有価証券報告書-第74期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、2019年10月からの消費税増税による消費の低迷や米国と中国の通商問題の長期化による世界経済の減速が見られる中で、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、生産や消費に持ち直しの動きが見られるものの、先行きについては全く見通せない状況となりました。
食品流通業界におきましては、日常の生活関連消費については消費者の節約志向が根強く、消費税増税により生活防衛意識がさらに高まっております。一方で、消費者の生活スタイルの変化等により、食生活や購買行動の多様化が進み、小売業の業種・業態を超えた競争が激しくなっております。さらに、人手不足や働き方改革等に伴う物流を中心としたコスト負担も大きく、厳しい経営環境で推移いたしました。新型コロナウイルス感染拡大の影響に関しては、家庭内消費に関連する需要が増大する一方、外食関連の需要については一部において持ち直しの動きが見られるものの減少傾向が続いております。
このような状況に対して当社グループは、グループミッションである『豊かな食生活を提供して人々の幸せを実現すること』を目指して、取引先との取組みを強化し、提案型営業をさらに推進するなど卸売業としての営業機能を強化するとともに、自社ブランド商品の開発・拡売により収益の確保を図りました。加えて、負担が増大する物流費をはじめとした諸経費に関しては物流関連業務の見直しや業務の標準化推進に取り組むことで生産性を向上させ、経営の効率化を進めてまいりました。そして、新型コロナウイルス感染拡大の中でも、食のインフラを担う食品卸売業として仕入先や得意先、物流関連などの取引先と連携し、食品の安定供給という社会的使命を果たしてまいりました。
海外事業におきましては、今後の当社グループの成長戦略の一つとして位置づけ、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、日本を含めたアジア地域における食品流通事業の強化を進めてまいりました。そして、2020年10月にはマレーシア半島部中南部を営業地域とするMerison (M) Sdn.Bhd.の株式取得が完了し、これにより当社グループはマレーシア半島部全域を営業地域とする同国最大級の卸売業グループとなります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前期に比べて3.9%増加して1兆1,046億95百万円となり、営業利益は115億74百万円(前期比7.2%増)、経常利益は132億9百万円(前期比5.6%増)となりました。そして、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益等の影響もあり前期に比べて26.6%増加して90億51百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
<常温流通事業>当社グループの主力事業であります常温流通事業につきましては、日常の生活関連消費における節約志向の強さが続いている一方で、食生活や購買行動の多様化が進み、小売業の業種・業態を超えた競争が激しくなっております。さらに、物流を中心としたコスト負担も大きく、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、価格だけに頼らない価値の提供に取り組むために提案型営業をさらに推進し、仕入先との取組み強化及び得意先との関係強化を図るとともに、自社ブランド商品の開発・販売においてもブランド価値・商品価値の訴求を進めてまいりました。加えて、物流関連業務の見直しや業務の標準化推進に取り組むことで生産性向上及び諸経費の抑制にも努めました。
以上の結果、売上高は新型コロナウイルスの影響により家庭内消費に関連する需要が増大したこともあり7,649億38百万円(前期比6.3%増)となり、営業利益は物流コスト等が増加したものの売上伸長によって売上総利益額が増加したこと等により96億71百万円(前期比17.8%増)となりました。
<低温流通事業>低温流通事業につきましては、個人消費の低迷や新しい生活様式による需要の変化に加え、人手不足等による人件費の増加や物流コストの上昇など厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、商品提案や企画提案を積極的に行い、売上拡大及び利益改善に努めるとともに、生産性向上によるコスト抑制に一層注力してまいりました。
以上の結果、売上高は新型コロナウイルスの影響により家庭内消費に関連する需要が増大した一方で、外食関連需要が大きく減少して1,042億69百万円(前期比0.8%増)にとどまり、売上総利益の改善が図れたものの物流コスト等の増加により営業損失96百万円(前期は営業利益2億5百万円)となりました。
<酒類流通事業>酒類流通事業につきましては、消費者の低価格志向が続いている一方で、価格と価値が伴った上級品やこだわり商品、健康志向に対応した機能性商品への需要の拡大が見られ、消費の二極化が一層鮮明になっております。また、飲酒人口の減少や若年層のアルコール離れによって酒類市場の縮小傾向が続いており、さらに消費税増税後の消費者の嗜好の変化や購買意欲の減少、本年10月からの酒税改定の影響により先行きは不透明な状況にあります。加えて、人手不足等による物流費の上昇もあり、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、主要取引先との取組み強化及び自販力・提案型営業の強化を進めるとともに、商品毎の利益管理を徹底し、さらに業務の効率化や生産性の向上を図ることでローコストオペレーションに取り組みました。
以上の結果、売上高は既存得意先との取引拡大や新型コロナウイルスによる家庭内消費に関連する需要が増大したものの、消費税増税前の駆け込み需要に対する反動減及び外食関連需要の減少の影響があり1,900億48百万円(前期比1.3%減)となり、物流コスト等の増加も加わって営業利益は5億58百万円(前期比49.5%減)となりました。
<海外事業>海外事業につきましては、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、既存の海外卸売業としてのベースに加え、日本国内で培ってきた営業力の浸透及び経営管理の定着を図ってまいりました。
以上の結果、売上高は従前の取扱いブランドのうち不採算取引の見直し及び一部ブランドの取引形態の変更に加えて、新型コロナウイルスの影響による事業活動の制限も一部あり389億4百万円(前期比5.7%減)となり、営業利益はのれんの償却負担の影響もあり1億51百万円(前期は営業損失0百万円)となりました。
<その他>その他の事業につきましては、物流関連事業がその主な内容であり、売上高は物量の増加等により136億36百万円(前期比2.3%増)となり、営業利益は諸経費の抑制等により12億61百万円(前期比2.6%増)となりました。
② 財政状態の状況
流動資産の残高は、2,491億41百万円となり前期に比べて128億97百万円増加いたしました。
その主な要因は、現金及び預金、売上債権が増加したことによるものであります。(なお、現金及び預金に係る内容の詳細につきましては、連結キャッシュ・フロー計算書をご参照下さい。)
固定資産の残高は、1,195億34百万円となり前期に比べて21億45百万円増加いたしました。その主な要因は、有形固定資産の取得、投資有価証券が時価評価額の上昇等により増加したことによるものであります。
これにより、資産合計は、3,686億76百万円となり前期に比べて150億43百万円増加いたしました。
流動負債の残高は、2,142億55百万円となり前期に比べて41億72百万円増加いたしました。その主な要因は、仕入債務が増加したことによるものであります。
固定負債の残高は、248億57百万円となり前期に比べて12億10百万円増加いたしました。その主な要因は、投資有価証券の時価評価額の上昇等により繰延税金負債が増加したことによるものであります。
これにより、負債合計は、2,391億12百万円となり前期に比べて53億82百万円増加いたしました。
純資産の部については、親会社株主に帰属する当期純利益90億51百万円を計上し、かつ、その他有価証券評価差額金が前期に比べて27億9百万円増加したこと等により、純資産合計は、1,295億63百万円となり前期に比べて96億60百万円増加いたしました。
なお、1株当たり純資産額は、3,497円82銭となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて78億59百万円増加し、834億47百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは151億93百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べて収入が19億38百万円減少いたしました。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益136億66百万円、減価償却費39億25百万円、仕入債務の増加44億97百万円等により資金が増加した一方で、法人税等の支払額38億13百万円、売上債権の増加12億51百万円、たな卸資産の増加11億51百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは22億31百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が45億58百万円減少いたしました。その主な要因は、投資有価証券の取得による支出が前連結会計年度に比べて減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは50億8百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が5億28百万円増加いたしました。その主な要因は、前連結会計年度に比べて自己株式の取得による支出が減少した一方で、短期借入金の返済による支出が増加したことによるものであります。
④ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 金額は仕入価格によっております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入費用及び物流センター運営費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は物流機能の充実、情報システムの高度化及び新規事業投資等によるものであります。
また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することとしております。
なお、運転資金及び設備投資資金については、原則内部資金、借入及びリースにより資金調達することとしております。借入及びリースによる資金調達に関しては、運転資金として短期借入金を一部の連結子会社が、運転資金又は設備投資資金として当社及び一部の連結子会社が長期借入金又はリースにより調達しております。その一部はグループ内資金の効率化を目的としグループ会社間で融資を行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、先行きが不透明な状況ではありますが、現時点においては限定的であると考えております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、2019年10月からの消費税増税による消費の低迷や米国と中国の通商問題の長期化による世界経済の減速が見られる中で、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、生産や消費に持ち直しの動きが見られるものの、先行きについては全く見通せない状況となりました。
食品流通業界におきましては、日常の生活関連消費については消費者の節約志向が根強く、消費税増税により生活防衛意識がさらに高まっております。一方で、消費者の生活スタイルの変化等により、食生活や購買行動の多様化が進み、小売業の業種・業態を超えた競争が激しくなっております。さらに、人手不足や働き方改革等に伴う物流を中心としたコスト負担も大きく、厳しい経営環境で推移いたしました。新型コロナウイルス感染拡大の影響に関しては、家庭内消費に関連する需要が増大する一方、外食関連の需要については一部において持ち直しの動きが見られるものの減少傾向が続いております。
このような状況に対して当社グループは、グループミッションである『豊かな食生活を提供して人々の幸せを実現すること』を目指して、取引先との取組みを強化し、提案型営業をさらに推進するなど卸売業としての営業機能を強化するとともに、自社ブランド商品の開発・拡売により収益の確保を図りました。加えて、負担が増大する物流費をはじめとした諸経費に関しては物流関連業務の見直しや業務の標準化推進に取り組むことで生産性を向上させ、経営の効率化を進めてまいりました。そして、新型コロナウイルス感染拡大の中でも、食のインフラを担う食品卸売業として仕入先や得意先、物流関連などの取引先と連携し、食品の安定供給という社会的使命を果たしてまいりました。
海外事業におきましては、今後の当社グループの成長戦略の一つとして位置づけ、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、日本を含めたアジア地域における食品流通事業の強化を進めてまいりました。そして、2020年10月にはマレーシア半島部中南部を営業地域とするMerison (M) Sdn.Bhd.の株式取得が完了し、これにより当社グループはマレーシア半島部全域を営業地域とする同国最大級の卸売業グループとなります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前期に比べて3.9%増加して1兆1,046億95百万円となり、営業利益は115億74百万円(前期比7.2%増)、経常利益は132億9百万円(前期比5.6%増)となりました。そして、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益等の影響もあり前期に比べて26.6%増加して90億51百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
<常温流通事業>当社グループの主力事業であります常温流通事業につきましては、日常の生活関連消費における節約志向の強さが続いている一方で、食生活や購買行動の多様化が進み、小売業の業種・業態を超えた競争が激しくなっております。さらに、物流を中心としたコスト負担も大きく、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、価格だけに頼らない価値の提供に取り組むために提案型営業をさらに推進し、仕入先との取組み強化及び得意先との関係強化を図るとともに、自社ブランド商品の開発・販売においてもブランド価値・商品価値の訴求を進めてまいりました。加えて、物流関連業務の見直しや業務の標準化推進に取り組むことで生産性向上及び諸経費の抑制にも努めました。
以上の結果、売上高は新型コロナウイルスの影響により家庭内消費に関連する需要が増大したこともあり7,649億38百万円(前期比6.3%増)となり、営業利益は物流コスト等が増加したものの売上伸長によって売上総利益額が増加したこと等により96億71百万円(前期比17.8%増)となりました。
<低温流通事業>低温流通事業につきましては、個人消費の低迷や新しい生活様式による需要の変化に加え、人手不足等による人件費の増加や物流コストの上昇など厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、商品提案や企画提案を積極的に行い、売上拡大及び利益改善に努めるとともに、生産性向上によるコスト抑制に一層注力してまいりました。
以上の結果、売上高は新型コロナウイルスの影響により家庭内消費に関連する需要が増大した一方で、外食関連需要が大きく減少して1,042億69百万円(前期比0.8%増)にとどまり、売上総利益の改善が図れたものの物流コスト等の増加により営業損失96百万円(前期は営業利益2億5百万円)となりました。
<酒類流通事業>酒類流通事業につきましては、消費者の低価格志向が続いている一方で、価格と価値が伴った上級品やこだわり商品、健康志向に対応した機能性商品への需要の拡大が見られ、消費の二極化が一層鮮明になっております。また、飲酒人口の減少や若年層のアルコール離れによって酒類市場の縮小傾向が続いており、さらに消費税増税後の消費者の嗜好の変化や購買意欲の減少、本年10月からの酒税改定の影響により先行きは不透明な状況にあります。加えて、人手不足等による物流費の上昇もあり、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、主要取引先との取組み強化及び自販力・提案型営業の強化を進めるとともに、商品毎の利益管理を徹底し、さらに業務の効率化や生産性の向上を図ることでローコストオペレーションに取り組みました。
以上の結果、売上高は既存得意先との取引拡大や新型コロナウイルスによる家庭内消費に関連する需要が増大したものの、消費税増税前の駆け込み需要に対する反動減及び外食関連需要の減少の影響があり1,900億48百万円(前期比1.3%減)となり、物流コスト等の増加も加わって営業利益は5億58百万円(前期比49.5%減)となりました。
<海外事業>海外事業につきましては、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、既存の海外卸売業としてのベースに加え、日本国内で培ってきた営業力の浸透及び経営管理の定着を図ってまいりました。
以上の結果、売上高は従前の取扱いブランドのうち不採算取引の見直し及び一部ブランドの取引形態の変更に加えて、新型コロナウイルスの影響による事業活動の制限も一部あり389億4百万円(前期比5.7%減)となり、営業利益はのれんの償却負担の影響もあり1億51百万円(前期は営業損失0百万円)となりました。
<その他>その他の事業につきましては、物流関連事業がその主な内容であり、売上高は物量の増加等により136億36百万円(前期比2.3%増)となり、営業利益は諸経費の抑制等により12億61百万円(前期比2.6%増)となりました。
② 財政状態の状況
流動資産の残高は、2,491億41百万円となり前期に比べて128億97百万円増加いたしました。
その主な要因は、現金及び預金、売上債権が増加したことによるものであります。(なお、現金及び預金に係る内容の詳細につきましては、連結キャッシュ・フロー計算書をご参照下さい。)
固定資産の残高は、1,195億34百万円となり前期に比べて21億45百万円増加いたしました。その主な要因は、有形固定資産の取得、投資有価証券が時価評価額の上昇等により増加したことによるものであります。
これにより、資産合計は、3,686億76百万円となり前期に比べて150億43百万円増加いたしました。
流動負債の残高は、2,142億55百万円となり前期に比べて41億72百万円増加いたしました。その主な要因は、仕入債務が増加したことによるものであります。
固定負債の残高は、248億57百万円となり前期に比べて12億10百万円増加いたしました。その主な要因は、投資有価証券の時価評価額の上昇等により繰延税金負債が増加したことによるものであります。
これにより、負債合計は、2,391億12百万円となり前期に比べて53億82百万円増加いたしました。
純資産の部については、親会社株主に帰属する当期純利益90億51百万円を計上し、かつ、その他有価証券評価差額金が前期に比べて27億9百万円増加したこと等により、純資産合計は、1,295億63百万円となり前期に比べて96億60百万円増加いたしました。
なお、1株当たり純資産額は、3,497円82銭となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて78億59百万円増加し、834億47百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは151億93百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べて収入が19億38百万円減少いたしました。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益136億66百万円、減価償却費39億25百万円、仕入債務の増加44億97百万円等により資金が増加した一方で、法人税等の支払額38億13百万円、売上債権の増加12億51百万円、たな卸資産の増加11億51百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは22億31百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が45億58百万円減少いたしました。その主な要因は、投資有価証券の取得による支出が前連結会計年度に比べて減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは50億8百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が5億28百万円増加いたしました。その主な要因は、前連結会計年度に比べて自己株式の取得による支出が減少した一方で、短期借入金の返済による支出が増加したことによるものであります。
④ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年10月1日 至 2020年9月30日) | 前年同期比(%) |
常温流通事業 (百万円) | 714,486 | 106.5 |
低温流通事業 (百万円) | 95,323 | 100.8 |
酒類流通事業 (百万円) | 180,334 | 98.9 |
海外事業 (百万円) | 35,985 | 93.1 |
報告セグメント計 (百万円) | 1,026,130 | 104.0 |
その他 (百万円) | 6,383 | 102.4 |
合計 (百万円) | 1,032,513 | 104.0 |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 金額は仕入価格によっております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年10月1日 至 2020年9月30日) | 前年同期比(%) |
常温流通事業 (百万円) | 764,349 | 106.3 |
低温流通事業 (百万円) | 103,966 | 100.8 |
酒類流通事業 (百万円) | 190,016 | 98.7 |
海外事業 (百万円) | 38,904 | 94.3 |
報告セグメント計 (百万円) | 1,097,236 | 103.9 |
その他 (百万円) | 7,458 | 102.7 |
合計 (百万円) | 1,104,695 | 103.9 |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2019年10月1日 至 2020年9月30日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
イオンリテール㈱ | 117,352 | 11.0 | 123,434 | 11.2 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入費用及び物流センター運営費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は物流機能の充実、情報システムの高度化及び新規事業投資等によるものであります。
また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することとしております。
なお、運転資金及び設備投資資金については、原則内部資金、借入及びリースにより資金調達することとしております。借入及びリースによる資金調達に関しては、運転資金として短期借入金を一部の連結子会社が、運転資金又は設備投資資金として当社及び一部の連結子会社が長期借入金又はリースにより調達しております。その一部はグループ内資金の効率化を目的としグループ会社間で融資を行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、先行きが不透明な状況ではありますが、現時点においては限定的であると考えております。