有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
対処すべき課題
(1)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境を見ますと、これまでにない大きな変化、不確実な世界が到来しております。社会・人々の価値観の変容、デジタル革命といわれる技術革新の加速、産業構造の水平化・複層化、新たなエコシステムの出現等、これまでの既成概念のディスラプションが至るところで起こる時代であり、当社グループにとって機会と脅威が同時に到来しております。変化は成長オポチュニティとなる一方で、既存ビジネスモデルは陳腐化リスクにさらされており、これまでのように商品軸をベースとするアプローチだけではもはやソリューションは作り出せなくなると考えております。
(2)会社の経営の基本方針
当社グループは、丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」を定めるとともに、経営戦略の基本方針「2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する」を明示した3ヵ年の中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」(以下、GC2021)を策定し、2019年度よりスタートしております。
丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」
・時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる壁を突き破るタテの進化とヨコの拡張に
より、社会・顧客に向けてソリューションを創出します。
・丸紅グループを一つのプラットフォームとして捉え、グループの強み、社内外の知、ひとり一人の夢と夢、志
と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造します。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
<前中期経営計画「Global Challenge 2018」について>当社グループは、2016年4月より3ヵ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」(以下、GC2018)を遂行してきました。「GC2018」では、世界のトッププレーヤーとの競争に勝ち抜き、地域経済や社会に貢献する真のグローバル企業を目指し、「事業・投資指針」、「キャッシュ・フロー経営」、「ポートフォリオ指針」、「海外戦略の強化」、「丸紅グループ人材戦略」の5つの経営方針を定め、推進しました。
また、2017年5月に公表した修正中期経営計画では、財務基盤の強化を最優先課題として継続すること、同時に事業戦略の進化を図ることを明確にした上で定量目標を修正しております。
定量目標(2017年5月9日修正ベース)に対する実績は次の通りです。
GC2018では3ヵ年累計で2,873億円の新規投融資を実行しました。主な内容としては、米国における天然ガス焚き火力発電事業、中東における電力・水・蒸気供給事業、ブラジルにおけるFPSO傭船事業、ポルトガルにおけるガス配送事業、米国における牛肉生産販売事業、トルコにおける衣料品等の企画製造販売事業、日本におけるバイオマス発電事業、チリにおけるガス配給事業、豪州における原料炭事業既存権益積み増し等です。
<中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」について>「GC2021」は、丸紅グループが目指す長期的な方向性を「丸紅グループの在り姿“Global crossvalue platform”商社の枠組みを超える価値創造企業グループへ」とし、2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する第一段階の3ヵ年の経営戦略です。成長の土台となる強固な財務基盤の構築・維持を大前提として既存事業基盤の強化による持続的成長と10年先を見据えた新たなビジネスモデル創出による爆発的成長を同時に推進します。
「GC2021」では、「キャッシュ・フロー経営(資本配分方針)」、「新たな事業指針」、「成長ホライゾンによる事業戦略」の3つを重点施策として推進します。
「キャッシュ・フロー経営(資本配分方針)」
基礎営業キャッシュ・フローの極大化を追求するとともに、資本配分方針として、財務基盤の更なる強化、株主還元の充実を図るとともに成長への資本配分を実施します。
「新たな事業指針」
新たな事業指針として SPP(「Strategy」 × 「Prime」 × 「Platform」)を掲げております。新たな事業指針SPPを徹底し、新規投資を戦略的に厳選するとともに、既存事業の強化及び回収・資産入替えの促進を図り、丸紅グループ全体の事業ポートフォリオの価値最大化を目指していきます。
「成長ホライゾンによる事業戦略」
時間軸の異なる持続的成長と爆発的成長に同時に取り組むために3つの成長ホライゾン(ホライゾン1:既存事業の充実、ホライゾン2:既存事業領域の戦略追求、ホライゾン3:White Spaceの追求)を導入し、既存事業基盤を強化・拡大しながら、同時に現状では取り込めていない成長領域・新たなビジネスモデル(White Space)にも取り組んでいきます。
成長戦略を推進すべく、2019年4月に機構改革を実施しました。営業の業務執行体制を4階層から3階層へとフラット化し、営業本部がスピード感をもって戦略を実行できる体制としました。また、全社最適の観点より、新たなビジネスモデル創出を目的とした新営業本部(次世代事業開発本部)を創設しました。
「サステナビリティとガバナンス」
Global crossvalue platformの発展、長期的な企業価値向上の土台であり重視していきます。サステナビリティについては、地球環境と社会の持続可能性を脅かす重要課題に対するソリューション創出の取り組みを実践していきます。ガバナンスについては、実効性・透明性の向上を図るとともに、丸紅グループ全体のグループガバナンスの向上を図っていきます。
「グループ人財戦略」
マーケットバリューの高い人財、多様性、人が活き・繋がる風土のもとで、丸紅グループ社員一人ひとりが、Global crossvalue platformの一員として新たな価値創造を担う、丸紅グループ人財戦略を推進します。
(4)目標とする経営指標
中期経営戦略「GC2021」における定量目標は次の通りです。
(注)1.基礎営業キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローから営業資金の増減等を控除したものであります。
2.CAPEXは既存投融資案件の価値を維持・向上するための追加的な設備投資であります。
また、株主還元方針として、連結配当性向25%以上は維持し、各年度における配当金は期初に公表する予想配当金を下限とします。追加株主還元策としてネットDEレシオ0.8倍程度達成後、資本配分の根源的な原資である基礎営業キャッシュ・フローの創出力や成長投資パイプラインの状況等を踏まえて、機動的に自己株式の取得を実施します。
(将来に関する記述等についてのご注意)
本報告書に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社グループを取り巻く経営環境を見ますと、これまでにない大きな変化、不確実な世界が到来しております。社会・人々の価値観の変容、デジタル革命といわれる技術革新の加速、産業構造の水平化・複層化、新たなエコシステムの出現等、これまでの既成概念のディスラプションが至るところで起こる時代であり、当社グループにとって機会と脅威が同時に到来しております。変化は成長オポチュニティとなる一方で、既存ビジネスモデルは陳腐化リスクにさらされており、これまでのように商品軸をベースとするアプローチだけではもはやソリューションは作り出せなくなると考えております。
(2)会社の経営の基本方針
当社グループは、丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」を定めるとともに、経営戦略の基本方針「2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する」を明示した3ヵ年の中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」(以下、GC2021)を策定し、2019年度よりスタートしております。
丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」
・時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる壁を突き破るタテの進化とヨコの拡張に
より、社会・顧客に向けてソリューションを創出します。
・丸紅グループを一つのプラットフォームとして捉え、グループの強み、社内外の知、ひとり一人の夢と夢、志
と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造します。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
<前中期経営計画「Global Challenge 2018」について>当社グループは、2016年4月より3ヵ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」(以下、GC2018)を遂行してきました。「GC2018」では、世界のトッププレーヤーとの競争に勝ち抜き、地域経済や社会に貢献する真のグローバル企業を目指し、「事業・投資指針」、「キャッシュ・フロー経営」、「ポートフォリオ指針」、「海外戦略の強化」、「丸紅グループ人材戦略」の5つの経営方針を定め、推進しました。
また、2017年5月に公表した修正中期経営計画では、財務基盤の強化を最優先課題として継続すること、同時に事業戦略の進化を図ることを明確にした上で定量目標を修正しております。
定量目標(2017年5月9日修正ベース)に対する実績は次の通りです。
経営指標 | 定量目標(修正後) | 実績 |
親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 2018年度 2,000億円 (非資源 1,800億円以上) | 2018年度 2,309億円 (非資源 1,804億円) |
フリーキャッシュ・フロー (配当後) | 2016-2018年度累計 +4,000億円~5,000億円 | 2016-2018年度累計 +7,404億円 |
ネットDEレシオ | 2018年度末 1.0倍程度 | 2018年度末 0.90倍 |
ROE | 10%以上 | 2018年度 13.9% |
新規投融資 | 2016-2018年度累計 4,000億円~5,000億円 | 2016-2018年度累計 2,873億円 |
GC2018では3ヵ年累計で2,873億円の新規投融資を実行しました。主な内容としては、米国における天然ガス焚き火力発電事業、中東における電力・水・蒸気供給事業、ブラジルにおけるFPSO傭船事業、ポルトガルにおけるガス配送事業、米国における牛肉生産販売事業、トルコにおける衣料品等の企画製造販売事業、日本におけるバイオマス発電事業、チリにおけるガス配給事業、豪州における原料炭事業既存権益積み増し等です。
<中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」について>「GC2021」は、丸紅グループが目指す長期的な方向性を「丸紅グループの在り姿“Global crossvalue platform”商社の枠組みを超える価値創造企業グループへ」とし、2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する第一段階の3ヵ年の経営戦略です。成長の土台となる強固な財務基盤の構築・維持を大前提として既存事業基盤の強化による持続的成長と10年先を見据えた新たなビジネスモデル創出による爆発的成長を同時に推進します。
「GC2021」では、「キャッシュ・フロー経営(資本配分方針)」、「新たな事業指針」、「成長ホライゾンによる事業戦略」の3つを重点施策として推進します。
「キャッシュ・フロー経営(資本配分方針)」
基礎営業キャッシュ・フローの極大化を追求するとともに、資本配分方針として、財務基盤の更なる強化、株主還元の充実を図るとともに成長への資本配分を実施します。
「新たな事業指針」
新たな事業指針として SPP(「Strategy」 × 「Prime」 × 「Platform」)を掲げております。新たな事業指針SPPを徹底し、新規投資を戦略的に厳選するとともに、既存事業の強化及び回収・資産入替えの促進を図り、丸紅グループ全体の事業ポートフォリオの価値最大化を目指していきます。
「成長ホライゾンによる事業戦略」
時間軸の異なる持続的成長と爆発的成長に同時に取り組むために3つの成長ホライゾン(ホライゾン1:既存事業の充実、ホライゾン2:既存事業領域の戦略追求、ホライゾン3:White Spaceの追求)を導入し、既存事業基盤を強化・拡大しながら、同時に現状では取り込めていない成長領域・新たなビジネスモデル(White Space)にも取り組んでいきます。
成長戦略を推進すべく、2019年4月に機構改革を実施しました。営業の業務執行体制を4階層から3階層へとフラット化し、営業本部がスピード感をもって戦略を実行できる体制としました。また、全社最適の観点より、新たなビジネスモデル創出を目的とした新営業本部(次世代事業開発本部)を創設しました。
「サステナビリティとガバナンス」
Global crossvalue platformの発展、長期的な企業価値向上の土台であり重視していきます。サステナビリティについては、地球環境と社会の持続可能性を脅かす重要課題に対するソリューション創出の取り組みを実践していきます。ガバナンスについては、実効性・透明性の向上を図るとともに、丸紅グループ全体のグループガバナンスの向上を図っていきます。
「グループ人財戦略」
マーケットバリューの高い人財、多様性、人が活き・繋がる風土のもとで、丸紅グループ社員一人ひとりが、Global crossvalue platformの一員として新たな価値創造を担う、丸紅グループ人財戦略を推進します。
(4)目標とする経営指標
中期経営戦略「GC2021」における定量目標は次の通りです。
親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 2021年度 | 3,000億円 | |
キャッシュ・フロー | 基礎営業 キャッシュ・フロー | 3ヵ年累計 | 12,000億円 |
株主還元後 フリーキャッシュ・フロー | 3ヵ年累計 | +1,000億円以上 (ネットDEレシオ 2021年度末 0.7倍程度) | |
新規投資 (含むCAPEX) | 3ヵ年累計 | 9,000億円程度 ホライゾン3:2,000億円 ホライゾン2:5,000億円 ホライゾン1:2,000億円 (株主還元後フリー・キャッシュ・フロー 目標達成が前提) | |
ROE | 10%以上 |
(注)1.基礎営業キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローから営業資金の増減等を控除したものであります。
2.CAPEXは既存投融資案件の価値を維持・向上するための追加的な設備投資であります。
また、株主還元方針として、連結配当性向25%以上は維持し、各年度における配当金は期初に公表する予想配当金を下限とします。追加株主還元策としてネットDEレシオ0.8倍程度達成後、資本配分の根源的な原資である基礎営業キャッシュ・フローの創出力や成長投資パイプラインの状況等を踏まえて、機動的に自己株式の取得を実施します。
(将来に関する記述等についてのご注意)
本報告書に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。