有価証券報告書-第72期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/25 16:04
【資料】
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【項目】
56項目

対処すべき課題

(1) 会社の経営基本方針
当グループは「人材重視」「喜ばれる企業」を経営理念としています。
「人材重視」とは「人こそ企業成長の決め手」と考え、働く者全てが「夢」と「情熱」を持って活き活き働くことができる企業でありたいという理念であり、「喜ばれる企業」とは「快適さや感動を与えられる製品」を世界に送り出し、世界の自動車内装品システムサプライヤーとして自立し、社会と融合して全てのステークホルダーから喜ばれ、存在を期待される企業でありたいという理念です。
この経営理念に基づき、「わたしたちは 常に モノづくりに夢を求めて 無限の可能性に 挑戦し 快適で良質な商品を 競争力のある価格で 世界のお客様に 提供する」という社是を実践し、企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当グループは、2010年から2020年までを、企業価値の向上を目的に、ワンランク上の内装システムサプライヤーを目指すための基盤づくりの10年間と位置付け、2020年ビジョンとして「INNOVATIVE QUALITY COMPANY」を制定し、事業を展開しております。
大きな変革期を迎える自動車業界において、シートに求められてきた価値の変化や、新たな競合他社の台頭など、将来に向けて厳しい事業環境が予測されるなか、当グループがさらなる成長を遂げるためには、事業による利益の追求はもとより、刻々と変化する社会の期待に応え、企業価値の最大化を図り、世界が求める持続可能な社会の実現に向け、ESG※1の観点での経営が必須であると考えます。
2017年4月よりスタートしました第13次中期経営計画(2017年4月1日~2020年3月31日)では、「ESG経営の基盤構築」を経営方針(定性目標)に掲げ、①「継続的な事業成長」、②「ダイバーシティマネジメントの実践」、③「社会環境との共生」の3つの企業重点施策を柱に、各施策に取り組んでおります。
① 継続的な事業成長
新商品開発や他販※2の拡大、品質管理体制のさらなる強化等により、継続的な事業の成長に向けた磐石な収益体質の構築に取り組んでおります。
新商品開発では、自動運転時代を見据え、従来の「安全」の枠を越え、新たに求められる車内空間の機能や価値を探求し、研究開発を重ねております。センシング技術を活用した乗員の健康サポートや、完全自動運転を想定したやすらぎ空間など、新技術の一部は東京モーターショー等を通じてご紹介しております。他販では、欧州自動車メーカーや米国二輪車メーカーから新規受注を獲得するなど、徐々にその成果は表れてきました。さらなる新規顧客獲得に向け、米国デトロイトや中国重慶に営業拠点を設置し、事業拡大に向けた取り組みを展開しております。
なお、米国にて当社製品搭載車種の市場回収処置について、開発、製造及び品質体制の見直しはもちろん、サプライヤーとの連携を強化し、購買部品の管理を徹底することで再発防止に努めております。
② ダイバーシティマネジメントの実践
多様な人材が多様な場面、環境の中で、より活躍できる仕組みを整備し、「働き方改革」を実施することで、労働生産性の向上に努めております。日本では、より質の高いワークライフバランスを視野に、コアタイムのないフレックスタイム勤務制度の導入が完了し、今後はそれぞれのライフスタイルにあった働き方ができるよう順次制度を構築してまいります。また海外では、地域性に即した「働き方改革」を進め、社員一人ひとりの特性にあった能力開発と労働環境の提供を進めてまいります。
③ 社会環境との共生
各地域に根ざした社会貢献活動や緑の生態系保全活動※3、CO2排出量削減活動に加え、今後はエネルギーマネジメントシステムISO50001を導入し、エネルギーの有効活用とその可視化により省エネ化を加速してまいります。また、さらなる製品軽量化を推し進め、燃費の向上、CO2排出の抑制などの技術進化に努め、事業活動を通じて社会的責任を果たし、創造した価値を社会やステークホルダーに還元することで、社会環境と共に持続的な成長を目指しております。
※1 ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)
※2 他販:主要客先以外の完成車メーカーへの販売
※3 緑の生態系保全活動:当グループが事業活動を営むための敷地面積を、緑地化や自然保護活動を通じ、緑を
地球に返す活動