有価証券報告書-第77期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 12:53
【資料】
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【項目】
133項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、連結会計年度末日における資産・負債の金額および偶発債務の開示ならびに連結会計年度における収益、費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績または各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(2)経営成績
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、行動制限や水際対策が緩和され、経済・社会活動の正常化に向けた動きが進み、景気は持ち直しの動きが見られました。
一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化とそれに伴う国際情勢の悪化、円安の進行および資源価格の高騰による物価の上昇ならびに欧米諸国の金融引き締めなどの影響により、景気の持ち直しは緩やかなものとなりました。
当社グループの主要な貿易相手国である中国の経済は、新型コロナウイルス感染症を封じ込めるゼロコロナ政策の影響により、2022年の国内総生産の伸び率は、「5.5%前後」とした政府目標を大幅に下回る前年比3.0%となりました。
このような環境のもと、当社グループの業績は、売上高は214億8千万円、前期比11.3%の増加となりました。営業利益(セグメント利益)につきましては、12億5千万円、前期比5.0%の増加となりました。経常利益は14億3千5百万円、前期比1.4%の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、9億9千6百万円、前期比1.4%の増加となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
(繊維事業)
繊維事業のうち機能資材部門については、主力商品である自動車関連資材の国内販売、輸出販売につきましては、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が残る中、半導体供給問題が継続し、国内海外取引先は稼働停止や生産調整を余儀なくされ全体的に販売が減少しましたが、海外子会社の自動車関連資材販売が好調に推移し増加となりました。
工業材料部門については、タイヤ・ベルト関連資材は、タイヤ輸出の堅調な推移に伴い販売が増加しました。自動車関連資材では、新型コロナウイルス感染症の影響継続に加え、ロシアのウクライナ侵攻等により長引く自動車減産の影響を大きく受け、国内、輸出ともに減少しました。一方、一般工業資材につきましては、一部の用途において国内市況の回復が見られ微増となりました。三重工場につきましては、顧客の需要増加に伴い、増収となりました。
産業資材部門については、下期に入り需要減少および各顧客の在庫調整等の要因もありましたが、上期が順調に推移したことにより前期比では増加となりました。林業用資材につきましては、競争激化もあり減少となりました。
以上の結果、売上高は131億1百万円、前期比13.7%の増加となり、セグメント利益(営業利益)は9億8千1百万円、前期比29.5%の増加となりました。
(化学品事業)
コットンリンターパルプの輸入、主力商材・バルク品およびビタミンE用途原料の輸出が大きく伸長しました。その他の商材も新型コロナウイルス感染症長期化の影響を受けたものの、総じて増加傾向にありました。
以上の結果、売上高は46億6千2百万円、前期比12.1%の増加となり、セグメント利益(営業利益)は8億8千5百万円、前期比41.5%の増加となりました。
(機械金属事業)
溶接材料の輸出は、中国エネルギー関連工事が好調で大幅に増加しました。フォークリフト用エンジン輸出におきましては、欧米向け輸出用として中国取引先の需要が旺盛でした。空調機用コンプレッサーの輸出は、超低温冷蔵用ヘリウムコンプレッサーが伸長し、増加しました。繊維設備は大型プロジェクトの出荷がなく減少となりました。非鉄金属につきましては、ベリリウム銅の輸出が好調で増加しました。
以上の結果、売上高は23億8千7百万円、前期比17.3%の増加となり、セグメント利益(営業利益)は2億3千6百万円、前期比59.2%の増加となりました。
(衣料品事業)
アパレル業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に終息に向かう中、受注は回復傾向となりました。
以上の結果、売上高は12億3千6百万円、前期比29.5%の増加となり、セグメント損失(営業損失)は1百万円(前期は3千2百万円のセグメント損失)となりました。
(不動産賃貸事業)
赤坂KOSENビルにおいては、一棟貸しのテナント退去後、資産価値の維持および向上を図るため大規模改修工事を実施のうえ、新規テナントを募集し、一部フロアでテナントと賃貸借契約を締結しました。また、BANビルにおいては、2022年6月にテナント1社が退去しましたが、2023年5月に新規テナントと賃貸借契約を締結しました。
以上の結果、売上高は9千3百万円、前期比85.0%の減少となり、セグメント損失(営業損失)は1億3千1百万円(前期は4億6千2百万円のセグメント利益)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前期比
(%)
繊維事業6,185,231108.0
衣料品事業900,782128.7
合計7,086,013110.2

(注)1 繊維事業については織布加工等の製造による生産高、衣料品事業については衣料用繊維製品の製造による生産
高を示しております。
2 上記以外のセグメントでは、生産活動を行っておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント毎に示すと次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比
(%)
受注残高(千円)前期比
(%)
繊維事業9,647,746100.577,435806.3
化学品事業28,466,162137.84,816,513134.6
機械金属事業9,766,544143.03,040,916192.0
衣料品事業482,054117.037,11790.1
合計48,362,508129.07,971,983152.9

(注)1 上記以外のセグメントは、不動産賃貸事業のため、該当事項はありません。
2 当社グループの受注は提出会社でその大半を占めているため、上記金額は提出会社の金額を表示しております。
3 金額は、販売価格によっております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期比
(%)
繊維事業13,101,171113.7
化学品事業4,662,243112.1
機械金属事業2,387,699117.3
衣料品事業1,236,436129.5
不動産賃貸事業93,25914.9
合計21,480,809111.3

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
Toyoda Gosei Haiphong Co., Ltd.2,446,13712.63,181,68014.8


(3)財政状態
(流動資産)
流動資産は、現金及び預金が前期末比10億4千7百万円(24.2%)、売上債権が前期末比5億8千2百万円(10.5%)増加したこと等により、前期末比15億1千6百万円(9.9%)増加し、167億8千万円となりました。
(固定資産)
固定資産は、時価の上昇等により投資有価証券が前期末比5億6千5百万円(23.0%)、その他に含まれる差入保証金が前期末比13億4千4百万円(1,578.6%)増加したこと等により、前期末比20億7千7百万円(15.4%)増加し、154億8千6百万円となりました。
(流動負債)
流動負債は、短期借入金が前期末比8億6千1百万円(38.2%)増加しましたが、仕入債務が前期末比4億3百万円(8.5%)、その他に含まれる未払金が6億3千6百万円(71.4%)減少したこと等により、前期末比9百万円(0.1%)減少し、94億5千7百万円となりました。
(固定負債)
固定負債は、長期借入金が前期末比5億3千1百万円(13.4%)、長期預り敷金保証金が10億9千3百万円(1,413.4%)増加したこと等により、前期末比18億5百万円(31.4%)増加し、75億3千6百万円となりました。
(純資産)
株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益が9億9千6百万円計上されたこと等により、前期末比10億3千万円(9.7%)増加し、115億8千2百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、投資有価証券の時価の上昇等によりその他有価証券評価差額金が前期末比3億8千7百万円(41.7%)、為替換算調整勘定が前期末比4億3千6百万円(44.9%)増加したこと等により、前期末比7億4千9百万円(26.4%)増加し、35億7千9百万円となりました。
非支配株主持分は、前期末比1千9百万円(20.6%)増加し、1億1千1百万円となりました。
これらの結果、当期末の純資産は前期末比17億9千9百万円(13.3%)増加し、152億7千3百万円となりました。
(4)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億8千万円増加し、52億9百万円(前連結会計年度は39億2千9百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の減少は3千9百万円(前連結会計年度は1億6千7百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益14億6千4百万円の計上による増加、棚卸資産の減少2億3千9百万円による増加等がありましたが、仕入債務の減少6億5千4百万円による減少、その他流動負債の減少5億4百万円による減少があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は1億2千9百万円(前連結会計年度は8億3千6百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入4億1千8百万円、有形固定資産の売却による収入1億2千3百万円等がありましたが、有形固定資産の取得による支出5億1千1百万円、定期預金の預入による支出1億5千2百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の増加は13億1千5百万円(前連結会計年度は4億1千9百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出16億9千3百万円等がありましたが、長期借入れによる収入25億3千万円、短期借入金の純増5億5千6百万円があったこと等によるものであります。
当社グループは、主として営業活動から得られるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。運転資金需要については、営業活動から得られるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により、設備投資等の長期資金需要については、金融機関からの長期借入金・社債により資金調達しております。余剰資金は、金利負担を圧縮するため借入金の返済に充当するよう努めております。なお、当連結会計年度末の社債・借入金合計残高は、76億4千4百万円となっております。