四半期報告書-第80期第3四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/11/13 13:21
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【項目】
29項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、米国・中国間などの通商問題の動向が懸念されたものの、米国で着実に景気回復が続いたほか、欧州でも景気が緩やかに回復し、中国でも持ち直しの動きが続きました。日本経済は、企業収益や所得環境の改善が続き、景気は緩やかに回復しています。このような状況の中、当社グループは収益の拡大を目指し、全社を挙げた拡販活動や生産性向上活動を推し進め、業績の確保と収益性の改善を図ってまいりました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は678億25百万円(前年同期比10.7%増)、連結経常利益は79億82百万円(前年同期比5.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は58億87百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
なお、新規事業として取り組んでいる宇宙関連分野におきましては、2017年6月に打ち上げた超小型人工衛星「CE-SAT-I(シーイー・サット・ワン)」の実証実験を順調に進めており、地上の高精細画像を多数撮影しています。今後は衛星本体、撮影画像、内製コンポーネントの外販等、事業化へ向けた準備を進めてまいります。
また、当社子会社の新世代小型ロケット開発企画株式会社を事業会社化し、スペースワン株式会社へと社名を変更いたしました。スペースワン株式会社では、2021年度中の小型ロケット打上げの事業化を目指し、取り組みを加速してまいります。
(2)事業の種類別セグメントの状況
コンポーネントセグメントにおきましては、デジタルカメラ市場は、手軽に高画質な写真撮影が可能な製品への需要が高まっていますが、スマートフォンのカメラ機能の充実により厳しい状況が続いています。このような状況の中、絞りユニット等のカメラ部品について積極的に受注活動を展開した結果、売上は増加しました。レーザープリンター・複合機向けのレーザースキャナーユニットは、生産性の向上や構成部品の内製化を積極的に推し進め、引き続き原価低減に取り組みました。また、既存製品の生産増加により、売上は堅調に推移しました。なお、ベトナム子会社において生産を行っている複合機向けのリーダーユニットは引き続き受注が堅調に推移し、加えて新規キーユニットの生産を開始し、売上が増加しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は382億28百万円(前年同期比10.9%増)、営業利益は64億47百万円(前年同期比4.1%増)となりました。
電子情報機器セグメントにおきましては、ドキュメントスキャナーは、低速機から高速機までラインアップをより充実させたimageFORMULA(イメージフォーミュラ)シリーズの一層の拡販に努めた結果、当期は米国および欧州向けの販売が好調に推移しました。また、昨年以降販売を開始した「DR-C230」などの新製品が好評を得て、売上は増加しました。ハンディターミナルは、新製品のモバイルプリンター「BP-F600」の販売を開始しましたが、付属品等の販売が前年を下回り、売上は減少しました。レーザープリンターは、自動化を始めとした生産性の向上、物流の改善等に加え、生産体制の更なる拡充に向け全力で取り組みました。新たに複数のオプション製品の取り込みや他社製品の受託生産の増加もあり、売上は増加しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は219億52百万円(前年同期比11.7%増)、営業利益は30億89百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
その他のセグメントにおきましては、情報関連事業は、情報セキュリティ対策ソフト「SML」、金融機関向け情報系システム「entrance® Banking(エントランス・バンキング)」、顧客情報管理システム(CRM)等の拡販活動を積極的に展開しました。また、サーバーやネットワークの構築等、インフラ関連やシステム開発・保守・運用案件の獲得に努めましたが、業界内の競争が激しく、売上及び利益は減少しました。環境機器事業は、小型三次元加工機「MF-150A MarkⅡ」および業務用生ごみ処理機「Land care 16Ⅱ」、小型電動射出成形機「LS-715シリーズ」について積極的な販売活動を展開したほか、歯科市場向けの小型三次元加工機「MD-350」も販売を開始しました。医療分野では、血圧計や滅菌機に加え、新たに分包機の生産移管をキヤノングループ内で受け、売上は増加しました。また、スペースワン株式会社では、事業化への準備のための経費が増加し、減益となりましたが、世界的に高まりつつある小型人工衛星打上げの需要に応えるべく、2021年度中の事業化を目指し、取り組みを加速してまいります。
これらの結果、当セグメントの売上高は76億44百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は2億84百万円(前年同期比30.1%減)となりました。
(3)財政状態に関する分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は1,110億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億50百万円増加しました。流動資産は742億59百万円となり、35億60百万円増加しました。主な要因は、親会社に対する短期貸付金の増加によるものです。固定資産は368億12百万円となり、7億9百万円減少しました。うち有形固定資産は319億1百万円となり、8億59百万円減少しました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債は186億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億86百万円減少しました。流動負債は168億40百万円となり、5億79百万円減少しました。固定負債は18億8百万円となり、10億7百万円減少しました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は924億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ44億37百万円増加しました。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2,992百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)従業員数
連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、当社グループは業容の拡大に伴い、コンポーネントセグメントにおいて、825名増加しております。