有価証券報告書-第87期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:34
【資料】
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【項目】
132項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループの企業理念は、存在理念、経営理念、行動理念から構成されております。その中核である「存在理
念」の中に謳っておりますとおり、当社グループは「次代の生活品質を追求するビジネスプロデューサー」とし
て、「株主」「取引先」「従業員」等すべての当事者の信頼と期待に応え、その幸せを実現することを経営の基本
方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、収益力の強化と財務体質の改善を図り、効率経営を進めるための最適な経営指標としてROAを採
用しております。利益の増大と総資産の圧縮をさらに進めることにより、当面の目標値を3%といたします。進捗度
の評価につきましては、事業ごとに個別目標値を設定するとともに、人事評価においてもこの数値を使用するなど
徹底を図っております。また、本業の成果が反映される営業利益も重視しつつ、中長期的な収益基盤の強化と安定
的な収益の計上を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、成長路線への転換を図るため、2020年ビジョンを「ニッチな分野でグローバルに独自の機能を
提供する事業創造型商社として社会に貢献する。」と定めました。
*ニッチな分野とは、メーカーが直接攻めにくく、他商社の追随を許さない、当社グループが得意としている商材や事業をいいます。
この2020年ビジョン実現に向け、中期的にはつぎの経営戦略にもとづき課題に対処してまいります。
【基本方針】
①『世界で稼ぐ力』を徹底的に強化してまいります。
②人材を重点分野あるいは有望分野に積極的にシフトしてまいります。
③グループ会社間の連携を強化してまいります。
④当社グループ主導のビジネスモデルを深耕してまいります。
【選択と集中】
①重点(ニッチ)分野
繊維関連事業においては、原料・生地取引による収益拡大とインナー・レッグ製品の取扱拡大を図ってまいり
ます。一方、工業製品関連事業においては、塗料原料・添加剤関連ビジネスの拡大とホビー関連事業の多角化を
進めてまいります。
②有望分野
戦略的経費の使用や積極的な投資を行うことで将来の柱となる事業を育成してまいります。そのひとつとして
自動車軽量化事業に取り組んでまいります。同様にナノテクノロジー事業については、早期の収益化を実現いた
します。
【重点施策】
①海外事業の拡大:海外現地法人の経営・営業力を強化するとともにナショナルスタッフの育成を行ってまいりま
す。また、事業を軸として戦略を立案することでグローバルベースでの事業を運営してまいります。
②収益性の向上:各バリューチェーンの中で戦略パートナーを設定し、その連携を強化することにより企画・原料
調達から小売までを最適化し、あらゆる段階で付加価値を提供してまいります。また、業務の効率化を更に進め
てまいります。
③人材の充実(育成と確保):特にグローバル人材の育成に注力してまいります。また、キャリア採用の積極的実施
により、高度な人材を確保するとともに外国人や女性の登用を図ることなどにより多様性を取り入れてまいりま
す。
④内部統制システムの充実とリスクマネジメントの強化:当社グループの利益計画の達成に影響を及ぼすリスク要
因を洗い出し、的確な分析と評価の結果を踏まえて対応策に取り組めるよう、グループ全体でリスクマネジメン
ト体制の強化を図ってまいります。また、収益に見合ったリスクテイクを徹底し、無駄・ロスを排除するととも
にコンプライアンスマインドの向上に努めてまいります。