訂正有価証券報告書-第51期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2016/10/28 15:47
【資料】
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【項目】
135項目
当社グループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、技術革新の激しいエレクトロニクス産業のなかで、半導体及びFPD製造装置のリーディングサプライヤーとして、ビジネスを積極的に展開しております。
当社グループの属するマーケットにおいては、半導体メーカー等、顧客の寡占化が進行しており、既存参入分野において高いポジションを獲得・維持すること、及び新たな製品、技術の確立が重要な課題です。この課題を実現するためには、技術の差別化とともに徹底したコストの削減を含めた競争力強化が必須であるとの課題認識のもと、次の重点施策に注力すべきと考えております。
① ポジション向上のための製品力強化
既存参入分野において高いシェアを獲得・維持するためには、顧客が抱える課題を解決するべく、製品のプロセス性能に加え、生産性、信頼性のさらなる向上が求められております。当社グループといたしましては、エッチング装置、洗浄装置、コータ/デベロッパ、成膜装置など各プロダクトの技術競争力強化を図り、当社ポジションの向上に引き続き努めてまいります。
なかでも市場成長が見込まれるエッチング装置に関しましては、今後重要となる3次元構造のロジック・トランジスタやNANDフラッシュメモリー、また多重露光等の技術に対応する開発を引き続き強化し、事業拡大に取り組んでまいります。
洗浄装置事業につきましては、注力している枚葉ウェット洗浄装置で日本、台湾、韓国顧客における新規量産採用が進行し、これに伴い、今期は洗浄事業における半期ベースでの売上高、収益が過去最高となりました。加えてドライ洗浄装置につきましても、今後、微細化に伴う適用工程数の増加が見込まれており、高性能/高生産性の新製品をリリースし、事業拡大に取り組んでまいります。
FPD製造装置事業につきましては、昨年8月に中国昆山工場から初号機を出荷いたしました。今後も中国顧客のニーズに応えるとともに同工場を活用し、利益率向上を実現してまいります。
② 継続的な成長のためのイノベーション(技術革新)
当社グループは、多様化する製造技術に対応するため新製品開発を引き続き強化し、次世代デバイスで要求される微細化技術への対応、装置の高精度化、信頼性向上、デバイス製造コスト低減のための技術開発などに積極的に取り組んでおります。加えて、次世代メモリーとして注目を集めるMRAM(磁気メモリー)量産のための産学官連携による装置技術の早期確立に注力しております。次世代デバイス技術に関しても、国内外の研究機関の知見を取り入れながら、積極的に開発に取り組んでおります。
また、有機ELパネルの分野におきましては、本年3月にインクジェット方式の有機ELパネル製造装置を新たにリリースいたしました。
今後も有望技術を見据えた戦略的なリソースの集約と効率化を図り、研究開発を進めてまいります。
③ ベスト・ソリューションの追求
当社グループは営業・サービス体制を充実させ、ベスト・ソリューションの早期提供につなげるとともに、顧客の寡占化が進行するなか、将来のニーズを早い段階から把握すべく顧客の近くで評価・開発を行うための体制を整える等、各顧客とのパートナーシップ強化に取り組んでおります。
また、テストシステムやウェーハレベル・パッケージングなどの後工程分野においても、豊富な製品群を抱える当社グループの利点を活かし、複数プロダクトによるベスト・ソリューションを提供してまいります。
さらに、最新鋭装置の販売に加え、既に販売した装置の移設、改造、性能向上、パーツビジネスを手掛けるフィールドソリューション事業においても、世界中で稼働している当社の装置情報、フィールドで蓄積した知見の活用や、効果的かつ効率的に商品、サービスを提供する体制の構築により事業拡大に努めてまいります。
④ 企業の社会的責任としての取り組み
当社グループは「Safety First(安全第一)」の理念に基づき、企業の社会的責任として、企業活動に関わるすべての人が安全に働き、安全に製品を使用し、そして健康であることが重要と考えております。
「技術で環境問題に取り組む」という方針のもと、顧客工場での総合環境負荷低減を図るため、装置使用時の省エネルギー化に向けて、装置本体及び周辺機器のエネルギー使用量削減、装置システム全体としての効率的な運用、顧客工場全体での省エネルギー運用に貢献すべく、活動を進めております。
また、主力工場に太陽光発電設備を導入するなど、当社グループの事業活動や物流においても環境負荷低減活動を推進してまいります。
さらに当社グループは地域に密着した良き企業であり続けるため、地域の方々や様々なステークホルダーとのコミュニケーション活動を通じて信頼関係を構築し、社会とともに発展していきたいと考えております。
加えて、近年関心の高まっております企業の社会的責任(CSR)につきましては、CSR方針を制定するとともに、専任の推進組織を設置し、CSRに対する取り組みをさらに推し進めております。
⑤ アプライド マテリアルズとの経営統合に向けた取り組み
当社とApplied Materials, Inc.(以下、「アプライド マテリアルズ」)は、半導体及びディスプレイ製造装置業界における「グローバル・イノベーター」となることを目指し、平成25年9月24日に株式対価による経営統合(以下、「本経営統合」)の契約を締結いたしました。本経営統合は、当社とアプライド マテリアルズの相互に補完し合う技術と製品の強みを活かすことにより、戦略的に重要な先端技術を提供することを目的としております。当社グループは、本経営統合に向けて、統合準備委員会を組織し、本経営統合に向けた具体的な協議、準備作業を進めております。また、統合持株会社の普通株式の東京証券取引所への上場についても、東京証券取引所や証券保管振替機構等と協議しつつ、鋭意準備を進めております。なお、統合持株会社は外国会社となることから、現在の算出要領に照らして、再上場後は東証株価指数(TOPIX)の構成銘柄には含まれない見込みですが、統合持株会社の株式が日本の投資家各位にとっても魅力あるものとなるよう、引き続き東京証券取引所における流動性の確保に向けて努めてまいります。
以上の重点施策に加え、成長の源泉となる人的資源に関しましては、ビジネス環境の急激な変化に対応できるよう、今後も適材適所の人材配置を実施し、能力開発プログラムの充実に積極的に取り組み、当社グループの飛躍につなげてまいります。また、貢献度に応じた公正な評価・報酬制度を整備し、夢と活力に満ちた会社を実現してまいります。
当社グループは、利益志向の経営のもと、顧客第一主義、製品開発力・技術開発力の向上、国際競争力の強化、従業員の活性化に取り組むことによって、今後も企業価値の向上を図ってまいります。