有価証券報告書-第94期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
対処すべき課題
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、2020年に向けた当社グループの在り姿と、新たな経営指針を明示した3ヵ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」を策定し、平成28年4月よりスタートしております。「Global Challenge 2018」では、財務基盤の強化を最優先課題として掲げております。また、既存事業の一層の拡大を図るとともに、将来、当社グループの中核となり得る新規事業を戦略的に推進し、“成長し続ける丸紅グループ”を実現します。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
中期経営計画「Global Challenge 2018」では、2020年の在り姿を見据え、「事業・投資指針」、「キャッシュフロー経営」、「ポートフォリオ指針」、「海外戦略の強化」、「当社グループ人材戦略」の5つの経営指針を定めており、各指針の概要は以下の通りです。
「2020年に向けた丸紅グループの在り姿」
丸紅グループは、それぞれの分野・市場において、世界のトッププレーヤーとの競争に勝ち抜き、地域経済や社会に貢献する真のグローバル企業を目指します。
その実現のために、強い「個」が結集した強靭なグループへ
世界中の人材・事業を大きく成長させる。強い人材・事業を世界中に増やしていく。
既存事業の一層の拡大を図るとともに、将来、丸紅グループの中核となり得る新規事業を戦略的に推進し、“成長し続ける丸紅グループ”を実現します。
「事業・投資指針」
長期的な収益拡大の基盤を世界各国・地域に据え、ビジネスモデル毎に異なる経営環境・事業特性に対応した事業・投資戦略を推進します。
「キャッシュフロー経営」
営業キャッシュフローの極大化により成長投資余力を高めます。また、新たな事業投資が生み出す収益・キャッシュとともに、大きな成長が見込めない事業が生むキャッシュを次代の成長事業へ再投資することで、企業価値の最大化を図ります。
「ポートフォリオ指針」
成長を担う事業、安定的な収益を生む事業、ボラティリティのある事業のバランスを考慮しつつ、厳しい経営環境においても長期的に収益成長し続けられるポートフォリオを構築します。また、既存事業の収益力強化により、成長計画を確実に実現し、事業価値の向上を図るとともに、ノンコア事業から撤退し、資産の優良化を図ります。
「海外戦略の強化」
米国を中心とする先進国、中間層が厚みを増すアセアンを重点市場とし、将来への布石としてサブサハラ地域へ積極的に取り組みます。
「当社グループ人材戦略」
グローバルの中で勝ち抜ける強い人材を登用・育成します。また、グループ内ダイバーシティを一層推進し、人材の登用・配置を行うことで、個々の人材が、仕事に誇りとやりがいを持てる企業グループを目指します。
当連結会計年度における「Global Challenge 2018」の各施策の進捗状況については、次の通りであります。
「事業・投資指針」については、当社の事業領域を「セールス&マーケティング事業」、「ファイナンス事業」、「安定収益型事業」、「資源投資」の4つのビジネスモデルに分類し、ビジネスモデル毎に異なる経営環境・事業特性に対応した事業・投資戦略を推進してまいりました。
「キャッシュフロー経営」については、基礎営業キャッシュフローの拡大、営業運転資金の効率化に加え、事業等の回収を促進したことから、フリーキャッシュフローは2ヵ年連続で大幅な黒字を達成いたしました。
「ポートフォリオ指針」については、成長を担う事業、安定的な収益を生む事業、ボラティリティのある事業のバランスを考慮の上、新規投融資を厳選する一方、事業からの戦略的なEXIT等による回収を通じて資産の入替を促進いたしました。
「海外戦略の強化」については、各地域の現状や将来性を見据え、新規分野・地域の開拓、戦略的パートナーとの取り組み等、現地からの発信を踏まえた地域戦略を策定し、推進してまいりました。サブサハラ地域については、駐在員を増員し、取り組みを強化しております。
「当社グループ人材戦略」については、丸紅グループの価値最大化に資する最適な人材の登用・配置を推進するために、人事制度の一部改訂及び新規施策を実施・導入いたしました。
(3)GC2018の修正について
平成29年5月9日に中期経営計画「Global Challenge 2018」の定量目標を、以下の<修正中期経営計画における基本方針>に基づき、財務基盤の更なる強化を最優先課題として継続すること、同時に事業戦略の進化を図ることを明確にした上で修正しております。
<修正中期経営計画における基本方針>「財務基盤の更なる強化」
● 財務基盤の強化を最優先課題として継続し、遅くとも平成32年度末までにネットD/Eレシオを0.8倍程度へ
● キャッシュフロー経営の強化
・基礎営業キャッシュフローの極大化
・資産リサイクルを促進、回収・戦略的EXITの推進
・配当後フリーキャッシュフローを4,000億円~5,000億円(3年累計)創出し、債務返済へ
・新規投融資を戦略的に厳選、4,000億円~5,000億円(3年累計)が目安
「事業戦略の進化」
● 事業を戦略的に厳選、個々の領域における競争優位性を追求し、事業価値の最大化へ
● 事業会社経営の進化
・事業会社の価値最大化に資する最良経営人材の登用
・事業オーナーとしての役割強化
● ポートフォリオマネジメント(ビジネスモデル別資本配分)の推進・強化
<定量目標の修正>
(4)定量目標の進捗状況
中期経営計画「Global Challenge 2018」の定量目標に対する進捗状況は次の通りです。
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は2,113億円となり、修正中期経営計画の定量目標を1年前倒しで達成し、過去最高益を更新しました。平成30年度期初予想においては2期連続の過去最高益を更新する2,300億円を見込んでおります。当連結会計年度のフリーキャッシュフロー(配当後)は1,586億円、ネットD/Eレシオは1.04倍となりました。平成30年度期初予想ではネットD/Eレシオ0.9倍程度を見込んでおり、引き続き財務基盤の強化に取り組んでいきます。
修正中期経営計画では3ヵ年累計で4,000億円~5,000億円の新規投融資の実行を目安としております。前連結会計年度では、合計で約1,100億円の新規投融資を実行しました。主な内容としては、米国における天然ガス焚き火力発電事業、中東における電力・水・蒸気供給事業、ブラジルにおけるFPSO傭船事業、ポルトガルにおけるガス配送事業等です。当連結会計年度では、合計で約1,100億円の新規投融資を実行しました。主な内容としては、米国における牛肉生産販売事業、トルコにおける衣料品等の企画製造販売事業、日本におけるバイオマス発電事業等です。
(5)丸紅の在り姿
平成30年6月22日に丸紅グループが目指すべき長期的な在り姿「Global crossvalue platform」を公表いたしました。
「Global crossvalue platform」
● 時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる壁を突き破るタテの進化とヨコの拡張
により、社会・顧客に向けてソリューションを創出します。
● 丸紅グループを一つのプラットフォームとして捉え、グループの強み、社内外の知、ひとり一人の夢と夢、志と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造します。
(将来に関する記述等についてのご注意)
本報告書に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社グループは、2020年に向けた当社グループの在り姿と、新たな経営指針を明示した3ヵ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」を策定し、平成28年4月よりスタートしております。「Global Challenge 2018」では、財務基盤の強化を最優先課題として掲げております。また、既存事業の一層の拡大を図るとともに、将来、当社グループの中核となり得る新規事業を戦略的に推進し、“成長し続ける丸紅グループ”を実現します。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
中期経営計画「Global Challenge 2018」では、2020年の在り姿を見据え、「事業・投資指針」、「キャッシュフロー経営」、「ポートフォリオ指針」、「海外戦略の強化」、「当社グループ人材戦略」の5つの経営指針を定めており、各指針の概要は以下の通りです。
「2020年に向けた丸紅グループの在り姿」
丸紅グループは、それぞれの分野・市場において、世界のトッププレーヤーとの競争に勝ち抜き、地域経済や社会に貢献する真のグローバル企業を目指します。
その実現のために、強い「個」が結集した強靭なグループへ
世界中の人材・事業を大きく成長させる。強い人材・事業を世界中に増やしていく。
既存事業の一層の拡大を図るとともに、将来、丸紅グループの中核となり得る新規事業を戦略的に推進し、“成長し続ける丸紅グループ”を実現します。
「事業・投資指針」
長期的な収益拡大の基盤を世界各国・地域に据え、ビジネスモデル毎に異なる経営環境・事業特性に対応した事業・投資戦略を推進します。
「キャッシュフロー経営」
営業キャッシュフローの極大化により成長投資余力を高めます。また、新たな事業投資が生み出す収益・キャッシュとともに、大きな成長が見込めない事業が生むキャッシュを次代の成長事業へ再投資することで、企業価値の最大化を図ります。
「ポートフォリオ指針」
成長を担う事業、安定的な収益を生む事業、ボラティリティのある事業のバランスを考慮しつつ、厳しい経営環境においても長期的に収益成長し続けられるポートフォリオを構築します。また、既存事業の収益力強化により、成長計画を確実に実現し、事業価値の向上を図るとともに、ノンコア事業から撤退し、資産の優良化を図ります。
「海外戦略の強化」
米国を中心とする先進国、中間層が厚みを増すアセアンを重点市場とし、将来への布石としてサブサハラ地域へ積極的に取り組みます。
「当社グループ人材戦略」
グローバルの中で勝ち抜ける強い人材を登用・育成します。また、グループ内ダイバーシティを一層推進し、人材の登用・配置を行うことで、個々の人材が、仕事に誇りとやりがいを持てる企業グループを目指します。
当連結会計年度における「Global Challenge 2018」の各施策の進捗状況については、次の通りであります。
「事業・投資指針」については、当社の事業領域を「セールス&マーケティング事業」、「ファイナンス事業」、「安定収益型事業」、「資源投資」の4つのビジネスモデルに分類し、ビジネスモデル毎に異なる経営環境・事業特性に対応した事業・投資戦略を推進してまいりました。
「キャッシュフロー経営」については、基礎営業キャッシュフローの拡大、営業運転資金の効率化に加え、事業等の回収を促進したことから、フリーキャッシュフローは2ヵ年連続で大幅な黒字を達成いたしました。
「ポートフォリオ指針」については、成長を担う事業、安定的な収益を生む事業、ボラティリティのある事業のバランスを考慮の上、新規投融資を厳選する一方、事業からの戦略的なEXIT等による回収を通じて資産の入替を促進いたしました。
「海外戦略の強化」については、各地域の現状や将来性を見据え、新規分野・地域の開拓、戦略的パートナーとの取り組み等、現地からの発信を踏まえた地域戦略を策定し、推進してまいりました。サブサハラ地域については、駐在員を増員し、取り組みを強化しております。
「当社グループ人材戦略」については、丸紅グループの価値最大化に資する最適な人材の登用・配置を推進するために、人事制度の一部改訂及び新規施策を実施・導入いたしました。
(3)GC2018の修正について
平成29年5月9日に中期経営計画「Global Challenge 2018」の定量目標を、以下の<修正中期経営計画における基本方針>に基づき、財務基盤の更なる強化を最優先課題として継続すること、同時に事業戦略の進化を図ることを明確にした上で修正しております。
<修正中期経営計画における基本方針>「財務基盤の更なる強化」
● 財務基盤の強化を最優先課題として継続し、遅くとも平成32年度末までにネットD/Eレシオを0.8倍程度へ
● キャッシュフロー経営の強化
・基礎営業キャッシュフローの極大化
・資産リサイクルを促進、回収・戦略的EXITの推進
・配当後フリーキャッシュフローを4,000億円~5,000億円(3年累計)創出し、債務返済へ
・新規投融資を戦略的に厳選、4,000億円~5,000億円(3年累計)が目安
「事業戦略の進化」
● 事業を戦略的に厳選、個々の領域における競争優位性を追求し、事業価値の最大化へ
● 事業会社経営の進化
・事業会社の価値最大化に資する最良経営人材の登用
・事業オーナーとしての役割強化
● ポートフォリオマネジメント(ビジネスモデル別資本配分)の推進・強化
<定量目標の修正>
経営指標 | 修正前 | 修正後 |
親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 平成30年度 2,500億円 (非資源 2,300億円以上) | 平成30年度 2,000億円 (非資源 1,800億円以上) |
フリーキャッシュフロー (配当後) | 平成28年度~30年度累計 黒字化 (平成30年度末ネットD/Eレシオ 1.3倍程度) | 平成28年度~30年度累計 4,000億円~5,000億円 (平成30年度末ネットD/Eレシオ 1.0倍程度) |
ROE | 10%以上 | 10%以上 |
新規投融資 | 平成28年度~30年度 1兆円 (内訳) セールス&マーケティング事業 30% ファイナンス事業 20% 安定収益型事業 40% 資源投資 10% | 平成28年度~30年度 4,000億円~5,000億円 非資源を中心に戦略的に厳選 |
連結配当性向 | 親会社の所有者に帰属する 当期利益の25%以上 | 親会社の所有者に帰属する 当期利益の25%以上 |
(4)定量目標の進捗状況
中期経営計画「Global Challenge 2018」の定量目標に対する進捗状況は次の通りです。
経営指標 | 前連結会計年度 (平成28年度) | 当連結会計年度 (平成29年度) | 期初予想 (平成30年5月8日公表) |
親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 1,554億円 (非資源 1,691億円) | 2,113億円 (非資源 1,980億円) | 2,300億円 (非資源 1,800億円以上) |
フリーキャッシュフロー (配当後) | +3,361億円 (ネットD/Eレシオ 1.20倍) | +1,586億円 (ネットD/Eレシオ 1.04倍) | +1,000億円 (ネットD/Eレシオ 0.9倍程度) |
ROE | 11.09% | 13.97% | 10%以上 |
新規投融資 | 約1,100億円 | 約1,100億円 | 非資源を中心に戦略的に厳選 |
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は2,113億円となり、修正中期経営計画の定量目標を1年前倒しで達成し、過去最高益を更新しました。平成30年度期初予想においては2期連続の過去最高益を更新する2,300億円を見込んでおります。当連結会計年度のフリーキャッシュフロー(配当後)は1,586億円、ネットD/Eレシオは1.04倍となりました。平成30年度期初予想ではネットD/Eレシオ0.9倍程度を見込んでおり、引き続き財務基盤の強化に取り組んでいきます。
修正中期経営計画では3ヵ年累計で4,000億円~5,000億円の新規投融資の実行を目安としております。前連結会計年度では、合計で約1,100億円の新規投融資を実行しました。主な内容としては、米国における天然ガス焚き火力発電事業、中東における電力・水・蒸気供給事業、ブラジルにおけるFPSO傭船事業、ポルトガルにおけるガス配送事業等です。当連結会計年度では、合計で約1,100億円の新規投融資を実行しました。主な内容としては、米国における牛肉生産販売事業、トルコにおける衣料品等の企画製造販売事業、日本におけるバイオマス発電事業等です。
(5)丸紅の在り姿
平成30年6月22日に丸紅グループが目指すべき長期的な在り姿「Global crossvalue platform」を公表いたしました。
「Global crossvalue platform」
● 時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる壁を突き破るタテの進化とヨコの拡張
により、社会・顧客に向けてソリューションを創出します。
● 丸紅グループを一つのプラットフォームとして捉え、グループの強み、社内外の知、ひとり一人の夢と夢、志と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造します。
(将来に関する記述等についてのご注意)
本報告書に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。