有価証券報告書-第48期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/29 12:35
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110項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により海外渡航の大幅制限が継続する等不透明な状況にあります。また、国内経済も緊急事態宣言により設備投資の延期、企業間訪問の制限等を受け全体的に不透明な状況で推移しました。
当社における事業環境は、国内では緊急事態宣言による工事進行の中断や延期による影響等を受けましたが、6月以降は徐々に回復しております。当社では人と人の接触を減らしエアロゾル感染を防ぐ工夫をしながら、草加(埼玉)、加須(埼玉)、伊勢崎(群馬)の3工場及び協力会社が一体となり感染症対策機器の生産と出荷に注力しました。電子工業分野では、半導体関連の製造装置メーカーは堅調でしたが、自動車部品、電子材料関連の設備投資が停滞し、再開の動きは緩やかです。一方、バイオロジカル分野では、新型コロナウイルス感染症に関連する感染症対策機器、クリーンルーム及び関連消耗品の導入が拡大しました。
また海外では、ベトナム、中国、韓国、台湾等における据付業務が年初から停滞したものの、7月以降は徐々に再開しております。
このような状況の下、令和2年度厚生労働省第二次補正予算による補助金交付により、病院、薬局、福祉施設、クリニック及びPCR検査施設等から急増した需要に対応すべく、主要3工場他を機動的に活用し増産しました。同時に新型コロナウイルス対策機器の開発を実施し、「セルフセッティング式陰圧ブース」、「陰陽圧トンネルユニット」、「PCR検査室」、「診察・検体採取ブース」、「ストレッチャー取付式簡易アイソレーター」等を上市しました。これら機器の拡販に際しては従来の販売商社経由に加えて、ダイレクトメール及びホームページや各種メディアにおける補助金対象機器の周知と当社のPRに注力しました。また、7月10日には公式オンラインショップとして[AIRTECH DIRECT SHOP]を開設し、標準クリーンブース、クリーンユニット、クリーンパーティション及びクリーンサプライ商品の販売を開始しました。
また、2020年3月9日の発行決議による、第三者割当による行使価額修正条項付第9回新株予約権は、2020年3月26日に行使を開始し2020年4月3日に当社普通株式として1,200,000株の発行を完了しました。調達資金は、本社隣接地でのショールーム及び事務所建築(2020年11月30日引渡し完了)、越谷新工場建築(2021年1月15日引渡し完了)及び省エネルギー技術及び感染症対策製品の普及拡大に向けた研究開発資金に充当しております。省エネルギー性能の向上と当社競争力の強化及びシェア拡大を実現し、ひいては社会貢献を図り、その進捗と成果を当社のSDGsへの取組みとして本年3月末にホームページへ開示する予定です。
収益面におきましては、感染症対策機器の拡販等により売上高が伸長し前期比では増収となりました。さらに標準品が多台数販売できたことにより営業利益が増加し、海外からの配当金等を加えた経常利益、当期純利益いずれも前期比増加となりました。
以上の結果、当事業年度における業績は、売上高124億87百万円(前期比19.6%増)、営業利益14億14百万円(同224.7%増)、経常利益15億62百万円(同166.8%増)、当期純利益は11億36百万円(同180.4%増)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期はいまだ不透明でありますが、取引先及び従業員の安全を確保しつつ業務を継続してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ11億46百万円増加し、58億94百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況はつぎのとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、9億14百万円(前期比140百万円の収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益15億62百万円が生じ、売上債権17億15百万円、仕入債務14億57百万円、たな卸資産5億86百万円がそれぞれ増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、7億61百万円(前期比3億59百万円の支出増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得6億43百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は、10億4百万円(前期比12億36百万円の収入増)となりました。これは主に、株式の発行による収入10億32百万円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
区分金額(千円)前年同期比(%)
クリーンルーム793,21668.0
クリーンルーム機器3,624,016122.1
クリーンブース1,778,29484.7
クリーンベンチ162,02375.4
バイオロジカリー機器3,375,607355.0
据付・保守サービス2,927,415119.3
その他の製品423,031130.2
13,083,605128.5

(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
区分金額(千円)前年同期比(%)
クリーンサプライ商品197,071136.1
191,071136.1

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
品目別受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
製品
クリーンルーム868,61596.2241,678117.2
クリーンルーム機器3,755,381130.21,156,642140.0
クリーンブース1,752,44686.2615,255113.1
クリーンベンチ153,30077.945,11593.8
バイオロジカリー機器4,940,496594.82,090,800873.5
据付・保守サービス2,983,232123.1871,292172.7
その他の製品404,733109.768,67374.5
小計14,858,206154.25,089,456206.9
商品
クリーンサプライ商品284,440161.531,765576.2
小計284,440161.531,765576.2
合計15,142,646154.35,121,222207.7

(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
区分金額(千円)前年同期比(%)
製品
クリーンルーム833,11765.5
クリーンルーム機器3,424,908115.2
クリーンブース1,681,07281.1
クリーンベンチ156,29878.8
バイオロジカリー機器3,089,066340.6
据付・保守サービス2,616,446105.5
その他の製品428,240122.3
小計12,229,149119.3
商品
クリーンサプライ商品258,187136.1
小計258,187136.1
合計12,487,337119.6

(注)1.上記の金額には、輸出販売額 119,145千円を含んでおります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行っております。過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらと異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期純利益
(百万円)
1株当たり
当期純利益
(円)
自己資本
当期純利益率
(%)
2020年12月期12,4871,4141,5621,136114.2910.3
2019年12月期10,44243558540545.334.0
増減率(%)19.6224.7166.8180.4152.1157.5

a. 当事業年度の業績全般の概況
当事業年度における業績は、売上高124億87百万円(前期比19.6%増)、営業利益14億14百万円(同224.7%増)、経常利益15億62百万円(同166.8%増)、当期純利益は11億36百万円(同180.4%増)となりました。
売上高が増加した要因は第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。
営業利益、経常利益、当期純利益のすべて増加しましたが、これは売上高が増加したことと共に、標準品の販売比率が増加したことによるものです。
法人税等4億25百万円を計上したことにより当期純利益は11億36百万円となりました。
b. 当事業年度の品目別の概況
売 上 高(百万円)売 上 総 利 益(百万円)
2019年12月期2020年12月期増 減2019年12月期2020年12月期増 減
クリーンルーム1,272833△439586810
クリーンルーム機器2,9723,424452529797268
クリーンブース2,0731,681△39255357117
クリーンベンチ198156△423433△1
バイオロジカリー機器9063,0892,182186978792
据付・保守サービス2,4792,616137715829114
その他の製品350428778882△6
製品小計10,25212,2291,9762,1663,3611,195
クリーンサプライ商品18925868294919
合計10,44212,4872,0442,1963,4101,214

クリーンルーム
「クリーンルーム」は、新型コロナ感染症対策として中小規模の検査試薬用設備、PCR検査室及び調剤薬局等のクリーンルームは増加したものの、大規模物件の減少により、全体での売上高は前期比34.5%の減少となりました。
クリーンルーム機器
電子工業、食品分野の設備投資の延期に伴い「エアーシャワー」の売上は減少しました。一方で新型コロナ感染症対策として陰圧病室用「パッケージクリーンユニット(簡易陰圧装置)」、半導体分野向け「フィルターユニット」が増加し、全体での売上高は前期比15.2%の増加となりました。
クリーンブース
液晶・FPD分野向け「サーマルクリーンチャンバー」の海外顧客据付工事がコロナ禍による中断の影響を大きく受け、大幅減少となりました。全体での売上高は前期比18.9%の減少となりました。
クリーンベンチ
「クリーンベンチ」は、連結型の装置が設備投資の延期に伴い減少し、全体での売上高は前期比21.2%の減少となりました。
バイオロジカリー機器
「アイソレーター」「バイオクリーンベンチ」は減少したものの、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援金による感染症対策用設備整備を受け、「クリーンパーティション」「陰圧ブース」「安全キャビネット」が大幅増加となりました。新型開発機器等も売上に寄与し、全体での売上高は前期比240.6%の増加となりました。
据付・保守サービス
上期の搬入・据付作業について海外ではコロナ禍の影響をより強く受け停滞しましたが、国内では下期より病院への搬入・据付作業が増加しました。またサービス部品では、クリーンパーティションの交換用HEPAフィルターが増加し、全体での売上高は前期比5.5%の増加となりました。
その他の製品
半導体分野への特殊製品及びPCR検査大型テント用排気ユニット等が増加しました。また無塵衣を洗濯する「クリーンランドリー」は、感染防止対策としてのクリーニング頻度増加や半導体関連顧客の稼働率向上により増加し、全体の売上高は前期比22.3%の増加となりました。
クリーンサプライ商品
クリーンルーム内で使用される「無塵衣」「ワイパー」等の売上が堅調に推移したことに加え、感染防止対策用「防護服」「マスク」「グローブ」等の消耗品の増加を合わせ、全体の売上高は前期比36.1%の増加となりました。
③ 目標とする経営指標の達成状況等
当事業年度の営業利益は業績予想4億35百万円に対し、14億14百万円(業績予想比 224.7%増)、経常利益は業績予想5億85百万円に対し15億62百万円(業績予想比 166.8%増)となりました。
収益面におきましては、感染症対策機器の拡販等により売上高が伸長し前期比では増収となりました。さらに標準品が多台数販売できたことにより営業利益が増加し、海外からの配当金等を加えた経常利益、当期純利益いずれも前期比増加となりました。
④ 次期の見通し
次期の見通しにつきましては、世界的に新型コロナウイルス感染症の克服に注力していますが、変異ウイルスの発生や各国のワクチン接種率及び対策レベル等により、感染拡大地域と収束地域が発生する事で海外渡航等の移動制限は継続すると予想されます。また、米中貿易摩擦の影響を受け設備投資の停滞も懸念されるものの、各国の景気対策を背景に全体としては緩やかな回復が継続すると予想されます。
一方、国内では、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明であるものの、ワクチン接種や複数の治療薬及び治療方法が確立すれば、半導体を主とした電子工業にけん引され設備投資が復調していくと予想しております。2020年10月に日本政府がいわゆるカーボンニュートラルの実現を2050年までに目指すことを宣言したことで、地球温暖化対策を加速して取り組むことになりました。従来設備及び機器の省エネルギー化をより推進し、再生エネルギーを活用しつつ電気自動車普及や水素燃料活用社会への転換を図り、さらにSDGsの達成を意識した設備投資の増加が見込まれます。このような背景により全体としては回復傾向が予想されております。
当社における事業環境は、電子工業分野では、5Gへの移行に伴い半導体やデータセンター、スマートフォン及びそれら電子部品の生産拡大による設備投資の復調と増加が見込まれます。また、EV及びFCV等自動車産業の製造環境クリーン化、AIやIoT関連分野への投資も期待されます。一方、バイオロジカル分野では、感染症対策への補助金は一服するものの引き続き病院・医療・介護関連への設備導入が見込まれ、製薬工業分野及び食品工業分野への投資が復調する見込みです。また、再生医療やがんの免疫治療への設備投資も見込まれます。
研究・新製品開発においては、「生菌を用いた空気清浄装置の浮遊菌除去効果の検証」「陰圧排気ユニットの開発」「新型省エネルギーDCモーター及び制御基板の開発」「省エネルギー型サーマルクリーンチャンバーの開発」等に取り組み、特徴を有する新製品の拡販に努めてまいります。
製造部門では、前期より継続している感染症対策機器の需要に対し、新たに越谷工場を活用し生産量拡大に取組み需要増加に対応して参ります。また2020年に開発し導入した生産管理システムを活用し、合理的な生産管理に取り組み、確実な納期対応と製造コスト低減を目指します。さらに既納製品の交換用HEPAフィルターの需要が年々増加しており、本分野の売上水準を向上すべくHEPAフィルターの販売強化対策及び生産能力増加対策に取組みます。
また、サービスセンターは、関西以外の営業拠点へのサービスセンター拡張に向け体制の充実を図り、顧客満足度を高めてまいります。さらに、安全キャビネットの定期検査、製薬工業向けクリーンブース等のバリデーション検査体制を強化してまいります。
(3)当事業年度の財政状態
2019年12月期2020年12月期増 減
営業活動によるキャッシュ・フロー773百万円914百万円140百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー△402百万円△761百万円△359百万円
財務活動によるキャッシュ・フロー△231百万円1,004百万円1,236百万円
現金及び現金同等物に係る換算差額△3百万円△10百万円△7百万円
現金及び現金同等物の増減額136百万円1,146百万円1,010百万円
現金及び現金同等物期末残高4,748百万円5,894百万円1,146百万円
借入金・社債期末残高495百万円607百万円112百万円

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び要因につきましては、 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況をご参照ください。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
2017年12月期2018年12月期2019年12月期2020年12月期
自己資本比率(%)63.266.168.464.4
時価ベースの自己資本比率(%)55.434.645.687.6
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)8.5-0.60.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)22.0-332.6356.0

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を払っている全ての負債(リース債務を除く)を対象としております。
※ 利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 2018年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社の手元資金活用方法の基本的な考え方は、生産性向上を目的とした設備投資及び顧客ニーズに合致した製品開発投資に備える事であります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。しかしながらESGの概念によりSDGsへの貢献に注力すべく、2020年3月9日に発行決議を行った第三者割当による行使価額修正条項付第9回新株予約権は、2020年3月26日に行使を開始し2020年4月3日に当社普通株式として1,200,000株の発行を完了しました。これによる調達資金は、本社隣接地でのショールーム及び事務所建築(2020年11月30日引渡し完了)、越谷工場建築(2021年1月15日引渡し完了)及び省エネルギー技術及び感染症対策製品の普及拡大に向けた研究開発資金に充当しております。
なお、当事業年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は6億7百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は58億94百万円となっております。

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