有価証券報告書-第107期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、コーポレート・ガバナンス体制の構築にあたり、「透明性と説明責任の向上」及び「経営の監督と執行の役割分担の明確化」を重視しています。「透明性と説明責任の向上」のために、社外取締役及び社外監査役の視点を入れての経営監督及び監視機能の強化を図るとともに、情報開示に係る内部統制体制を整備し、公正開示の原則の下、役職員が説明責任の遂行にあたることとしています。また、「経営の監督と執行の役割分担の明確化」のために当社は執行役員に業務執行の権限を大幅に委譲した上で、取締役会が会社の業務を執行する取締役・執行役員による業務執行を監督します。国内の15事業本部及び海外の2地域本部のそれぞれを統括する事業本部長及び地域本部長は、同時に執行役員でもあり、連結グループの機動性のある業務執行にあたります。
当社は、監査役による監査機能の実効性を高める一方、会社業務に通暁した社内取締役を中心とした実態に即した経営が当社の業態に必要であると判断し、監査役会設置会社の形態によるコーポレート・ガバナンスを採用する一方、「透明性と説明責任の向上」及び「経営の監督と執行の役割分担の明確化」を担保するため、社外取締役・社外監査役の参画を得た各種諮問機関の設置等を通じて実効性の高いコーポレート・ガバナンスを実現します。株主をはじめとするステークホルダーのために有効なコーポレート・ガバナンスを実現するため、以下の体制を構築し、維持しています。
(a)取締役会は経営執行及び監督の最高機関です。その機能の確保のために、当社は取締役の人数を実質的な討議を行うのに適切な規模としています。また、社外取締役・社外監査役が委員長及び委員として参加する諮問機関としてガバナンス委員会、指名委員会、報酬委員会を取締役会の下に設置しています。
(b)監査役は株主の負託を受けた独立の機関として取締役の職務執行を監査します。この目的のため、監査役は社内の重要会議への出席、各種報告の検証、会社業務の調査等多面的かつ有効な監査活動を展開し、必要な措置を適時に講じます。
当社のコーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方と方針については、「三井物産コーポレート・ガバナンス及び内部統制原則」としてまとめ、当社ウェブサイトに公表しています。なお、当該ページは定期的な更新を予定していますが、その際、更新した内容や日付を併せて記載します。
https://www.mitsui.com/jp/ja/company/outline/governance/system/pdf/corp_gov_j.pdf
また、当社は、2021年6月に公表された改訂コーポレートガバナンス・コードの各原則について、すべて実施しています。同コードの各原則に基づく開示については、国内証券取引所宛に提出している「コーポレート・ガバナンス報告書」をご参照ください。なお、当該ページは定期的な更新を予定していますが、その際、更新した内容や日付を併せて記載します。
https://www.mitsui.com/jp/ja/company/outline/governance/status/index.html
②当社におけるコーポレート・ガバナンス体制
(a)取締役会の状況
・当社は、2002年4月の執行役員制導入を契機に、取締役数を2002年6月に38名から11名に減員しました。2003年6月から社外取締役を選任、2015年6月の定時株主総会以降は社外取締役を5名選任し、2023年6月の定時株主総会以降は社外取締役6名を選任しています。また、取締役会による経営の監督を更に強化し、取締役会でのより高度かつ実効性の高い議論を可能にする人員構成とするため、2024年6月の定時株主総会にて、社内取締役を9名から6名に減員し、社外取締役・社内取締役の人数を同数とする取締役総数12名体制に変更しています。なお、取締役の人数は、実質的な討議を行うのに適切な規模としています。取締役の任期は1年として毎年改選しますが、再任を妨げないものとしています。
・2026年6月12日本報告書提出日現在において取締役12名のうち、執行役員を兼務する取締役は3名となっています。なお、取締役会は男性8名、女性4名(女性は全員が社外取締役)で構成されており、女性比率は33.3%、外国籍役員比率は25.0%です。*1
*1 当社は、2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の取締役は12名(内、社外取締役6名)、そのうち執行役員を兼務する取締役は5名となります。
・2026年6月12日本報告書提出日現在、取締役会は以下12名で構成されており、常勤/社外区分や取締役会諮問委員会の兼務状況及び取締役出席状況は以下のとおりです。*4
*2 竹増喜明取締役及び重田哲也取締役は、2026年6月17日開催予定の定時株主総会終了時をもって取締役を退任予定です。
*3 中井一雅取締役及び福田哲也取締役は、2025年6月に取締役に就任した後に開催された取締役会8回すべてに出席しています。中井取締役は、2025年6月に取締役に就任した後からガバナンス委員を務めています。
*4 2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の取締役会は以下の12名で構成されます。
・当社の取締役会は、会長が招集し議長にあたります。なお、当社における会長の役割は、主として経営の監督を行うことであり、執行役員を兼務せず、日常の業務執行には関与しません。
・取締役会は、取締役会付議・報告事項に関する内規に従い、当社の経営に関する基本方針、重要な業務執行に関する事項、株主総会の決議により授権された事項のほか、法令及び定款に定められた事項を決議し、また、法令に定められた事項及び重要な業務の執行状況につき報告を受けます。
・取締役会は原則毎月1回開催するほか必要に応じて随時開催します。2026年3月期は合計11回開催しました。
なお、2024年3月期から2026年3月期までの主な審議テーマ・付議報告件数は以下のとおりです。また、社外役員に対しては、当社経営上、重要な影響を及ぼす案件について、複数回の取締役会審議及び社外役員に対する個別のブリーフィングを実施したほか、取締役会の付議・報告対象にはならないものの、経営会議で審議されるような重要な案件の共有も進めており、当社の事業や経営に対する理解を深める機会を多く設けています。
<取締役会での主な審議テーマ・付議報告件数及び社外役員向け共有件数>
<取締役会への主な付議・報告事項(2026年3月期)>
A:経営戦略・ガバナンス・サステナビリティ関連、B:決算・財務関連、C:監査役・会計監査人関連
D:内部統制・リスクマネジメント・コンプライアンス関連、E:役員人事・報酬関連、F:個別案件
・また、すべての社外取締役及び社外監査役により構成される社外役員会議を設置し、経営上の重要事項について、社外役員間、または社外役員と社内取締役、常勤監査役、会計監査人、執行役員等との間で情報共有・意見交換を行っています。2026年3月期は合計12回開催し、株式市場との対話のフィードバック、事業分野と戦略等について、情報交換及び意見交換を行いました。加えて、社内取締役と社外役員のよりインタラクティブな議論の推進のための施策として、取締役会メンバーのエンゲージメント強化イベントを実施しました。
・当社は取締役会の諮問機関としてガバナンス委員会、指名委員会、報酬委員会の3つの委員会を設置しています。2015年6月に当社ガバナンス体制の強化を目的として各委員会の構成を見直しました。この結果、ガバナンス委員会の構成は過半数が社外役員となりました。また、2018年6月以降は、指名委員会の構成についても過半数が社外役員となり、本報告書提出時点では社外取締役が委員長を務めています。2019年6月以降は、報酬委員会の構成についても過半数が社外役員となり、本報告書提出時点では社外取締役が委員長を務めています。
・各諮問委員会の役割期待、機能、2026年3月期の開催状況及び各委員の出席状況は以下のとおりです。
-「ガバナンス委員会」
役割期待:当社のコーポレート・ガバナンスの継続的なモニタリング実施と更なる充実のための施策の検討を通じ、経営の透明性・公正性を高め、コーポレート・ガバナンスの継続的な向上を図る。
機能 :当社のコーポレート・ガバナンスに係わる基本方針・施策に関する検討、並びに当社のコーポレート・ガバナンスの更なる充実のための施策として取締役会の構成・人数・議題の検討、及び指名委員会・報酬委員会での審議・検討事項の提案を含む取締役会の諮問委員会のあり方の検討。
開催状況:合計4回開催し、取締役会実効性評価、上場株式議決権行使状況、並びに取締役会付議・報告基準見直し等について審議。
出席状況:
*1 CSO:チーフ・ストラテジー・オフィサー
*2 中井一雅取締役は、2025年6月に取締役に就任した後に開催されたガバナンス委員会3回すべてに出席しています。
-「指名委員会」
役割期待:当社取締役及び執行役員の指名プロセスに関し、社外役員が関与することにより透明性・客観性を高め、役員指名の公正性を担保する。
機能 :当社取締役及び執行役員の指名に関する選解任基準・選解任プロセスの検討、最高経営責任者(CEO)等の後継者計画の策定、並びに取締役人事案に対する評価、並びに役員の解任に係る審議。
開催状況:合計5回開催し、社外役員が役員候補者を把握する機会及び提供情報・資料の拡充を更に図るとともに、役員候補の選定、役員選任案について審議。
出席状況:
-「報酬委員会」
役割期待:当社取締役及び執行役員の報酬に関する決定プロセスにつき、社外役員の関与により透明性と客観性を高めるとともに継続的なモニタリング実施を通じ、役員報酬の公正性を担保する。
機能 :当社取締役及び執行役員の報酬・賞与に関する体系・決定プロセスの検討、並びに取締役報酬・賞与案に対する評価、並びに執行役員評価・賞与案に対する評価。
開催状況:合計4回開催し、グローバルな競争環境下における中長期的な企業価値貢献に向けた報酬体系や水準の見直し等について審議。
出席状況:
*1 CFO:チーフ・フィナンシャル・オフィサー
*2 髙波博之監査役は、2025年6月に監査役に就任した後に開催された報酬委員会2回すべてに出席しています。
・2026年6月12日本報告書提出日現在、取締役会諮問委員会の構成は以下のとおりです。
(注)2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」及び「監査役2名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合、報酬委員会につき、以下の構成となります。ガバナンス委員会及び指名委員会の構成に変更はありません。
・取締役会は、毎年、各取締役の自己評価等も踏まえ、取締役会の実効性について、分析・評価を行い、その結果の概要を開示します。当連結会計年度の評価手続き及び結果の概要は、④コーポレート・ガバナンスの充実に向けた最近1年間における実施状況(a)コーポレート・ガバナンスの強化の取組み(i)取締役会の実効性評価に記載のとおりです。
(b)監査役会の状況
・監査役会の状況については(3)監査の状況 ①監査役会の状況をご参照ください。
(c)責任限定契約及び役員等賠償責任保険契約の概要
・当社は、各社外取締役及び各社外監査役との間で、会社法第427条第1項に基づき、同法第423条第1項に定める役員等の責任につき、同法第425条第1項に定める最低責任限度額まで限定する契約を締結しています。2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)である「取締役12名選任の件」が承認可決された場合、各氏との間で当該責任限定契約を継続する予定です。また、「監査役2名選任の件」が承認可決された場合、重田哲也氏及び玉井裕子氏との間で、同様の責任限定契約を締結する予定です。
・当社は、当社の取締役及び監査役全員を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約では、被保険者が会社の職務執行に関して行った行為(不作為を含む)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や訴訟費用等が填補されることとなり、被保険者のすべての保険料を当社が全額負担しています。2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)である「取締役12名選任の件」及び「監査役2名選任の件」が承認可決された場合、同議案にて承認された社外取締役及び社外監査役は当該保険契約の被保険者に含められることとなります。なお、当社は、当該保険契約を任期途中に同様の内容で更新する予定です。
(d)業務執行・内部統制体制
・当社の経営執行における最高責任者は社長であり、国内の事業本部長及び海外地域本部長等は、社長から業務執行上の権限を委譲され、また、社長に対して責任を負います。当社は、会社経営全般に関する基本方針及び重要事項を審議し決定するため経営会議を設置しています。経営会議は、取締役会長、社長(議長)、コーポレートスタッフ部門担当役員及び社長が指名する代表取締役または執行役員をもって構成し、原則として毎週開催されます。経営会議に付議された事項は構成員の協議の結果を徴して社長が決定します。
・複雑化する事業環境・リスクに対し今まで以上に機動的に対応し、経営戦略を着実に実現するため、経営会議メンバーを当社経営のリーダーシップチームとあらためて位置づけ、当社の更なる企業価値向上及び三井物産グループ全体の発展を目指します。また、2024年4月1日より、経営会議メンバーとしてジェネラル・カウンセルを設置しました。
・社長直轄の組織である内部監査部が当社の内部統制の整備・運用状況を検証します。当社体制は、2011年4月のNASDAQ上場廃止及び同7月のSEC登録廃止の結果、2012年3月期以降、米国企業改革法への対応から本邦基準に則った内部統制の構築へと移行しました。体制移行後においても、企業会計審議会が公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」並びに「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」に示されている内部統制の基本的枠組み(フレームワーク)の下、内部統制を(1)「業務の有効性と効率性の向上」、(2)「会計基準への準拠、及び財務報告の信頼性の確保」、(3)「法令、法令に準ずる規範、並びに経営理念及びこれを反映した各種行動規範を含む社内ルールの遵守」、(4)「会社資産の保全」の4つの目的を達成し、また、「統制環境」、「リスクの評価」、「統制活動」、「情報と伝達」、「監視活動(モニタリング)」、「IT(情報技術)への対応」の6つの要素にて構成される「経営者が業務執行組織を統制する仕組み」と位置づけ、従来と同水準の内部統制体制を継続しています。
・当社では、業務執行及び内部統制に係る各種主要委員会を以下のとおり設置し、益々増大・多様化する広範なリスク・業態に対応しています。
-「インテグリティ委員会」
経営会議の下部組織(社外弁護士がオブザーバーとして参加)として、グローバル・グループベースでのインテグリティある組織づくり(当社コンプライアンス体制の整備及びその有効性の維持・向上を含む)及び役職員によるインテグリティの実践を図ります。
なお、2026年4月1日付にてコンプライアンス委員会よりインテグリティ委員会へ改称しました。
-「開示委員会」
経営会議の下部組織として、当社における内外連結ベースでの法定開示・適時開示並びに重要なその他の開示物及び開示行為に関する原則・基本方針の策定や社内体制の整備、また緊急性の高い重要開示案件の検討及び対策の策定等を行います。
-「J-SOX委員会」
経営会議の下部組織として、当社における内外連結ベースでの財務報告の信頼性を確保するための体制の整備、及びその有効性の維持・向上を図ります。
-「ポートフォリオ管理委員会」
経営会議の諮問機関として、全社ポートフォリオ戦略・投融資方針の策定、全社ポートフォリオの定期的モニタリング、重要案件の個別審査にあたります。
-「情報戦略委員会」
経営会議の諮問機関として、全社情報戦略・デジタルトランスフォーメーションの戦略及び推進体制に関する重要方針の立案、経営基盤構築に関する重要方針の策定とモニタリング、情報戦略・経営基盤に関する重要案件の審査等にあたります。
-「サステナビリティ委員会」
経営会議の下部組織として、持続可能性(サステナビリティ)並びにESG(環境・社会・ガバナンス)課題に係る当社経営方針及び経営活動に関する企画・立案及び提言を行います。
-「ダイバーシティ推進委員会」
経営会議の諮問機関として、当社ダイバーシティ推進の基本方針及びダイバーシティ推進活動の基本計画・重点課題の立案、ダイバーシティ推進状況のモニタリング等を行います。
-「危機対策本部」
危機対応のための臨時・非常設の社長直轄組織として、危機対応に関するすべての事項について、通常の社内決定機関に代わって必要な意思決定を行います。本部長は社長が担います。
<当社のコーポレート・ガバナンス体制>
<コーポレート・ガバナンス体制の推移>
<取締役・監査役のスキルマトリクス>取締役・監査役が専門性・経験を有する主な分野を〇、その中でも特に高い貢献が期待される分野を◎としています。
(注)2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」及び「監査役2名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の取締役会は以下の12名、監査役会は以下の5名で構成されます。

「所属する委員会」では、各氏が委員長を務める委員会を白文字表示としています。
スキルマトリクスにおける主な専門性・知見の選定理由は以下のとおりです。
取締役・監査役の選定に際しては、取締役会としてのバランスの観点から各者の専門性・バックグラウンドを踏まえ、全人格的に考慮しています。
スキルマトリクスは取締役会メンバー(候補者)の有するすべての専門性・知見を示すものではありません。なお、「ガバナンス」はすべてのスキルの土台であり「企業経営」や「リスクマネジメント」等に包含されるものとし、マトリクスの項目とはしていません。
各取締役・監査役の経験・実績に関する特記事項等は、以下のとおりです。
③内部統制システムの整備状況
当社は、内部統制プロセスの構築にあたり、企業会計審議会が示している内部統制の基本的枠組みに則り、「業務の有効性と効率性の向上」、「会計基準への準拠、及び財務報告の信頼性の確保」、「法令、法令に準ずる規範、並びに経営理念及びこれを反映した各種行動規範を含む社内ルールの遵守」、「会社資産の保全」の達成を目的として、以下の制度を導入しています。
(a)リスク管理体制
多様な事業の履行に伴う損失の危険(リスク)は、各事業本部及び海外地域本部長等が委譲された権限の範囲内で管理します。当社の事業運営に伴うリスクには、信用リスク、市場リスク、関係会社の事業運営リスク、カントリーリスク等の定量的リスクと、コンプライアンスリスクやオペレーショナルリスクのような定性的リスクがあります。各事業単位においては、定量的リスクへの対処として、ポジション限度や損切り限度の事前設定、専門部署によるポジションのモニタリング等が、定性的リスクへの対処として、関連社内規則の遵守が義務付けられます。各事業本部及び海外拠点の長に委譲された権限を超えるリスクを負担する場合は、「稟議制度」により重要度に応じ、経営会議の決定、または、関係代表取締役もしくは関係役付執行役員の決裁を得ることを要します。
さらに、「②当社におけるコーポレート・ガバナンス体制」に記載のとおり、執行役員及びコーポレートスタッフ部門の部長から構成される業務執行・内部統制体制に係る委員会として、ポートフォリオ管理委員会、インテグリティ委員会、開示委員会、J-SOX委員会、サステナビリティ委員会、危機対策本部等の組織が全社レベルでのリスク管理体制の設計・整備や重要なリスクへの対処にあたります。コーポレートスタッフ部門各部は、担当する分野のリスクについて、全社ポジションの監視、所定の権限の範囲内でのコントロール、及び担当取締役及び執行役員の補佐にあたります。
(b)財務報告に係る内部統制
当社はSEC登録の廃止に伴い、2012年3月期以降は金融商品取引法に基づく内部統制報告制度へ準拠した対応を行っています。同対応について、当社は、全社的な統制に加え、会計・決算、IT、及び業務プロセスに係る内部統制の有効性につき評価対象部署による自己評価及び独立部署によるテスティングを実施してきました。これらを総合的に評価した結果、当社経営者は、2026年3月期の当社の財務報告に係る内部統制は有効であることを確認しました。
(c)情報システムの構築運営、情報セキュリティに関する内部統制
当社はグローバル・グループシステムのあるべき姿を具体化する「デジタル・グランドデザイン」に基づく各種方針に沿い、社員の更なる意識向上、ITガバナンスの浸透を図っています。
当社のグローバル・グループ情報戦略に係る重要方針に関しては、「情報戦略委員会規程」に基づいて設置された情報戦略委員会の審議を経て経営方針に沿い策定されています。
また、同委員会を中心とした体制のもと、情報システムの構築運営や情報セキュリティ面で必要となる各規程の整備を通じて、情報漏洩やサイバー攻撃等の想定される各種リスクの管理を含む内部統制体制の強化を進めています。詳細については、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組(7)情報セキュリティ」をご参照ください。
(d)コンプライアンス体制
当社では、社員一人ひとりにコンプライアンス意識を徹底させ、インテグリティをもって行動することを求めるとともに、コンプライアンス違反を未然に防ぎ自浄作用を発揮するインテグリティのある組織づくりに取り組んでいます。
三井物産グループ行動指針-With Integrityの制定から約5年経過したことから、世の中の変化の潮流を捉えて、経営会議や取締役会にて議論のうえ、2024年5月に改訂版を発行しました。当社は、健全なコンプライアンス意識とインテグリティを備えるためのさまざまな研修プログラムを実施しているほか、「三井物産役職員行動規範」を定め、また子会社においても同等の行動規範を定め、その継続的な点検により遵守状況の改善に努めています。
「三井物産グループ行動指針-With Integrity」及び「三井物産役職員行動規範」は当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/governance/compliance/index.html
当社は、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを委員長とするインテグリティ委員会(「②当社におけるコーポレート・ガバナンス体制」をご参照ください)を設けているほか、部や室におけるライン職制によるコンプライアンス管理に加えて、国内外の各本部及び支社支店等にコンプライアンス統括責任者を設置しています。また、各事業本部にコンプライアンス管理責任者を設置し、コンプライアンス統括責任者である事業本部長の職務遂行を補佐し、より現場に即したコンプライアンスの徹底及びインテグリティの浸透に関する取組みを加速させています。
当社は、内部通報窓口を社外弁護士及び第三者機関含め、全8ルート設置しています。また、内部通報を行ったことを理由とする不利益取扱いや一切の報復行為を禁止し、その旨を社内規程において定め周知徹底しつつ、コンプライアンス違反に対しては、就業規則に基づく懲戒を含め厳正に対処しています。国内関係会社については、当社が指定している弁護士及び第三者機関をその関係会社の内部通報窓口として使えるようにし、匿名性を担保しつつ、より安心して利用できる報告・相談ルートを整備し、海外拠点及び海外関係会社についても、現地の法令や特性を考慮しつつ報告・相談ルートを整備しています。
(e)企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社は2006年3月に「三井物産コーポレート・ガバナンス及び内部統制原則」を定め、子会社に対しては法令その他に照らして合理的な限りこれに基づく内部統制を整備・運用せしめ、持分法適用会社に対しては、他出資者と連携して、同様の内部統制を整備・運用するよう働きかけることとしています。財務報告の信頼性を確保するための内部統制については、上述の財務報告に係る内部統制の取組みをご参照ください。また、関係会社毎に当社役職員から関係会社主管者を置き、「関係会社主管者職務規程」に基づく管理にあたらせています。また、関係会社への常勤監査役の差入れにあたって、主要関係会社については主管事業部ではなく内部監査部等から差し入れるなど監査の独立性を強化しています。
④コーポレート・ガバナンスの充実に向けた最近1年間における実施状況
(a)コーポレート・ガバナンスの強化の取組み
当連結会計年度における当社コーポレート・ガバナンス強化の取組みは以下のとおりです。
(i)取締役会の実効性評価
当連結会計年度における取締役会の実効性評価を以下のとおり実施しました。
<評価方法>2026年3月期は、以下のとおり、第三者機関(外部専門家)を起用し取締役会実効性評価を実施しました。

<アンケートの項目>2026年3月期アンケートの質問票の大項目は以下のとおりです。設問ごとに、5段階で評価する方式とし、当該項目に関する自由コメント欄を設けています。さらに、取締役会の実効性向上の進捗が把握できるよう、前年対比での改善の度合いについても3段階で評価することとしています。
Ⅰ.取締役会の構成
Ⅱ.取締役会の運営状況
Ⅲ.取締役会の審議
Ⅳ.取締役会の役割・責務
Ⅴ.諮問委員会
Ⅵ.取締役・監査役自身の職務執行
Ⅶ.取締役・監査役への支援
Ⅷ.総括
<実効性向上に向けた2026年3月期の取組み>昨年度の取締役会の実効性評価において、社外役員の知見を最大限引き出すため、より早期の資料配布を希望するとの意見、コンプライアンス、労働安全衛生、リスク管理といったいわば守りの観点でのモニタリングに加え、成長戦略に関わる意見交換の場も増やせるとよい等の意見があったことを踏まえ、2026年3月期では、取締役会及び取締役会事務局は以下の点に取り組みました。
(1)社内取締役と社外役員のよりインタラクティブな議論の推進の検討
2026年3月期は、①議長のファシリテーションによる社内役員・社外役員のインクルーシブな議論の推進、②事前ブリーフィングでの十分な説明により取締役会での実質的な議論を実現する取組の継続、③CEOによる全体戦略及び近時の国際情勢への対応方針に関する適宜の説明・情報共有、④フリーディスカッションでの次期中期経営計画及び人的資本経営に関する議論の実施、⑤取締役会メンバーのエンゲージメント強化イベントの実施、等の取組みにより、社内取締役と社外役員のよりインタラクティブな議論の推進を図りました。
(2)取締役会における議論の充実化・高度化のための施策の検討
2026年3月期は、①議題の精査、書面決議・報告の更なる活用等による取締役会開催日の集約化、②効率化と実質的な議論の両立を目的とした議場開催とオンライン開催の使い分け、③重要案件に関する適時適切な社外役員宛の報告・情報共有、④招集通知発送及び取締役会資料配布の早期化、⑤各種資料へのアクセス向上を目的とした取締役会メンバー向けポータルサイトの開設、⑥諮問委員会に関する社外役員向けフィードバックの実施、⑦取締役会付議・報告基準の改定、等を行いました。
<評価結果の概要>2026年3月期アンケート、社外役員インタビュー及び社外役員会議での意見交換並びにガバナンス委員会、経営会議及び取締役会での審議の結果、2026年3月期の取締役会の実効性については以下の内容が確認されました。
・コンセンサス・ベースの原則の下、自由闊達な議論が行われており、議論を尽くして全員の合意を目指す議事運営が適切に行われている。
・前期の実効性評価に基づいた改善や運営方法の変更により本年も着実に実効性が向上している。
・経営上の重要なテーマ・考え方についてCEOから都度十分な説明が行われている。
・現在の構成はダイバーシティが確保され、社外取締役・監査役の専門性のバランスもとれている。取締役会において様々なテーマについて充実した議論が行われ、モニタリング機能もよく発揮されており、当社の取締役会は高い実効性を維持している。
・取締役会・フリーディスカッションにおいて、企業戦略のコアとなる議論や成長戦略について、率直かつ丁寧な議論が行われ、対応方針が明確になっている。
・取締役会の事前ブリーフィングにとどまらず、社外役員会議における各本部報告、重要案件の進捗状況報告などにより俯瞰的な情報把握に役立っている。また、正式に取締役会に上程される案件に限らず、重要な事項については社外役員への情報共有を充実させる工夫があり、総じて良く運営されている。
・議場開催とオンライン開催、議案の内容に応じた書面決議・報告の活用により、メリハリをつけたスムーズ且つ効率的な取締役会の運営が行われている。
また、第三者機関からも、当社の取締役会では経営の重要課題について適切に議論が行われており、取締役会の実効性は高い水準にあるということが確認された旨の報告を受けています。
上記の内容を総括した結果、当社取締役会は、2026年3月期の当社取締役会の実効性は適切に確保されていると判断しました。一方で、実効性を更に高めていくための課題として、次に示す事項について更に取り組んでいくこととします。
<更なる実効性向上に向けた取組み>2027年3月期課題
取締役会審議の一層の充実化と運営の効率化の推進
2026年3月期アンケート、社外役員インタビュー、社外役員会議での意見交換、ガバナンス委員会等での議論において、更なる実効性向上に向けた取組みにつき、以下の意見がありました。
・成功・失敗案件の分析から、案件遂行における主要な成功要因を抽出し、議論することは、今後の改善に資するためにも有益でもある。
・企業価値の成長を促進するような攻めの議論をより多く行うとよい。
・取締役会の開催時期、頻度、方法については、審議の質やチームスピリットへの影響も踏まえて、バランスのとれた濃淡管理を継続してほしい。
これらの意見及び昨年設定した中長期課題も踏まえ、取締役会における審議の更なる発展と効果的な取締役会運営の両立に資することを目的として、以下取組みを検討していきます。
①社外役員・社内役員夫々の経験・知見・バックグラウンドを活かして行われる双方向の議論を土台とした、審議の更なる深化
②取締役会開催方法に関する継続的な検討及び取締役会への発展的な情報共有
中長期課題
外部環境及び当社ステークホルダーとの対話結果等も踏まえた、機関設計及び構成を含む取締役会のより良い在り方に関するガバナンス体制の継続的検討
現在のガバナンス体制を絶対的な正解とせず、今後も、外部環境、ステークホルダーの声を含む社会的要請を踏まえ、当社ガバナンス体制の在り方を継続的に検討していきます。
当社取締役会は、上記の点を含め、取締役会の実効性を更に高めるべく引き続き改善に取り組み、取締役会による経営に対する万全の監督を担保するとともに、持続的な企業価値の向上を目指していきます。
(b)内部統制強化のための諸施策
当連結会計年度における業務執行及び内部統制に係る委員会の取組みは以下のとおりです。
・2024年5月に改訂版を発行した「三井物産グループ行動指針-With Integrity」の継続的な周知を進めています。2025年11月実施の「With Integrity月間」では、「デジタル・AI 時代の Integrity を考える-当社グループ の信用を守り、未来をつくる」をテーマに、社長のメッセージ動画の発信、経営幹部とデジタル政策・法務分野の専門家による対談、AIガバナンス分野の専門家による講演、コンプライアンス事案となりうる不適切言動を題材とした実写版動画の公開、及び各職場におけるチームディスカッション等の全社企画を実施するとともに、社外役員によるIntegrityメッセージ動画の配信も行いました。
コンプライアンス体制運営状況については、経営会議及び取締役会に年2回報告を行い、それぞれの会議体における活発な議論を通じて内部統制強化につなげているほか、コンプライアンス委員会(2026年3月期は年2回実施)での議論を通じてコンプライアンス不正事案の再発防止策や予防施策を検討・実施しています。また、当社及び主要な国内関係会社においてコンプライアンス意識調査を実施し、当社グループでのコンプライアンス意識浸透状況・問題の予兆を把握、問題の早期改善を図る等コンプライアンス体制の強化に努め、国内関係会社に対してはコンプライアンスハンドブックを提供しています。また、独占禁止法・贈賄防止法等重要法令リスクへの対応を含む「関係会社コンプライアンス体制整備ガイドライン」や、贈賄防止体制等への対応を含む各種不正チェックリストを活用し、各社における自律自走のコンプライアンス体制を強化しています。さらに、発見的統制の更なる強化を目的として、事例を踏まえたe-Learningの全役職員受講や匿名性を担保したまま通報者と交信ができる通報対応システムを通じて、コンプライアンスに関する問題で何かおかしいと思うことがあったら声を挙げる“Speak Up”を容易にする環境を整え、内部通報制度の信頼性向上及び制度の利用促進を図っています。また、従前より国内外の独占禁止法及び贈賄防止法に抵触するまたはその疑義のある事案について、海外現地法人や国内外子会社の役職員からの通報を当社本店法務統括部コンプライアンス・インテグリティ推進室で一元的に受け付ける「グローバル・グループ・ホットライン」を設け、課題の把握と解決に努めています。
・開示委員会は合計4回開催し、各種開示物及び開示行為に関する原則・方針を策定したほか、開示内容の妥当性の判定・判断を行いました。
・J-SOX委員会は合計2回開催し、2026年3月期の財務報告に係る内部統制の状況の把握及び有効性の維持・向上に向けた全社的対応等の検討を行いました。
・ポートフォリオ管理委員会は、合計9回開催しました。全社ポートフォリオ戦略、当社のリスクエクスポージャーとコントロール、資産ポートフォリオのレビュー、中期経営計画2026で定めた攻め筋における取組・戦略の確認等を行い、全社レベルでの適切なリスク管理を継続しました。
・情報戦略委員会は、合計9回開催しました。詳細については、「第2 事業の状況2 サステナビリティに関する考え方及び取組(7)情報セキュリティ」をご参照ください。
・サステナビリティ委員会は合計7回開催し、気候変動関連目標及び進捗、制度開示に関する対応、人権管理体制と取組の強化等について審議・報告しました。
・ダイバーシティ推進委員会は合計4回開催し、「多様性を力に」する組織の実現に向け、女性活躍推進法に基づく行動計画策定及び進捗の報告に加え、女性リーダーのパイプライン強化に向けた施策、企業競争力に繋がる多様性の在り様(多様性と堅持すべき組織凝集性、求心力となる企業文化・行動様式等)、グローバル人事制度の方向性、人事制度改定後の総戦力化と価値創造に向けた環境整備(社員と組織双方の進化)について討議を行いました。
⑤その他当社定款規定について
(a)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席を要する旨を定款に定めています。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨も定款に定めています。
(b)自己の株式の取得の決定機関
当社は、機動的な資本政策の遂行を可能にするため、取締役会の決議をもって自己の株式を市場取引等により取得することができる旨を定款に定めています。
(c)株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決する旨を定款に定めています。
(d)中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。
(e)取締役及び監査役の責任軽減
当社は、取締役及び監査役が、職務を遂行するにあたり、期待される役割を充分に発揮できるよう、取締役会の決議によって、法令の定める範囲内で、取締役及び監査役の責任を免除できる旨を定款に定めています。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、コーポレート・ガバナンス体制の構築にあたり、「透明性と説明責任の向上」及び「経営の監督と執行の役割分担の明確化」を重視しています。「透明性と説明責任の向上」のために、社外取締役及び社外監査役の視点を入れての経営監督及び監視機能の強化を図るとともに、情報開示に係る内部統制体制を整備し、公正開示の原則の下、役職員が説明責任の遂行にあたることとしています。また、「経営の監督と執行の役割分担の明確化」のために当社は執行役員に業務執行の権限を大幅に委譲した上で、取締役会が会社の業務を執行する取締役・執行役員による業務執行を監督します。国内の15事業本部及び海外の2地域本部のそれぞれを統括する事業本部長及び地域本部長は、同時に執行役員でもあり、連結グループの機動性のある業務執行にあたります。
当社は、監査役による監査機能の実効性を高める一方、会社業務に通暁した社内取締役を中心とした実態に即した経営が当社の業態に必要であると判断し、監査役会設置会社の形態によるコーポレート・ガバナンスを採用する一方、「透明性と説明責任の向上」及び「経営の監督と執行の役割分担の明確化」を担保するため、社外取締役・社外監査役の参画を得た各種諮問機関の設置等を通じて実効性の高いコーポレート・ガバナンスを実現します。株主をはじめとするステークホルダーのために有効なコーポレート・ガバナンスを実現するため、以下の体制を構築し、維持しています。
(a)取締役会は経営執行及び監督の最高機関です。その機能の確保のために、当社は取締役の人数を実質的な討議を行うのに適切な規模としています。また、社外取締役・社外監査役が委員長及び委員として参加する諮問機関としてガバナンス委員会、指名委員会、報酬委員会を取締役会の下に設置しています。
(b)監査役は株主の負託を受けた独立の機関として取締役の職務執行を監査します。この目的のため、監査役は社内の重要会議への出席、各種報告の検証、会社業務の調査等多面的かつ有効な監査活動を展開し、必要な措置を適時に講じます。
当社のコーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方と方針については、「三井物産コーポレート・ガバナンス及び内部統制原則」としてまとめ、当社ウェブサイトに公表しています。なお、当該ページは定期的な更新を予定していますが、その際、更新した内容や日付を併せて記載します。
https://www.mitsui.com/jp/ja/company/outline/governance/system/pdf/corp_gov_j.pdfまた、当社は、2021年6月に公表された改訂コーポレートガバナンス・コードの各原則について、すべて実施しています。同コードの各原則に基づく開示については、国内証券取引所宛に提出している「コーポレート・ガバナンス報告書」をご参照ください。なお、当該ページは定期的な更新を予定していますが、その際、更新した内容や日付を併せて記載します。
https://www.mitsui.com/jp/ja/company/outline/governance/status/index.html②当社におけるコーポレート・ガバナンス体制
(a)取締役会の状況
・当社は、2002年4月の執行役員制導入を契機に、取締役数を2002年6月に38名から11名に減員しました。2003年6月から社外取締役を選任、2015年6月の定時株主総会以降は社外取締役を5名選任し、2023年6月の定時株主総会以降は社外取締役6名を選任しています。また、取締役会による経営の監督を更に強化し、取締役会でのより高度かつ実効性の高い議論を可能にする人員構成とするため、2024年6月の定時株主総会にて、社内取締役を9名から6名に減員し、社外取締役・社内取締役の人数を同数とする取締役総数12名体制に変更しています。なお、取締役の人数は、実質的な討議を行うのに適切な規模としています。取締役の任期は1年として毎年改選しますが、再任を妨げないものとしています。
・2026年6月12日本報告書提出日現在において取締役12名のうち、執行役員を兼務する取締役は3名となっています。なお、取締役会は男性8名、女性4名(女性は全員が社外取締役)で構成されており、女性比率は33.3%、外国籍役員比率は25.0%です。*1
*1 当社は、2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の取締役は12名(内、社外取締役6名)、そのうち執行役員を兼務する取締役は5名となります。
・2026年6月12日本報告書提出日現在、取締役会は以下12名で構成されており、常勤/社外区分や取締役会諮問委員会の兼務状況及び取締役出席状況は以下のとおりです。*4
| 氏名 | 常勤/社外 区分 | 取締役会諮問委員会の兼務状況 | 2026年3月期 取締役会出席状況 (全11回) |
| 安永 竜夫 | 常勤 | ガバナンス委員会 | 11回 |
| 堀 健一 | 常勤 | ガバナンス委員会、指名委員会 | 11回 |
| 竹増 喜明*2 | 常勤 | 11回 | |
| 重田 哲也*2 | 常勤 | 報酬委員会 | 11回 |
| 中井 一雅*3 | 常勤 | ガバナンス委員会 | 8回 |
| 福田 哲也*3 | 常勤 | 8回 | |
| サミュエル ウォルシュ | 社外 | ガバナンス委員会 | 11回 |
| 内山田 竹志 | 社外 | 指名委員会 | 11回 |
| 江川 雅子 | 社外 | ガバナンス委員会、報酬委員会 | 11回 |
| 石黒 不二代 | 社外 | 指名委員会 | 11回 |
| サラ L. カサノバ | 社外 | ガバナンス委員会 | 11回 |
| ジェシカ タン スーン ネオ | 社外 | 報酬委員会 | 10回 |
*2 竹増喜明取締役及び重田哲也取締役は、2026年6月17日開催予定の定時株主総会終了時をもって取締役を退任予定です。
*3 中井一雅取締役及び福田哲也取締役は、2025年6月に取締役に就任した後に開催された取締役会8回すべてに出席しています。中井取締役は、2025年6月に取締役に就任した後からガバナンス委員を務めています。
*4 2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の取締役会は以下の12名で構成されます。
| 氏名 | 常勤/社外 区分 | 取締役会諮問委員会の兼務状況 |
| 安永 竜夫 | 常勤 | ガバナンス委員会 |
| 堀 健一 | 常勤 | ガバナンス委員会、指名委員会 |
| 中井 一雅 | 常勤 | ガバナンス委員会 |
| 福田 哲也 | 常勤 | |
| 田中 誠 | 常勤 | 報酬委員会 |
| 稲室 昌也 | 常勤 | |
| サミュエル ウォルシュ | 社外 | ガバナンス委員会 |
| 内山田 竹志 | 社外 | 指名委員会 |
| 江川 雅子 | 社外 | ガバナンス委員会、報酬委員会 |
| 石黒 不二代 | 社外 | 指名委員会 |
| サラ L. カサノバ | 社外 | ガバナンス委員会 |
| ジェシカ タン スーン ネオ | 社外 | 報酬委員会 |
・当社の取締役会は、会長が招集し議長にあたります。なお、当社における会長の役割は、主として経営の監督を行うことであり、執行役員を兼務せず、日常の業務執行には関与しません。・取締役会は、取締役会付議・報告事項に関する内規に従い、当社の経営に関する基本方針、重要な業務執行に関する事項、株主総会の決議により授権された事項のほか、法令及び定款に定められた事項を決議し、また、法令に定められた事項及び重要な業務の執行状況につき報告を受けます。
・取締役会は原則毎月1回開催するほか必要に応じて随時開催します。2026年3月期は合計11回開催しました。
なお、2024年3月期から2026年3月期までの主な審議テーマ・付議報告件数は以下のとおりです。また、社外役員に対しては、当社経営上、重要な影響を及ぼす案件について、複数回の取締役会審議及び社外役員に対する個別のブリーフィングを実施したほか、取締役会の付議・報告対象にはならないものの、経営会議で審議されるような重要な案件の共有も進めており、当社の事業や経営に対する理解を深める機会を多く設けています。
<取締役会での主な審議テーマ・付議報告件数及び社外役員向け共有件数>

<取締役会への主な付議・報告事項(2026年3月期)>
| 付議・報告事項 | |||
| A | ・事業計画 ・マテリアリティの見直し ・資産ポートフォリオレビュー ・投資実績 ・上場株式保有意義検証 ・取締役会実効性評価 ・諮問委員会活動状況/年間計画 ・対外開示物の作成方針 ・サステナビリティ経営推進活動 ・地域本部報告 | D | ・内部統制評価/運用状況 ・内部監査活動 ・リスクエクスポージャーとコントロール ・サイバーセキュリティ対応状況 ・コンプライアンス体制・運用状況 ・労働安全衛生・ウェルビーイング経営 |
| E | ・役員人事 ・役員報酬 | ||
| B | ・決算報告/事業計画 ・株主還元 ・資金運用/借入計画 | F | ・既存案件拡張・撤退 ・個別案件の重要な進捗 |
| C | ・監査役監査実施報告及び監査方針 ・監査上の主要検討事項(Key Audit Matters) | ||
A:経営戦略・ガバナンス・サステナビリティ関連、B:決算・財務関連、C:監査役・会計監査人関連
D:内部統制・リスクマネジメント・コンプライアンス関連、E:役員人事・報酬関連、F:個別案件
・また、すべての社外取締役及び社外監査役により構成される社外役員会議を設置し、経営上の重要事項について、社外役員間、または社外役員と社内取締役、常勤監査役、会計監査人、執行役員等との間で情報共有・意見交換を行っています。2026年3月期は合計12回開催し、株式市場との対話のフィードバック、事業分野と戦略等について、情報交換及び意見交換を行いました。加えて、社内取締役と社外役員のよりインタラクティブな議論の推進のための施策として、取締役会メンバーのエンゲージメント強化イベントを実施しました。
・当社は取締役会の諮問機関としてガバナンス委員会、指名委員会、報酬委員会の3つの委員会を設置しています。2015年6月に当社ガバナンス体制の強化を目的として各委員会の構成を見直しました。この結果、ガバナンス委員会の構成は過半数が社外役員となりました。また、2018年6月以降は、指名委員会の構成についても過半数が社外役員となり、本報告書提出時点では社外取締役が委員長を務めています。2019年6月以降は、報酬委員会の構成についても過半数が社外役員となり、本報告書提出時点では社外取締役が委員長を務めています。
・各諮問委員会の役割期待、機能、2026年3月期の開催状況及び各委員の出席状況は以下のとおりです。
-「ガバナンス委員会」
役割期待:当社のコーポレート・ガバナンスの継続的なモニタリング実施と更なる充実のための施策の検討を通じ、経営の透明性・公正性を高め、コーポレート・ガバナンスの継続的な向上を図る。
機能 :当社のコーポレート・ガバナンスに係わる基本方針・施策に関する検討、並びに当社のコーポレート・ガバナンスの更なる充実のための施策として取締役会の構成・人数・議題の検討、及び指名委員会・報酬委員会での審議・検討事項の提案を含む取締役会の諮問委員会のあり方の検討。
開催状況:合計4回開催し、取締役会実効性評価、上場株式議決権行使状況、並びに取締役会付議・報告基準見直し等について審議。
出席状況:
| 構成 | 氏名 | 2026年3月期 出席状況 |
| 会長(委員長) | 安永 竜夫 | 4回/4回 |
| 社長 | 堀 健一 | 4回/4回 |
| CSO*1 | 中井 一雅 | 3回/3回*2 |
| 社外取締役 | サミュエル ウォルシュ | 4回/4回 |
| 社外取締役 | 江川 雅子 | 4回/4回 |
| 社外取締役 | サラ L. カサノバ | 4回/4回 |
| 社外監査役 | 玉井 裕子 | 4回/4回 |
*1 CSO:チーフ・ストラテジー・オフィサー
*2 中井一雅取締役は、2025年6月に取締役に就任した後に開催されたガバナンス委員会3回すべてに出席しています。
-「指名委員会」
役割期待:当社取締役及び執行役員の指名プロセスに関し、社外役員が関与することにより透明性・客観性を高め、役員指名の公正性を担保する。
機能 :当社取締役及び執行役員の指名に関する選解任基準・選解任プロセスの検討、最高経営責任者(CEO)等の後継者計画の策定、並びに取締役人事案に対する評価、並びに役員の解任に係る審議。
開催状況:合計5回開催し、社外役員が役員候補者を把握する機会及び提供情報・資料の拡充を更に図るとともに、役員候補の選定、役員選任案について審議。
出席状況:
| 構成 | 氏名 | 2026年3月期 出席状況 |
| 社外取締役 (委員長) | 内山田 竹志 | 5回/5回 |
| 社長 | 堀 健一 | 5回/5回 |
| 社外取締役 | 石黒 不二代 | 5回/5回 |
| 社外監査役 | 林 眞琴 | 5回/5回 |
-「報酬委員会」
役割期待:当社取締役及び執行役員の報酬に関する決定プロセスにつき、社外役員の関与により透明性と客観性を高めるとともに継続的なモニタリング実施を通じ、役員報酬の公正性を担保する。
機能 :当社取締役及び執行役員の報酬・賞与に関する体系・決定プロセスの検討、並びに取締役報酬・賞与案に対する評価、並びに執行役員評価・賞与案に対する評価。
開催状況:合計4回開催し、グローバルな競争環境下における中長期的な企業価値貢献に向けた報酬体系や水準の見直し等について審議。
出席状況:
| 構成 | 氏名 | 2026年3月期 出席状況 |
| 社外取締役 (委員長) | 江川 雅子 | 4回/4回 |
| CFO*1 | 重田 哲也 | 4回/4回 |
| 社外取締役 | ジェシカ タン スーン ネオ | 3回/4回 |
| 社外監査役 | 髙波 博之 | 2回/2回*2 |
*1 CFO:チーフ・フィナンシャル・オフィサー
*2 髙波博之監査役は、2025年6月に監査役に就任した後に開催された報酬委員会2回すべてに出席しています。
・2026年6月12日本報告書提出日現在、取締役会諮問委員会の構成は以下のとおりです。
| ガバナンス 委員会 | 委員長及び委員 | |
| 会長 (委員長) | 安永 竜夫 | |
| 社長 | 堀 健一 | |
| CSO | 中井 一雅 | |
| 社外取締役 | サミュエル ウォルシュ | |
| 社外取締役 | 江川 雅子 | |
| 社外取締役 | サラ L. カサノバ | |
| 社外監査役 | 玉井 裕子 | |
| 指名 委員会 | 委員長及び委員 | |
| 社外取締役 (委員長) | 内山田 竹志 | |
| 社長 | 堀 健一 | |
| 社外取締役 | 石黒 不二代 | |
| 社外監査役 | 林 眞琴 | |
| 報酬 委員会 | 委員長及び委員 | |
| 社外取締役 (委員長) | 江川 雅子 | |
| 社内取締役 | 重田 哲也 | |
| 社外取締役 | ジェシカ・タン・スーン・ネオ | |
| 社外監査役 | 髙波 博之 | |
(注)2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」及び「監査役2名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合、報酬委員会につき、以下の構成となります。ガバナンス委員会及び指名委員会の構成に変更はありません。
| 報酬 委員会 | 委員長及び委員 | |
| 社外取締役 (委員長) | 江川 雅子 | |
| CFO | 田中 誠 | |
| 社外取締役 | ジェシカ・タン・スーン・ネオ | |
| 社外監査役 | 髙波 博之 | |
・取締役会は、毎年、各取締役の自己評価等も踏まえ、取締役会の実効性について、分析・評価を行い、その結果の概要を開示します。当連結会計年度の評価手続き及び結果の概要は、④コーポレート・ガバナンスの充実に向けた最近1年間における実施状況(a)コーポレート・ガバナンスの強化の取組み(i)取締役会の実効性評価に記載のとおりです。
(b)監査役会の状況
・監査役会の状況については(3)監査の状況 ①監査役会の状況をご参照ください。
(c)責任限定契約及び役員等賠償責任保険契約の概要
・当社は、各社外取締役及び各社外監査役との間で、会社法第427条第1項に基づき、同法第423条第1項に定める役員等の責任につき、同法第425条第1項に定める最低責任限度額まで限定する契約を締結しています。2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)である「取締役12名選任の件」が承認可決された場合、各氏との間で当該責任限定契約を継続する予定です。また、「監査役2名選任の件」が承認可決された場合、重田哲也氏及び玉井裕子氏との間で、同様の責任限定契約を締結する予定です。
・当社は、当社の取締役及び監査役全員を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約では、被保険者が会社の職務執行に関して行った行為(不作為を含む)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や訴訟費用等が填補されることとなり、被保険者のすべての保険料を当社が全額負担しています。2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)である「取締役12名選任の件」及び「監査役2名選任の件」が承認可決された場合、同議案にて承認された社外取締役及び社外監査役は当該保険契約の被保険者に含められることとなります。なお、当社は、当該保険契約を任期途中に同様の内容で更新する予定です。
(d)業務執行・内部統制体制
・当社の経営執行における最高責任者は社長であり、国内の事業本部長及び海外地域本部長等は、社長から業務執行上の権限を委譲され、また、社長に対して責任を負います。当社は、会社経営全般に関する基本方針及び重要事項を審議し決定するため経営会議を設置しています。経営会議は、取締役会長、社長(議長)、コーポレートスタッフ部門担当役員及び社長が指名する代表取締役または執行役員をもって構成し、原則として毎週開催されます。経営会議に付議された事項は構成員の協議の結果を徴して社長が決定します。
・複雑化する事業環境・リスクに対し今まで以上に機動的に対応し、経営戦略を着実に実現するため、経営会議メンバーを当社経営のリーダーシップチームとあらためて位置づけ、当社の更なる企業価値向上及び三井物産グループ全体の発展を目指します。また、2024年4月1日より、経営会議メンバーとしてジェネラル・カウンセルを設置しました。
・社長直轄の組織である内部監査部が当社の内部統制の整備・運用状況を検証します。当社体制は、2011年4月のNASDAQ上場廃止及び同7月のSEC登録廃止の結果、2012年3月期以降、米国企業改革法への対応から本邦基準に則った内部統制の構築へと移行しました。体制移行後においても、企業会計審議会が公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」並びに「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」に示されている内部統制の基本的枠組み(フレームワーク)の下、内部統制を(1)「業務の有効性と効率性の向上」、(2)「会計基準への準拠、及び財務報告の信頼性の確保」、(3)「法令、法令に準ずる規範、並びに経営理念及びこれを反映した各種行動規範を含む社内ルールの遵守」、(4)「会社資産の保全」の4つの目的を達成し、また、「統制環境」、「リスクの評価」、「統制活動」、「情報と伝達」、「監視活動(モニタリング)」、「IT(情報技術)への対応」の6つの要素にて構成される「経営者が業務執行組織を統制する仕組み」と位置づけ、従来と同水準の内部統制体制を継続しています。
・当社では、業務執行及び内部統制に係る各種主要委員会を以下のとおり設置し、益々増大・多様化する広範なリスク・業態に対応しています。
-「インテグリティ委員会」
経営会議の下部組織(社外弁護士がオブザーバーとして参加)として、グローバル・グループベースでのインテグリティある組織づくり(当社コンプライアンス体制の整備及びその有効性の維持・向上を含む)及び役職員によるインテグリティの実践を図ります。
なお、2026年4月1日付にてコンプライアンス委員会よりインテグリティ委員会へ改称しました。
-「開示委員会」
経営会議の下部組織として、当社における内外連結ベースでの法定開示・適時開示並びに重要なその他の開示物及び開示行為に関する原則・基本方針の策定や社内体制の整備、また緊急性の高い重要開示案件の検討及び対策の策定等を行います。
-「J-SOX委員会」
経営会議の下部組織として、当社における内外連結ベースでの財務報告の信頼性を確保するための体制の整備、及びその有効性の維持・向上を図ります。
-「ポートフォリオ管理委員会」
経営会議の諮問機関として、全社ポートフォリオ戦略・投融資方針の策定、全社ポートフォリオの定期的モニタリング、重要案件の個別審査にあたります。
-「情報戦略委員会」
経営会議の諮問機関として、全社情報戦略・デジタルトランスフォーメーションの戦略及び推進体制に関する重要方針の立案、経営基盤構築に関する重要方針の策定とモニタリング、情報戦略・経営基盤に関する重要案件の審査等にあたります。
-「サステナビリティ委員会」
経営会議の下部組織として、持続可能性(サステナビリティ)並びにESG(環境・社会・ガバナンス)課題に係る当社経営方針及び経営活動に関する企画・立案及び提言を行います。
-「ダイバーシティ推進委員会」
経営会議の諮問機関として、当社ダイバーシティ推進の基本方針及びダイバーシティ推進活動の基本計画・重点課題の立案、ダイバーシティ推進状況のモニタリング等を行います。
-「危機対策本部」
危機対応のための臨時・非常設の社長直轄組織として、危機対応に関するすべての事項について、通常の社内決定機関に代わって必要な意思決定を行います。本部長は社長が担います。
<当社のコーポレート・ガバナンス体制>

<コーポレート・ガバナンス体制の推移>
<取締役・監査役のスキルマトリクス>取締役・監査役が専門性・経験を有する主な分野を〇、その中でも特に高い貢献が期待される分野を◎としています。(注)2026年6月17日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」及び「監査役2名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の取締役会は以下の12名、監査役会は以下の5名で構成されます。

「所属する委員会」では、各氏が委員長を務める委員会を白文字表示としています。
スキルマトリクスにおける主な専門性・知見の選定理由は以下のとおりです。
| 企業経営 | 当社は、産業横断的な事業群を形成し、複雑な社会課題に対する現実解の提供に取り組んでいます。このため、全社戦略の策定及び推進等の企業経営に関する知識・経験が重要となります。 |
| グローバルインサイト | グローバルに事業展開を推進する上で、海外勤務等のグローバル経験に加えて、経済・地域情勢や政治・動向に関する専門性・知見が重要となります。 |
| リスクマネジメント | 事業における多様なリスクを俯瞰した上での重要なリスクの特定、当該リスクのマネジメントや会社資産の保全等のための確かな知識・経験が重要となります。 |
| 財務会計 | 持続的な企業価値向上に向けた成長投資の推進、強固な財務基盤の構築、株主還元方針の策定、安定的な企業運営等のための確かな財務、経理及び税務の知識・経験が重要となります。 |
| イノベーション/DX | 複雑化する世界の課題解決や新規事業の創出には、先進的技術やイノベーションに関する知識・経験が重要であり、また、攻めと守りの観点からの効率化のため、全社のDX関連の知見を活用する専門性及び知見が必要となります。 |
| 人材戦略 | 当社は設立以来一貫して「人」が当社の持続的な価値創造の源泉であるとの創業理念のもと、人材の獲得と育成、弛まぬ人材開発、組織開発を経営の最重要事項として取り組んでおり、その知識・経験が重要となります。 |
| 環境・社会 | サステナビリティ経営の更なる深化にあたり、気候変動対応・自然資本の保全及び人権・サプライチェーン等に関連する経験・見識が必要となります。 |
取締役・監査役の選定に際しては、取締役会としてのバランスの観点から各者の専門性・バックグラウンドを踏まえ、全人格的に考慮しています。
スキルマトリクスは取締役会メンバー(候補者)の有するすべての専門性・知見を示すものではありません。なお、「ガバナンス」はすべてのスキルの土台であり「企業経営」や「リスクマネジメント」等に包含されるものとし、マトリクスの項目とはしていません。
各取締役・監査役の経験・実績に関する特記事項等は、以下のとおりです。
| 氏名 | 経験・実績に関する特記事項 [駐在等の海外経験] | 産業分野/ 専門知識 |
| 安永 竜夫 | 当社社長、会長として11年にわたり経営手腕を発揮し、当社の成長に貢献。海外プラント・インフラ事業における実績・専門知識に加え、世界銀行への出向、経営企画部長としての全社施策立案等の経験を有する。 [米国、台湾] | 機械・ インフラ |
| 堀 健一 | 2021年の当社社長就任以来、経営手腕・リーダーシップを発揮。化学品分野、コーポレートディベロップメント本部(企業投資開発部、商品市場部長等)での実績・専門知識に加え、経営企画部長、IR部長等の幅広い経験を有する。 [米国] | 化学品 次世代・機能 推進 |
| 中井 一雅 | プロジェクト本部長として気候変動対応において優れた経営手腕を発揮。電力事業ポートフォリオの組替えを実行するとともに、ニュートリション・アグリカルチャー本部長補佐として消費者ビジネス案件を推進するなど、当社ビジネスにおいて幅広い経験と実績を有する。 [米国、メキシコ] | 機械・インフラ 生活産業 |
| 福田 哲也 | 金属資源分野の豊富な実績と専門知識を有し、金属資源本部長として経営手腕を発揮。石炭部長としてトレーディング及び事業投資戦略策定・推進した経験もあり、多面的かつ戦略的な視点から事業推進する能力を有する。 [米国、南アフリカ] | 金属資源 |
| 田中 誠 | 財務部門及びIR部での経験に加え、欧州・中東・アフリカ本部CFO等として経営手腕を発揮。財務部長として当社の財務戦略を統括し、その着実な実行を主導、グローバルな視点から企業価値向上に貢献。財経分野全般にわたる高度な専門知識と豊富な実績を有する。 [英国] | 財務会計 |
| 稲室 昌也 | 金属資源本部長として、事業戦略及び人材戦略の策定・推進において経営手腕を発揮。経営企画部では人事総務部も兼務し、部長として事業ポートフォリオ戦略と連動した機動的な人材配置やガバナンス体制及び執行体制の変更に取り組み、戦略と人材を一体で捉えた経営を実践。世界銀行への出向やIR部長等の幅広い経験を有する。 [米国] | 金属資源 環境事業 |
| サミュエル ウォルシュ | 国際的資源事業会社である英国Rio TintoのCEOとしての豊富な経営経験と卓越した見識を有し、また、オーストラリアを代表する総合メディア企業における取締役経験も有する。 [オーストラリア、英国] | 資源 自動車 メディア |
| 内山田 竹志 | トヨタ自動車株式会社において環境、安全技術開発を中心に、卓越した実績・専門知識を有し、グローバルに事業を展開する同社の取締役会長として培った豊富な経営経験と見識を有する。 | 自動車 |
| 江川 雅子 | 日本企業の経営、コーポレート・ガバナンスに関する研究を通じて培った深い専門性を有する。また、グローバルな金融機関での長年の経験、東京大学の役員、成蹊学園学園長としての経営経験に基づく幅広い見識を有する。 [米国] | 学術 (ガバナンス、ファイナンス等) |
| 石黒 不二代 | IT企業の創業と、同社経営トップとしての長年の経験を通じて培った、IT/DX分野における卓越した実績・専門知識及び企業経営に関する深い見識を有する。 [米国] | イノベーション/ DX スタートアップ |
| サラ L. カサノバ | 日本マクドナルド株式会社の社長、会長として卓越した企業経営手腕を発揮。北米、CIS、東南アジアでの多様な経験を通じて培ったグローバルな消費者ビジネスの見識を有する。 [カナダ、CIS、マレーシア、シンガポール] | 消費者ビジネス |
| ジェシカ タン スーン ネオ | IBM社、マイクロソフト社でアジアにおける長年のビジネス経験を有し、卓越したマネジメント能力、IT/DX分野の幅広い知見を有する。企業役員であると同時にシンガポール国会議員を務め、アジアへの高い見識を有する。 [シンガポール] | イノベーション/ DX |
| 藤原 弘達 | エネルギー分野での長年の経験・実績に加えて、CHRO・CCO等の経験を通じて培ったインテグリティ・コンプライアンスの浸透・徹底や働き方改革を含むダイバーシティ推進等に関する高い見識・実績を有する。 [カタール、シンガポール、英国、アラブ首長国連邦] | エネルギー |
| 重田 哲也 | CFO及び経理部長として、全社的な財務・経営管理体制の構築・高度化を主導し、当社の経営基盤の強化に貢献。経理部門における長年の経験に加え、事業会社CFO経験を通じて、財務・経理・内部統制全般に関する高度な専門知識を有する。 [ブラジル、米国] | 財務会計 |
| 玉井 裕子 | 弁護士としての長年の法律実務の経験により培った企業法務、コーポレート・ガバナンスに関する卓越した専門知識と高い見識を有する。 [米国、ドイツ] | 法務 |
| 林 眞琴 | 検事総長を含む検事としての長年の経験及び法務省における法務行政の経験により培った法務・ガバナンスに関するに卓越した専門知識と高い見識を有する。 [フランス] | 法務 |
| 髙波 博之 | 公認会計士としての長年の経験を通じて培った企業会計、会計監査に関する卓越した専門知識と高い見識を有する。 [米国] | 財務会計 |
③内部統制システムの整備状況
当社は、内部統制プロセスの構築にあたり、企業会計審議会が示している内部統制の基本的枠組みに則り、「業務の有効性と効率性の向上」、「会計基準への準拠、及び財務報告の信頼性の確保」、「法令、法令に準ずる規範、並びに経営理念及びこれを反映した各種行動規範を含む社内ルールの遵守」、「会社資産の保全」の達成を目的として、以下の制度を導入しています。
(a)リスク管理体制
多様な事業の履行に伴う損失の危険(リスク)は、各事業本部及び海外地域本部長等が委譲された権限の範囲内で管理します。当社の事業運営に伴うリスクには、信用リスク、市場リスク、関係会社の事業運営リスク、カントリーリスク等の定量的リスクと、コンプライアンスリスクやオペレーショナルリスクのような定性的リスクがあります。各事業単位においては、定量的リスクへの対処として、ポジション限度や損切り限度の事前設定、専門部署によるポジションのモニタリング等が、定性的リスクへの対処として、関連社内規則の遵守が義務付けられます。各事業本部及び海外拠点の長に委譲された権限を超えるリスクを負担する場合は、「稟議制度」により重要度に応じ、経営会議の決定、または、関係代表取締役もしくは関係役付執行役員の決裁を得ることを要します。
さらに、「②当社におけるコーポレート・ガバナンス体制」に記載のとおり、執行役員及びコーポレートスタッフ部門の部長から構成される業務執行・内部統制体制に係る委員会として、ポートフォリオ管理委員会、インテグリティ委員会、開示委員会、J-SOX委員会、サステナビリティ委員会、危機対策本部等の組織が全社レベルでのリスク管理体制の設計・整備や重要なリスクへの対処にあたります。コーポレートスタッフ部門各部は、担当する分野のリスクについて、全社ポジションの監視、所定の権限の範囲内でのコントロール、及び担当取締役及び執行役員の補佐にあたります。
(b)財務報告に係る内部統制
当社はSEC登録の廃止に伴い、2012年3月期以降は金融商品取引法に基づく内部統制報告制度へ準拠した対応を行っています。同対応について、当社は、全社的な統制に加え、会計・決算、IT、及び業務プロセスに係る内部統制の有効性につき評価対象部署による自己評価及び独立部署によるテスティングを実施してきました。これらを総合的に評価した結果、当社経営者は、2026年3月期の当社の財務報告に係る内部統制は有効であることを確認しました。
(c)情報システムの構築運営、情報セキュリティに関する内部統制
当社はグローバル・グループシステムのあるべき姿を具体化する「デジタル・グランドデザイン」に基づく各種方針に沿い、社員の更なる意識向上、ITガバナンスの浸透を図っています。
当社のグローバル・グループ情報戦略に係る重要方針に関しては、「情報戦略委員会規程」に基づいて設置された情報戦略委員会の審議を経て経営方針に沿い策定されています。
また、同委員会を中心とした体制のもと、情報システムの構築運営や情報セキュリティ面で必要となる各規程の整備を通じて、情報漏洩やサイバー攻撃等の想定される各種リスクの管理を含む内部統制体制の強化を進めています。詳細については、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組(7)情報セキュリティ」をご参照ください。
(d)コンプライアンス体制
当社では、社員一人ひとりにコンプライアンス意識を徹底させ、インテグリティをもって行動することを求めるとともに、コンプライアンス違反を未然に防ぎ自浄作用を発揮するインテグリティのある組織づくりに取り組んでいます。
三井物産グループ行動指針-With Integrityの制定から約5年経過したことから、世の中の変化の潮流を捉えて、経営会議や取締役会にて議論のうえ、2024年5月に改訂版を発行しました。当社は、健全なコンプライアンス意識とインテグリティを備えるためのさまざまな研修プログラムを実施しているほか、「三井物産役職員行動規範」を定め、また子会社においても同等の行動規範を定め、その継続的な点検により遵守状況の改善に努めています。
「三井物産グループ行動指針-With Integrity」及び「三井物産役職員行動規範」は当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/governance/compliance/index.html当社は、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを委員長とするインテグリティ委員会(「②当社におけるコーポレート・ガバナンス体制」をご参照ください)を設けているほか、部や室におけるライン職制によるコンプライアンス管理に加えて、国内外の各本部及び支社支店等にコンプライアンス統括責任者を設置しています。また、各事業本部にコンプライアンス管理責任者を設置し、コンプライアンス統括責任者である事業本部長の職務遂行を補佐し、より現場に即したコンプライアンスの徹底及びインテグリティの浸透に関する取組みを加速させています。
当社は、内部通報窓口を社外弁護士及び第三者機関含め、全8ルート設置しています。また、内部通報を行ったことを理由とする不利益取扱いや一切の報復行為を禁止し、その旨を社内規程において定め周知徹底しつつ、コンプライアンス違反に対しては、就業規則に基づく懲戒を含め厳正に対処しています。国内関係会社については、当社が指定している弁護士及び第三者機関をその関係会社の内部通報窓口として使えるようにし、匿名性を担保しつつ、より安心して利用できる報告・相談ルートを整備し、海外拠点及び海外関係会社についても、現地の法令や特性を考慮しつつ報告・相談ルートを整備しています。
(e)企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社は2006年3月に「三井物産コーポレート・ガバナンス及び内部統制原則」を定め、子会社に対しては法令その他に照らして合理的な限りこれに基づく内部統制を整備・運用せしめ、持分法適用会社に対しては、他出資者と連携して、同様の内部統制を整備・運用するよう働きかけることとしています。財務報告の信頼性を確保するための内部統制については、上述の財務報告に係る内部統制の取組みをご参照ください。また、関係会社毎に当社役職員から関係会社主管者を置き、「関係会社主管者職務規程」に基づく管理にあたらせています。また、関係会社への常勤監査役の差入れにあたって、主要関係会社については主管事業部ではなく内部監査部等から差し入れるなど監査の独立性を強化しています。
④コーポレート・ガバナンスの充実に向けた最近1年間における実施状況
(a)コーポレート・ガバナンスの強化の取組み
当連結会計年度における当社コーポレート・ガバナンス強化の取組みは以下のとおりです。
(i)取締役会の実効性評価
当連結会計年度における取締役会の実効性評価を以下のとおり実施しました。
<評価方法>2026年3月期は、以下のとおり、第三者機関(外部専門家)を起用し取締役会実効性評価を実施しました。

<アンケートの項目>2026年3月期アンケートの質問票の大項目は以下のとおりです。設問ごとに、5段階で評価する方式とし、当該項目に関する自由コメント欄を設けています。さらに、取締役会の実効性向上の進捗が把握できるよう、前年対比での改善の度合いについても3段階で評価することとしています。
Ⅰ.取締役会の構成
Ⅱ.取締役会の運営状況
Ⅲ.取締役会の審議
Ⅳ.取締役会の役割・責務
Ⅴ.諮問委員会
Ⅵ.取締役・監査役自身の職務執行
Ⅶ.取締役・監査役への支援
Ⅷ.総括
<実効性向上に向けた2026年3月期の取組み>昨年度の取締役会の実効性評価において、社外役員の知見を最大限引き出すため、より早期の資料配布を希望するとの意見、コンプライアンス、労働安全衛生、リスク管理といったいわば守りの観点でのモニタリングに加え、成長戦略に関わる意見交換の場も増やせるとよい等の意見があったことを踏まえ、2026年3月期では、取締役会及び取締役会事務局は以下の点に取り組みました。
(1)社内取締役と社外役員のよりインタラクティブな議論の推進の検討
2026年3月期は、①議長のファシリテーションによる社内役員・社外役員のインクルーシブな議論の推進、②事前ブリーフィングでの十分な説明により取締役会での実質的な議論を実現する取組の継続、③CEOによる全体戦略及び近時の国際情勢への対応方針に関する適宜の説明・情報共有、④フリーディスカッションでの次期中期経営計画及び人的資本経営に関する議論の実施、⑤取締役会メンバーのエンゲージメント強化イベントの実施、等の取組みにより、社内取締役と社外役員のよりインタラクティブな議論の推進を図りました。
(2)取締役会における議論の充実化・高度化のための施策の検討
2026年3月期は、①議題の精査、書面決議・報告の更なる活用等による取締役会開催日の集約化、②効率化と実質的な議論の両立を目的とした議場開催とオンライン開催の使い分け、③重要案件に関する適時適切な社外役員宛の報告・情報共有、④招集通知発送及び取締役会資料配布の早期化、⑤各種資料へのアクセス向上を目的とした取締役会メンバー向けポータルサイトの開設、⑥諮問委員会に関する社外役員向けフィードバックの実施、⑦取締役会付議・報告基準の改定、等を行いました。
<評価結果の概要>2026年3月期アンケート、社外役員インタビュー及び社外役員会議での意見交換並びにガバナンス委員会、経営会議及び取締役会での審議の結果、2026年3月期の取締役会の実効性については以下の内容が確認されました。
・コンセンサス・ベースの原則の下、自由闊達な議論が行われており、議論を尽くして全員の合意を目指す議事運営が適切に行われている。
・前期の実効性評価に基づいた改善や運営方法の変更により本年も着実に実効性が向上している。
・経営上の重要なテーマ・考え方についてCEOから都度十分な説明が行われている。
・現在の構成はダイバーシティが確保され、社外取締役・監査役の専門性のバランスもとれている。取締役会において様々なテーマについて充実した議論が行われ、モニタリング機能もよく発揮されており、当社の取締役会は高い実効性を維持している。
・取締役会・フリーディスカッションにおいて、企業戦略のコアとなる議論や成長戦略について、率直かつ丁寧な議論が行われ、対応方針が明確になっている。
・取締役会の事前ブリーフィングにとどまらず、社外役員会議における各本部報告、重要案件の進捗状況報告などにより俯瞰的な情報把握に役立っている。また、正式に取締役会に上程される案件に限らず、重要な事項については社外役員への情報共有を充実させる工夫があり、総じて良く運営されている。
・議場開催とオンライン開催、議案の内容に応じた書面決議・報告の活用により、メリハリをつけたスムーズ且つ効率的な取締役会の運営が行われている。
また、第三者機関からも、当社の取締役会では経営の重要課題について適切に議論が行われており、取締役会の実効性は高い水準にあるということが確認された旨の報告を受けています。
上記の内容を総括した結果、当社取締役会は、2026年3月期の当社取締役会の実効性は適切に確保されていると判断しました。一方で、実効性を更に高めていくための課題として、次に示す事項について更に取り組んでいくこととします。
<更なる実効性向上に向けた取組み>2027年3月期課題
取締役会審議の一層の充実化と運営の効率化の推進
2026年3月期アンケート、社外役員インタビュー、社外役員会議での意見交換、ガバナンス委員会等での議論において、更なる実効性向上に向けた取組みにつき、以下の意見がありました。
・成功・失敗案件の分析から、案件遂行における主要な成功要因を抽出し、議論することは、今後の改善に資するためにも有益でもある。
・企業価値の成長を促進するような攻めの議論をより多く行うとよい。
・取締役会の開催時期、頻度、方法については、審議の質やチームスピリットへの影響も踏まえて、バランスのとれた濃淡管理を継続してほしい。
これらの意見及び昨年設定した中長期課題も踏まえ、取締役会における審議の更なる発展と効果的な取締役会運営の両立に資することを目的として、以下取組みを検討していきます。
①社外役員・社内役員夫々の経験・知見・バックグラウンドを活かして行われる双方向の議論を土台とした、審議の更なる深化
②取締役会開催方法に関する継続的な検討及び取締役会への発展的な情報共有
中長期課題
外部環境及び当社ステークホルダーとの対話結果等も踏まえた、機関設計及び構成を含む取締役会のより良い在り方に関するガバナンス体制の継続的検討
現在のガバナンス体制を絶対的な正解とせず、今後も、外部環境、ステークホルダーの声を含む社会的要請を踏まえ、当社ガバナンス体制の在り方を継続的に検討していきます。
当社取締役会は、上記の点を含め、取締役会の実効性を更に高めるべく引き続き改善に取り組み、取締役会による経営に対する万全の監督を担保するとともに、持続的な企業価値の向上を目指していきます。
(b)内部統制強化のための諸施策
当連結会計年度における業務執行及び内部統制に係る委員会の取組みは以下のとおりです。
・2024年5月に改訂版を発行した「三井物産グループ行動指針-With Integrity」の継続的な周知を進めています。2025年11月実施の「With Integrity月間」では、「デジタル・AI 時代の Integrity を考える-当社グループ の信用を守り、未来をつくる」をテーマに、社長のメッセージ動画の発信、経営幹部とデジタル政策・法務分野の専門家による対談、AIガバナンス分野の専門家による講演、コンプライアンス事案となりうる不適切言動を題材とした実写版動画の公開、及び各職場におけるチームディスカッション等の全社企画を実施するとともに、社外役員によるIntegrityメッセージ動画の配信も行いました。
コンプライアンス体制運営状況については、経営会議及び取締役会に年2回報告を行い、それぞれの会議体における活発な議論を通じて内部統制強化につなげているほか、コンプライアンス委員会(2026年3月期は年2回実施)での議論を通じてコンプライアンス不正事案の再発防止策や予防施策を検討・実施しています。また、当社及び主要な国内関係会社においてコンプライアンス意識調査を実施し、当社グループでのコンプライアンス意識浸透状況・問題の予兆を把握、問題の早期改善を図る等コンプライアンス体制の強化に努め、国内関係会社に対してはコンプライアンスハンドブックを提供しています。また、独占禁止法・贈賄防止法等重要法令リスクへの対応を含む「関係会社コンプライアンス体制整備ガイドライン」や、贈賄防止体制等への対応を含む各種不正チェックリストを活用し、各社における自律自走のコンプライアンス体制を強化しています。さらに、発見的統制の更なる強化を目的として、事例を踏まえたe-Learningの全役職員受講や匿名性を担保したまま通報者と交信ができる通報対応システムを通じて、コンプライアンスに関する問題で何かおかしいと思うことがあったら声を挙げる“Speak Up”を容易にする環境を整え、内部通報制度の信頼性向上及び制度の利用促進を図っています。また、従前より国内外の独占禁止法及び贈賄防止法に抵触するまたはその疑義のある事案について、海外現地法人や国内外子会社の役職員からの通報を当社本店法務統括部コンプライアンス・インテグリティ推進室で一元的に受け付ける「グローバル・グループ・ホットライン」を設け、課題の把握と解決に努めています。
・開示委員会は合計4回開催し、各種開示物及び開示行為に関する原則・方針を策定したほか、開示内容の妥当性の判定・判断を行いました。
・J-SOX委員会は合計2回開催し、2026年3月期の財務報告に係る内部統制の状況の把握及び有効性の維持・向上に向けた全社的対応等の検討を行いました。
・ポートフォリオ管理委員会は、合計9回開催しました。全社ポートフォリオ戦略、当社のリスクエクスポージャーとコントロール、資産ポートフォリオのレビュー、中期経営計画2026で定めた攻め筋における取組・戦略の確認等を行い、全社レベルでの適切なリスク管理を継続しました。
・情報戦略委員会は、合計9回開催しました。詳細については、「第2 事業の状況2 サステナビリティに関する考え方及び取組(7)情報セキュリティ」をご参照ください。
・サステナビリティ委員会は合計7回開催し、気候変動関連目標及び進捗、制度開示に関する対応、人権管理体制と取組の強化等について審議・報告しました。
・ダイバーシティ推進委員会は合計4回開催し、「多様性を力に」する組織の実現に向け、女性活躍推進法に基づく行動計画策定及び進捗の報告に加え、女性リーダーのパイプライン強化に向けた施策、企業競争力に繋がる多様性の在り様(多様性と堅持すべき組織凝集性、求心力となる企業文化・行動様式等)、グローバル人事制度の方向性、人事制度改定後の総戦力化と価値創造に向けた環境整備(社員と組織双方の進化)について討議を行いました。
⑤その他当社定款規定について
(a)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席を要する旨を定款に定めています。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨も定款に定めています。
(b)自己の株式の取得の決定機関
当社は、機動的な資本政策の遂行を可能にするため、取締役会の決議をもって自己の株式を市場取引等により取得することができる旨を定款に定めています。
(c)株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決する旨を定款に定めています。
(d)中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。
(e)取締役及び監査役の責任軽減
当社は、取締役及び監査役が、職務を遂行するにあたり、期待される役割を充分に発揮できるよう、取締役会の決議によって、法令の定める範囲内で、取締役及び監査役の責任を免除できる旨を定款に定めています。