、設備需要は当連結会計年度を通じて低調に推移した。この結果、当セグメントの受注、売上は前年同期比で減少した。
このような状況下、当社グループとしては、モノづくり全般の自動化ニーズに対応するソリューション提供に努めたほか、オンラインセミナーの開催等による顧客との関係強化、海外販売の強化、NEVや医療・精密機械分野の開拓、受託測定サービスの強化等に努めた。
この結果、当連結会計年度の当セグメントの業績は、売上高25,359百万円(前年同期比20.1%減)、営業利益は1,996百万円(同54.3%減)となった。
(注) なお、上記金額には消費税等は含まれていない。
次に当連結会計年度末時点の財政状態の概要を示すと次のとおりとなる。
当連結会計年度末時点の当社グループの財政状態は、資産合計161,556百万円(うち、流動資産111,516百万円、固定資産50,039百万円)に対し、負債合計44,778百万円、純資産合計116,777百万円となった。
i.資産
好業績を受けて「現金及び預金」残高が大きく増加したことに加え、受注・売上増加により売掛債権、棚卸資産も増加したことが主な要因となり、当連結会計年度末の資産の総額は、前連結会計年度末に対し15,007百万円増加した。
ⅱ.負債
生産の拡大に伴って仕入債務が増加したことが主な要因となり、当連結会計年度末の負債の総額は前連結会計年度末に対し7,904百万円増加した。
ⅲ.純資産
2020年11月11日開催の取締役会決議に基づく自己株式取得に伴い「自己株式」が増加した一方で、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「株主資本」が大きく増加したほか、「退職給付に係る調整累計額」の変動による増加が主な要因となり、当連結会計年度末の純資産の総額は前連結会計年度末に対し7,103百万円増加した。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ 2.5 ポイント減少し、71.4%となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度中「現金及び現金同等物」は9,018 百万円増加し、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は43,624百万円となった。
以下、前連結会計年度末と比較して、その内容を営業、投資、財務の各活動別に示すと次のとおりとなる。
営業活動によるキャッシュ・フローは、その入金超の金額が前連結会計年度5,965百万円から当連結会計年度末は22,062百万円へと増加した。これは主に「税金等調整前当期純利益」が前連結会計年度の10,705百万円から当連結会計年度は16,147百万円へ増加したことのほか、仕入債務の増加5,584百万円、減価償却費3,516百万円、退職給付に係る資産の減少2,881百万円、棚卸資産の増加3,491百万円、退職給付信託返還益1,189百万円、売上債権の増加987百万円、法人税等の支払1,304百万円等によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、その支出超の金額が前連結会計年度の6,116百万円から当連結会計年度5,191百万円へと減少した。これは主に投資有価証券の売却による収入864百万円、有形固定資産の取得による支出5,864百万円等によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、その支出超の金額が前連結会計年度は6,375百万円から当連結会計年度8,282百万円へと増加した。これは主に配当金の支払額3,333百万円、自己株式の取得3,002百万円、長期借入金の返済2,000百万円等によるものである。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体製造装置 | 66,893 | 9.7 |
| 計測機器 | 22,113 | △24.5 |
| 合計 | 89,006 | △1.4 |
(注) 1 上記生産実績は販売価額による。
2 上記金額には消費税等は含まれていない。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体製造装置 | 93,181 | 61.5 | 50,619 | 73.5 |
| 計測機器 | 23,878 | △20.1 | 6,301 | △19.0 |
| 合計 | 117,060 | 33.7 | 56,920 | 54.0 |
(注) 上記金額には消費税等は含まれていない。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体製造装置 | 71,745 | 27.7 |
| 計測機器 | 25,359 | △20.1 |
| 合計 | 97,105 | 10.4 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先別の販売実績が連結売上高の100分の10以上となる主要な販売先はないため記載を省略している。
2 上記金額には消費税等は含まれていない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
① 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末時点の財政状態の概要は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであるが、業容の拡大に伴い、資産及び負債が急速に増加する中では総資産回転率を向上させ、収益性の確保に努めることが肝要なことになると認識している。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの営む半導体製造装置事業及び計測機器事業は、いずれも技術革新のテンポが早く、製品自体にも高度に技術的な要求が求められる競争の激しい事業である。また、特に半導体製造装置事業におけるユーザーの属する半導体業界等は好不況のサイクルが大きな振幅をもって循環的に訪れる業界であり、当社グループの業績も過去幾度となくその影響を受けてきた。このような事業環境の中にあっては継続的に製品開発を続け、市場動向の影響を最小限にとどめることのできるような競争力の強い製品群をつくり続けていくことが何よりも重要なことであると認識している。
ⅰ.売上高
当連結会計年度の「売上高」は、半導体製造装置事業が71,745百万円(前年同期比27.7%増)、計測機器事業が25,359百万円(同20.1%減)、両事業合計で97,105百万円(同10.4%増)であった。
半導体製造装置事業は、5G関連需要の拡大によるデータセンター並びに端末需要が、引き続き、高水準で安定した推移が見込まれる。また、米中貿易摩擦に端を発した5G端末メーカーのサプライチェーン再構築、自動運転や電装化の盛り上がりによる車載半導体やパワー半導体の生産拡大、新たな市場として拡大する中国での需要、IoT等が活用されることによるセンシングデバイスや電子部品生産の増加等、半導体製造装置部門は中長
期的な拡大を予想している。
翌連結会計年度は、半導体デバイス、電子部品の需給バランスによる一時的な調整懸念はあるものの、装置需要は総じて堅調な推移を見込んでいる。当社は、キャパシティの拡大を進めつつ、引き続き顧客のカスタマイズ要求に応える製品並びにオプションの開発を進めるほか、技術進化が著しい組立装置分野に適応したソリューション対応を進めていく。
計測機器事業は、当連結会計年度は新型コロナウィルス感染症の拡大により、主要ユーザーである自動車並びに工作機械関連業界で設備投資計画の延期・中止等が相次いだが、翌連結会計年度は当連結会計年度からの延期分の発注も含め、緩やかに回復していくものと想定している。これにより、当社の計測機器部門業績も、緩やかな回復を見込んでいる。当社は、コア事業である三次元座標測定機、表面粗さ・輪郭形状測定機、真円度・円筒形状測定機等の汎用計測機器とマシンコントロールゲージやセンサ等の自動計測機器の製品群において、高精度化・高機能化・自動化の要請に応える製品開発を継続し、一層の需要取り込みを図るほか、EV化の流れを見込んだ新たな製品領域として立ち上げた充放電試験システムや、SBSバランサ事業についても、きめ細かく顧客のニーズを汲み上げ、市場開拓を進めていく。
ⅱ.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の「売上原価」は60,190百万円、「販売費及び一般管理費」は21,351百万円であった。
「売上高」に対する「売上原価」の比率は前連結会計年度の60.8%に対し当連結会計年度は62.0%、「販売費及び一般管理費」の比率は前連結会計年度の25.2%に対し当連結会計年度は22.0%であった。
ⅲ.営業損益
これらの結果、当連結会計年度の営業損益は15,562百万円(前年同期比26.7%増)の利益となった。セグメント別の損益では、半導体製造装置事業が13,565百万円(同71.4%増)、計測機器事業が1,996百万円(同54.3%減)の利益であった。
当社グループは、連結営業利益22,000百万円達成を2022年3月期までの中期経営目標としているが、この目標達成に向けて今後とも売上高の拡大と利益率の向上という質量両面からのアプローチを進めていく。
ⅳ.営業外収益、営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は、「為替差益」「補助金収入」等により総額540百万円、営業外費用は「貸倒引当金繰入額」「支払利息」等により総額235百万円であった。
ⅴ.経常損益
これらの結果、当連結会計年度の経常損益は15,867百万円(前年同期比28.4%増)の利益となった。
ⅵ.特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は「退職給付信託返還益」を中心に1,354百万円、特別損失は「建物解体費用」「固定資産減損損失」等により1,074百万円であった。
ⅶ.税金等調整前当期純損益
これらの結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損益は16,147百万円の利益となった。
ⅷ.法人税等
当連結会計年度の「法人税等合計」の金額は3,978百万円で、「税金等調整前当期純利益」に対する割合は 24.6%であった。
ⅸ.非支配株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純損益は6百万円の損失であった。
ⅹ.親会社株主に帰属する当期純利益
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は12,175百万円(前年同期比70.1%増)の利益となった。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであるが、営業活動によるキャッシュ・フローを入金超過に維持しつつ、その資金を投資及び財務活動キャッシュ・フローの出金超過分に使用できているものと考えている。また、こうして蓄積された資金については、新製品開発と生産能力拡充を継続的に推し進めていくための開発投資、設備投資等に有効に活用していくことになる。
なお、当社グループは、設備投資計画に基づく所要の長期的資金は自己資金の他、主として銀行借入により調達することを方針としており、安定的な資金の財源の確保のためには金融機関との良好な関係を維持していくことも重要なことと認識している。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末時点における資産及び負債並びに連結会計期間における収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いている。これらは過去の実績をもとに将来の予測を加味した上で、継続的かつ合理的、保守的な評価に重点を置き見積られたものとなっている。
なお、新型コロナウィルス感染症につきましては、収束時期が見通せない状況にあり、先行き不透明な時期が継続すると予想されるが、当社グループの事業全体への大きな影響はなく、現時点では財政状態及び経営成績に与える影響は軽微であるとの仮定のもとに、会計上の見積りを行っている。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しているが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性がある。