有価証券報告書-第69期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/24 12:54
【資料】
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【項目】
120項目

対処すべき課題

当グループは、ますます激化する競争を勝ち抜くため、乗員を守る「安全技術」、燃費向上に貢献する製品軽量化等の「環境技術」、多様なニーズに応えるシートアレンジ等の「魅力商品技術」の3つの技術を中心に研究・開発に取組むとともに、世界各地域における統括管理体制の更なる強化と、営業、開発、購買、生産といった各機能本部の連鎖連携により、部品競争力の向上に取組んでまいります。
なかでも、自動車需要の拡大が期待される新興国市場では、現地ニーズに応じた地域最適仕様の迅速な開発と、低価格車に対応したコスト構造の構築に取組んでまいります。
また、今後、当グループが更なる成長を実現していくためには、主要客先以外の自動車メーカーへの販売拡大が不可欠と考えております。今後も全世界でグループの総力を挙げて、他販の拡大活動をより積極的に展開してまいります。
併せて、グローバルに事業を拡大する中で生じる様々なリスクに対応するため、新たに設置した取締役等で構成する「グローバルリスク管理委員会」を中心に、各部門並びにグループ各社における事業リスクの抽出・評価・対策活動を積極的に推進し、リスク管理並びに危機管理体制の強化に努めてまいります。
(日本)
成熟市場である日本では、引き続き自動車ユーザーの環境・小型車志向や高齢化に対応した製品の研究開発を進めることで、主要客先や新規顧客からの受注の獲得に努めてまいります。また、主要客先の開発・生産動向に応じた組織体制の整備や生産ライン改革等に引き続き取り組み、受注活動及び原価低減活動を積極的に進めてまいります。
一方、日本での生産活動を通じて蓄積してきた生産技術等のノウハウをグループ各社へ水平展開する等、グローバルマザーとして世界各地域の体制強化のための支援を行ってまいります。
(米州)
収益体質改善への取組みの結果、利益率の改善を図ることができたものの、米州においては今後も競合他社との激しい受注競争が続くと予想されており、ブラジルに新会社を設立・稼動する等、部品競争力の強化を図る新たな施策を積極的に展開してまいります。
また、生産集約や合理化等の利益体質の更なる強化施策と併せて、新規顧客からの受注獲得のための体制強化等を行い、他販の拡大活動にも積極的に取組んでまいります。
(中国)
中国市場全体の成長鈍化や主要得意先に対するシェアの低下等による受注台数への影響が予測されますが、グローバル機種はもとより、中国研究開発会社での開発力の強化をはかり現地開発機種の受注確保に向け、積極的な施策展開を図ってまいります。
また、ローカルサプライヤーとの取引拡大を図るとともに、原材料の調達価格の低減や、更なる生産の自動化等を行い、低価格でも利益を生み出せる製品づくり、生産台数に応じたコスト構造の構築を強力に進めてまいります。
(アジア・欧州)
アジア地域においては、タイの需要減少、インドネシアでの燃料補助金制度の見直しによる自動車需要の鈍化に加え、エントリーカー需要の高まりによる市場の低価格化を受け、廉価機種でも利益を生み出せる製品づくり、コスト構造の構築に取り組んでまいります。
成熟市場である欧州では、主要客先からの受注確保に努めるとともに、生産台数に応じた生産体制と収益体質を維持してまいります。また、ドイツの研究開発会社を中心に、フォルクスワーゲンをはじめとする欧州完成車メーカーへの営業活動を更に強化し、主要客先以外への販売拡大に努めてまいります。