有価証券報告書-第73期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/24 15:20
【資料】
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【項目】
96項目

対処すべき課題

(1) 会社の経営基本方針
当グループは「人材重視」「喜ばれる企業」を経営理念としています。
「人材重視」とは「人こそ企業成長の決め手」と考え、働く者全てが「夢」と「情熱」を持って活き活き働くことができる企業でありたいという理念であり、「喜ばれる企業」とは「快適さや感動を与えられる製品」を世界に送り出し、世界の自動車内装品システムサプライヤーとして自立し、社会と融合して全てのステークホルダーから喜ばれ、存在を期待される企業でありたいという理念です。
この経営理念に基づき、「わたしたちは 常に モノづくりに夢を求めて 無限の可能性に 挑戦し 快適で良質な商品を 競争力のある価格で 世界のお客様に 提供する」という社是を実践し、企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当グループは、2010年から2020年までを、企業価値の向上を目的に、ワンランク上の内装システムサプライヤーを目指すための基盤づくりの10年間と位置付け、2020年ビジョンとして「INNOVATIVE QUALITY COMPANY」を制定し、事業を展開しております。
大きな変革期を迎える自動車業界において、シートに求められてきた価値の変化や、新たな競合他社の台頭など、将来に向けて厳しい事業環境が予測されるなか、当グループがさらなる成長を遂げるためには、事業による利益の追求はもとより、刻々と変化する社会の期待に応え、企業価値の最大化を図り、世界が求める持続可能な社会の実現に向け、ESG※1の観点での経営が必須であると考えます。
2017年4月よりスタートしました第13次中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)では、「ESG経営の基盤構築」を経営方針(定性目標)に掲げ、①「継続的な事業成長」、②「ダイバーシティマネジメントの実践」、③「社会環境との共生」の3つの企業重点施策を柱に、各施策に取り組んでおります。
① 継続的な事業成長
次世代商品・技術の創出や新規顧客の開拓、品質管理体制のさらなる強化等により、継続的な事業成長に向けた磐石な収益体質の構築に取り組んでおります。 技術革新によるモビリティの進化は、車内空間に変化をもたらし、自動車内装品に求められる価値を大きく変えていくものと考えます。当グループは、モビリティの進化と時代の潮流を見据え、自動車内装品の新しい魅力と可能性を探求し、高効率な開発体制をもって次世代商品・技術の創出に努めております。 新規顧客開拓では、本田技研工業株式会社様を主要顧客として事業展開している当グループにとって、同社商権の確実な受注及びシェア拡大は重要である一方、新規顧客開拓並びに新商権獲得は、事業拡大に向けた重要課題であると考えます。かねてからの積極的な営業活動により、欧州自動車メーカーや米国二輪車メーカーから新規受注を得るなど、徐々にその成果は表れてきました。今後も技術的なプレゼンスを高めていくことで、お客さまからの信頼を獲得し、さらなる商権獲得に努めてまいります。
② ダイバーシティマネジメントの実践
多様な人材が多様な場面、環境の中で、より成長し、活躍できる仕組みを整備し、「働き方改革」に取り組むことで、労働生産性の向上に努めております。
日本では、コアタイムを設けないフレックスタイム勤務制度の導入や育児に関する短時間勤務制度の拡大※2、選択制定年延長制度導入に向けた取り組みなど、社員のライフスタイルに合わせた労働環境の整備に加え、IT活用による業務効率化に取り組んでいます。これらの施策により、時間外労働時間5%削減※3を達成しており、引き続き労働生産性を高める環境作りを進めてまいります。
また、海外では地域性に即した「働き方改革」を進め、社員一人ひとりの特性にあった能力開発と労働環境の提供に努めております。
③ 社会環境との共生
各地域に根ざした社会貢献活動や緑の生態系保全活動※4、CO2排出量削減活動を行っております。
2019年3月期には、エネルギーマネジメントシステムISO50001※5を国内全事業所で認証取得いたしました。今後は、構築したエネルギー管理手法を国内外の関係会社に展開し、エネルギー効率の向上・使用量削減を図ってまいります。 また、さらなる製品軽量化を推し進め、燃費向上、CO2排出量抑制などの技術進化に努め、事業活動を通じて社会的責任を果たし、創造した価値を社会やステークホルダーに還元することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※1 ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)
※2 育児に関する短時間勤務制度の取得可能期間を、法令の定めを超え、「子が小学校修了するまで」に延長
※3 2017年3月期に対する時間外労働時間の削減。フレックスタイム勤務制度が適用されている管理・間接部門
が対象
※4 当グループが事業活動を営むための敷地面積を、緑地化や自然保護活動を通じ、緑を地球に返す活動
※5 企業等で使用する電力、ガス、ガソリンといったエネルギーの管理を行い、効率的な使用や使用量の削減を
図ることを目的とした国際規格