訂正有価証券報告書-第66期(平成25年6月21日-平成26年6月20日)

【提出】
2015/04/17 16:16
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【項目】
124項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、第一部[企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項をご参照ください。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度におきましては、新規概念商品を中心とした新製品の投入による積極的な販売活動を展開いたしました。
セグメントごとの概況は次のとおりであります。
文具事務用品事業のステーショナリーでは、お手頃価格のファイルシリーズ「シンプリーズ」に、「レールファイル」や「Zファイル(透明)」など、新たなアイテムを拡充してまいりました。その他、A4書類を三つ折りにしてコンパクトに持ち運べる「オレッタ」や、ポケットをクリアーホルダーの形状にすることで書類の出し入れがしやすい「クリアーファイル ホルダーイン」など、ありそうでなかった商品を発売し、前連結会計年度比 1.3%増の売上となりました。
文具事務用品事業の電子製品では、ラベルライター「テプラ」のラインアップ拡充を図り、さらに「テプラ」誕生25周年を記念した初代ダイアル式「テプラ」の復刻モデルSR55を発売いたしました。また、周囲の騒音を抑えつつ会話は聞こえる「デジタル耳せん」やパソコン画面の必要な部分だけを印刷できる「ココドリ」、撮影と同時に画像をパソコンに取り込める「カメラ付きマウス」など、新たな市場を創造する商品を発売し、前連結会計年度比 1.8%増の売上となりました。
ライフスタイル雑貨事業では、㈱ラドンナが大人の女性をターゲットにした「アロマディフューザー・エタニティ」を、㈱アスカ商会が最新のニーズを取り入れた高品質なアーティフィシャル・フラワーを提案し、売上が好調であったことに加え、新たに㈱ぼん家具を連結の範囲に含めたことにより、前連結会計年度比 25.3%増の売上となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高につきましては 306億 8,480万円(前連結会計年度比 4.8%増)となりました。
②売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価につきましては、円安による海外生産への影響と海外生産工場の人件費高騰により、売上原価率は 64.7%となり、前連結会計年度の売上原価率 63.5%より 1.2ポイントの上昇となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、退職給付費用や特許権使用料などの減少により、売上高に対する割合は 31.7%となり、前連結会計年度の 34.3%より 2.6ポイントの低下となりました。
③営業利益
当連結会計年度の営業利益につきましては、上記に記載しましたように、売上原価の上昇がありましたが、売上高の増加と販売費及び一般管理費の減少により 11億 1,340万円(前連結会計年度比 68.4%増)となりました。
④当期純利益
当連結会計年度の当期純利益につきましては、為替差益の減少や減損損失の計上、法人税等の増加がありましたが、退職給付制度改定益の計上により 8億 6,865万円(前連結会計年度比 61.4%増)となりました。また、当期純利益率も 2.8%となり、前連結会計年度の 1.8%から 1.0ポイントの上昇となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 4[事業等のリスク]をご参照ください。
(4) 経営戦略の現状と見通し
現政権下の経済政策は一定の効果が現れつつあるものの、実態経済への影響は依然不透明な状況で推移しており、楽観できるものではありません。
こうした経済環境のなか、新年度に入り、デジタル名刺整理用品の「ビズレージ」や「メックル」など今後の事業の柱となりうる期待の新製品を発表いたしました。長年、名刺整理用品を販売してきた当社だからできるデジタル環境での名刺整理活用術を広く知っていただき、デジタル名刺整理用品市場の育成に注力してまいります。
ステーショナリーでは、新年度に表紙がパタンと360度折り返せる、クリアーファイル「パタント(透明)」や、コラボ商品として「キングジム×ハンズ トラベル・オレッタ」などを発表しました。また、デジタル文具ではiPhoneの画面をスクリーンサイズで印刷できるスクリーンプリンター「ロルト」などを発売いたします。当社グループは今後も製品開発に一層注力し、業績の向上に努めてまいります。
本年1月30日に㈱ぼん家具の全株式を取得し、子会社化いたしました。㈱ぼん家具は、コンシューマー向けにインターネットによるオリジナル家具等の販売をしている会社です。当社グループとしては、㈱ぼん家具の持つ企業力を有効に活用し、既存の雑貨系商品をインターネットショップを通じて広く提供することをはじめ、今後のEコマース市場に向けて、新たな事業展開ができると考えています。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度と比べ 9億 4,102万円多い 17億 542万円の収入となりました。増加要因は主に、税金等調整前当期純利益が 5億 4,206万円、仕入債務の増減額が 7億 2,100万円、その他の負債の増減額が 6億 3,692万円それぞれ増加したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度と比べ 5億 9,393万円多い 14億 2,148万円の支出となりました。増加要因は主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が 13億 3,713万円増加したことによるものであり、減少要因は主に、有形固定資産の取得による支出が 2億 8,263万円減少したこと、事業保険の満期による収入が 1億 1,781万円、定期預金の払戻による収入が 4億 8,400万円それぞれ増加したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度と比べ 11億 2,589万円多い 7億 7,792万円の収入となりました。増加要因は主に、長期借入による収入が 20億円増加したことによるものであり、減少要因は主に、短期借入金の純増減額が 8億 6,000万円減少したことによるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と比べ 10億 5,532万円増加し、41億 6,995万円となりました。
②財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して 38億 8,676万円増加し、282億 6,829万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金、投資有価証券、退職給付に係る資産が増加したことによるものであります。また、㈱ぼん家具を連結の範囲に含めたことによる現金及び預金、商品及び製品、のれんの増加があったことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して 26億 5,205万円増加し、99億 5,952万円となりました。これは主に、借入金や支払手形及び買掛金、未払法人税等が増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して 12億 3,471万円増加し、183億 877万円となりました。これは主に、自己株式の減少や利益剰余金、その他の包括利益累計額の増加等があったことによるものであります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 3[対処すべき課題]をご参照ください。