有価証券報告書-第78期(2023/10/01-2024/09/30)

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2024/12/23 10:04
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較・分析にあたっては暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による生活支援に関する政策効果等により景況感は緩やかに回復しておりますが、欧米における高い金利水準の継続及び中国経済の停滞に伴う海外景気の下振れリスクや中東情勢の緊迫化、日銀のマイナス金利解除後の金利政策や円相場への影響など、国内景気の先行きは不透明な状態が続いております。
食品流通業界におきましては、消費者の食生活や購買行動の多様化が進むとともに、小売業の業種・業態を超えた競争が激しくなっております。さらに、原材料価格も含めた仕入価格やエネルギー価格等の上昇に一巡感が出てきたものの、高水準な賃上げによる人件費の上昇や物流の2024年問題などによりコストアップの流れが再燃し、今後も商品の値上げが継続的に実施されることが想定されます。また、消費者の所得環境は改善されることが期待される一方、商品やサービスの値上げに対する負担感がさらに増すことで、節約志向の進行による消費マインドの冷え込みが強まり、日常の生活関連消費については生活防衛意識が一層強くなると予想されます。
このような状況に対して当社グループは、グループミッションである『豊かな食生活を提供して人々の幸せを実現すること』を目指して、デジタル技術の活用も含めた取引先との取組み強化、業務の生産性向上及び人材の育成・活性化に取り組み、付加価値を高める営業活動・業務活動を進めてまいりました。そして、2023年10月には、当社のジャム類等の製造事業を株式会社グリーンウッドファクトリー(兵庫興農株式会社より商号変更)へ承継し、グループ内で卸売事業と製造事業に特化する体制へ変更することにより、製造機能の充実と事業の成長を目指してまいります。また、菓子卸売事業の中間持株会社である加藤菓子ホールディングス株式会社を設立し、管理業務の集約化・一元化等を通してさらなる生産性の向上と営業力の強化を進め、今後の菓子卸売事業拡大の基盤を構築してまいります。
海外事業におきましては、今後の当社グループの成長戦略の一つとして位置づけ、マレーシア・ベトナム・シンガポール・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、日本を含めたアジア地域における食品流通事業の強化を進めてまいりました。そして、2023年10月にはシンガポールの食品卸売会社であるTeo Soon Seng Pte.Ltd.の株式を取得して連結子会社とし、同国での確固たる卸売業グループとなることを目指し、今後も東南アジアを中心に海外事業全体のさらなる拡大を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度における営業収益は、既存得意先を中心とした取引の増大に加えて、外食関連需要の回復による取引の増加もあり、前期に比べて6.4%増加して1兆1,698億34百万円となりましたが、高水準な賃上げの影響に伴う諸経費の増加等により営業利益は168億56百万円(前期比0.7%増)、経常利益は186億97百万円(前期比1.1%増)となりました。そして、親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益や海外子会社に係るのれんの減損損失等を計上したこともあり、前期に比べて20.5%増加の144億59百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
<常温流通事業>当社グループの主力事業であります常温流通事業につきましては、家庭内消費に関連する需要は堅調に推移しておりますが、原材料価格も含めた仕入価格やエネルギー価格等の上昇に一巡感が出てきたものの、高水準な賃上げによる人件費の上昇や物流の2024年問題などによりコストアップの流れが再燃し、商品の値上げが継続的に実施されることが想定されます。また、消費者の所得環境は改善されることが期待される一方、商品やサービスの値上げに対する負担感がさらに増すことで、節約志向の進行による消費マインドの冷え込みが強まり、日常の生活関連消費については生活防衛意識が一層強くなると予想されます。
このような状況に対して、価格だけに頼らない価値の提供に向けて、提案型営業の一層の推進や卸売業としての役割・機能の進化を通して、仕入先との取組み強化及びデジタル技術の活用も含めた得意先との関係強化を図るとともに、業務の生産性向上及び人材の育成・活性化に努めてまいりました。
以上の結果、営業収益は7,170億15百万円(前期比5.2%増)となりましたが、高水準な賃上げの影響に伴う諸経費の増加等により営業利益は130億29百万円(前期比0.1%減)となりました。
<低温流通事業>低温流通事業につきましては、原材料費やエネルギーコストの上昇による商品の値上げが頻繁に行われ、消費者の生活防衛意識が高まるとともに、人件費をはじめとした各種コストの増加等、依然として厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、付加価値商品の積極的な提案を継続して行い、取引先との関係強化を図るとともに、コスト削減に向けた業務効率化に取り組んでまいりました。
以上の結果、営業収益は1,143億64百万円(前期比1.6%増)となり、営業利益は12億83百万円(前期比28.2%増)となりました。
<酒類流通事業>酒類流通事業につきましては、外食関連需要やインバウンド需要が回復しているものの、飲酒人口の減少や若年層のアルコール離れ等により消費の規模は縮小傾向が続いております。さらに原材料やエネルギー価格の上昇、物流面におけるコストアップにより商品の値上げが断続的に実施されている状況にあり、2023年10月の酒税法改正等を背景に消費の二極化がより一層鮮明になっている中で、今後の消費者の購買動向によっては企業間の競争が一層激しさを増す厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況に対して、主要取引先との取組み強化、自販力の強化及び得意先の要望に応じた提案型営業の強化を図るとともに、利益管理を徹底し、業務の効率化や生産性の向上を図り、ローコストオペレーションに取り組んでまいりました。
以上の結果、営業収益は、既存得意先との取引増大に加えて外食需要の回復も寄与し、2,452億11百万円(前期比8.0%増)となり、営業利益は19億74百万円(前期比10.6%増)となりました。
<海外事業>海外事業につきましては、マレーシア・ベトナム・シンガポール・中国国内での食品等卸売事業の展開を図っており、既存の海外卸売業としてのベースに加え、日本国内で培ってきた営業力の浸透及び経営管理の定着と、各国でのプロモーションの強化、取り扱いブランドの新規獲得、現地企業間でのシナジーの創出に取り組んでまいりました。
以上の結果、営業収益につきましては、2023年4月に株式を取得したNam Khai Phu Service Trading Production Co.,Ltd.(以下、NKP社)及び同年10月に株式を取得したTeo Soon Seng Pte.Ltd.の連結化に加えて、為替変動の影響もあり、893億28百万円(前期比19.6%増)となりました。
営業利益につきましては、新規連結を行ったNKP社の在庫適正化への取組み、並びにマレーシアでの主要サプライヤーブランドの一部の政策変更による当該ブランドの取り扱い減少、世界情勢の変化に伴う一部欧米系取り扱いブランドの消費不振に加えて、上記2社ののれん償却費等の増加もあり、営業損失2億3百万円(前期は営業利益2億94百万円)となりました。
<その他>その他の事業につきましては、物流関連事業がその主な内容であり、営業収益は、物量の増加等により119億25百万円(前期比8.6%増)となり、営業利益は諸経費等の増加により5億14百万円(前期比3.1%増)となりました。
② 財政状態の状況
流動資産の残高は、3,055億32百万円となり前期に比べて58億45百万円減少いたしました。
その主な要因は、現金及び預金、棚卸資産が増加した一方で、売上債権が減少したことによるものであります。(なお、現金及び預金に係る内容の詳細につきましては、連結キャッシュ・フロー計算書をご参照下さい。)
固定資産の残高は、1,491億56百万円となり前期に比べて75億68百万円増加いたしました。その主な要因は、有形固定資産の取得及び投資有価証券の時価評価額の上昇等によるものであります。
これにより、資産合計は、4,546億88百万円となり前期に比べて17億22百万円増加いたしました。
流動負債の残高は、2,659億26百万円となり前期に比べて63億25百万円減少いたしました。その主な要因は、未払法人税等が増加した一方で、仕入債務が減少したことによるものであります。
固定負債の残高は、259億10百万円となり前期に比べて9億6百万円増加いたしました。その主な要因は、投資有価証券の時価評価額の増加等により繰延税金負債が増加したことによるものであります。
これにより、負債合計は、2,918億37百万円となり前期に比べて54億19百万円減少いたしました。
純資産の部については、公開買付けにより自己株式を91億3百万円取得した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益144億59百万円を計上し、かつ、その他有価証券評価差額金が前期に比べて22億40百万円増加したこと等により、純資産合計は、1,628億50百万円となり前期に比べて71億41百万円増加いたしました。
なお、1株当たり純資産額は、4,997円86銭となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて67億16百万円増加し、902億68百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは258億68百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べて収入が111億88百万円増加いたしました。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益233億46百万円、売上債権の減少184億92百万円、減価償却費54億60百万円等により資金が増加した一方で、仕入債務の減少97億49百万円、法人税等の支払額59億84百万円、投資有価証券売却益59億17百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは36億92百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が53億13百万円減少いたしました。その主な要因は、投資有価証券の売却により資金が増加した一方で、有形固定資産の取得及びTeo Soon Seng Pte.Ltd.株式の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは156億54百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて支出が111億95百万円増加いたしました。その主な要因は、公開買付けによる自己株式の取得及び配当金の支払等によるものであります。
④ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年10月1日
至 2024年9月30日)
前年同期比(%)
常温流通事業 (百万円)661,107105.1
低温流通事業 (百万円)104,078100.6
酒類流通事業 (百万円)234,437107.7
海外事業 (百万円)82,885118.5
報告セグメント計 (百万円)1,082,509106.1
その他 (百万円)5,769109.1
合計 (百万円)1,088,279106.1

(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は仕入価格及びその他の原価によっております。
3 海外事業セグメントの仕入実績に著しい変動がありますが、これは主に2023年4月にNKP社、同年10月にTeo Soon Seng Pte.Ltd.の株式を取得して連結子会社としたこと及び為替変動の影響によるものであります。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年10月1日
至 2024年9月30日)
前年同期比(%)
常温流通事業 (百万円)716,628105.2
低温流通事業 (百万円)114,300101.8
酒類流通事業 (百万円)245,170108.0
海外事業 (百万円)89,328119.6
報告セグメント計 (百万円)1,165,428106.4
その他 (百万円)4,405105.3
合計 (百万円)1,169,834106.4

(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は営業収益によっております。
3 海外事業セグメントの販売実績に著しい変動がありますが、これは主に2023年4月にNKP社、同年10月にTeo Soon Seng Pte.Ltd.の株式を取得して連結子会社としたこと及び為替変動の影響によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入費用及び物流センター運営費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は物流機能の充実、情報システムの高度化及び新規事業投資等によるものであります。
また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することとしております。
なお、運転資金及び設備投資資金については、原則内部資金、借入及びリースにより資金調達することとしております。借入及びリースによる資金調達に関しては、運転資金として短期借入金を一部の連結子会社が、運転資金又は設備投資資金として当社及び一部の連結子会社が長期借入金又はリースにより調達しております。その一部はグループ内資金の効率化を目的としグループ会社間で融資を行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

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