有価証券報告書-第36期(平成28年3月1日-平成29年2月28日)
業績等の概要
当連結会計年度からIFRSを適用しており、比較している前期数値についてもIFRSに準拠して作成しております。
(1)業績
当連結会計年度(2016年3月1日~2017年2月28日)におけるわが国経済は、雇用環境の改善及び賃金の上昇により総じて緩やかな回復基調で推移しております。一方で小売業界におきましては、根強い節約志向が見られ消費者マインドの改善は遅れており、依然として厳しい環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、2016年9月1日に株式会社ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス株式会社が経営統合し、新たなスタートを切りました。この経営統合により、両社の経営資源を集結し、独自の価値を提供することで、グループ企業価値の向上に努めております。
これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業収益は8,438億1千5百万円(前連結会計年度比98.8%増)、営業利益は327億6千4百万円(同7.3%減)、税引前利益は334億8千3百万円(同6.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は183億5千万円(同3.3%増)となりました。
セグメントごとの業績は、以下のとおりであります。
①コンビニエンスストア事業
株式会社ファミリーマートにおいては、「楽しく、新鮮」という価値に焦点を合わせて、異業種パートナーも含めたバリューチェーン全体が一体となっていくための戦略テーマ「Fun&Fresh」を掲げ、商品面、運営面、開発面の各取り組みにおいてお客様の「品質」に徹底的にこだわることにより、小売業界でのクオリティにおけるリーディングカンパニーを目指しております。
商品面では、「お客様にとっての品質」を実現するため、サンドイッチ、おむすび、ファミマプレミアムチキンを刷新する等、引き続き「中食構造改革」を実施し、オリジナル商品の開発と品質の向上に努めております。また、多様化する家庭の食卓ニーズに対応すべく、2016年9月以降、冷蔵惣菜「ファミデリカ」やチキンステーキ等の常温惣菜、さらに冷凍惣菜に至るまでデリカテッセンの品揃えを大幅に拡充しました。さらに、「ファミチキ」発売10周年を記念し、2016年6月から2017年2月まで継続的に「ファミチキ大感謝祭」を開催し、継続的に強化を行っている中食は既存超え基調にて推移しました。
2016年9月以降、ファミリーマートブランドとサークルK・サンクスブランドの中食商品をはじめとする商品の統合を順次進め、2017年2月末をもってファミリーマートブランドへの商品統合が完了しました。今後は中食構造改革をさらに加速させ、さらに「質の高い」商品をお客様に提供していきます。
プロモーション面では、2016年4月、7月、10月及び2017年1月の年4回の「ファミマ・フェスタ」や、2016年9月には新会社発足に伴う「統合記念キャンペーン」を、また、2016年3月、7月、11月及び12月には様々なカテゴリーから厳選した人気商品を特別価格で提供する「厳選セール」をそれぞれ実施し、売上向上に寄与しました。
運営面では、加盟店とともに「お客様ファーストの店舗づくり」、「売場品質の革新」、「店舗資産の高質化」に取り組み、品質NO.1チェーンを実現するため、QSC点検を厳格化するとともに、中食商品ボリュームの抜本的改善やSV指導力向上を図っております。また、店舗経費の漸増や人手不足等、店舗経営にかかる環境変化への対応として、2016年9月より、廃棄ロスや水道光熱費の一部の助成や店舗運営支援金の支給等を採り入れた新たなフランチャイズ契約パッケージを導入し、2017年2月末現在約9,000店にて切り替えを終えました。この新FCパッケージの導入を活かし、日商増や店舗運営力の向上を目指していきます。
開発面では、「1万店を超えるチェーンを健全に成長させるための出店」との考え方で、戦略的なB&S(ビルド&スクラップ)やB&B(ビルド&ビルド)を推進しております。ココストアブランドのファミリーマートブランドへの転換においては、当連結会計年度にて259店、累計364店のブランド転換を実施しました。サークルK・サンクスブランドのファミリーマートブランドへの転換においては、2016年9月1日に「ファミリーマート晴海センタービル店」、「ファミリーマート昭和塩付通一丁目店」及び「ファミリーマート大阪ビジネスパーク店」の3店を同時開店し、以降順調に転換を進めて、2017年2月末現在では計画を上回る合計829店の転換を実施しました。
国内のエリアフランチャイザーにおいては、ココストアブランドのファミリーマートブランドへの転換により、株式会社沖縄ファミリーマートでは300店、株式会社南九州ファミリーマートでは400店を超え、各地域においてより強固な基盤を築いております。
国内のその他の事業においては、株式会社シニアライフクリエイトでは高齢者専門の宅配弁当が2016年7月には月間200万食を突破し、好調に推移しました。今後も高齢者がいきいきと暮らせる環境づくりを「食」を通じて目指していきます。
海外事業においては、現地のパートナー企業と共同出資して自ら経営に参画する合弁方式を基本フォーマットとし、合弁会社からの取込利益と配当収入の最大化を図るとともに、ライセンス供与に伴うノウハウ提供や支援を通じたロイヤリティ収入の安定的な確保に努めております。
台湾では、日本のノウハウを取り入れたドラッグストア、スーパーマーケット、外食等異業種との一体型店舗の展開を推進しました。また、中食構造改革を行い、ファストフード商材のリニューアル及び新商品導入により、日商が好調に推移しました。タイでは、チルド弁当やサンドイッチ、おむすび等の中食・ファストフード商材の強化を行いました。さらに全面改装等の店舗施設改善、及び「The 1 Card」を活用したプロモーション展開により日商が伸長し、経営改善施策は順調に推移しております。中国では、テレビCMやポイントカードの活用並びに中食の強化が客数増に繋がり、日商が前年超えとなりました。また、店舗網の拡大を図る等、さらなる収益向上に努めております。マレーシアでは、2016年11月に1号店となる「ファミリーマートWisma Lim Foo Yong店」(ウィスマ・リム・フーヨン店)を、首都クアラルンプールに出店し、2017年2月末時点で合計4店を開店しました。
当連結会計年度末の国内店舗数は18,125店(国内エリアフランチャイザー5社計1,124店を含む)となりました。海外店舗数は、台湾、タイ、中国、ベトナム、インドネシア、フィリピン及びマレーシアにおいて6,375店となり、国内外合わせた全店舗数は24,500店となりました。
これらの結果、コンビニエンスストア事業の営業収益は4,844億6千1百万円(前連結会計年度比14.1%増)、セグメント利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)は111億6百万円(同37.5%減)となりました。
②総合小売事業
ユニー株式会社においては、経営統合以降も、お客様に対する変わることのない使命として「お客様の毎日に一番の満足をお届けします」ことをお約束し、企業ビジョンである「新生活創造小売業」の実現に向け、各出店地域においてお客様から身近で信頼されるパートナーである小売業を目指して、さまざまな取り組みを行いました。当連結会計年度は、「品質の良い、価格以上に価値ある商品の販売を通して、お客さま満足をめざします」、「毎週の売場での企画や提案を通して、お客さまに新しい発見を提供します」、「売場商品の品揃えを充実し、人気のあるテナント導入により、さらに魅力のある売場開発をめざします」の3つに重点的に取り組み、「新生活創造小売業」の実現に最大限の努力を継続しました。
商品面では、健康をテーマに展開してきたプライベートブランドの「スタイルワン「ヘルシー」シリーズ」に、2016年9月より減塩タイプ商品12アイテムを追加しました。また、女性社員が女性視点で商品開発に取り組む「デイジーラボ」からは、2016年12月に、西川リビング株式会社の女性スタッフと共同開発した「こだわりまくら」4アイテム等を発売しました。
営業面では、新会社発足を記念し、2016年9月にアピタ・ピアゴ全店においてグアム旅行が当たる「GO!GO!グアム」を、愛知、三重、岐阜県のアピタ46店舗においてトヨタ自動車の人気車種がお得に買える「アピタクルマフェスタ」をそれぞれ展開しました。また、総合スーパーとの相乗効果を生み出す新規事業の育成を目指し、2016年9月にアピタ稲沢店に「友遊カルチャーセンター」をオープンしました。また、電力の小売自由化を受け展開している最適な料金体系の電力供給サービス「スマ電®」は、2016年10月より契約エリアや契約対象タイプを拡大し、さらにお得なサービスを拡充しました。
店舗開発においては、2016年9月にアピタ金沢文庫店を全面建替えし、リニューアルオープンしました。「価値を身近に感じられる、生活充実店」をコンセプトに、常に地域のお客様の身近に感じられる「商品」「価格」「サービス」を充実させた店舗を目指していきます。また、当連結会計年度より推し進めている既存店投資拡大による店舗活性化の一環として、2016年10月には、中型アピタの改装モデルとして「アピタ大府店」の直営売場を全面改装リフレッシュオープンし、食品売場への惣菜・スイーツ売場の導入や、衣料・住居関連売場の「ライフスタイル提案・五十貨店化」を進め品揃えを拡大しております。
既設店売上高につきましては、第3四半期においては、9月から10月にかけ、秋雨前線や台風、気温上昇により、衣料品の秋冬物が不調であった一方、食料品においては、飲料、アイスなどの販売が好調でした。11月は、気温の低下とともに衣料品は冬物の動きが好調に推移し、食料品においては青果の相場高により売上高が押し上げられました。第4四半期においては、気温が高めに推移した影響もあり、衣料品、住居関連品がシーズン物中心に苦戦した一方、クリスマス関連の化粧品、玩具等は好調でした。食料品は、カニなどを中心とする年末商材や健康関連商品は好調でしたが、精肉加工品及び相場高により和牛が不振となりました。また、期間を通じて青果、総菜中心に安定した推移により、全体としては堅調な推移となりました。
当連結会計年度末のユニー株式会社の店舗数は、開店1店舗、閉店7店舗により210店舗となりました。
株式会社UCSにおいては、カード事業における包括信用購入あっせんは、ユニー・ファミリーマートホールディングス誕生を記念して、UCSカード会員を対象としたポイントキャンペーンを実施しました。また、飲食、レジャー施設等の提携加盟店とのクーポン企画や利用促進キャンペーンの実施により、取扱高の拡大に取り組みました。加えて、与信政策によりリボルビング払いの促進を強化しました。一方、融資は、貸金業法の影響が依然として残り、取扱高及び残高は引き続き厳しい状況で推移しました。また、電子マネーは、ユニコチャージ企画や割引チケットプレゼント等、利用促進キャンペーンの実施に加え、他業種ポイントからユニコポイントへの交換サービスの拡充等により、取扱高の拡大に取り組みました。保険リース事業においては、保険代理業が企業向けの損害保険で苦戦しましたが、保険ショップを中心とした生命保険が堅調に推移しました。
これらの結果、総合小売事業の営業収益は3,607億3千9百万円、セグメント利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)は68億9千2百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した現金及び現金同等物(以下「資金」という)は833億5千1百万円となり、前連結会計年度に比べ104億2千5百万円減少しております。これは、経営統合やコンビニエンスストア事業における店舗数の増加に伴い、仕入や預り金等の取扱いが増えた等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は306億5千7百万円となり、前連結会計年度に比べ320億9千9百万円減少しております。これは、コンビニエンスストア事業におけるサークルK・サンクスブランドのファミリーマートブランドへの転換や、コンビニエンスストア事業及び総合小売事業における新規出店や既存店改装により店舗投資が増加したものの、経営統合により、子会社が保有していた現金を獲得したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は49億1千6百万円となり、前連結会計年度に比べ119億9百万円減少しております。これは、店舗投資に係るファイナンス・リース取引の増加の一方で、社債発行等の資金調達の影響等による増加等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ492億5千3百万万円増加し、1,882億8千9百万円となりました。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。また、百万円未満を切り捨てて表示しております。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年3月1日 至 2016年2月29日)
当連結会計年度(自 2016年3月1日 至 2017年2月28日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年3月1日 至 2016年2月29日)
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
(有形固定資産の減価償却方法の変更)
当社及び国内連結子会社の有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法につきましては、従来、主として定率法を採用しておりましたが、当連結会計年度より、定額法に変更しております。
当社は近年、積極的な新規出店を行い高質な店舗網の構築を進めるとともに、既存店への積極的な投資による大規模な売場改革等を通じて個店競争力の強化を図ってまいりましたが、2015年度からの中期経営計画においても、引き続き積極的な店舗への投資を計画しております。
これらの状況を踏まえ、有形固定資産の償却方法について再度検討を行ったところ、当社グループが保有する有形固定資産の多くを占める店舗資産の消費パターンは来店客数と関連しており、積極的な投資を通じた来店客数の安定化によって、当該資産は耐用年数期間において平準的に使用され均等な消耗が見込まれることから、今後は減価償却費を耐用年数期間にわたり均等に費用配分することがより適切であると判断し、定額法に変更したものであります。
この結果、従来の方法に比べて、当連結会計年度の減価償却費が3,585百万円減少し、営業利益及び経常利益は3,585百万円増加、税金等調整前当期純利益が3,585百万円増加しております。
当連結会計年度(自 2016年3月1日 至 2017年2月28日)
(会計方針の変更)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2013年9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年9月13日。以下「連結会計基準」という。)及び「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 2013年9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更しております。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更しております。加えて、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組替えを行っております。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(3)、連結会計基準第44-5項(3)及び事業分離等会計基準第57-4項(3)に定める経過的な取扱いに従っており、過去の期間のすべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の当連結会計年度の期首時点の累積的影響額を資本剰余金及び利益剰余金に加減しております。
この結果、当連結会計年度の期首において、のれんが4,141百万円、資本剰余金が3,679百万円、利益剰余金が57百万円、その他の包括利益累計額が404百万円減少しており、また、当連結会計年度において、連結子会社の株式追加取得等により、資本剰余金が4,274百万円減少しております。なお、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ232百万円減少しております。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得関連費用もしくは連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載しております。
当連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、連結株主資本等変動計算書の資本剰余金の期首残高は3,679百万円減少するとともに、利益剰余金の期首残高は57百万円減少しております。
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年3月1日 至 2016年2月29日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 41.初度適用」に記載の通りであります。
当連結会計年度(自 2016年3月1日 至 2017年2月28日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については、償却年数を見積り、その年数にわたり償却しておりましたが、IFRSでは、移行日以降の償却を停止しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が3,039百万円減少しております。
(退職給付にかかる費用)
日本基準では、発生した数理計算上の差異および過去勤務費用をその他の包括利益として認識した後に一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として即時認識するとともに、直ちに利益剰余金に振り替えております。また、過去勤務費用は発生時に損益として認識しております。
利息の計算において、日本基準では退職給付債務に割引率を乗じて算定した利息費用と、年金資産に長期期待運用収益率を乗じて算定した期待運用収益を使用しておりましたが、IFRSでは確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額に割引率を乗じて算定した利息純額を使用しております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が590百万円増加しております。
(1)業績
当連結会計年度(2016年3月1日~2017年2月28日)におけるわが国経済は、雇用環境の改善及び賃金の上昇により総じて緩やかな回復基調で推移しております。一方で小売業界におきましては、根強い節約志向が見られ消費者マインドの改善は遅れており、依然として厳しい環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、2016年9月1日に株式会社ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス株式会社が経営統合し、新たなスタートを切りました。この経営統合により、両社の経営資源を集結し、独自の価値を提供することで、グループ企業価値の向上に努めております。
これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業収益は8,438億1千5百万円(前連結会計年度比98.8%増)、営業利益は327億6千4百万円(同7.3%減)、税引前利益は334億8千3百万円(同6.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は183億5千万円(同3.3%増)となりました。
セグメントごとの業績は、以下のとおりであります。
①コンビニエンスストア事業
株式会社ファミリーマートにおいては、「楽しく、新鮮」という価値に焦点を合わせて、異業種パートナーも含めたバリューチェーン全体が一体となっていくための戦略テーマ「Fun&Fresh」を掲げ、商品面、運営面、開発面の各取り組みにおいてお客様の「品質」に徹底的にこだわることにより、小売業界でのクオリティにおけるリーディングカンパニーを目指しております。
商品面では、「お客様にとっての品質」を実現するため、サンドイッチ、おむすび、ファミマプレミアムチキンを刷新する等、引き続き「中食構造改革」を実施し、オリジナル商品の開発と品質の向上に努めております。また、多様化する家庭の食卓ニーズに対応すべく、2016年9月以降、冷蔵惣菜「ファミデリカ」やチキンステーキ等の常温惣菜、さらに冷凍惣菜に至るまでデリカテッセンの品揃えを大幅に拡充しました。さらに、「ファミチキ」発売10周年を記念し、2016年6月から2017年2月まで継続的に「ファミチキ大感謝祭」を開催し、継続的に強化を行っている中食は既存超え基調にて推移しました。
2016年9月以降、ファミリーマートブランドとサークルK・サンクスブランドの中食商品をはじめとする商品の統合を順次進め、2017年2月末をもってファミリーマートブランドへの商品統合が完了しました。今後は中食構造改革をさらに加速させ、さらに「質の高い」商品をお客様に提供していきます。
プロモーション面では、2016年4月、7月、10月及び2017年1月の年4回の「ファミマ・フェスタ」や、2016年9月には新会社発足に伴う「統合記念キャンペーン」を、また、2016年3月、7月、11月及び12月には様々なカテゴリーから厳選した人気商品を特別価格で提供する「厳選セール」をそれぞれ実施し、売上向上に寄与しました。
運営面では、加盟店とともに「お客様ファーストの店舗づくり」、「売場品質の革新」、「店舗資産の高質化」に取り組み、品質NO.1チェーンを実現するため、QSC点検を厳格化するとともに、中食商品ボリュームの抜本的改善やSV指導力向上を図っております。また、店舗経費の漸増や人手不足等、店舗経営にかかる環境変化への対応として、2016年9月より、廃棄ロスや水道光熱費の一部の助成や店舗運営支援金の支給等を採り入れた新たなフランチャイズ契約パッケージを導入し、2017年2月末現在約9,000店にて切り替えを終えました。この新FCパッケージの導入を活かし、日商増や店舗運営力の向上を目指していきます。
開発面では、「1万店を超えるチェーンを健全に成長させるための出店」との考え方で、戦略的なB&S(ビルド&スクラップ)やB&B(ビルド&ビルド)を推進しております。ココストアブランドのファミリーマートブランドへの転換においては、当連結会計年度にて259店、累計364店のブランド転換を実施しました。サークルK・サンクスブランドのファミリーマートブランドへの転換においては、2016年9月1日に「ファミリーマート晴海センタービル店」、「ファミリーマート昭和塩付通一丁目店」及び「ファミリーマート大阪ビジネスパーク店」の3店を同時開店し、以降順調に転換を進めて、2017年2月末現在では計画を上回る合計829店の転換を実施しました。
国内のエリアフランチャイザーにおいては、ココストアブランドのファミリーマートブランドへの転換により、株式会社沖縄ファミリーマートでは300店、株式会社南九州ファミリーマートでは400店を超え、各地域においてより強固な基盤を築いております。
国内のその他の事業においては、株式会社シニアライフクリエイトでは高齢者専門の宅配弁当が2016年7月には月間200万食を突破し、好調に推移しました。今後も高齢者がいきいきと暮らせる環境づくりを「食」を通じて目指していきます。
海外事業においては、現地のパートナー企業と共同出資して自ら経営に参画する合弁方式を基本フォーマットとし、合弁会社からの取込利益と配当収入の最大化を図るとともに、ライセンス供与に伴うノウハウ提供や支援を通じたロイヤリティ収入の安定的な確保に努めております。
台湾では、日本のノウハウを取り入れたドラッグストア、スーパーマーケット、外食等異業種との一体型店舗の展開を推進しました。また、中食構造改革を行い、ファストフード商材のリニューアル及び新商品導入により、日商が好調に推移しました。タイでは、チルド弁当やサンドイッチ、おむすび等の中食・ファストフード商材の強化を行いました。さらに全面改装等の店舗施設改善、及び「The 1 Card」を活用したプロモーション展開により日商が伸長し、経営改善施策は順調に推移しております。中国では、テレビCMやポイントカードの活用並びに中食の強化が客数増に繋がり、日商が前年超えとなりました。また、店舗網の拡大を図る等、さらなる収益向上に努めております。マレーシアでは、2016年11月に1号店となる「ファミリーマートWisma Lim Foo Yong店」(ウィスマ・リム・フーヨン店)を、首都クアラルンプールに出店し、2017年2月末時点で合計4店を開店しました。
当連結会計年度末の国内店舗数は18,125店(国内エリアフランチャイザー5社計1,124店を含む)となりました。海外店舗数は、台湾、タイ、中国、ベトナム、インドネシア、フィリピン及びマレーシアにおいて6,375店となり、国内外合わせた全店舗数は24,500店となりました。
これらの結果、コンビニエンスストア事業の営業収益は4,844億6千1百万円(前連結会計年度比14.1%増)、セグメント利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)は111億6百万円(同37.5%減)となりました。
②総合小売事業
ユニー株式会社においては、経営統合以降も、お客様に対する変わることのない使命として「お客様の毎日に一番の満足をお届けします」ことをお約束し、企業ビジョンである「新生活創造小売業」の実現に向け、各出店地域においてお客様から身近で信頼されるパートナーである小売業を目指して、さまざまな取り組みを行いました。当連結会計年度は、「品質の良い、価格以上に価値ある商品の販売を通して、お客さま満足をめざします」、「毎週の売場での企画や提案を通して、お客さまに新しい発見を提供します」、「売場商品の品揃えを充実し、人気のあるテナント導入により、さらに魅力のある売場開発をめざします」の3つに重点的に取り組み、「新生活創造小売業」の実現に最大限の努力を継続しました。
商品面では、健康をテーマに展開してきたプライベートブランドの「スタイルワン「ヘルシー」シリーズ」に、2016年9月より減塩タイプ商品12アイテムを追加しました。また、女性社員が女性視点で商品開発に取り組む「デイジーラボ」からは、2016年12月に、西川リビング株式会社の女性スタッフと共同開発した「こだわりまくら」4アイテム等を発売しました。
営業面では、新会社発足を記念し、2016年9月にアピタ・ピアゴ全店においてグアム旅行が当たる「GO!GO!グアム」を、愛知、三重、岐阜県のアピタ46店舗においてトヨタ自動車の人気車種がお得に買える「アピタクルマフェスタ」をそれぞれ展開しました。また、総合スーパーとの相乗効果を生み出す新規事業の育成を目指し、2016年9月にアピタ稲沢店に「友遊カルチャーセンター」をオープンしました。また、電力の小売自由化を受け展開している最適な料金体系の電力供給サービス「スマ電®」は、2016年10月より契約エリアや契約対象タイプを拡大し、さらにお得なサービスを拡充しました。
店舗開発においては、2016年9月にアピタ金沢文庫店を全面建替えし、リニューアルオープンしました。「価値を身近に感じられる、生活充実店」をコンセプトに、常に地域のお客様の身近に感じられる「商品」「価格」「サービス」を充実させた店舗を目指していきます。また、当連結会計年度より推し進めている既存店投資拡大による店舗活性化の一環として、2016年10月には、中型アピタの改装モデルとして「アピタ大府店」の直営売場を全面改装リフレッシュオープンし、食品売場への惣菜・スイーツ売場の導入や、衣料・住居関連売場の「ライフスタイル提案・五十貨店化」を進め品揃えを拡大しております。
既設店売上高につきましては、第3四半期においては、9月から10月にかけ、秋雨前線や台風、気温上昇により、衣料品の秋冬物が不調であった一方、食料品においては、飲料、アイスなどの販売が好調でした。11月は、気温の低下とともに衣料品は冬物の動きが好調に推移し、食料品においては青果の相場高により売上高が押し上げられました。第4四半期においては、気温が高めに推移した影響もあり、衣料品、住居関連品がシーズン物中心に苦戦した一方、クリスマス関連の化粧品、玩具等は好調でした。食料品は、カニなどを中心とする年末商材や健康関連商品は好調でしたが、精肉加工品及び相場高により和牛が不振となりました。また、期間を通じて青果、総菜中心に安定した推移により、全体としては堅調な推移となりました。
当連結会計年度末のユニー株式会社の店舗数は、開店1店舗、閉店7店舗により210店舗となりました。
株式会社UCSにおいては、カード事業における包括信用購入あっせんは、ユニー・ファミリーマートホールディングス誕生を記念して、UCSカード会員を対象としたポイントキャンペーンを実施しました。また、飲食、レジャー施設等の提携加盟店とのクーポン企画や利用促進キャンペーンの実施により、取扱高の拡大に取り組みました。加えて、与信政策によりリボルビング払いの促進を強化しました。一方、融資は、貸金業法の影響が依然として残り、取扱高及び残高は引き続き厳しい状況で推移しました。また、電子マネーは、ユニコチャージ企画や割引チケットプレゼント等、利用促進キャンペーンの実施に加え、他業種ポイントからユニコポイントへの交換サービスの拡充等により、取扱高の拡大に取り組みました。保険リース事業においては、保険代理業が企業向けの損害保険で苦戦しましたが、保険ショップを中心とした生命保険が堅調に推移しました。
これらの結果、総合小売事業の営業収益は3,607億3千9百万円、セグメント利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)は68億9千2百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した現金及び現金同等物(以下「資金」という)は833億5千1百万円となり、前連結会計年度に比べ104億2千5百万円減少しております。これは、経営統合やコンビニエンスストア事業における店舗数の増加に伴い、仕入や預り金等の取扱いが増えた等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は306億5千7百万円となり、前連結会計年度に比べ320億9千9百万円減少しております。これは、コンビニエンスストア事業におけるサークルK・サンクスブランドのファミリーマートブランドへの転換や、コンビニエンスストア事業及び総合小売事業における新規出店や既存店改装により店舗投資が増加したものの、経営統合により、子会社が保有していた現金を獲得したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は49億1千6百万円となり、前連結会計年度に比べ119億9百万円減少しております。これは、店舗投資に係るファイナンス・リース取引の増加の一方で、社債発行等の資金調達の影響等による増加等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ492億5千3百万万円増加し、1,882億8千9百万円となりました。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。また、百万円未満を切り捨てて表示しております。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2016年2月29日) | 当連結会計年度 (2017年2月28日) | |
資産の部 | ||
流動資産 | 266,631 | 549,771 |
固定資産 | ||
有形固定資産 | 197,678 | 593,754 |
無形固定資産 | 35,379 | 159,263 |
投資その他の資産 | 230,605 | 341,134 |
固定資産合計 | 463,664 | 1,094,152 |
資産合計 | 730,295 | 1,643,923 |
負債の部 | ||
流動負債 | 297,593 | 610,922 |
固定負債 | 137,472 | 498,507 |
負債合計 | 435,065 | 1,109,430 |
純資産の部 | ||
株主資本 | 277,403 | 512,429 |
その他の包括利益累計額 | 6,161 | 7,413 |
非支配株主持分 | 11,665 | 14,649 |
純資産合計 | 295,229 | 534,492 |
負債純資産合計 | 730,295 | 1,643,923 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2015年3月1日 至 2016年2月29日) | 当連結会計年度 (自 2016年3月1日 至 2017年2月28日) | |
営業総収入 | 427,676 | 894,994 |
売上原価 | 91,159 | 380,215 |
営業総利益 | 336,517 | 514,779 |
販売費及び一般管理費 | 287,782 | 458,732 |
営業利益 | 48,734 | 56,047 |
営業外収益 | 5,297 | 7,126 |
営業外費用 | 2,143 | 3,836 |
経常利益 | 51,888 | 59,336 |
特別利益 | 791 | 928 |
特別損失 | 13,918 | 24,672 |
税金等調整前当期純利益 | 38,761 | 35,592 |
法人税等合計 | 14,703 | 13,614 |
当期純利益 | 24,057 | 21,978 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 2,990 | 2,970 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 21,067 | 19,007 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2015年3月1日 至 2016年2月29日) | 当連結会計年度 (自 2016年3月1日 至 2017年2月28日) | |
当期純利益 | 24,057 | 21,978 |
その他の包括利益合計 | △417 | 1,411 |
包括利益 | 23,640 | 23,390 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | 21,167 | 20,664 |
非支配株主に係る包括利益 | 2,472 | 2,725 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年3月1日 至 2016年2月29日)
(単位:百万円) |
株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 266,599 | 6,061 | 12,168 | 284,829 |
当期変動額合計 | 10,803 | 100 | △503 | 10,400 |
当期末残高 | 277,403 | 6,161 | 11,665 | 295,229 |
当連結会計年度(自 2016年3月1日 至 2017年2月28日)
(単位:百万円) |
株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 277,403 | 6,161 | 11,665 | 295,229 |
会計方針の変更による累積的影響額 | △3,737 | △404 | - | △4,141 |
会計方針の変更を反映した当期首残高 | 273,666 | 5,756 | 11,665 | 291,087 |
当期変動額合計 | 238,763 | 1,656 | 2,984 | 243,404 |
当期末残高 | 512,429 | 7,413 | 14,649 | 534,492 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2015年3月1日 至 2016年2月29日) | 当連結会計年度 (自 2016年3月1日 至 2017年2月28日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 97,985 | 77,990 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △61,566 | △62,962 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △17,394 | △6,965 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △453 | △305 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 18,572 | 7,756 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 112,626 | 131,056 |
連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額 | △142 | - |
合併に伴う現金及び現金同等物の増加額 | - | 36,395 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 131,056 | 175,208 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年3月1日 至 2016年2月29日)
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
(有形固定資産の減価償却方法の変更)
当社及び国内連結子会社の有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法につきましては、従来、主として定率法を採用しておりましたが、当連結会計年度より、定額法に変更しております。
当社は近年、積極的な新規出店を行い高質な店舗網の構築を進めるとともに、既存店への積極的な投資による大規模な売場改革等を通じて個店競争力の強化を図ってまいりましたが、2015年度からの中期経営計画においても、引き続き積極的な店舗への投資を計画しております。
これらの状況を踏まえ、有形固定資産の償却方法について再度検討を行ったところ、当社グループが保有する有形固定資産の多くを占める店舗資産の消費パターンは来店客数と関連しており、積極的な投資を通じた来店客数の安定化によって、当該資産は耐用年数期間において平準的に使用され均等な消耗が見込まれることから、今後は減価償却費を耐用年数期間にわたり均等に費用配分することがより適切であると判断し、定額法に変更したものであります。
この結果、従来の方法に比べて、当連結会計年度の減価償却費が3,585百万円減少し、営業利益及び経常利益は3,585百万円増加、税金等調整前当期純利益が3,585百万円増加しております。
当連結会計年度(自 2016年3月1日 至 2017年2月28日)
(会計方針の変更)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2013年9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年9月13日。以下「連結会計基準」という。)及び「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 2013年9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更しております。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更しております。加えて、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組替えを行っております。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(3)、連結会計基準第44-5項(3)及び事業分離等会計基準第57-4項(3)に定める経過的な取扱いに従っており、過去の期間のすべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の当連結会計年度の期首時点の累積的影響額を資本剰余金及び利益剰余金に加減しております。
この結果、当連結会計年度の期首において、のれんが4,141百万円、資本剰余金が3,679百万円、利益剰余金が57百万円、その他の包括利益累計額が404百万円減少しており、また、当連結会計年度において、連結子会社の株式追加取得等により、資本剰余金が4,274百万円減少しております。なお、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ232百万円減少しております。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得関連費用もしくは連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載しております。
当連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、連結株主資本等変動計算書の資本剰余金の期首残高は3,679百万円減少するとともに、利益剰余金の期首残高は57百万円減少しております。
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年3月1日 至 2016年2月29日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 41.初度適用」に記載の通りであります。
当連結会計年度(自 2016年3月1日 至 2017年2月28日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については、償却年数を見積り、その年数にわたり償却しておりましたが、IFRSでは、移行日以降の償却を停止しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が3,039百万円減少しております。
(退職給付にかかる費用)
日本基準では、発生した数理計算上の差異および過去勤務費用をその他の包括利益として認識した後に一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として即時認識するとともに、直ちに利益剰余金に振り替えております。また、過去勤務費用は発生時に損益として認識しております。
利息の計算において、日本基準では退職給付債務に割引率を乗じて算定した利息費用と、年金資産に長期期待運用収益率を乗じて算定した期待運用収益を使用しておりましたが、IFRSでは確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額に割引率を乗じて算定した利息純額を使用しております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が590百万円増加しております。