有価証券報告書-第72期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当グループは、印字記録媒体、事務用消耗品等のメーカーとして「技術力と行動力で顧客の満足を得て国際社会に貢献し充実発展する」を基本理念としております。人間性の尊重、合理性の追求を柱とし、新技術に対する挑戦を通じて、独創的なアイデアを製品化し世に広めていくことで社会に貢献することを目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当グループは、新製品開発と既存事業の拡充により利益ならびに売上高を極大化することを経営方針の一つとしております。これらを反映する売上高および営業利益に加え、13頁に記載のとおり自己資本利益率(ROE)を主な経営指標とし、継続的な向上に努めております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当グループでは、新型コロナウイルス感染症の再拡大による経済活動への影響や原油価格や原材料価格の高騰、米国や欧州のインフレ加速懸念、一部地域における地政学リスクなど海外の懸念材料を中心に先行き不透明感が強
まるなど、一層厳しさを増す経営環境に対応すべく、目指すべき長期ビジョンとして「FCL VISION ~
ありたい姿、志~」を掲げるとともに、こうした経営環境下においても体幹をきたえつつ成長するとの決意を込め
て、2020年度から2022年度までの3年間を「挑戦する3年」と位置づけた中期経営計画を打ち立てました。
『FCL VISION ~ありたい姿、志~』
「先端コンバーティング技術で社会に貢献するエクセレントカンパニー」
*コンバーティング=プラスチックフィルム・シート、金属箔、紙・板紙、不織布、繊維、鋼板、ガラスなど
の基材に限らずあらゆる物質に、コーティング、ラミネーティング、プリンティング等の
新たなプロセスを経て表面・内面を改質し、新たな価値を生み出す行為。
『中期経営計画(挑戦する3年)における重点課題』
1.新製品・新規事業の開発
・新製品・新規事業開発
・品群活動の強化(スピードアップ)
*品群活動=製品群ごとに体制を確立し、各製品群における戦略・戦術および行動計画を策定のうえ、
遂行する活動。
2.ものづくり力・生産性の強化
・生産性のさらなる強化
・生産技術革新(生産技術力の強化、新規事業に向けた生産体制の構築)
3.人財育成
・人への投資の拡充(人財確保のための採用政策の実行等)
・投資した「人材」を「人財」に(運用/活用の強化)
*人財=能力や資質を発揮・活用し、価値の高い仕事をする人
人材=今後、様々な能力を開発できるポテンシャル(潜在力)を持つ人
4.基幹系システムの再構築による業務改革
・経営意思決定を支援する機能の実装(スピード化)
・業務およびシステムのシンプル化/基本に立ち返った効率化(標準化、平準化、可視化)
現行の中期経営計画「挑戦する3年」(2020年12月期~2022年12月期)における4つの重点課題(ⅰ) 新製品・新
規事業の開発、(ⅱ) ものづくり力・生産性の強化、(ⅲ) 人財育成、(ⅳ) 基幹系システムの再構築による業務改
革につきまして、2021年度までの取り組み実績、最終年度である2022年度の取り組み方針は、それぞれ以下のとお
りであります。
(ⅰ) 新製品・新規事業の開発
<事業ポートフォリオの変革について(補足)>・現行の中期経営計画とは別に、子会社エフシー ベトナム コーポレーションでは、2014年度からプラスチック成形関連事業を本格開始するなど、従来の当グループにはなかった新規事業を展開しております。
・エフシー ベトナム コーポレーションにおける2021年度のプラスチック成形関連事業の売上実績は、円貨ベースで468百万円で、連結売上高に対する比率で5.5%となっており、利益面でも貢献しております。
・このように、当グループ全体で新規事業による事業ポートフォリオ変革への取り組みを進めております。
(ⅱ) ものづくり力・生産性の強化
(ⅲ) 人財育成
(ⅳ) 基幹系システムの再構築による業務改革
(4) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
経営環境につきましては、わが国経済は輸出の増加や生産の持ち直しの動きがみられたものの、変異株による新型コロナウイルス感染症の再拡大による経済活動の制限を受けるなか、原油価格や原材料価格の高騰、米国の金融政策の影響などから先行き不透明な状況が継続することが見込まれます。こうした環境において、当グループでは持続的な成長および企業価値の向上を推し進めるべく、重点課題であります新製品、新規事業の開発や新規顧客開拓のスピードを上げ、事業ポートフォリオの変革を促進してまいります。
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題につきましては、国内外の拠点を活用して、特長ある付加価値の高い新製品を積極的に市場投入していくほか、既存製品のコストダウン実現によるシェアアップなどにより、販売拡大を図るとともに、収益を確保するべく、(3) 中長期的な会社の経営戦略にも掲げております重点課題に優先的に取り組んでまいります。
また当社は、2022年4月に予定される東京証券取引所の市場区分の見直しに関して、「スタンダード市場」を選択する旨を申請のうえ承認されました。
一方で、当社は移行基準日時点(2021年6月30日)において、当該市場の上場維持基準を充たしていないことから、2021年12月14日付で「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下、「適合計画書」といいます。)を東京証券取引所に提出・開示いたしました。
当社における「対処すべき課題」は、「適合計画書」に記載の取り組み課題に集約されておりますので、「適合計画書」の開示後の情報を含め、以下にその概要を記載いたします。
① 上場維持基準の適合状況および計画期間
a.上場維持基準の適合状況(移行基準日:2021年6月30日現在)
b.計画期間
次期中期経営計画(注4)の最終年度(予定)となる「2025年12月期まで」に、「適合計画書」に記載の各種取り組みを進めてまいります。
(注4)次期中期経営計画の実施期間は2023年12月期~2025年12月期を予定。2023年3月公表予定。
② 取り組みの基本方針、課題および取り組み内容
a.取り組みの基本方針
当社が持続的な成長および企業価値の向上を推し進め、株式市場において「魅力のある銘柄」との評価を得ることにより、流通株式時価総額の上場維持基準の適合を目指します。
b.課題および取り組み内容
「流通株式時価総額=時価総額×流通株式比率」
上記のとおり、流通株式時価総額の構成要素が「時価総額」と「流通株式比率」であることから、それぞれについて以下の課題に応じた取り組みを進めてまいります。
(ⅰ)「時価総額」の向上
・課題:持続的な成長および企業価値の向上による株価の向上
・取り組み:「中期経営計画の着実な実行」
「コーポレートガバナンスのさらなる充実」
「株主還元の一層の強化」
(ⅱ)「流通株式比率」の向上
・課題:需要面・供給面双方での改善
・取り組み:「IR活動の強化(情報開示の充実)」
「資本政策の検討」
以下、当社の持続的な成長および企業価値の向上にかかる課題に重点を置く観点から、前記② b.(ⅰ)における「中期経営計画の着実な実行」、「コーポレートガバナンスのさらなる充実」および「株主還元の一層の強化」の3点に焦点を当てた記載といたします。
① 中期経営計画の着実な実行
a.当社連結経営指標と株価の関係
《当社の連結経営指標推移》
・2021年12月期は、前年度に続く新型コロナウイルスの世界的感染拡大、原油価格の高止まりによる原材料費の上昇、世界的な海上コンテナ需要の逼迫による物流コストの高騰など厳しい環境下にありましたが、全体として、テープ類の販売が好調であったこと、サーマルトランスファーメディア
において新型コロナウイルスの影響を受けにくい分野への拡販活動を展開したこと、また、徐々
にではありますが新規開発案件が売上および利益に貢献したこと、さらにグループを挙げたコスト
減に取り組んだこと等により業績は回復基調にあります。
・2022年12月期も引き続き厳しい環境が予想されますが、付加価値の高い新製品創出と市場浸透、さらなるコストダウン等により、2021年3月に見直した現行の中期経営計画の目標(2022年12月期 連結売上高9,100百万円、連結営業利益400百万円)に対し、前掲の表のとおり利益面での上方修正をおこないました。
b.自己資本利益率(以下、「ROE」といいます。)および株価の目標について
上場維持基準を安定的に充足すべく、ROEおよび株価の目標を以下のとおり設定いたします。
目標 ROE:5.0%以上、株価:2,000円以上
・当社における2016年12月期以降のROE、株主資本コスト(CAPMにより算定)およびエクイティスプレッド(注5)の推移を前掲の表に示しております。
(注5)エクイティスプレッド=ROE-株主資本コスト(CAPM)
なお、株主資本コスト(CAPM)=リスクフリーレート+β(ベータ値)×リスクプレミアム
・この間の当社の株価実績の推移として、エクイティスプレッドがゼロに近似またはプラスの決算期に株価が上昇基調もしくは相対的に高値で推移しております。
・また、ROEが5.0%に近似した水準(4.8%)であった2018年12月期以降、2019年12月期までの間、具体的には2018年1月~2019年12月における月間終値平均は1,956.1円であり、11頁の「上場維持基準の適合状況」の表をもとに算定すると、流通株式時価総額は11億円となります。これはスタンダード市場の上場維持基準を充足する水準です。
・以上より、上場維持基準を安定的に充足するために、ROE 5.0%以上、株価2,000円以上を目標値として設定いたしました。
・目標達成のためには、中期経営計画の着実な実行による業績の向上が必須要件と認識しておりますが、現行の中期経営計画の最終年度である2022年12月期でのROE 5.0%の達成は困難な見通しです。
・2023年12月期から実施予定の次期中期経営計画において、当社のさらなる成長のための施策・戦略を立案・実践し、目標達成に向け全社一丸となって邁進する所存です。
② コーポレートガバナンスのさらなる充実
とくに、2021年6月の改訂コーポレートガバナンス・コードにおいて大きな論点となる「サステナビリティ」に関する課題として、以下の取り組みを進めます。
a.気候変動問題への対応
・2021年6月に当社内で「カーボンニュートラル検討会」を立ち上げたうえで、現状把握と主要施策の検討を行い、CO2排出量削減について以下の目標を設定しました。
・対象範囲:日本国内拠点(国内子会社を含む)
・排出対象:Scope1、Scope2(注6)
・削減目標:2019年度を基準として、2030年度にCO2排出量を30%削減する。
・外部の専門機関のコンサルティングを活用のうえ、Scope3(注6)の算出を含め、さらに具体的な施策検討を進め実行に移してまいります。
(注6)Scpoe1:燃料の燃焼などによる直接排出。 Scope2:電力や蒸気の使用による間接排出。
Scope3:Scope1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動。
b.人的資本への投資およびダイバーシティ(女性活躍推進を中心に)
・10頁に記載のとおり、中期経営計画の重点課題「人財育成」において取り組みを進めております。
c.知的財産への投資について
・当社は1950年の創業以来、画期的な製品開発を実現することにより市場を切り拓き、「開発志向型企業」としてのスタイルを確立してまいりました。
・従いまして、当社にとって知的財産は何ものにも代えがたい重要な資産であります。
・現在、原則2ヶ月に1度、関係取締役・執行役員による「特許出願審査委員会」を開催しており、新たな開発技術について特許出願の是非を議論したうえで特許を出願しております。
・その結果、この約10年間、国内外の特許保有件数は常に200件程度をキープしており、研究開発費はもちろんのこと、特許についても相応の出願・維持コストをかけるなど、知的財産への投資を続けております。
今後も、質の高い特許を数多く出願できるよう開発技術力の向上に努めてまいります。
《当社における国内外の特許保有件数推移》(単位:件)
③ 株主還元の一層の強化
連結配当性向に関する方針について、2022年12月期決算にかかる配当より以下のとおり変更いたします。
《当社の1株当たり配当金および連結配当性向の推移》
(注7)2017年7月に10株を1株とする株式併合を実施。2016年12月期の1株当たり配当金は株式併合があったものと仮定して算定。
(注8)2020年12月期については、当期純損失を計上したため配当性向を記載せず。
(1) 会社の経営の基本方針
当グループは、印字記録媒体、事務用消耗品等のメーカーとして「技術力と行動力で顧客の満足を得て国際社会に貢献し充実発展する」を基本理念としております。人間性の尊重、合理性の追求を柱とし、新技術に対する挑戦を通じて、独創的なアイデアを製品化し世に広めていくことで社会に貢献することを目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当グループは、新製品開発と既存事業の拡充により利益ならびに売上高を極大化することを経営方針の一つとしております。これらを反映する売上高および営業利益に加え、13頁に記載のとおり自己資本利益率(ROE)を主な経営指標とし、継続的な向上に努めております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当グループでは、新型コロナウイルス感染症の再拡大による経済活動への影響や原油価格や原材料価格の高騰、米国や欧州のインフレ加速懸念、一部地域における地政学リスクなど海外の懸念材料を中心に先行き不透明感が強
まるなど、一層厳しさを増す経営環境に対応すべく、目指すべき長期ビジョンとして「FCL VISION ~
ありたい姿、志~」を掲げるとともに、こうした経営環境下においても体幹をきたえつつ成長するとの決意を込め
て、2020年度から2022年度までの3年間を「挑戦する3年」と位置づけた中期経営計画を打ち立てました。
『FCL VISION ~ありたい姿、志~』
「先端コンバーティング技術で社会に貢献するエクセレントカンパニー」
*コンバーティング=プラスチックフィルム・シート、金属箔、紙・板紙、不織布、繊維、鋼板、ガラスなど
の基材に限らずあらゆる物質に、コーティング、ラミネーティング、プリンティング等の
新たなプロセスを経て表面・内面を改質し、新たな価値を生み出す行為。
『中期経営計画(挑戦する3年)における重点課題』
1.新製品・新規事業の開発
・新製品・新規事業開発
・品群活動の強化(スピードアップ)
*品群活動=製品群ごとに体制を確立し、各製品群における戦略・戦術および行動計画を策定のうえ、
遂行する活動。
2.ものづくり力・生産性の強化
・生産性のさらなる強化
・生産技術革新(生産技術力の強化、新規事業に向けた生産体制の構築)
3.人財育成
・人への投資の拡充(人財確保のための採用政策の実行等)
・投資した「人材」を「人財」に(運用/活用の強化)
*人財=能力や資質を発揮・活用し、価値の高い仕事をする人
人材=今後、様々な能力を開発できるポテンシャル(潜在力)を持つ人
4.基幹系システムの再構築による業務改革
・経営意思決定を支援する機能の実装(スピード化)
・業務およびシステムのシンプル化/基本に立ち返った効率化(標準化、平準化、可視化)
現行の中期経営計画「挑戦する3年」(2020年12月期~2022年12月期)における4つの重点課題(ⅰ) 新製品・新
規事業の開発、(ⅱ) ものづくり力・生産性の強化、(ⅲ) 人財育成、(ⅳ) 基幹系システムの再構築による業務改
革につきまして、2021年度までの取り組み実績、最終年度である2022年度の取り組み方針は、それぞれ以下のとお
りであります。
(ⅰ) 新製品・新規事業の開発
| 重点課題の概要 | |
| ・サーマルトランスファーメディア(TTM)、修正テープなどのテープ類のほか、「第3の柱」として、機能性フィルム「FIXFILM」の新製品・新用途開発の推進 → 事業ポートフォリオの変革へ ・品群活動(注1)のスピードアップ (注1)品群活動:製品群ごとに体制を確立し、各製品群における戦略・戦術および行動計画を策定のうえ遂行する活動。 | |
| 2021年度までの主な取り組み実績 | 2022年度の取り組み方針 |
| ・既存の市場、販売先向け製品のほか、当社技術力を活かし新市場向け製品開発・販売を図る。 → 新規開発案件獲得の専担部門を設置済み。 ・コロナ禍の影響から、全般的に新規開発案件に大幅な遅れがあったものの、2021年度は徐々にではあるが売上実績を上げ利益に貢献。 ※2021年度における新規開発案件の売上高実績は201百万円で、同年度の連結売上高の2.3%。 ・大学との産学連携による新技術の探索を開始。 | ・開発中の新規テーマの早期量産化と市場浸透。 ・新たな新規テーマの獲得、新製品創出。 → 新規専担部門を中心とする市場ニーズ把握のス ピードアップ、開発のスピードアップ。 ・環境変化に応じた戦略・戦術(方針)の即時見直し。 → 品群活動のさらなるスピードアップ。 ・進行中の産学連携を含めた新技術の研究推進。 |
<事業ポートフォリオの変革について(補足)>・現行の中期経営計画とは別に、子会社エフシー ベトナム コーポレーションでは、2014年度からプラスチック成形関連事業を本格開始するなど、従来の当グループにはなかった新規事業を展開しております。
・エフシー ベトナム コーポレーションにおける2021年度のプラスチック成形関連事業の売上実績は、円貨ベースで468百万円で、連結売上高に対する比率で5.5%となっており、利益面でも貢献しております。
・このように、当グループ全体で新規事業による事業ポートフォリオ変革への取り組みを進めております。
(ⅱ) ものづくり力・生産性の強化
| 重点課題の概要 | |
| ・生産性のさらなる強化 ・生産技術革新(生産技術力の強化、新規事業に向けた生産体制の構築など) | |
| 2021年度までの主な取り組み実績 | 2022年度の取り組み方針 |
| ・原材料の見直しや工程内ロス削減により、コストダウン目標は、2020年度に続き2021年度も達成。 ・合理化の一環として、子会社エフシー ベトナム コーポレーションへの一部生産移管による生産地最適化を実施。 ・生産技術革新の一環として、一部加工工程の省人化を実現。 また、塗布機の自動運転による省人化を推進中。 | ・コストダウン目標について、2021年度までの活動結果を踏まえ、新たな個別テーマを設定済み。取り組みを推進する。 ・塗布工程、加工工程における生産能力アップによる生産効率化を加速する。 ・生産技術革新について、加工工程のさらなる省人化を推進する。 塗布機の自動化は、今後の設備更新計画に合わせて対応の予定。 |
(ⅲ) 人財育成
| 重点課題の概要 | |
| ・人的資本への投資の拡充(人財確保のための採用政策の実行等) ・投資した「人材」を「人財」に(運用/活用の強化) → キーワード:「エンゲージメント」と「フォロワーシップ」 ※ 人財=能力や資質を発揮・活用し、価値の高い仕事をする人。 人材=今後、さまざまな能力を開発できるポテンシャル(潜在力)を持つ人。 | |
| 2021年度までの主な取り組み実績 | 2022年度の取り組み方針 |
| ・次期管理職層となる年代の人財を補強すべく、中途採用を積極実施。 ※中期経営計画の3年間での中途採用計画34名(当初計 画25名)に対し、2021年度までの採用実績20名。 ・「フジコピアン ダイバーシティポリシー」の制定。 ・中核人財の育成および女性活躍推進を企図した「人財育成検討会」(注2)の実施。 (注2)2021年12月末までに、14回78名(うち女性23名)が、取締役および執行役員に対し、自身のキャリア設計に関するプレゼンテーションを実施し、取締役・執行役員が個人ごとの育成方針を協議した。 | ・中途採用の継続。 ・女性管理職登用に向けた育成と取り組み(注3)。 (注3)2021年4月~2026年3月の目標(女性活躍推進法対応):「管理職に占める女性の割合を4%から10%に引き上げる。」 ・成長意欲の高い人財に対する支援。 → 自己啓発にかかる費用を、従来の半額補助から全額補助とする(2021年11月機関決定済み)など。 ・「人財育成検討会」における個別育成方針の実行。 ・チャレンジを一層評価する人事評価制度への見直し(役割要件定義、人事評価シートの改訂を含む)。 |
(ⅳ) 基幹系システムの再構築による業務改革
| 重点課題の概要 | |
| ・経営意思決定を支援する機能の実装(スピード化) ・業務およびシステムのシンプル化/基本に立ち返った効率化(標準化、平準化、可視化) | |
| 2021年度までの主な取り組み実績 | 2022年度の取り組み方針 |
| ・コロナ禍による開始時期の遅れはあったが、ベンダー選定後はスケジュールどおりに進捗。 ・2021年10月までに要件定義を完了し、同年11月より基本設計フェーズに入っている。 ・業務改革(標準化、平準化、可視化)に関する課題についても、新システム稼動と同期をとるべく取り組んでおり、計画どおりに進捗中。 | ・2023年1月からの稼動・運用開始に向けた取り組み。 ・基本設計フェーズも計画どおり進捗しており、2022年3月よりベンダーにおける詳細設計・開発作業、当社側でのマスタ整備・データ移行準備作業に入る予定。 ・新システム稼動と同期を取った業務改革の実現。 |
(4) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
経営環境につきましては、わが国経済は輸出の増加や生産の持ち直しの動きがみられたものの、変異株による新型コロナウイルス感染症の再拡大による経済活動の制限を受けるなか、原油価格や原材料価格の高騰、米国の金融政策の影響などから先行き不透明な状況が継続することが見込まれます。こうした環境において、当グループでは持続的な成長および企業価値の向上を推し進めるべく、重点課題であります新製品、新規事業の開発や新規顧客開拓のスピードを上げ、事業ポートフォリオの変革を促進してまいります。
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題につきましては、国内外の拠点を活用して、特長ある付加価値の高い新製品を積極的に市場投入していくほか、既存製品のコストダウン実現によるシェアアップなどにより、販売拡大を図るとともに、収益を確保するべく、(3) 中長期的な会社の経営戦略にも掲げております重点課題に優先的に取り組んでまいります。
また当社は、2022年4月に予定される東京証券取引所の市場区分の見直しに関して、「スタンダード市場」を選択する旨を申請のうえ承認されました。
一方で、当社は移行基準日時点(2021年6月30日)において、当該市場の上場維持基準を充たしていないことから、2021年12月14日付で「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下、「適合計画書」といいます。)を東京証券取引所に提出・開示いたしました。
当社における「対処すべき課題」は、「適合計画書」に記載の取り組み課題に集約されておりますので、「適合計画書」の開示後の情報を含め、以下にその概要を記載いたします。
① 上場維持基準の適合状況および計画期間
a.上場維持基準の適合状況(移行基準日:2021年6月30日現在)
| 株主数 | 流通株式数 | 流通株式 時価総額 | 流通株式比率 | |
| 当社の状況 | 933人 | 5,664単位 (566,416株) | 8.9億円 | 31.6% |
| スタンダード市場 上場維持基準 | 400人 | 2,000単位 | 10億円 | 25% |
| 判 定 | ○ | ○ | × | ○ |
b.計画期間
次期中期経営計画(注4)の最終年度(予定)となる「2025年12月期まで」に、「適合計画書」に記載の各種取り組みを進めてまいります。
(注4)次期中期経営計画の実施期間は2023年12月期~2025年12月期を予定。2023年3月公表予定。
② 取り組みの基本方針、課題および取り組み内容
a.取り組みの基本方針
当社が持続的な成長および企業価値の向上を推し進め、株式市場において「魅力のある銘柄」との評価を得ることにより、流通株式時価総額の上場維持基準の適合を目指します。
b.課題および取り組み内容
「流通株式時価総額=時価総額×流通株式比率」
上記のとおり、流通株式時価総額の構成要素が「時価総額」と「流通株式比率」であることから、それぞれについて以下の課題に応じた取り組みを進めてまいります。
(ⅰ)「時価総額」の向上
・課題:持続的な成長および企業価値の向上による株価の向上
・取り組み:「中期経営計画の着実な実行」
「コーポレートガバナンスのさらなる充実」
「株主還元の一層の強化」
(ⅱ)「流通株式比率」の向上
・課題:需要面・供給面双方での改善
・取り組み:「IR活動の強化(情報開示の充実)」
「資本政策の検討」
以下、当社の持続的な成長および企業価値の向上にかかる課題に重点を置く観点から、前記② b.(ⅰ)における「中期経営計画の着実な実行」、「コーポレートガバナンスのさらなる充実」および「株主還元の一層の強化」の3点に焦点を当てた記載といたします。
① 中期経営計画の着実な実行
a.当社連結経営指標と株価の関係
《当社の連結経営指標推移》
| 連 結 経 営 指 標 | 2016年 12月期 | 2017年 12月期 | 2018年 12月期 | 2019年 12月期 | 2020年 12月期 | 2021年 12月期 | 2022年 12月期(予) | |
| 売 上 高 | (百万円) | 8,369 | 8,740 | 9,383 | 8,977 | 7,544 | 8,598 | 9,100 |
| 営業利益又は営業損失(△) | (百万円) | 321 | 358 | 650 | 429 | △115 | 349 | 450 |
| 経常利益又は経常損失(△) | (百万円) | 217 | 391 | 661 | 453 | △ 80 | 425 | 480 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | (百万円) | 184 | 254 | 482 | 314 | △180 | 369 | 340 |
| 自己資本利益率[ROE]① | (%) | 1.9 | 2.6 | 4.8 | 3.1 | △1.8 | 3.6 | 3.2 |
| 株主資本コスト ② | (%) | 2.8 | 2.4 | 3.3 | 4.3 | 3.9 | 3.7 | - |
| エクイティスプレッド①-② | (%) | △0.9 | +0.2 | +1.5 | △1.2 | △5.7 | △0.1 | - |
・2021年12月期は、前年度に続く新型コロナウイルスの世界的感染拡大、原油価格の高止まりによる原材料費の上昇、世界的な海上コンテナ需要の逼迫による物流コストの高騰など厳しい環境下にありましたが、全体として、テープ類の販売が好調であったこと、サーマルトランスファーメディア
において新型コロナウイルスの影響を受けにくい分野への拡販活動を展開したこと、また、徐々
にではありますが新規開発案件が売上および利益に貢献したこと、さらにグループを挙げたコスト
減に取り組んだこと等により業績は回復基調にあります。
・2022年12月期も引き続き厳しい環境が予想されますが、付加価値の高い新製品創出と市場浸透、さらなるコストダウン等により、2021年3月に見直した現行の中期経営計画の目標(2022年12月期 連結売上高9,100百万円、連結営業利益400百万円)に対し、前掲の表のとおり利益面での上方修正をおこないました。
b.自己資本利益率(以下、「ROE」といいます。)および株価の目標について
上場維持基準を安定的に充足すべく、ROEおよび株価の目標を以下のとおり設定いたします。
目標 ROE:5.0%以上、株価:2,000円以上
・当社における2016年12月期以降のROE、株主資本コスト(CAPMにより算定)およびエクイティスプレッド(注5)の推移を前掲の表に示しております。
(注5)エクイティスプレッド=ROE-株主資本コスト(CAPM)
なお、株主資本コスト(CAPM)=リスクフリーレート+β(ベータ値)×リスクプレミアム
・この間の当社の株価実績の推移として、エクイティスプレッドがゼロに近似またはプラスの決算期に株価が上昇基調もしくは相対的に高値で推移しております。
・また、ROEが5.0%に近似した水準(4.8%)であった2018年12月期以降、2019年12月期までの間、具体的には2018年1月~2019年12月における月間終値平均は1,956.1円であり、11頁の「上場維持基準の適合状況」の表をもとに算定すると、流通株式時価総額は11億円となります。これはスタンダード市場の上場維持基準を充足する水準です。
・以上より、上場維持基準を安定的に充足するために、ROE 5.0%以上、株価2,000円以上を目標値として設定いたしました。
・目標達成のためには、中期経営計画の着実な実行による業績の向上が必須要件と認識しておりますが、現行の中期経営計画の最終年度である2022年12月期でのROE 5.0%の達成は困難な見通しです。
・2023年12月期から実施予定の次期中期経営計画において、当社のさらなる成長のための施策・戦略を立案・実践し、目標達成に向け全社一丸となって邁進する所存です。
② コーポレートガバナンスのさらなる充実
とくに、2021年6月の改訂コーポレートガバナンス・コードにおいて大きな論点となる「サステナビリティ」に関する課題として、以下の取り組みを進めます。
a.気候変動問題への対応
・2021年6月に当社内で「カーボンニュートラル検討会」を立ち上げたうえで、現状把握と主要施策の検討を行い、CO2排出量削減について以下の目標を設定しました。
・対象範囲:日本国内拠点(国内子会社を含む)
・排出対象:Scope1、Scope2(注6)
・削減目標:2019年度を基準として、2030年度にCO2排出量を30%削減する。
・外部の専門機関のコンサルティングを活用のうえ、Scope3(注6)の算出を含め、さらに具体的な施策検討を進め実行に移してまいります。
(注6)Scpoe1:燃料の燃焼などによる直接排出。 Scope2:電力や蒸気の使用による間接排出。
Scope3:Scope1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動。
b.人的資本への投資およびダイバーシティ(女性活躍推進を中心に)
・10頁に記載のとおり、中期経営計画の重点課題「人財育成」において取り組みを進めております。
c.知的財産への投資について
・当社は1950年の創業以来、画期的な製品開発を実現することにより市場を切り拓き、「開発志向型企業」としてのスタイルを確立してまいりました。
・従いまして、当社にとって知的財産は何ものにも代えがたい重要な資産であります。
・現在、原則2ヶ月に1度、関係取締役・執行役員による「特許出願審査委員会」を開催しており、新たな開発技術について特許出願の是非を議論したうえで特許を出願しております。
・その結果、この約10年間、国内外の特許保有件数は常に200件程度をキープしており、研究開発費はもちろんのこと、特許についても相応の出願・維持コストをかけるなど、知的財産への投資を続けております。
今後も、質の高い特許を数多く出願できるよう開発技術力の向上に努めてまいります。
《当社における国内外の特許保有件数推移》(単位:件)
| 2011 年度 | 2012 年度 | 2013 年度 | 2014 年度 | 2015 年度 | 2016 年度 | 2017 年度 | 2018 年度 | 2019 年度 | 2020 年度 | 2021 年度 | |
| 国内 | 170 | 198 | 201 | 198 | 193 | 184 | 194 | 186 | 193 | 177 | 168 |
| 海外 | 49 | 41 | 41 | 37 | 35 | 34 | 34 | 33 | 33 | 36 | 31 |
| 合計 | 219 | 239 | 242 | 235 | 228 | 218 | 228 | 219 | 226 | 213 | 199 |
③ 株主還元の一層の強化
連結配当性向に関する方針について、2022年12月期決算にかかる配当より以下のとおり変更いたします。
| 従来の方針 | 2022年12月期決算以降の方針 | |
| 連結配当性向25%から30%程度 を目安 | 連結配当性向30%以上 |
《当社の1株当たり配当金および連結配当性向の推移》
| 2016年 12月期 (注7) | 2017年 12月期 | 2018年 12月期 | 2019年 12月期 | 2020年 12月期 (注8) | 2021年 12月期 | ||
| 1株当たり配当金 | (円) | 40 | 40 | 75 | 62 | 40 | 65 |
| 連結配当性向 | (%) | 33.3 | 24.1 | 23.8 | 30.2 | - | 26.9 |
(注7)2017年7月に10株を1株とする株式併合を実施。2016年12月期の1株当たり配当金は株式併合があったものと仮定して算定。
(注8)2020年12月期については、当期純損失を計上したため配当性向を記載せず。