有価証券報告書-第12期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)

【提出】
2014/03/28 15:14
【資料】
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【項目】
140項目

対処すべき課題

当社グループは、「書く、を支える」企業として、商品を通してユーザーに満足感を与えることを使命としております。いかなる環境変化にあってもライバルとの競争に勝ち残り成長していくため、常に顧客の視点で考え、以下の各課題にPILOTグループの総力をあげて取り組み、100周年に「顧客満足度世界一の筆記具メーカー」を達成したいと考えております。
① 日本から発信する商品企画・研究開発について
当社は、まず、品質や付加価値に対して厳しい目を持つ日本のユーザーに満足していただける商品を企画・開発し、提供し続けることが重要だと考えております。そして、その商品の中からさらにニーズが多岐にわたる世界各地のユーザーに、それぞれ満足していただけるようにカスタマイズし、全世界のマーケットに供給してまいります。そのためには、マーケットインの発想で世界の顧客のニーズを調査し、日本に集約、具現化して、日本から発信できるよう、商品企画及び研究開発体制の強化充実に取り組んでまいります。
② Made in Japanのモノづくりについて
国内外ともに厳しい競争が続く中、お客様に満足していただける商品を、[Made in Japanのモノづくり]にこだわった「PILOT ブランド」として世界で戦えるコストで作ることが、メーカーとしての当社に与えられた課題であります。
当社が日本での“モノづくり”にこだわる理由は、高品質、高機能、高付加価値を維持していくためであります。安価な海外製品との差別化を常に意識し、さらなる「PILOT ブランド」の質の向上を図ってまいります。
一方、海外の生産拠点につきましては、新興国市場を開拓・先取りするための、将来を見据えた地域戦略として位置づけております。当社は、[Made in Japanのモノづくり]にこだわった「PILOT ブランド」で世界と勝負していけるように今後とも努力をしてまいります。
③ 世界トップの販売力を目指して
世界の市場で勝ち残り、成長し続けるためには「世界トップの販売力」が必要です。そのために、まず、国内市場では販売店への直販を基本とした営業体制の維持・強化を推進するとともに、「どうしたらお客様に喜んでいただけるか」を提案しながら、“国内市場でゆるぎない筆記具トップメーカー”の地位を確立してまいります。
一方、海外市場では、当社グループとして全世界で販売活動を展開しております。特に、先進各国では商品機能や品質が高い評価を受け、「PILOT ブランド」の浸透とともに、高いシェアを獲得しております。
当社はこれに満足することなく、今までに培った営業力を基盤として、世界でもトップの筆記具メーカーになれるように、国内外のグループ会社やビジネスパートナーと協力し、グループ全体で一丸となって、顧客視点に立った営業体制を確立してまいります。
④ グループ資産の再構築について
来たる100周年以降も市場で勝ち残り、発展し続けていくために、今まで以上に将来を見据えた効果的な投資を行っていくことが課題であると考えております。平成25年1月28日に公表いたしました「成形生産拠点の統合計画」をはじめ、今後とも、日本国内にとどまらず、世界の各拠点をも含め、グループ資産再構築のためのさまざまな投資を、中長期的な視点で行ってまいります。
⑤ 新規事業の創出について
当社グループは、筆記具事業を根幹として成長してまいりましたが、将来の更なる発展を考えるとき、当社がこれまで筆記具事業の中で培ってきた技術力の強みを発揮できる新規事業を立ち上げ、将来の経営の柱の一つとなるように育てていかねばならないと思っております。そのために、既存の枠組みに縛られず、大胆な発想と実行力を持って推し進めてまいります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
当社は、平成20年2月25日開催の当社取締役会において、下記1.の基本方針を決定しております。当社は、かかる方針を踏まえ、下記2.記載の各取組みを実施しております。
1.基本方針の内容の概要
当社は、当社の企業価値の源泉が、当社グループが永年に亘って培ってきた経営資源に存することに鑑み、特定の者又はグループが当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式を取得することにより、当社グループの企業価値又は株主の皆様の共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者又はグループは、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される限度において当社グループの企業価値又は株主の皆様の共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたします。
2.取組みの具体的な内容の概要
(1) 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、当社グループ全体の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の更なる確保及び向上を目指して、経営の効率化、コーポレート・ガバナンス体制及びコンプライアンス体制の強化並びに連結財務体質の改善等を図りつつ、「顧客主義」に立脚した新しい製商品の開発、市場の開拓、製造コストの低減等に日々研鑽を積んでおります。
とりわけ、当社グループの基幹である筆記具事業において、コスト競争力と技術開発力の向上を目的に生産拠点の再編を進めるとともに、グループ内の開発資源を集約することにより効率的かつスピード感のある商品開発が可能な体制を構築してまいりました。
当社グループは、今後も開発拠点の更なる充実を図り、市場が求める高品質・高付加価値商品を続々と発信できる体制を固めるとともに、インドネシア、ブラジル等の海外生産拠点での現地生産能力を強化し、当社グループ製品の品質とブランドを世界各国において浸透・定着させるべく、新興国市場でのシェア向上を実現してまいる所存です。
(2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成20年3月28日開催の当社第6期定時株主総会において、株主の皆様に、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「旧プラン」といいます。)をご承認いただいて旧プランを導入し、平成23年3月30日開催の当社第9期定時株主総会において、株主の皆様に、情勢変化等を踏まえその内容を一部改めた上で旧プランを継続することをご承認いただき(以下、継続後の当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を「本プラン」といいます。)、本プランを定めております。
本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、当社取締役会が独立委員会の勧告を尊重しつつ当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の確保・向上を目的として導入されたものです。
本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成26年2月24日付「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続に関するお知らせ」の本文をご覧ください。
(参考URL http://www.pilot.co.jp/ir/library/)
なお、当社は、本プランが平成26年3月28日開催の当社第12期定時株主総会の終結の時をもって終了することを受け、平成26年2月24日開催の当社取締役会において、基本方針に基づき、情勢変化等を踏まえ内容を一部改めた上で、本プランを継続することを決議し、当社の第12期定時株主総会において、株主の皆様に、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続の件」をご承認いただきました。こちらの詳細につきましても、上記の当社ホームページをご覧ください。
3.具体的な取組みに対する取締役会の判断及びその理由
当社取締役会は、上記2.(1)記載の基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を高めるための具体的方策であり、まさに当社の基本方針に沿うものと考えます。
また、本プランは、上記2.(2)記載のとおり、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の確保・向上を目的として導入されたものであり、基本方針に沿うものと考えます。さらに、①本プランは、株主及び投資家の皆様並びに大規模買付者の予見可能性を高め、株主の皆様に適切な選択の機会を確保するため、事前の開示がなされていること、②本プランの導入については当社第9期定時株主総会において株主の皆様のご承認を得ており、また、毎定時株主総会における当社取締役の選任を通じて本プランを廃止するか否かについての株主の皆様の意思が確認される点で、本プランの導入及び存続について株主の皆様の意思を重視していること、③取締役会の判断の客観性及び合理性を担保するため、当社取締役会が意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うにあたっては、必要に応じて、当社取締役会及び独立委員会から独立した第三者的立場にある専門家の助言を得るものとしていること、④本プランに基づく対抗措置の発動等の必要性及び相当性を確保し、経営者の保身のための濫用を防止するために、独立委員会を設置し、当社取締役会が対抗措置の発動等をする場合には、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしていること、⑤本プランは、当社の株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではなく、また、当社はいわゆる期差任期制を採用していないため、スローハンド型買収防衛策でもないこと等から、当社取締役会は、本プランが、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を損ない、又は当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。