有価証券報告書-第75期(令和2年10月1日-令和3年9月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染防止対策に加え、国内でのワクチン接種の浸透により感染者数も減少したことで社会経済活動の正常化に向けた動きに加えて海外経済の改善等も寄与し、景況感は一部において好転しつつあるものの、今後の見通しは未だに不透明な状況であります。
食品流通業界におきましては、日常の生活関連消費については消費者の節約志向が根強く、生活防衛意識の高まりが続いております。また、消費者の食生活や購買行動の多様化が進み、小売業の業種・業態を超えた競争が激しくなっております。さらに、コロナ禍からの経済活動の回復を背景とした需給バランスの変化等による原材料価格や原油価格の高騰にアメリカの金融政策等による円安基調も加わり、仕入価格も含めたコストアップが懸念されます。新型コロナウイルスの影響については、消費者の生活スタイルが大きく変化し、家庭内消費に関連する需要は堅調である一方、酒類を中心とした外食関連の需要については低迷が続いております。
このような状況に対して当社グループは、グループミッションである『豊かな食生活を提供して人々の幸せを実現すること』を目指して、デジタル技術も活用しながら、取引先との取組み強化、働き方の改革及び生産性の向上に取り組んでまいりました。そして、新型コロナウイルス感染拡大の中でも、食のインフラを担う食品卸売業として仕入先や得意先、物流関連などの取引先と連携し、食品の安定供給という社会的使命を果たしてまいりました。
海外事業におきましては、今後の当社グループの成長戦略の一つとして位置づけ、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、日本を含めたアジア地域における食品流通事業の強化を進めてまいりました。そして、2020年10月にはマレーシア半島部中南部を営業地域とするMerison (M) Sdn.Bhd.の株式を取得して連結子会社とし、これにより当社グループはマレーシア半島部全域を営業地域とする同国最大級の卸売業グループとなりました。加えて、2021年7月にはベトナム南部を営業地域とするSong Ma Retail Joint Stock Company(現Song Ma Retail Co.,Ltd.)の株式を取得して連結子会社としたことにより同国でも有力な卸売業グループとなり、今後も海外事業全体のさらなる拡大を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前期に比べて2.9%増加して1兆1,371億1百万円となり、営業利益は116億12百万円(前期比0.3%増)、経常利益は132億81百万円(前期比0.5%増)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券評価損等の影響により前期に比べて7.4%減少して83億85百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
<常温流通事業>当社グループの主力事業であります常温流通事業につきましては、新型コロナウイルスの影響により家庭内消費に関連する需要は堅調であるものの、日常の生活関連消費においては節約志向の強さが続いており、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、価格だけに頼らない価値の提供に取り組むために提案型営業をさらに推進し、仕入先との取組み強化及び得意先との関係強化を図るとともに、自社ブランド商品の開発・販売においてもブランド価値・商品価値の訴求を進めてまいりました。加えて、デジタル技術も活用しながら業務の生産性向上に努めてまいりました。
以上の結果、売上高は7,813億73百万円(前期比2.1%増)となり、営業利益は97億41百万円(前期比0.7%増)となりました。
<低温流通事業>低温流通事業につきましては、新型コロナウイルスの影響により、内食需要の高まりが継続していることで家庭内消費に関連する商材は堅調であるものの、外食関連の需要は依然として低迷した状況が続いており、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、新規取引による売上拡大及び利益改善に努めるとともに、業務の効率化や生産性向上によるコスト抑制に取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は1,088億21百万円(前期比4.4%増)となり、営業利益は2億99百万円(前期は営業損失96百万円)となりました。
<酒類流通事業>酒類流通事業につきましては、消費者の低価格志向が続いている一方で、価格と価値が伴った商品や健康志向に対応した機能性商品への需要の拡大が見られ、消費の二極化が一層鮮明になっております。また、飲酒人口の減少や若年層のアルコール離れ、加えて新型コロナウイルスの影響により家庭内消費は増加しているものの、外食を中心とした飲酒機会の減少によって酒類市場は縮小傾向が続いている中、消費者の買い場にも変化が見られ、競争環境が激しくなっております。加えて、物流を中心としたコスト負担も大きく、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、主要取引先との取組み強化及び自販力・提案型営業の強化を進めるとともに、商品毎の利益管理を徹底し、さらに業務の効率化や生産性の向上を図ることでローコストオペレーションに取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は既存得意先との取引拡大も寄与して1,918億93百万円(前期比1.0%増)となりましたが、外食需要の大幅な減少による収益低下の影響が大きく営業利益は2億37百万円(前期比57.5%減)となりました。
<海外事業>海外事業につきましては、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、既存の海外卸売業としてのベースに加え、日本国内で培ってきた営業力の浸透及び経営管理の定着を図ってまいりました。
以上の結果、売上高は2020年10月に株式を取得したMerison (M) Sdn.Bhd.の連結化により485億94百万円(前期比24.9%増)となり、営業利益は新型コロナウイルスの影響によりインバウンド需要が大幅に減少したものの、のれんの償却負担の減少もあり1億62百万円(前期比6.8%増)となりました。
<その他>その他の事業につきましては、物流関連事業がその主な内容であり、売上高は外食関連需要の減少等により135億80百万円(前期比0.4%減)となり、営業利益は11億28百万円(前期比10.5%減)となりました。
② 財政状態の状況
流動資産の残高は、2,555億8百万円となり前期に比べて63億66百万円増加いたしました。
その主な要因は、現金及び預金が減少した一方で、売上債権及びたな卸資産が増加したことによるものであります。(なお、現金及び預金に係る内容の詳細につきましては、連結キャッシュ・フロー計算書をご参照下さい。)
固定資産の残高は、1,285億94百万円となり前期に比べて90億59百万円増加いたしました。その主な要因は、有形固定資産の取得、投資有価証券が時価評価額の上昇等により増加したことによるものであります。
これにより、資産合計は、3,841億2百万円となり前期に比べて154億26百万円増加いたしました。
流動負債の残高は、2,232億55百万円となり前期に比べて90億円増加いたしました。その主な要因は、仕入債務及び短期借入金が増加したことによるものであります。
固定負債の残高は、252億86百万円となり前期に比べて4億29百万円増加いたしました。その主な要因は、投資有価証券の時価評価額の上昇等により繰延税金負債が増加したことによるものであります。
これにより、負債合計は、2,485億42百万円となり前期に比べて94億29百万円増加いたしました。
純資産の部については、公開買付けにより自己株式を31億52百万円取得した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益83億85百万円を計上し、かつ、その他有価証券評価差額金が前期に比べて20億38百万円増加したこと等により、純資産合計は、1,355億60百万円となり前期に比べて59億96百万円増加いたしました。
なお、1株当たり純資産額は、3,757円48銭となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて21億42百万円減少し、813億5百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは142億57百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べて収入が9億35百万円減少いたしました。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益128億96百万円、減価償却費43億65百万円、仕入債務の増加65億円等により資金が増加した一方で、法人税等の支払額46億25百万円、売上債権の増加45億49百万円、たな卸資産の増加17億74百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは93億59百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が71億28百万円増加いたしました。その主な要因は、有形固定資産の取得、Merison (M) Sdn.Bhd.株式及びSong Ma Retail Joint Stock Company(現Song Ma Retail Co.,Ltd.)株式の取得等により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは71億44百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が21億35百万円増加いたしました。その主な要因は、公開買付けによる自己株式の取得によるものであります。
④ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 金額は仕入価格によっております。
4 海外事業セグメントの仕入実績に著しい変動がありますが、これは2020年10月にMerison (M) Sdn.Bhd.の株式を取得して連結子会社としたことによるものであります。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 海外事業セグメントの販売実績に著しい変動がありますが、これは2020年10月にMerison (M) Sdn.Bhd.の株式を取得して連結子会社としたことによるものであります。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)前連結会計年度に記載しておりましたイオンリテール㈱は、同社が担っていたグループ商品調達機能を2020年11月1付でイオン商品調達㈱へ吸収分割方式により承継しております。そのため、当連結会計年度においては、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満となったため、記載を省略しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入費用及び物流センター運営費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は物流機能の充実、情報システムの高度化及び新規事業投資等によるものであります。
また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することとしております。
なお、運転資金及び設備投資資金については、原則内部資金、借入及びリースにより資金調達することとしております。借入及びリースによる資金調達に関しては、運転資金として短期借入金を一部の連結子会社が、運転資金又は設備投資資金として当社及び一部の連結子会社が長期借入金又はリースにより調達しております。その一部はグループ内資金の効率化を目的としグループ会社間で融資を行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、依然として先行きが不透明な状況ではありますが、現時点においては限定的であると考えております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染防止対策に加え、国内でのワクチン接種の浸透により感染者数も減少したことで社会経済活動の正常化に向けた動きに加えて海外経済の改善等も寄与し、景況感は一部において好転しつつあるものの、今後の見通しは未だに不透明な状況であります。
食品流通業界におきましては、日常の生活関連消費については消費者の節約志向が根強く、生活防衛意識の高まりが続いております。また、消費者の食生活や購買行動の多様化が進み、小売業の業種・業態を超えた競争が激しくなっております。さらに、コロナ禍からの経済活動の回復を背景とした需給バランスの変化等による原材料価格や原油価格の高騰にアメリカの金融政策等による円安基調も加わり、仕入価格も含めたコストアップが懸念されます。新型コロナウイルスの影響については、消費者の生活スタイルが大きく変化し、家庭内消費に関連する需要は堅調である一方、酒類を中心とした外食関連の需要については低迷が続いております。
このような状況に対して当社グループは、グループミッションである『豊かな食生活を提供して人々の幸せを実現すること』を目指して、デジタル技術も活用しながら、取引先との取組み強化、働き方の改革及び生産性の向上に取り組んでまいりました。そして、新型コロナウイルス感染拡大の中でも、食のインフラを担う食品卸売業として仕入先や得意先、物流関連などの取引先と連携し、食品の安定供給という社会的使命を果たしてまいりました。
海外事業におきましては、今後の当社グループの成長戦略の一つとして位置づけ、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、日本を含めたアジア地域における食品流通事業の強化を進めてまいりました。そして、2020年10月にはマレーシア半島部中南部を営業地域とするMerison (M) Sdn.Bhd.の株式を取得して連結子会社とし、これにより当社グループはマレーシア半島部全域を営業地域とする同国最大級の卸売業グループとなりました。加えて、2021年7月にはベトナム南部を営業地域とするSong Ma Retail Joint Stock Company(現Song Ma Retail Co.,Ltd.)の株式を取得して連結子会社としたことにより同国でも有力な卸売業グループとなり、今後も海外事業全体のさらなる拡大を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前期に比べて2.9%増加して1兆1,371億1百万円となり、営業利益は116億12百万円(前期比0.3%増)、経常利益は132億81百万円(前期比0.5%増)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券評価損等の影響により前期に比べて7.4%減少して83億85百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
<常温流通事業>当社グループの主力事業であります常温流通事業につきましては、新型コロナウイルスの影響により家庭内消費に関連する需要は堅調であるものの、日常の生活関連消費においては節約志向の強さが続いており、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、価格だけに頼らない価値の提供に取り組むために提案型営業をさらに推進し、仕入先との取組み強化及び得意先との関係強化を図るとともに、自社ブランド商品の開発・販売においてもブランド価値・商品価値の訴求を進めてまいりました。加えて、デジタル技術も活用しながら業務の生産性向上に努めてまいりました。
以上の結果、売上高は7,813億73百万円(前期比2.1%増)となり、営業利益は97億41百万円(前期比0.7%増)となりました。
<低温流通事業>低温流通事業につきましては、新型コロナウイルスの影響により、内食需要の高まりが継続していることで家庭内消費に関連する商材は堅調であるものの、外食関連の需要は依然として低迷した状況が続いており、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、新規取引による売上拡大及び利益改善に努めるとともに、業務の効率化や生産性向上によるコスト抑制に取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は1,088億21百万円(前期比4.4%増)となり、営業利益は2億99百万円(前期は営業損失96百万円)となりました。
<酒類流通事業>酒類流通事業につきましては、消費者の低価格志向が続いている一方で、価格と価値が伴った商品や健康志向に対応した機能性商品への需要の拡大が見られ、消費の二極化が一層鮮明になっております。また、飲酒人口の減少や若年層のアルコール離れ、加えて新型コロナウイルスの影響により家庭内消費は増加しているものの、外食を中心とした飲酒機会の減少によって酒類市場は縮小傾向が続いている中、消費者の買い場にも変化が見られ、競争環境が激しくなっております。加えて、物流を中心としたコスト負担も大きく、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、主要取引先との取組み強化及び自販力・提案型営業の強化を進めるとともに、商品毎の利益管理を徹底し、さらに業務の効率化や生産性の向上を図ることでローコストオペレーションに取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は既存得意先との取引拡大も寄与して1,918億93百万円(前期比1.0%増)となりましたが、外食需要の大幅な減少による収益低下の影響が大きく営業利益は2億37百万円(前期比57.5%減)となりました。
<海外事業>海外事業につきましては、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、既存の海外卸売業としてのベースに加え、日本国内で培ってきた営業力の浸透及び経営管理の定着を図ってまいりました。
以上の結果、売上高は2020年10月に株式を取得したMerison (M) Sdn.Bhd.の連結化により485億94百万円(前期比24.9%増)となり、営業利益は新型コロナウイルスの影響によりインバウンド需要が大幅に減少したものの、のれんの償却負担の減少もあり1億62百万円(前期比6.8%増)となりました。
<その他>その他の事業につきましては、物流関連事業がその主な内容であり、売上高は外食関連需要の減少等により135億80百万円(前期比0.4%減)となり、営業利益は11億28百万円(前期比10.5%減)となりました。
② 財政状態の状況
流動資産の残高は、2,555億8百万円となり前期に比べて63億66百万円増加いたしました。
その主な要因は、現金及び預金が減少した一方で、売上債権及びたな卸資産が増加したことによるものであります。(なお、現金及び預金に係る内容の詳細につきましては、連結キャッシュ・フロー計算書をご参照下さい。)
固定資産の残高は、1,285億94百万円となり前期に比べて90億59百万円増加いたしました。その主な要因は、有形固定資産の取得、投資有価証券が時価評価額の上昇等により増加したことによるものであります。
これにより、資産合計は、3,841億2百万円となり前期に比べて154億26百万円増加いたしました。
流動負債の残高は、2,232億55百万円となり前期に比べて90億円増加いたしました。その主な要因は、仕入債務及び短期借入金が増加したことによるものであります。
固定負債の残高は、252億86百万円となり前期に比べて4億29百万円増加いたしました。その主な要因は、投資有価証券の時価評価額の上昇等により繰延税金負債が増加したことによるものであります。
これにより、負債合計は、2,485億42百万円となり前期に比べて94億29百万円増加いたしました。
純資産の部については、公開買付けにより自己株式を31億52百万円取得した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益83億85百万円を計上し、かつ、その他有価証券評価差額金が前期に比べて20億38百万円増加したこと等により、純資産合計は、1,355億60百万円となり前期に比べて59億96百万円増加いたしました。
なお、1株当たり純資産額は、3,757円48銭となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて21億42百万円減少し、813億5百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは142億57百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べて収入が9億35百万円減少いたしました。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益128億96百万円、減価償却費43億65百万円、仕入債務の増加65億円等により資金が増加した一方で、法人税等の支払額46億25百万円、売上債権の増加45億49百万円、たな卸資産の増加17億74百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは93億59百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が71億28百万円増加いたしました。その主な要因は、有形固定資産の取得、Merison (M) Sdn.Bhd.株式及びSong Ma Retail Joint Stock Company(現Song Ma Retail Co.,Ltd.)株式の取得等により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは71億44百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が21億35百万円増加いたしました。その主な要因は、公開買付けによる自己株式の取得によるものであります。
④ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) | 前年同期比(%) |
| 常温流通事業 (百万円) | 730,471 | 102.2 |
| 低温流通事業 (百万円) | 99,778 | 104.7 |
| 酒類流通事業 (百万円) | 182,271 | 101.1 |
| 海外事業 (百万円) | 45,756 | 127.2 |
| 報告セグメント計 (百万円) | 1,058,277 | 103.1 |
| その他 (百万円) | 6,247 | 97.9 |
| 合計 (百万円) | 1,064,525 | 103.1 |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 金額は仕入価格によっております。
4 海外事業セグメントの仕入実績に著しい変動がありますが、これは2020年10月にMerison (M) Sdn.Bhd.の株式を取得して連結子会社としたことによるものであります。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) | 前年同期比(%) |
| 常温流通事業 (百万円) | 780,898 | 102.2 |
| 低温流通事業 (百万円) | 108,534 | 104.4 |
| 酒類流通事業 (百万円) | 191,861 | 101.0 |
| 海外事業 (百万円) | 48,594 | 124.9 |
| 報告セグメント計 (百万円) | 1,129,888 | 103.0 |
| その他 (百万円) | 7,212 | 96.7 |
| 合計 (百万円) | 1,137,101 | 102.9 |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 海外事業セグメントの販売実績に著しい変動がありますが、これは2020年10月にMerison (M) Sdn.Bhd.の株式を取得して連結子会社としたことによるものであります。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年10月1日 至 2020年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| イオンリテール㈱ | 123,434 | 11.2 | - | - |
(注)前連結会計年度に記載しておりましたイオンリテール㈱は、同社が担っていたグループ商品調達機能を2020年11月1付でイオン商品調達㈱へ吸収分割方式により承継しております。そのため、当連結会計年度においては、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満となったため、記載を省略しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入費用及び物流センター運営費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は物流機能の充実、情報システムの高度化及び新規事業投資等によるものであります。
また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することとしております。
なお、運転資金及び設備投資資金については、原則内部資金、借入及びリースにより資金調達することとしております。借入及びリースによる資金調達に関しては、運転資金として短期借入金を一部の連結子会社が、運転資金又は設備投資資金として当社及び一部の連結子会社が長期借入金又はリースにより調達しております。その一部はグループ内資金の効率化を目的としグループ会社間で融資を行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、依然として先行きが不透明な状況ではありますが、現時点においては限定的であると考えております。