有価証券報告書-第75期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業業績や雇用・所得環境の改善などを背景に、堅調な動きを示していましたが、相次いだ自然災害の発生、消費増税後の消費行動の停滞に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大とその影響は世界規模でリーマンショックを超える景気悪化を招いております。
当企業グループが主に属する流通業界におきましては、油価の安定は進捗したものの消費者の節約志向型の購買行動の継続や人手不足に起因する労働コストや物流コストの高騰により、引き続き厳しい事業環境となりました。
このような環境の下、当企業グループは、「グッド アンド ビッグカンパニー」を目指し、連結子会社27社、非連結子会社1社及び持分法適用関連会社1社を含め、物流を伴う現物問屋として、安心・安全な商品の安定供給に努めるとともに、情報・物流・リテールサポート・品揃え・品質管理などの各機能を充実させ、総合力を生かした営業体制の構築と物流事業の拡大に努めてまいりました。また、更なる事業拡大と企業価値の向上を図るため、2020年3月23日に東京証券取引所市場第一部への上場を果たしました。
当連結会計年度における売上高は、新規取引先の獲得と既存取引先のシェアーアップや前年子会社化した企業の業績が加わったことで、5,221億2百万円(前年同期比6.8%増)となり、333億97百万円の増収となりました。
一方、利益面におきましては、グループ一丸となって、販売益の確保並びにローコストオペレーションの追求による経費の節減に努力いたしました結果、営業利益は45億4百万円(前年同期比27.0%増)、経常利益は49億59百万円(前年同期比27.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益が前連結会計年度に比べ大幅に減少したことなどから21億55百万円(前年同期比33.1%減)となりました。
なお、セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(食品関連事業)
加工食品関連では、消費者の節約志向や低価格志向は根強く、業態によっては厳しい状況が続いております。このような環境の下、物流・営業コストの削減に努めるとともに、子会社のいんま商事株式会社との連携を図り、菓子カテゴリーの販路拡大に取り組んでまいりました。また、関東地区を中心に新規顧客の獲得を進めてまいりました。
物流においては、お得意先様の変化に対応すべく、物流拠点の統廃合や在庫集約による業務の効率化に取り組み、共同配送事業の拡大と庫内改善活動の強力推進により物流品質の向上や機能充実を図ってまいりました。また、労働人口減少に対応すべく、庫内の機械化による省人化・作業の効率化を進めてまいりました。
生鮮食品関連では、農産物は不安定だった相場が昨年後半から安値で安定、畜産物は輸入原料の相場は下落と上昇を繰り返しましたが、国産鶏肉の相場は荷動きがよく概ね堅調に推移しました。水産物の相場は国産魚類の慢性的な不漁による相場高により厳しい状況が続きました。このような中、青果・精肉・鮮魚・惣菜の生鮮フルラインでの提案を継続し、高品質で安心・安全な商品を供給するため、原料産地との取り組みや商品力・開発力・品質管理技術が高いメーカー様との協力体制を強化してまいりました。
酒類関連では、酒類市場はウィスキー、ハイボール、チューハイの人気は継続し売上は順調に推移しましたが、物流費の高騰や人手不足による労働コストの上昇などにより利益が圧迫される状況が続いております。このような環境の下、当社の柱として取り組んでおります本格焼酎では、恒例の試飲会を福岡・東京・大阪で開催し、焼酎情報機能としてのホームページ「焼酎紀行」を充実させるとともに、「焼酎のヤマエ」として市場の拡大に努めてまいりました。
この結果、売上高は3,817億7百万円(前年同期比3.0%増)となり、セグメント利益は19億32百万円(前年同期比35.0%増)となりました。
(糖粉・飼料畜産関連事業)
糖粉関連では、人口減少に伴う消費低迷や、人手不足が継続する中、小麦粉・砂糖・食用油など主力商品の安定供給と、蕎麦・麦などの醸造用原料などで売上拡大を図ってまいりました。さらにお得意先様に役立つ情報提供と「安心・安全」な商品を適正な価格で安定供給することに努力してまいりました。
飼料畜産関連では、主力商品の配合飼料の価格については、為替の影響などにより前期に比べ値下げとなりましたが、主原料であるトウモロコシ相場は値上げと値下げを繰り返す展開となりました。畜産物については、肉豚相場は前年並みに推移し、鶏卵相場は秋口からの生産減少により価格が回復し前年を上回りました。このような環境の下、お得意先様への技術指導、経営支援などの機能を発揮することで、既存取引先のシェアーアップや新規取引先の獲得に努めてまいりました。
この結果、売上高は707億24百万円(前年同期比0.8%減)となり、セグメント利益は16億16百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
(住宅・不動産関連事業)
住宅関連では、消費増税を背景に住宅着工数が減少傾向で推移する中、プレカットを基盤とした新規販売先の開拓や非住宅木造建築物の販売強化、大手ハウスビルダー様との関係強化及び関連商材販売に取り組みました。また、「地域型住宅グリーン化事業」によりゼロエネルギー住宅や、二酸化炭素の排出抑制に寄与する認定低炭素住宅、そして長期優良住宅を志向する地場工務店様との関係を強化するとともに、当社が西日本地区の総代理店であります「通気断熱WB工法」の市場浸透を推進することで売上拡大に努めてまいりました。さらに、株式会社日装建との連携によるマンション分野への販路拡大、そして昨年度よりグループに加わったハイビック株式会社との協業による商圏拡大など、子会社とのさらなる相乗効果を図ってまいりました。
賃貸事業では、福岡地区においては、企業の新規開設や増床などの動きが活発で、オフィスビルの空室率は低下傾向が続いております。このような環境の下、「安全・安心・快適」なオフィス空間の提供をモットーにビル管理を充実させ、テナントビルの入居者確保に努めてまいりました。
この結果、売上高は549億75百万円(前年同期比68.5%増)となり、セグメント利益は26億16百万円(前年同期比41.0%増)となりました。
(その他)
運送事業では、消費増税後の荷動きが低迷するなか燃料価格の下落が寄与し、収益は改善傾向となりました。しかしながら深刻な乗務員不足など経営環境の厳しさは継続しております。このような環境の下、物流品質の向上、安全管理の徹底、業務の効率化、人材の確保など労働環境の改善に積極的に取り組んでまいりました。
燃料関連事業では、石油製品需要の減少傾向が続く中、世界情勢の不確実性などにより原油相場が激しく変動するなど、取り巻く環境は厳しい状況が続いております。そうした中、卸・直売部門では新電力などの新規事業と、仕入先様との連携強化によりコスト削減に努め、SS(サービスステーション)では提案力向上のためスタッフ教育に力を入れ、競争力強化を図ってまいりました。また、太陽光発電設備は、順調に運用されております。
レンタカー事業では、車は所有せずに使用するという傾向に変化はなく、レンタカーの登録台数・業者数は増加しており、カーシェアリングの台数も増え価格競争が激しくなっています。このような環境の下、個人・法人チャネルはWebによる車両予約が浸透してきましたが前年並みの売上げを確保することができませんでした。損保・代車チャネルは営業力を強化した結果、前年を上回る売上を達成することができました。
情報処理サービス事業では、既存顧客の多くを占める流通業に関しては、消費増税・軽減税率のシステム対応、また食品製造業に関しては食品表示法改正に対応したシステムの受注に努めてまいりました。
この結果、売上高は146億94百万円(前年同期比3.2%増)となり、セグメント利益は3億24百万円(前年同期比33.7%減)となりました。
当連結会計年度における財政状態の主な項目の具体的な分析は、以下のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、917億47百万円(前連結会計年度末は1,031億95百万円)となり、前連結会計年度末と比べて114億48百万円減少しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「現金及び預金」が39億49百万円、「受取手形及び売掛金」が78億97百万円減少したためであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、840億26百万円(前連結会計年度末は977億91百万円)となり、前連結会計年度末と比べて137億65百万円減少しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「建物及び構築物」が34億79百万円、「土地」が42億91百万円、「建設仮勘定」が21億52百万円、「のれん」が16億79百万円、「投資有価証券」が21億99百万円減少したためであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、893億94百万円(前連結会計年度末は1,097億92百万円)となり、前連結会計年度末と比べて203億98百万円減少しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「支払手形及び買掛金」が92億11百万円、「短期借入金」が61億60百万円、「未払法人税等」が13億95百万円減少したためであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、302億62百万円(前連結会計年度末は372億61百万円)となり、前連結会計年度末と比べて69億99百万円減少しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「長期借入金」が60億73百万円、「繰延税金負債」が8億39百万円減少したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、561億16百万円(前連結会計年度末は539億32百万円)となり、前連結会計年度末と比べて21億83百万円増加しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「資本金」が19億48百万円、「資本剰余金」が8億18百万円、「利益剰余金」が17億51百万円増加し、「その他有価証券評価差額金」が12億24百万円、「非支配株主持分」が13億76百万円減少したためであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて39億59百万円減少し、当連結会計年度末には、216億37百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は39億76百万円(前連結会計年度比50.8%減)となり、前連結会計年度に比べて40億99百万円の収入の減少となりました。これは主に、「売上債権の減少額」78億8百万円、「法人税等の支払額」37億43百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は67億86百万円(前連結会計年度は資金の支出79億70百万円)となり、前連結会計年度に比べて147億56百万円の収入の増加となりました。これは主に、「有形固定資産の取得による支出」58億87百万円、「有形固定資産の売却による収入」126億63百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は147億22百万円(前連結会計年度比1,033.4%増)となり、前連結会計年度に比べて134億23百万円の支出の増加となりました。これは主に、「短期借入金の減少額」61億60百万円、「長期借入金の返済による支出」92億24百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 前連結会計年度に比べ、住宅・不動産関連事業の生産高が10,113百万円増加しております。主として2019年3月よりハイビック株式会社を連結の範囲に含めたことによるものであります。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 食品関連事業、住宅・不動産関連事業、その他の仕入高には原材料仕入高が含まれております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
5 前連結会計年度に比べ、住宅・不動産関連事業の仕入高が15,682百万円増加しております。主として2019年3月よりハイビック株式会社を連結の範囲に含めたことによるものであります。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 前連結会計年度に比べ、住宅・不動産関連事業の受注高が4,961百万円増加しております。主として2019年3月よりハイビック株式会社を連結の範囲に含めたことによるものであります。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 前連結会計年度に比べ、住宅・不動産関連事業の販売高が22,347百万円増加しております。主として2019年3月よりハイビック株式会社を連結の範囲に含めたことによるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当企業グループは、過去の実績値や現状等を勘案し合理的に判断し、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は、2021年3月期中に概ね収束するものと仮定し会計上の見積りをしておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりです。
イ.固定資産の減損損失
当企業グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候や把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
ロ.貸倒引当金
当企業グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、支払実績及び信用情報等を査定して販売先に対して与信限度額を設定しており、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払能力が著しく低下した場合、貸倒懸念債権等特定の債権の増加及び貸倒損失の発生による一般債権に係る貸倒実績率の増加により、これらの貸倒引当金の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。
ハ.繰延税金資産
当企業グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当企業グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
イ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ333億97百万円増加し、5,221億2百万円(前年同期比6.8%増)となりました。これは主に、住宅・不動産関連事業におけるM&Aによる連結子会社の増加によるものであります。
各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、食品関連事業が73.1%、糖粉・飼料畜産関連事業が13.6%、住宅・不動産関連事業が10.5%、その他事業が2.8%となりました。
また、2018年3月期~2020年3月期までの中期経営計画「GRADE70」では九州地区以外での商圏拡大を掲げ、九州地区以外の連結売上高に占める割合は当連結会計年度において39.6%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ45億6百万円増加し、485億12百万円(前年同期比10.2%増)となりました。売上総利益率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加し、9.3%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ35億47百万円増加し、440億7百万円(前年同期比8.8%増)となりました。ローコストオペレーションの追求による経費の削減に取り組んでいるものの、食品関連事業では売上高と連動する荷造運搬費が売上高の増加率よりも増加、住宅・不動産関連事業では、M&Aによる連結子会社の増加により増加しました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ9億58百万円増加し、45億4百万円(前年同期比27.0%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、持分法による投資利益の増加により前連結会計年度に比べ1億98百万円増加し、9億51百万円(前年同期比26.4%増)となりました。営業外費用は、東京証券取引所への上場に伴う株式交付費用の発生により前連結会計年度に比べ97百万円増加し、4億96百万円(前年同期比24.3%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ10億60百万円増加し、49億59百万円(前年同期比27.2%増)となりました。
ロ.財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ハ.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
二.当企業グループの資本の財源及び資金の流動性
(手元資金)
手元資金につきましては、保有残高について目標水準を定めておりませんが、事業活動に伴う資金需要に対する機動的な対応や経済情勢悪化の影響に備え、手元資金維持に努めております。
(資金需要)
当企業グループの資金需要は、営業活動による主なものは、当企業グループ取扱商品・製品製造のための材料及び部材の購入の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用(人件費、物流関係費用、固定資産維持管理費用、販売促進費その他の営業活動及び総務関連費用)があります。
また、投資活動による主なものは、事業活動の維持拡大に必要な設備投資及び子会社株式の取得等があります。
(資金調達)
当企業グループの営業活動及び投資活動の維持拡大に必要な資金の流動性及び安定性の確保を資金調達の基本方針としております。資金調達は主に内部資金や資産流動化により資金を捻出しておりますが、一時的に運転資金が不足する場合は短期借入金で、設備投資などの長期資金は長期借入金で、それぞれ金融機関から調達しております。
内部資金による資金調達については、取引約定サイト内での確実な債権回収の徹底と必要最低限のたな卸資産での運用で運転資金の圧縮により資金の捻出に努めております。また、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の活用により資金調達の一元化と資金効率化を図っております。
資金流動化による資金調達については、2004年3月より手形債権、2016年5月より売上債権の流動化を実行しており、当連結会計年度において不動産の流動化を実行し資金調達の多様化を図っております。
借入金による資金調達については、当連結会計年度末現在の短期借入金残高は17億円で変動金利による調達であります。また、長期借入金残高は249億17百万円で原則として固定金利による調達であります。
なお、従来より当座借越枠を設定しておりましたが、当連結会計年度において新たにコミットメントライン40億円を設定し、緊急時の流動性を確保しております。
ホ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2018年3月期~2020年3月期までの中期経営計画「GRADE70」の2020年3月期の達成・進捗状況
売上高は、5,200億円の計画に対し、実績5,221億2百万円となり、21億2百万円増(計画比0.4%増)となりました。これは主に、新規取引先の獲得や既存取引先でのシェアーアップ及びM&Aによる連結子会社の増加によるものであります。
ヘ.目標とする経営指標の状況
自己資本の充実による安定的な経営を目指すための自己資本比率は、当連結会計年度では30.0%(前年同期比5.5ポイント増)となり、継続的に企業価値を高めるためのROA(総資産経常利益率)は、当連結会計年度では2.6%(前年同期比0.6ポイント増)及びROE(自己資本当期純利益率)は、当連結会計年度では4.2%(前年同期比2.4ポイント減)となりました。これは主に、東京証券取引所市場第一部への上場に伴い新株式を発行したことにより、「資本金」及び「資本剰余金」が増加したことによるものであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
新型コロナウイルス感染症による影響については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題事項等 (4)会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業業績や雇用・所得環境の改善などを背景に、堅調な動きを示していましたが、相次いだ自然災害の発生、消費増税後の消費行動の停滞に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大とその影響は世界規模でリーマンショックを超える景気悪化を招いております。
当企業グループが主に属する流通業界におきましては、油価の安定は進捗したものの消費者の節約志向型の購買行動の継続や人手不足に起因する労働コストや物流コストの高騰により、引き続き厳しい事業環境となりました。
このような環境の下、当企業グループは、「グッド アンド ビッグカンパニー」を目指し、連結子会社27社、非連結子会社1社及び持分法適用関連会社1社を含め、物流を伴う現物問屋として、安心・安全な商品の安定供給に努めるとともに、情報・物流・リテールサポート・品揃え・品質管理などの各機能を充実させ、総合力を生かした営業体制の構築と物流事業の拡大に努めてまいりました。また、更なる事業拡大と企業価値の向上を図るため、2020年3月23日に東京証券取引所市場第一部への上場を果たしました。
当連結会計年度における売上高は、新規取引先の獲得と既存取引先のシェアーアップや前年子会社化した企業の業績が加わったことで、5,221億2百万円(前年同期比6.8%増)となり、333億97百万円の増収となりました。
一方、利益面におきましては、グループ一丸となって、販売益の確保並びにローコストオペレーションの追求による経費の節減に努力いたしました結果、営業利益は45億4百万円(前年同期比27.0%増)、経常利益は49億59百万円(前年同期比27.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益が前連結会計年度に比べ大幅に減少したことなどから21億55百万円(前年同期比33.1%減)となりました。
なお、セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(食品関連事業)
加工食品関連では、消費者の節約志向や低価格志向は根強く、業態によっては厳しい状況が続いております。このような環境の下、物流・営業コストの削減に努めるとともに、子会社のいんま商事株式会社との連携を図り、菓子カテゴリーの販路拡大に取り組んでまいりました。また、関東地区を中心に新規顧客の獲得を進めてまいりました。
物流においては、お得意先様の変化に対応すべく、物流拠点の統廃合や在庫集約による業務の効率化に取り組み、共同配送事業の拡大と庫内改善活動の強力推進により物流品質の向上や機能充実を図ってまいりました。また、労働人口減少に対応すべく、庫内の機械化による省人化・作業の効率化を進めてまいりました。
生鮮食品関連では、農産物は不安定だった相場が昨年後半から安値で安定、畜産物は輸入原料の相場は下落と上昇を繰り返しましたが、国産鶏肉の相場は荷動きがよく概ね堅調に推移しました。水産物の相場は国産魚類の慢性的な不漁による相場高により厳しい状況が続きました。このような中、青果・精肉・鮮魚・惣菜の生鮮フルラインでの提案を継続し、高品質で安心・安全な商品を供給するため、原料産地との取り組みや商品力・開発力・品質管理技術が高いメーカー様との協力体制を強化してまいりました。
酒類関連では、酒類市場はウィスキー、ハイボール、チューハイの人気は継続し売上は順調に推移しましたが、物流費の高騰や人手不足による労働コストの上昇などにより利益が圧迫される状況が続いております。このような環境の下、当社の柱として取り組んでおります本格焼酎では、恒例の試飲会を福岡・東京・大阪で開催し、焼酎情報機能としてのホームページ「焼酎紀行」を充実させるとともに、「焼酎のヤマエ」として市場の拡大に努めてまいりました。
この結果、売上高は3,817億7百万円(前年同期比3.0%増)となり、セグメント利益は19億32百万円(前年同期比35.0%増)となりました。
(糖粉・飼料畜産関連事業)
糖粉関連では、人口減少に伴う消費低迷や、人手不足が継続する中、小麦粉・砂糖・食用油など主力商品の安定供給と、蕎麦・麦などの醸造用原料などで売上拡大を図ってまいりました。さらにお得意先様に役立つ情報提供と「安心・安全」な商品を適正な価格で安定供給することに努力してまいりました。
飼料畜産関連では、主力商品の配合飼料の価格については、為替の影響などにより前期に比べ値下げとなりましたが、主原料であるトウモロコシ相場は値上げと値下げを繰り返す展開となりました。畜産物については、肉豚相場は前年並みに推移し、鶏卵相場は秋口からの生産減少により価格が回復し前年を上回りました。このような環境の下、お得意先様への技術指導、経営支援などの機能を発揮することで、既存取引先のシェアーアップや新規取引先の獲得に努めてまいりました。
この結果、売上高は707億24百万円(前年同期比0.8%減)となり、セグメント利益は16億16百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
(住宅・不動産関連事業)
住宅関連では、消費増税を背景に住宅着工数が減少傾向で推移する中、プレカットを基盤とした新規販売先の開拓や非住宅木造建築物の販売強化、大手ハウスビルダー様との関係強化及び関連商材販売に取り組みました。また、「地域型住宅グリーン化事業」によりゼロエネルギー住宅や、二酸化炭素の排出抑制に寄与する認定低炭素住宅、そして長期優良住宅を志向する地場工務店様との関係を強化するとともに、当社が西日本地区の総代理店であります「通気断熱WB工法」の市場浸透を推進することで売上拡大に努めてまいりました。さらに、株式会社日装建との連携によるマンション分野への販路拡大、そして昨年度よりグループに加わったハイビック株式会社との協業による商圏拡大など、子会社とのさらなる相乗効果を図ってまいりました。
賃貸事業では、福岡地区においては、企業の新規開設や増床などの動きが活発で、オフィスビルの空室率は低下傾向が続いております。このような環境の下、「安全・安心・快適」なオフィス空間の提供をモットーにビル管理を充実させ、テナントビルの入居者確保に努めてまいりました。
この結果、売上高は549億75百万円(前年同期比68.5%増)となり、セグメント利益は26億16百万円(前年同期比41.0%増)となりました。
(その他)
運送事業では、消費増税後の荷動きが低迷するなか燃料価格の下落が寄与し、収益は改善傾向となりました。しかしながら深刻な乗務員不足など経営環境の厳しさは継続しております。このような環境の下、物流品質の向上、安全管理の徹底、業務の効率化、人材の確保など労働環境の改善に積極的に取り組んでまいりました。
燃料関連事業では、石油製品需要の減少傾向が続く中、世界情勢の不確実性などにより原油相場が激しく変動するなど、取り巻く環境は厳しい状況が続いております。そうした中、卸・直売部門では新電力などの新規事業と、仕入先様との連携強化によりコスト削減に努め、SS(サービスステーション)では提案力向上のためスタッフ教育に力を入れ、競争力強化を図ってまいりました。また、太陽光発電設備は、順調に運用されております。
レンタカー事業では、車は所有せずに使用するという傾向に変化はなく、レンタカーの登録台数・業者数は増加しており、カーシェアリングの台数も増え価格競争が激しくなっています。このような環境の下、個人・法人チャネルはWebによる車両予約が浸透してきましたが前年並みの売上げを確保することができませんでした。損保・代車チャネルは営業力を強化した結果、前年を上回る売上を達成することができました。
情報処理サービス事業では、既存顧客の多くを占める流通業に関しては、消費増税・軽減税率のシステム対応、また食品製造業に関しては食品表示法改正に対応したシステムの受注に努めてまいりました。
この結果、売上高は146億94百万円(前年同期比3.2%増)となり、セグメント利益は3億24百万円(前年同期比33.7%減)となりました。
当連結会計年度における財政状態の主な項目の具体的な分析は、以下のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、917億47百万円(前連結会計年度末は1,031億95百万円)となり、前連結会計年度末と比べて114億48百万円減少しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「現金及び預金」が39億49百万円、「受取手形及び売掛金」が78億97百万円減少したためであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、840億26百万円(前連結会計年度末は977億91百万円)となり、前連結会計年度末と比べて137億65百万円減少しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「建物及び構築物」が34億79百万円、「土地」が42億91百万円、「建設仮勘定」が21億52百万円、「のれん」が16億79百万円、「投資有価証券」が21億99百万円減少したためであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、893億94百万円(前連結会計年度末は1,097億92百万円)となり、前連結会計年度末と比べて203億98百万円減少しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「支払手形及び買掛金」が92億11百万円、「短期借入金」が61億60百万円、「未払法人税等」が13億95百万円減少したためであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、302億62百万円(前連結会計年度末は372億61百万円)となり、前連結会計年度末と比べて69億99百万円減少しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「長期借入金」が60億73百万円、「繰延税金負債」が8億39百万円減少したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、561億16百万円(前連結会計年度末は539億32百万円)となり、前連結会計年度末と比べて21億83百万円増加しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「資本金」が19億48百万円、「資本剰余金」が8億18百万円、「利益剰余金」が17億51百万円増加し、「その他有価証券評価差額金」が12億24百万円、「非支配株主持分」が13億76百万円減少したためであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて39億59百万円減少し、当連結会計年度末には、216億37百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は39億76百万円(前連結会計年度比50.8%減)となり、前連結会計年度に比べて40億99百万円の収入の減少となりました。これは主に、「売上債権の減少額」78億8百万円、「法人税等の支払額」37億43百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は67億86百万円(前連結会計年度は資金の支出79億70百万円)となり、前連結会計年度に比べて147億56百万円の収入の増加となりました。これは主に、「有形固定資産の取得による支出」58億87百万円、「有形固定資産の売却による収入」126億63百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は147億22百万円(前連結会計年度比1,033.4%増)となり、前連結会計年度に比べて134億23百万円の支出の増加となりました。これは主に、「短期借入金の減少額」61億60百万円、「長期借入金の返済による支出」92億24百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 食品関連事業 | 28,226 | △4.2 |
| 住宅・不動産関連事業 | 25,056 | +67.7 |
| その他 | 160 | +111.7 |
| 合計 | 53,443 | +20.2 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 前連結会計年度に比べ、住宅・不動産関連事業の生産高が10,113百万円増加しております。主として2019年3月よりハイビック株式会社を連結の範囲に含めたことによるものであります。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 食品関連事業 | 300,510 | +2.9 |
| 糖粉・飼料畜産関連事業 | 67,700 | △0.8 |
| 住宅・不動産関連事業 | 38,443 | +68.9 |
| その他 | 9,669 | +2.8 |
| 合計 | 416,323 | +6.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 食品関連事業、住宅・不動産関連事業、その他の仕入高には原材料仕入高が含まれております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
5 前連結会計年度に比べ、住宅・不動産関連事業の仕入高が15,682百万円増加しております。主として2019年3月よりハイビック株式会社を連結の範囲に含めたことによるものであります。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 住宅・不動産関連事業 | 20,447 | +32.0 | 10,968 | △29.6 |
| その他 | 192 | +119.3 | 48 | +190.9 |
| 合計 | 20,640 | +32.5 | 11,017 | △29.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 前連結会計年度に比べ、住宅・不動産関連事業の受注高が4,961百万円増加しております。主として2019年3月よりハイビック株式会社を連結の範囲に含めたことによるものであります。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 食品関連事業 | 381,707 | +3.0 |
| 糖粉・飼料畜産関連事業 | 70,724 | △0.8 |
| 住宅・不動産関連事業 | 54,975 | +68.5 |
| その他 | 14,694 | +3.2 |
| 合計 | 522,102 | +6.8 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 前連結会計年度に比べ、住宅・不動産関連事業の販売高が22,347百万円増加しております。主として2019年3月よりハイビック株式会社を連結の範囲に含めたことによるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当企業グループは、過去の実績値や現状等を勘案し合理的に判断し、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は、2021年3月期中に概ね収束するものと仮定し会計上の見積りをしておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりです。
イ.固定資産の減損損失
当企業グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候や把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
ロ.貸倒引当金
当企業グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、支払実績及び信用情報等を査定して販売先に対して与信限度額を設定しており、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払能力が著しく低下した場合、貸倒懸念債権等特定の債権の増加及び貸倒損失の発生による一般債権に係る貸倒実績率の増加により、これらの貸倒引当金の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。
ハ.繰延税金資産
当企業グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当企業グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
イ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ333億97百万円増加し、5,221億2百万円(前年同期比6.8%増)となりました。これは主に、住宅・不動産関連事業におけるM&Aによる連結子会社の増加によるものであります。
各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、食品関連事業が73.1%、糖粉・飼料畜産関連事業が13.6%、住宅・不動産関連事業が10.5%、その他事業が2.8%となりました。
また、2018年3月期~2020年3月期までの中期経営計画「GRADE70」では九州地区以外での商圏拡大を掲げ、九州地区以外の連結売上高に占める割合は当連結会計年度において39.6%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ45億6百万円増加し、485億12百万円(前年同期比10.2%増)となりました。売上総利益率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加し、9.3%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ35億47百万円増加し、440億7百万円(前年同期比8.8%増)となりました。ローコストオペレーションの追求による経費の削減に取り組んでいるものの、食品関連事業では売上高と連動する荷造運搬費が売上高の増加率よりも増加、住宅・不動産関連事業では、M&Aによる連結子会社の増加により増加しました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ9億58百万円増加し、45億4百万円(前年同期比27.0%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、持分法による投資利益の増加により前連結会計年度に比べ1億98百万円増加し、9億51百万円(前年同期比26.4%増)となりました。営業外費用は、東京証券取引所への上場に伴う株式交付費用の発生により前連結会計年度に比べ97百万円増加し、4億96百万円(前年同期比24.3%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ10億60百万円増加し、49億59百万円(前年同期比27.2%増)となりました。
ロ.財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ハ.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
二.当企業グループの資本の財源及び資金の流動性
(手元資金)
手元資金につきましては、保有残高について目標水準を定めておりませんが、事業活動に伴う資金需要に対する機動的な対応や経済情勢悪化の影響に備え、手元資金維持に努めております。
(資金需要)
当企業グループの資金需要は、営業活動による主なものは、当企業グループ取扱商品・製品製造のための材料及び部材の購入の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用(人件費、物流関係費用、固定資産維持管理費用、販売促進費その他の営業活動及び総務関連費用)があります。
また、投資活動による主なものは、事業活動の維持拡大に必要な設備投資及び子会社株式の取得等があります。
(資金調達)
当企業グループの営業活動及び投資活動の維持拡大に必要な資金の流動性及び安定性の確保を資金調達の基本方針としております。資金調達は主に内部資金や資産流動化により資金を捻出しておりますが、一時的に運転資金が不足する場合は短期借入金で、設備投資などの長期資金は長期借入金で、それぞれ金融機関から調達しております。
内部資金による資金調達については、取引約定サイト内での確実な債権回収の徹底と必要最低限のたな卸資産での運用で運転資金の圧縮により資金の捻出に努めております。また、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の活用により資金調達の一元化と資金効率化を図っております。
資金流動化による資金調達については、2004年3月より手形債権、2016年5月より売上債権の流動化を実行しており、当連結会計年度において不動産の流動化を実行し資金調達の多様化を図っております。
借入金による資金調達については、当連結会計年度末現在の短期借入金残高は17億円で変動金利による調達であります。また、長期借入金残高は249億17百万円で原則として固定金利による調達であります。
なお、従来より当座借越枠を設定しておりましたが、当連結会計年度において新たにコミットメントライン40億円を設定し、緊急時の流動性を確保しております。
ホ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2018年3月期~2020年3月期までの中期経営計画「GRADE70」の2020年3月期の達成・進捗状況
売上高は、5,200億円の計画に対し、実績5,221億2百万円となり、21億2百万円増(計画比0.4%増)となりました。これは主に、新規取引先の獲得や既存取引先でのシェアーアップ及びM&Aによる連結子会社の増加によるものであります。
ヘ.目標とする経営指標の状況
自己資本の充実による安定的な経営を目指すための自己資本比率は、当連結会計年度では30.0%(前年同期比5.5ポイント増)となり、継続的に企業価値を高めるためのROA(総資産経常利益率)は、当連結会計年度では2.6%(前年同期比0.6ポイント増)及びROE(自己資本当期純利益率)は、当連結会計年度では4.2%(前年同期比2.4ポイント減)となりました。これは主に、東京証券取引所市場第一部への上場に伴い新株式を発行したことにより、「資本金」及び「資本剰余金」が増加したことによるものであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
新型コロナウイルス感染症による影響については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題事項等 (4)会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。