四半期報告書-第80期第3四半期(平成30年9月1日-平成30年11月30日)
有報資料
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善により景気は緩やかな回復が続きましたが、海外経済の不透明感や国内での豪雨・台風・地震などの相次ぐ自然災害を受け、消費者マインドは停滞感が続きました。
このような状況の下、当社グループは、中期経営計画(2017年度~2021年度)の2年目として、計画に基づく事業展開を推進いたしました。
当第3四半期連結累計期間におきましては、3月の原宿ゼロゲート開業や4月の川崎ゼロゲート(仮称)の出店決定、8月の京都ゼロゲート全館オープンに加え、9月には三宮ゼロゲートを一部先行開業するなど都市部における拠点開発を着実に進行いたしました。
パルコ店舗事業では、商業施設競合の激化やアパレル企業のEC拡大などの外部環境の変化を受け、衣料品を中心に取扱高への影響がある中、将来の成長に向けて時代に即したテナント構成の再編や独自性ある動員企画の開発を強化いたしました。また、次世代商業施設の構築に向けてインキュベーション機能の拡充を目的とした新たなスペースの設置やテナントサポート(スタートアップ)システムの開始、ICTを活用した新しい買い物体験の提案に向けたパルコ公式スマートフォンアプリ『POCKET PARCO』のリニューアルをいたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたが、当社グループの当第3四半期連結累計期間における業績は、前年同期におけるエンタテインメント事業の大型公演や、総合空間事業の大型案件の反動などにより営業収益は662億72百万円(前年同期比97.1%)、前年同期におけるその他の収益の計上差額などにより営業利益は81億39百万円(前年同期比84.3%)、税引前四半期利益78億82百万円(前年同期比83.0%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は54億19百万円(前年同期比83.3%)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりです。
<ショッピングセンター事業>ショッピングセンター事業の営業収益は381億76百万円(前年同期比99.8%)、前年同期におけるその他の収益の計上差額などにより営業利益は82億13百万円(前年同期比86.8%)となりました。
なお、パルコテナント取扱高(※1)は、1,828億94百万円、前年同期比は99.0%となりました。
パルコ店舗事業につきましては、消費者価値観や購買行動の変化への対応に向けテナント構成の再編やアイテムの拡充を図るとともに、2019年度開業予定の新生渋谷パルコを見据え、テクノロジーの活用による新しい消費体験や顧客サービスの提供を推進いたしました。また、新進テナントに向けたインキュベーション機能の拡充を目的として、都心型店舗7店舗にインキュベーションスペースとして『UP NEXT』をオープンし新規企業との取り組みを強化したほか、計12社の支援協力会社との連携・協働のもと、金融・店舗運営・物流生産等の支援をするテナントサポート(スタートアップ)システムを開始いたしました。
店舗政策につきましては、「都心型店舗(※2)」、「コミュニティ型店舗(※3)」の2類型でのストアブランド進化と確立に向け、以下の政策を実施いたしました。
(※1) パルコテナント取扱高は、パルコ店舗におけるテナント売上高であります。
(※2) 都心型店舗は、札幌パルコ、仙台パルコ、池袋パルコ、パルコヤ上野(2017年11月4日開業)、渋谷パルコ(2016年8月8日よりPART1・PART3は一時休業)、静岡パルコ、名古屋パルコ、広島パルコ、福岡パルコとなります。
(※3) コミュニティ型店舗は、宇都宮パルコ、浦和パルコ、新所沢パルコ、津田沼パルコ、ひばりが丘パルコ、吉祥寺パルコ、調布パルコ、松本パルコ、熊本パルコとなります。
[都心型店舗]
都市型ライフスタイルを享受する高感度な大人に向け、名古屋パルコ・池袋パルコ・広島パルコではマーケット内初出店の人気コスメショップ、カップル消費に対応できるメンズ・レディス複合ショップを導入いたしました。また、各都心型店舗にてコト消費ニーズへの対応に向け、話題性のある食の専門店やレストラン・カフェやサービスを導入し、新たな顧客層の拡大に貢献いたしました。
[コミュニティ型店舗]
地域密着型をテーマに前期の津田沼パルコ・浦和パルコに続き、ひばりが丘パルコでは上質なスーパーマーケットの導入、新所沢パルコでは食品フロアのリニューアルを行い、マーケット内の幅広い客層に向け豊かな暮らしを彩るアイテムの提案を行ったほか、12月には吉祥寺パルコにて新たにカルチャーの発信拠点として5つのスクリーンを持つミニシアター『アップリンク吉祥寺』をオープンし、館内での滞在時間をより楽しめるようなワンストップ型商業施設としての機能を拡充し、客層・客数の拡大を推進いたしました。
また、店舗政策共通の強化テーマである化粧品のバラエティアップに取り組むとともに、株式会社大丸松坂屋百貨店が手掛けるセミセルフ型コスメセレクトショップ『アミューズボーテ』を池袋パルコ・津田沼パルコ・仙台パルコに導入し、J.フロント リテイリンググループ間での連携を強化いたしました。
以上のような取り組みの結果、全店計約32,000㎡を改装し、改装ゾーンのパルコテナント取扱高前年同期比は全店計114.8%と伸長いたしました。
動員企画につきましては、株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシーとの協業として野性爆弾くっきーによる展覧会『超くっきーランドneoneo』や、人気俳優・竹内涼真の写真展『竹内涼真写真展 unreleased -photo by Akinori Ito-』を開催したほか、『もうどく展』『におい展』『ざんねんないきもの展』等地元テレビ局との連携イベントを強化し、パルコ各店舗への来店客数・取扱高増加に貢献いたしました。
顧客政策におけるテクノロジーの活用につきましては、パルコ公式スマートフォンアプリ『POCKET PARCO』を11月に大幅リニューアルし、パルコ店舗情報だけでなくパルコの運営する劇場公演やギャラリーなどのコラムを追加したほか、アプリを起点としたパルコ店舗来店やオンラインストアでの購入を促す一気通貫したコマース(販売)の流れを構築し、ショッピングの利便性を強化いたしました。これを機に、パルコの公式通販サイト『カエルパルコ』を『PARCO ONLINE STORE』に名称変更し、パルコ実店舗に出店していないオンライン限定ショップを展開することで、実店舗とは異なった魅力を提案する取り組みを開始いたしました。
インバウンド施策につきましては、海外でのパルコブランド認知拡大に向け、『シブカル祭。』を5月に香港にて開催いたしました。また、人気外国人インフルエンサーを活用したSNS情報発信施策や『Alipay(アリペイ)』など決済手段を活用した施策を実施し、モバイル決済や海外発行クレジットカード等取扱高(※4)は前年同期比118.6%と伸長いたしました。
(※4) モバイル決済や海外発行クレジットカード等取扱高は、大津パルコ、パルコヤ上野の値を含みません。
国内開発につきましては、3月に原宿ゼロゲートの開業、8月に京都ゼロゲートの全館オープン、9月にはゼロゲート業態10店舗目となる三宮ゼロゲートの一部先行開業など事業拠点拡大を推進いたしました。また、2019年度の開業に向けて、リノベーション型開発の墨田区錦糸町駅前物件、株式会社サンエーとの共同事業による沖縄・浦添西海岸計画(※5)、川崎ゼロゲート(仮称)、再開発事業としての新生渋谷パルコの4つの準備物件について多様な開発手法のもと着実に事業を推進いたしました。
(※5) 2018年12月4日に沖縄・浦添西海岸計画の施設名称を『サンエー浦添西海岸 PARCO CITY』に決定いたしました。
新規事業につきましては、クラウドファンディング事業『BOOSTER(ブースター)』にて、購入型クラウドファンディング国内最大手の株式会社CAMPFIRE(キャンプファイヤー)と業務提携および出資契約を締結、案件開発・宣伝における共同運営を開始し、インキュベーション機能のさらなる強化に向け事業規模の拡大を推進いたしました。
海外事業につきましては、当社グループの持つコンテンツやノウハウを活かし、タイ・バンコクにて『名探偵コナンカフェ イン バンコク』を現地の飲食企業との連携により展開したほか、ベトナム・ホーチミンにおける複合商業施設開発のコンサルティング業務を推進いたしました。
そのほか、将来に向けた先行的取り組みとして株式会社Psychic VR Lab、株式会社ロフトワークとの共同プロジェクトによる、VR(※6)コンテンツアワード『NEWVIEW AWARDS 2018』を開催し、ファッション・アート分野におけるVR技術活用方法の開拓や、次世代クリエイターの発掘・支援活動を推進いたしました。
(※6) VRとはVirtual Realityの略であり、コンピューターによって作られた仮想的な環境をあたかも現実のように体感できる技術であります。
<専門店事業>専門店事業の営業収益は141億90百万円(前年同期比93.5%)、営業損失は1億80百万円(前年同期営業損失3億5百万円)となりました。
株式会社ヌーヴ・エイにつきましては、前期からの不採算店舗の削減により、営業収益は前年同期実績を下回りました。その他の費用の減少により営業損失額は縮小いたしました。
<総合空間事業>総合空間事業の営業収益は154億77百万円(前年同期比92.2%)、営業利益は4億5百万円(前年同期比58.5%)となりました。
株式会社パルコスペースシステムズにつきましては、前年同期における大型受注の反動により営業収益・営業利益ともに前年同期実績を下回りました。
<その他の事業>その他の事業の営業収益は44億48百万円(前年同期比94.9%)、営業損失は2億50百万円(前年同期営業損失1億22百万円)となりました。
株式会社パルコのエンタテインメント事業につきましては、7月に映像事業の新たな拠点となるミニシアター『シネクイント』を渋谷にオープンしたほか、演劇で三谷幸喜脚本・演出による外部公演『江戸は燃えているか』や、ももいろクローバーZ出演の『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?』が好評を博しましたが、事業全体では前年同期の大型公演の反動などにより営業収益・営業利益ともに前年同期実績を下回りました。
株式会社パルコデジタルマーケティングにつきましては、ICT活用サービスを軸とした商業施設のクライアント開拓を強化し、営業収益は前年同期実績を上回りましたが、今後の業容拡大に向けた人材強化により営業利益は前年同期実績を下回りました。
(2)資産、負債及び資本の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は2,758億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ140億43百万円増加いたしました。これは主に渋谷パルコの再開発事業に伴う棚卸資産及び有形固定資産の増加などによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は1,468億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ113億41百万円増加いたしました。これは主に流動及び非流動負債の社債及び借入金の増加などによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は1,290億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億1百万円増加いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は90億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億97百万円減少いたしました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、15億75百万円の収入(前年同期は182億12百万円の収入)となりました。これは主に税引前四半期利益78億82百万円や営業債務の増加による収入、渋谷パルコの再開発事業に伴う棚卸資産の増加による支出などによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、113億77百万円の支出(前年同期は90億93百万円の支出)となりました。これは主に渋谷パルコの再開発事業に伴う有形固定資産の取得による支出などによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、64億6百万円の収入(前年同期は100億88百万円の支出)となりました。これは主に有利子負債による資金調達額の増加などによるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
[基本方針の内容の概要]
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う当社株式の買付提案がなされた場合、その諾否の判断は最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。すなわち、当社株式について大規模買付行為がなされた場合、これが当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的、態様等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための適切かつ十分な情報提供がなされないものなど、企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社の企業価値の主な源泉は、ショッピングセンター「PARCO」の運営によって培った商業施設のトータルプロデュース力であると考えます。そして、それを支えるのは、これまでの商業施設の開発・保有・運営や個性ある様々な専門店やサービスの展開によって蓄積されたノウハウとそれを活かす人材、コーポレートブランドやストアブランド、及び多数のテナント・取引先・出店先の地域コミュニティなどとの緊密なリレーションであると考えます。
したがって、当社の経営において、ショッピングセンターの開発・保有・運営という事業の実態、顧客・取引先・従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への理解が不可欠であり、これらに関する十分な理解なくしては、株主の皆様が将来享受しうる企業価値・株主共同の利益を適切に実現することはできないものと考えております。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為や買付提案がなされる場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守る必要があると考えております。
[基本方針実現のための取り組み]
[基本方針の実現に資する特別な取り組み]
2014年度に掲げた当社グループの長期ビジョン[都市マーケットで活躍する企業集団]『都市の24時間をデザインするパイオニア集団』『都市の成熟をクリエイトする刺激創造集団』の達成に向けて、3つの事業戦略「主要都市部の深耕」「コアターゲット拡大」「独自の先行的ICT活用」に基づく2017年度~2021年度にかけての中期経営計画を策定しました。
<中期経営計画骨子>都市生活を楽しみたい消費者、都市で活躍する事業主の多様化するニーズに対し、店舗事業を含めたグループ全事業を通じて、「心の豊かさ」「新しい刺激」「充足感」など当社独自の価値提供による『都市成熟への貢献』を行います。
その実現に向け、事業ブラッシュアップ・事業領域拡大により、当社グループの存在価値向上=事業ポートフォリオ変革を実現します。
<中期経営計画実現に向けた「3つの戦術」>≪第1戦術≫ストアブランド進化
≪第2戦術≫商業不動産プロデュース推進
≪第3戦術≫ソフトコンテンツ拡大
<3つの戦術推進に向けた「4つの方向性」>(ⅰ)パルコ固有のノウハウ・能力を活用した「商業不動産事業・ソフト型事業」へのドメイン拡大
(ⅱ)経営資源の選択と集中による事業効率向上~コンパクトで収益性の高い企業集団
(ⅲ)都市生活者/事業主の多様化するニーズを捉えた「独自の提供価値」の拡大
(ⅳ)社会的存在意義拡大に向けた企業風土の発展
当社としては、このような企業価値向上に向けた取り組みが株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーの利益につながると確信しております。
また、指名委員会等設置会社としての適切なコーポレート・ガバナンス体制のもと、業務執行の迅速化と経営の透明性の一層の向上に取り組んできたほか、業務執行上の法令遵守、効率性等を担保するため、グループ監査室を設置するなど内部監査機能の充実にも努めております。
[基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取り組み]
当社は、大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための適切かつ十分な情報提供がなされ、あわせて当社取締役会の意見等の情報が開示されて、検討のための時間が確保されるよう努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
[具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由]
当社の取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的な中長期的経営戦略に基づいて策定されたものであり、また、基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取り組みも、当社の取締役等の地位の維持を目的としたものではなく、かつ、企業価値・株主共同の利益を確保することを目的とするものであり、いずれも当社の基本方針に沿うものです。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善により景気は緩やかな回復が続きましたが、海外経済の不透明感や国内での豪雨・台風・地震などの相次ぐ自然災害を受け、消費者マインドは停滞感が続きました。
このような状況の下、当社グループは、中期経営計画(2017年度~2021年度)の2年目として、計画に基づく事業展開を推進いたしました。
当第3四半期連結累計期間におきましては、3月の原宿ゼロゲート開業や4月の川崎ゼロゲート(仮称)の出店決定、8月の京都ゼロゲート全館オープンに加え、9月には三宮ゼロゲートを一部先行開業するなど都市部における拠点開発を着実に進行いたしました。
パルコ店舗事業では、商業施設競合の激化やアパレル企業のEC拡大などの外部環境の変化を受け、衣料品を中心に取扱高への影響がある中、将来の成長に向けて時代に即したテナント構成の再編や独自性ある動員企画の開発を強化いたしました。また、次世代商業施設の構築に向けてインキュベーション機能の拡充を目的とした新たなスペースの設置やテナントサポート(スタートアップ)システムの開始、ICTを活用した新しい買い物体験の提案に向けたパルコ公式スマートフォンアプリ『POCKET PARCO』のリニューアルをいたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたが、当社グループの当第3四半期連結累計期間における業績は、前年同期におけるエンタテインメント事業の大型公演や、総合空間事業の大型案件の反動などにより営業収益は662億72百万円(前年同期比97.1%)、前年同期におけるその他の収益の計上差額などにより営業利益は81億39百万円(前年同期比84.3%)、税引前四半期利益78億82百万円(前年同期比83.0%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は54億19百万円(前年同期比83.3%)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりです。
<ショッピングセンター事業>ショッピングセンター事業の営業収益は381億76百万円(前年同期比99.8%)、前年同期におけるその他の収益の計上差額などにより営業利益は82億13百万円(前年同期比86.8%)となりました。
なお、パルコテナント取扱高(※1)は、1,828億94百万円、前年同期比は99.0%となりました。
パルコ店舗事業につきましては、消費者価値観や購買行動の変化への対応に向けテナント構成の再編やアイテムの拡充を図るとともに、2019年度開業予定の新生渋谷パルコを見据え、テクノロジーの活用による新しい消費体験や顧客サービスの提供を推進いたしました。また、新進テナントに向けたインキュベーション機能の拡充を目的として、都心型店舗7店舗にインキュベーションスペースとして『UP NEXT』をオープンし新規企業との取り組みを強化したほか、計12社の支援協力会社との連携・協働のもと、金融・店舗運営・物流生産等の支援をするテナントサポート(スタートアップ)システムを開始いたしました。
店舗政策につきましては、「都心型店舗(※2)」、「コミュニティ型店舗(※3)」の2類型でのストアブランド進化と確立に向け、以下の政策を実施いたしました。
(※1) パルコテナント取扱高は、パルコ店舗におけるテナント売上高であります。
(※2) 都心型店舗は、札幌パルコ、仙台パルコ、池袋パルコ、パルコヤ上野(2017年11月4日開業)、渋谷パルコ(2016年8月8日よりPART1・PART3は一時休業)、静岡パルコ、名古屋パルコ、広島パルコ、福岡パルコとなります。
(※3) コミュニティ型店舗は、宇都宮パルコ、浦和パルコ、新所沢パルコ、津田沼パルコ、ひばりが丘パルコ、吉祥寺パルコ、調布パルコ、松本パルコ、熊本パルコとなります。
[都心型店舗]
都市型ライフスタイルを享受する高感度な大人に向け、名古屋パルコ・池袋パルコ・広島パルコではマーケット内初出店の人気コスメショップ、カップル消費に対応できるメンズ・レディス複合ショップを導入いたしました。また、各都心型店舗にてコト消費ニーズへの対応に向け、話題性のある食の専門店やレストラン・カフェやサービスを導入し、新たな顧客層の拡大に貢献いたしました。
[コミュニティ型店舗]
地域密着型をテーマに前期の津田沼パルコ・浦和パルコに続き、ひばりが丘パルコでは上質なスーパーマーケットの導入、新所沢パルコでは食品フロアのリニューアルを行い、マーケット内の幅広い客層に向け豊かな暮らしを彩るアイテムの提案を行ったほか、12月には吉祥寺パルコにて新たにカルチャーの発信拠点として5つのスクリーンを持つミニシアター『アップリンク吉祥寺』をオープンし、館内での滞在時間をより楽しめるようなワンストップ型商業施設としての機能を拡充し、客層・客数の拡大を推進いたしました。
また、店舗政策共通の強化テーマである化粧品のバラエティアップに取り組むとともに、株式会社大丸松坂屋百貨店が手掛けるセミセルフ型コスメセレクトショップ『アミューズボーテ』を池袋パルコ・津田沼パルコ・仙台パルコに導入し、J.フロント リテイリンググループ間での連携を強化いたしました。
以上のような取り組みの結果、全店計約32,000㎡を改装し、改装ゾーンのパルコテナント取扱高前年同期比は全店計114.8%と伸長いたしました。
動員企画につきましては、株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシーとの協業として野性爆弾くっきーによる展覧会『超くっきーランドneoneo』や、人気俳優・竹内涼真の写真展『竹内涼真写真展 unreleased -photo by Akinori Ito-』を開催したほか、『もうどく展』『におい展』『ざんねんないきもの展』等地元テレビ局との連携イベントを強化し、パルコ各店舗への来店客数・取扱高増加に貢献いたしました。
顧客政策におけるテクノロジーの活用につきましては、パルコ公式スマートフォンアプリ『POCKET PARCO』を11月に大幅リニューアルし、パルコ店舗情報だけでなくパルコの運営する劇場公演やギャラリーなどのコラムを追加したほか、アプリを起点としたパルコ店舗来店やオンラインストアでの購入を促す一気通貫したコマース(販売)の流れを構築し、ショッピングの利便性を強化いたしました。これを機に、パルコの公式通販サイト『カエルパルコ』を『PARCO ONLINE STORE』に名称変更し、パルコ実店舗に出店していないオンライン限定ショップを展開することで、実店舗とは異なった魅力を提案する取り組みを開始いたしました。
インバウンド施策につきましては、海外でのパルコブランド認知拡大に向け、『シブカル祭。』を5月に香港にて開催いたしました。また、人気外国人インフルエンサーを活用したSNS情報発信施策や『Alipay(アリペイ)』など決済手段を活用した施策を実施し、モバイル決済や海外発行クレジットカード等取扱高(※4)は前年同期比118.6%と伸長いたしました。
(※4) モバイル決済や海外発行クレジットカード等取扱高は、大津パルコ、パルコヤ上野の値を含みません。
国内開発につきましては、3月に原宿ゼロゲートの開業、8月に京都ゼロゲートの全館オープン、9月にはゼロゲート業態10店舗目となる三宮ゼロゲートの一部先行開業など事業拠点拡大を推進いたしました。また、2019年度の開業に向けて、リノベーション型開発の墨田区錦糸町駅前物件、株式会社サンエーとの共同事業による沖縄・浦添西海岸計画(※5)、川崎ゼロゲート(仮称)、再開発事業としての新生渋谷パルコの4つの準備物件について多様な開発手法のもと着実に事業を推進いたしました。
(※5) 2018年12月4日に沖縄・浦添西海岸計画の施設名称を『サンエー浦添西海岸 PARCO CITY』に決定いたしました。
新規事業につきましては、クラウドファンディング事業『BOOSTER(ブースター)』にて、購入型クラウドファンディング国内最大手の株式会社CAMPFIRE(キャンプファイヤー)と業務提携および出資契約を締結、案件開発・宣伝における共同運営を開始し、インキュベーション機能のさらなる強化に向け事業規模の拡大を推進いたしました。
海外事業につきましては、当社グループの持つコンテンツやノウハウを活かし、タイ・バンコクにて『名探偵コナンカフェ イン バンコク』を現地の飲食企業との連携により展開したほか、ベトナム・ホーチミンにおける複合商業施設開発のコンサルティング業務を推進いたしました。
そのほか、将来に向けた先行的取り組みとして株式会社Psychic VR Lab、株式会社ロフトワークとの共同プロジェクトによる、VR(※6)コンテンツアワード『NEWVIEW AWARDS 2018』を開催し、ファッション・アート分野におけるVR技術活用方法の開拓や、次世代クリエイターの発掘・支援活動を推進いたしました。
(※6) VRとはVirtual Realityの略であり、コンピューターによって作られた仮想的な環境をあたかも現実のように体感できる技術であります。
<専門店事業>専門店事業の営業収益は141億90百万円(前年同期比93.5%)、営業損失は1億80百万円(前年同期営業損失3億5百万円)となりました。
株式会社ヌーヴ・エイにつきましては、前期からの不採算店舗の削減により、営業収益は前年同期実績を下回りました。その他の費用の減少により営業損失額は縮小いたしました。
<総合空間事業>総合空間事業の営業収益は154億77百万円(前年同期比92.2%)、営業利益は4億5百万円(前年同期比58.5%)となりました。
株式会社パルコスペースシステムズにつきましては、前年同期における大型受注の反動により営業収益・営業利益ともに前年同期実績を下回りました。
<その他の事業>その他の事業の営業収益は44億48百万円(前年同期比94.9%)、営業損失は2億50百万円(前年同期営業損失1億22百万円)となりました。
株式会社パルコのエンタテインメント事業につきましては、7月に映像事業の新たな拠点となるミニシアター『シネクイント』を渋谷にオープンしたほか、演劇で三谷幸喜脚本・演出による外部公演『江戸は燃えているか』や、ももいろクローバーZ出演の『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?』が好評を博しましたが、事業全体では前年同期の大型公演の反動などにより営業収益・営業利益ともに前年同期実績を下回りました。
株式会社パルコデジタルマーケティングにつきましては、ICT活用サービスを軸とした商業施設のクライアント開拓を強化し、営業収益は前年同期実績を上回りましたが、今後の業容拡大に向けた人材強化により営業利益は前年同期実績を下回りました。
(2)資産、負債及び資本の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は2,758億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ140億43百万円増加いたしました。これは主に渋谷パルコの再開発事業に伴う棚卸資産及び有形固定資産の増加などによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は1,468億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ113億41百万円増加いたしました。これは主に流動及び非流動負債の社債及び借入金の増加などによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は1,290億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億1百万円増加いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は90億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億97百万円減少いたしました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、15億75百万円の収入(前年同期は182億12百万円の収入)となりました。これは主に税引前四半期利益78億82百万円や営業債務の増加による収入、渋谷パルコの再開発事業に伴う棚卸資産の増加による支出などによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、113億77百万円の支出(前年同期は90億93百万円の支出)となりました。これは主に渋谷パルコの再開発事業に伴う有形固定資産の取得による支出などによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、64億6百万円の収入(前年同期は100億88百万円の支出)となりました。これは主に有利子負債による資金調達額の増加などによるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
[基本方針の内容の概要]
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う当社株式の買付提案がなされた場合、その諾否の判断は最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。すなわち、当社株式について大規模買付行為がなされた場合、これが当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的、態様等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための適切かつ十分な情報提供がなされないものなど、企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社の企業価値の主な源泉は、ショッピングセンター「PARCO」の運営によって培った商業施設のトータルプロデュース力であると考えます。そして、それを支えるのは、これまでの商業施設の開発・保有・運営や個性ある様々な専門店やサービスの展開によって蓄積されたノウハウとそれを活かす人材、コーポレートブランドやストアブランド、及び多数のテナント・取引先・出店先の地域コミュニティなどとの緊密なリレーションであると考えます。
したがって、当社の経営において、ショッピングセンターの開発・保有・運営という事業の実態、顧客・取引先・従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への理解が不可欠であり、これらに関する十分な理解なくしては、株主の皆様が将来享受しうる企業価値・株主共同の利益を適切に実現することはできないものと考えております。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為や買付提案がなされる場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守る必要があると考えております。
[基本方針実現のための取り組み]
[基本方針の実現に資する特別な取り組み]
2014年度に掲げた当社グループの長期ビジョン[都市マーケットで活躍する企業集団]『都市の24時間をデザインするパイオニア集団』『都市の成熟をクリエイトする刺激創造集団』の達成に向けて、3つの事業戦略「主要都市部の深耕」「コアターゲット拡大」「独自の先行的ICT活用」に基づく2017年度~2021年度にかけての中期経営計画を策定しました。
<中期経営計画骨子>都市生活を楽しみたい消費者、都市で活躍する事業主の多様化するニーズに対し、店舗事業を含めたグループ全事業を通じて、「心の豊かさ」「新しい刺激」「充足感」など当社独自の価値提供による『都市成熟への貢献』を行います。
その実現に向け、事業ブラッシュアップ・事業領域拡大により、当社グループの存在価値向上=事業ポートフォリオ変革を実現します。
<中期経営計画実現に向けた「3つの戦術」>≪第1戦術≫ストアブランド進化
≪第2戦術≫商業不動産プロデュース推進
≪第3戦術≫ソフトコンテンツ拡大
<3つの戦術推進に向けた「4つの方向性」>(ⅰ)パルコ固有のノウハウ・能力を活用した「商業不動産事業・ソフト型事業」へのドメイン拡大
(ⅱ)経営資源の選択と集中による事業効率向上~コンパクトで収益性の高い企業集団
(ⅲ)都市生活者/事業主の多様化するニーズを捉えた「独自の提供価値」の拡大
(ⅳ)社会的存在意義拡大に向けた企業風土の発展
当社としては、このような企業価値向上に向けた取り組みが株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーの利益につながると確信しております。
また、指名委員会等設置会社としての適切なコーポレート・ガバナンス体制のもと、業務執行の迅速化と経営の透明性の一層の向上に取り組んできたほか、業務執行上の法令遵守、効率性等を担保するため、グループ監査室を設置するなど内部監査機能の充実にも努めております。
[基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取り組み]
当社は、大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための適切かつ十分な情報提供がなされ、あわせて当社取締役会の意見等の情報が開示されて、検討のための時間が確保されるよう努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
[具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由]
当社の取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的な中長期的経営戦略に基づいて策定されたものであり、また、基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取り組みも、当社の取締役等の地位の維持を目的としたものではなく、かつ、企業価値・株主共同の利益を確保することを目的とするものであり、いずれも当社の基本方針に沿うものです。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。