有価証券報告書
3. 気候変動リスクに対処する戦略
(1)ポートフォリオの脱炭素化と強靭化への取組
「2.リスク管理」で記載したとおり、当社は、気候変動関連のリスク及び機会を当社の事業戦略に重要な影響を与えるサステナビリティ関連のリスク及び機会として特定しています。その上で、“MC Climate Taxonomy”による分類に基づきモニタリング対象として特定した一部のグリーン及びトランスフォーム事業に対して、シナリオ分析を実施し、これらのリスク及び機会がビジネスモデルとバリューチェーンに与える影響を評価しています。この評価結果を事業戦略へ落とし込むべく、投融資残高やGHG排出量の大きいトランスフォーム事業については、トランスフォーム・ディスカッション(※)にて、気候変動観点で事業推進において重要と考えられる指標を経営レベルでモニタリングしています。
以上のような、気候変動に係るリスク管理及び戦略への織り込みに加え、対外開示までを一つのサイクルとして捉えて、効果的な運用を行っています。
※トランスフォームに分類された事業を対象に、移行リスクとして注視すべき需給の動向や技術革新の動向を特定し、事業への影響を経営レベルでモニタリングするもの。
(2)気候変動関連のリスク及び機会に係るシナリオ分析
① 気候シナリオの考え方
当社は、気候変動に関するリスク低減及び機会取り込みに向けた取組の一環として、外部機関が公表する気候シナリオを用いたシナリオ分析を継続的に実施しています。当該分析を通じて、気候変動に伴う中長期の移行リスク及び機会、並びに物理的リスクを適切に把握し、それらを考慮した事業戦略の策定や投資判断等を行う体制を整えています。
当社は、当連結会計年度にシナリオ分析を実施しており、移行リスク及び機会に関する分析とその結果は以下のとおりです。なお、当該分析については、今後も当社事業や参照するシナリオに重要な変更があった場合、又は経営サイクルごとに適宜更新する方針としています。
② シナリオの選定
本分析では、国際的に最も広く参照され、各国政府、企業、金融機関など多様なステークホルダーの基準として用いられている国際エネルギー機関(IEA)の「World Energy Outlook(WEO)」を主たる外部気候シナリオとして参照しています。WEOは、エネルギー需給、エネルギー価格や炭素価格、並びに国・地域別及びセクター別のエネルギー起源CO2排出量等に関する定量的データを包括的に提供しており、複数分野にわたる当社の事業ポートフォリオを横断的に評価する上で分野間の整合性及び客観性の高い分析基盤を提供するものと判断しています。
具体的なシナリオとしては、IEA WEO2025におけるSTEPS(Stated Policies Scenario)及びNZE(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)の2つのシナリオを採用しています。STEPSは、各国の現行政策及び既に公表されている政策方針や目標を全て反映した脱炭素進展シナリオ(フォアキャスト型)であり、現時点の政策動向を前提とした、より現実的な将来のリスク及び機会を評価する上で適しています。一方、NZEは、1.5℃目標の達成に向けて世界全体で極めて野心的かつ迅速な脱炭素化が進展することを前提としたシナリオ(バックキャスト型)であり、実現には高いハードルがあるものの、脱炭素社会への移行が最も進展した場合におけるリスク及び機会を評価する上で適しています。
当社は、これら二つの異なる前提をもつシナリオを活用することで、政策進展の度合いや社会の脱炭素化速度に応じた多様な将来像を想定し、対象事業を定量・定性の両面から分析しています。なお、各シナリオにおける気候関連の政策やマクロ経済トレンド等については、WEO2025をご参照ください。
③ 対象事業の選定
グローバルに拠点を有し事業を展開する当社では、気候変動がもたらし得るリスク及び機会の影響が特に大きいと考えられる事業を優先的に抽出し、シナリオ分析の対象としています。
具体的には、EU Taxonomy等の考え方も踏まえた当社独自の事業分類である“MC Climate Taxonomy”に基づきトランスフォーム事業に分類された事業のうち、投融資残高、純利益、資産額等が大きく当社への財務影響が相対的に大きい「天然ガス/LNG」「原料炭」を移行リスクの分析対象として選定しました。
移行機会については、“MC Climate Taxonomy”に基づきグリーン事業に分類されたもののうち、投融資残高、純利益、資産額等が大きく当社の財務への影響が相対的に大きい「銅」「再生可能エネルギー」を分析対象として選定しました。
④ 分析の結果及び結果を踏まえた事業方針
当社が実施するシナリオ分析は、将来の事業環境の変化を多角的に検討し、気候変動が当社の事業に与え得るリスク及び機会を把握することを目的としたものであり、特定の将来予測や当社の業績見通しを示すものではありません。各シナリオには多くの不確実な要素・仮定を含んでいるため、GHG排出量削減に係る道筋を含め実際に実現する事象は各シナリオが示す内容とは大きく異なる可能性があります。本分析の結果は将来の財務的影響を正確に予測するものではなく、あくまでリスク及び機会の方向性を把握するための参考情報として位置づけています。
シナリオ分析の結果、移行リスク及び機会について当社の事業及び資産に一定程度影響が想定されることが確認されました。一方で、当該リスク及び機会は、特定のシナリオ下における参考情報であり、現時点では当社の財務状況や事業継続に重大な影響を及ぼすものではないと認識しています。
詳細な分析結果は、当社ウェブサイト サステナビリティページの「環境」内の「気候変動:体制・システム」をご参照ください。また、物理的リスクについても分析結果を掲載しています。
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/sustainability/environmental/climate-change/003.html
(1)ポートフォリオの脱炭素化と強靭化への取組
「2.リスク管理」で記載したとおり、当社は、気候変動関連のリスク及び機会を当社の事業戦略に重要な影響を与えるサステナビリティ関連のリスク及び機会として特定しています。その上で、“MC Climate Taxonomy”による分類に基づきモニタリング対象として特定した一部のグリーン及びトランスフォーム事業に対して、シナリオ分析を実施し、これらのリスク及び機会がビジネスモデルとバリューチェーンに与える影響を評価しています。この評価結果を事業戦略へ落とし込むべく、投融資残高やGHG排出量の大きいトランスフォーム事業については、トランスフォーム・ディスカッション(※)にて、気候変動観点で事業推進において重要と考えられる指標を経営レベルでモニタリングしています。
以上のような、気候変動に係るリスク管理及び戦略への織り込みに加え、対外開示までを一つのサイクルとして捉えて、効果的な運用を行っています。
※トランスフォームに分類された事業を対象に、移行リスクとして注視すべき需給の動向や技術革新の動向を特定し、事業への影響を経営レベルでモニタリングするもの。
(2)気候変動関連のリスク及び機会に係るシナリオ分析
① 気候シナリオの考え方
当社は、気候変動に関するリスク低減及び機会取り込みに向けた取組の一環として、外部機関が公表する気候シナリオを用いたシナリオ分析を継続的に実施しています。当該分析を通じて、気候変動に伴う中長期の移行リスク及び機会、並びに物理的リスクを適切に把握し、それらを考慮した事業戦略の策定や投資判断等を行う体制を整えています。
当社は、当連結会計年度にシナリオ分析を実施しており、移行リスク及び機会に関する分析とその結果は以下のとおりです。なお、当該分析については、今後も当社事業や参照するシナリオに重要な変更があった場合、又は経営サイクルごとに適宜更新する方針としています。
② シナリオの選定
本分析では、国際的に最も広く参照され、各国政府、企業、金融機関など多様なステークホルダーの基準として用いられている国際エネルギー機関(IEA)の「World Energy Outlook(WEO)」を主たる外部気候シナリオとして参照しています。WEOは、エネルギー需給、エネルギー価格や炭素価格、並びに国・地域別及びセクター別のエネルギー起源CO2排出量等に関する定量的データを包括的に提供しており、複数分野にわたる当社の事業ポートフォリオを横断的に評価する上で分野間の整合性及び客観性の高い分析基盤を提供するものと判断しています。
具体的なシナリオとしては、IEA WEO2025におけるSTEPS(Stated Policies Scenario)及びNZE(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)の2つのシナリオを採用しています。STEPSは、各国の現行政策及び既に公表されている政策方針や目標を全て反映した脱炭素進展シナリオ(フォアキャスト型)であり、現時点の政策動向を前提とした、より現実的な将来のリスク及び機会を評価する上で適しています。一方、NZEは、1.5℃目標の達成に向けて世界全体で極めて野心的かつ迅速な脱炭素化が進展することを前提としたシナリオ(バックキャスト型)であり、実現には高いハードルがあるものの、脱炭素社会への移行が最も進展した場合におけるリスク及び機会を評価する上で適しています。
当社は、これら二つの異なる前提をもつシナリオを活用することで、政策進展の度合いや社会の脱炭素化速度に応じた多様な将来像を想定し、対象事業を定量・定性の両面から分析しています。なお、各シナリオにおける気候関連の政策やマクロ経済トレンド等については、WEO2025をご参照ください。
③ 対象事業の選定
グローバルに拠点を有し事業を展開する当社では、気候変動がもたらし得るリスク及び機会の影響が特に大きいと考えられる事業を優先的に抽出し、シナリオ分析の対象としています。
具体的には、EU Taxonomy等の考え方も踏まえた当社独自の事業分類である“MC Climate Taxonomy”に基づきトランスフォーム事業に分類された事業のうち、投融資残高、純利益、資産額等が大きく当社への財務影響が相対的に大きい「天然ガス/LNG」「原料炭」を移行リスクの分析対象として選定しました。
移行機会については、“MC Climate Taxonomy”に基づきグリーン事業に分類されたもののうち、投融資残高、純利益、資産額等が大きく当社の財務への影響が相対的に大きい「銅」「再生可能エネルギー」を分析対象として選定しました。
④ 分析の結果及び結果を踏まえた事業方針
当社が実施するシナリオ分析は、将来の事業環境の変化を多角的に検討し、気候変動が当社の事業に与え得るリスク及び機会を把握することを目的としたものであり、特定の将来予測や当社の業績見通しを示すものではありません。各シナリオには多くの不確実な要素・仮定を含んでいるため、GHG排出量削減に係る道筋を含め実際に実現する事象は各シナリオが示す内容とは大きく異なる可能性があります。本分析の結果は将来の財務的影響を正確に予測するものではなく、あくまでリスク及び機会の方向性を把握するための参考情報として位置づけています。
シナリオ分析の結果、移行リスク及び機会について当社の事業及び資産に一定程度影響が想定されることが確認されました。一方で、当該リスク及び機会は、特定のシナリオ下における参考情報であり、現時点では当社の財務状況や事業継続に重大な影響を及ぼすものではないと認識しています。
詳細な分析結果は、当社ウェブサイト サステナビリティページの「環境」内の「気候変動:体制・システム」をご参照ください。また、物理的リスクについても分析結果を掲載しています。
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/sustainability/environmental/climate-change/003.html