有価証券報告書-第42期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 14:04
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168項目
(1)経営成績等の状況の概要
①業績
[国内外経済等の背景について]
当連結会計年度における我が国経済は、政府による各種経済対策等を背景に、企業収益、雇用・所得環境の改善等が続き、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、世界経済は、米国の保護主義的な通商政策による貿易摩擦の長期化に伴う世界経済に与える影響や欧州の政治情勢の不安定さ、金融資本市場の変動影響、中国経済の減速、混迷を極める中東情勢による原油価格高騰等、景気の先行きは、依然として不透明な状況が続いています。
小売業界全体としては、人手不足による人件費の上昇や物流費の上昇等によりコストが増加傾向にあり、少子高齢化・人口減が進む日本において、中長期的な課題として顕在化しはじめております。また、消費者のライフスタイルの変化や購買行動の多様化が消費動向に影響を及ぼしており、顕著な取捨選択により短期的な買い替え需要が鈍化する業種がある一方で、高額商品が伸びた業種がある等、めまぐるしく環境が変化し、不透明感が増すなかで、これまでの概念にとらわれない、将来を見据えた革新的な経営が更に求められています。
[家電流通業界について]
当社グループが属する家電流通業界において、今夏は、全国各地での災害や酷暑に加え、各災害復旧等に伴う慢性的な人手不足も重なり、売上や利益に大きな影響を及ぼしました。しかし、主要商品を中心とした堅調な買い替え需要の下支えにより、売上は堅調に推移したと推察されます。
商品別には、家電エコポイントや地デジ化に伴う特需の反動減による長引く市場低迷が続いてきたテレビに底打ち感が見られ、2018年12月1日に「新4K8K衛星放送」が開始されたことから4Kテレビや有機ELテレビ等の高単価商品を中心に好調に推移しました。冷蔵庫・洗濯機につきましても買い替え需要に下支えられ好調に推移しました。エアコン等の季節商品は、暖冬の影響があったものの、夏の酷暑及び年間を通してのエアコンの需要により好調に推移しました。携帯電話は、販売施策是正の影響や2018年秋に発売された新型機種に伸び悩みが見られたものの、高単価商品が牽引し、好調に推移しました。一方、パソコン等のデジタル関連商品は、利用構造(目的や用途)や購買構造の変化から、長らく伸び悩みが続いております。また、ブロードバンドは、各通信キャリアの大容量データ通信プラン等の普及により、市場縮小の影響がありました。
[当社の取り組みについて]
このような家電市場を背景に、当社は、全国店舗ネットワークや6,000万件を超す各種会員のビッグデータの分析と活用による新たなサービスを開拓し、持続的成長・発展のため、様々な挑戦を続けてまいりました。
その取り組みとして、今までヤマダ電機グループが提供する各種サービスを「住宅設備機器事業部」「金融サービス事業部」「サポートサービス事業部」「環境ビジネス事業部」「ネットモールサービス事業部」「モバイル事業部」「家電販売事業部」「関係子会社家電事業部」「法人事業部」に区分し、それぞれの事業別の管理を強化、推進してまいりました。
その中でも、「住宅設備機器事業部」については、2017年よりスタートした新業態店舗『家電住まいる館』の開発を継続し、2019年3月末までに74店舗(今期:54店舗)を改装オープンしました。これまで様々な商圏に対し、形態が異なる「家電住まいる館」への改装を行い、実験、検証を繰り返し、1号店オープンから1年半の時間を要しましたが、コンセプトに沿った基本フォーマットが整いました。
また、住宅商品開発強化と全国店舗統廃合ネットワークの一体となる営業効率向上強化による利益最大化のため、2018年4月1日付の株式会社ナカヤマの吸収合併(リフォーム事業の拡大)や2018年10月1日を効力発生日として、当社連結子会社である株式会社ヤマダ・エスバイエルホーム(現:株式会社ヤマダホームズ)を存続会社とする4社合併を行いました。また、家電・リフォームに加え、「家電住まいる館」の展開にあわせ、家具・インテリア関連のSPA商品の開発の推進や株式会社大塚家具との業務提携(2019年2月)、株式会社家守りホールディングスとの資本業務提携(2019年2月)を行い、「住宅まるごと提案」の拡充を図りました。
その他の取り組みとして、当社直営ネットショップ「ヤマダウェブコム」に加え、2017年8月の「Yahoo!ショッピング」への出店に続き、今期は、「楽天市場」(2018年7月)、「Wowma!」(2018年10月)に出店し、ネットと店舗網、物流網の強みを活かしたネット販売の強化・推進と店舗の融合を図りました。また、パーソナル少額短期保険株式会社(現 株式会社ヤマダ少額短期保険)の株式取得(2018年8月)や株式会社ヤマダライフ保険の設立(2018年8月)による「金融事業」の拡大、株式会社スリーダムとの合弁会社「ソーシャルモビリティ株式会社」の設立(2018年12月)やインバウンド向け決済「WeChatPay」の全国展開とキャッシュレス決済方法「PayPay」、「LINE Pay」の多様化等を推進し、利便性やCSの向上を図りつつ、新たなビジネスモデルの構築につながる将来に向けた種まきを行ってまいりました。
また、第2四半期連結累計期間(2018年4月1日~2018年9月30日)に家電事業強化として新しい収益モデルへの改革(以下ご参照)に取り組みました。
①バーチャルとリアルの融合による交叉比率向上を目指したセルアウトへの改革の実施。
②既存の家電住まいる館の様々な効果検証に基づく最適化・最大化された新フォーマットへの再改装、再々改装の実施。
以上の改革による成果が表れ、第3・4四半期連結会計期間(2018年10月1日~2019年3月31日)の実績が修正計画通りの回復となり、売上総利益が飛躍的に改善、経常利益率も第2四半期連結累計期間の1.3%から3.3%へ大幅に改善しました。
なお、2018年12月中旬以降の急速な為替変動に伴う為替差損が発生しております。その影響につきましては、以下の「[ご参考][(連結)各会計期間の「為替差損益を除く」業績の推移]」をご参照ください。
[ご参考][(連結)各会計期間の「為替差損益を除く」業績の推移]
(単位:百万円・%)
上期
(2018年4月1日
~2018年9月30日)
下期
(2018年10月1日
~2019年3月31日)
通期
(2018年4月1日
~2019年3月31日)
売上高793,670806,9121,600,583
経常利益9,42627,60737,033
経常利益率1.23.42.3

[CSRについて]
ヤマダ電機グループは、社会価値を高め、社会と共に発展する企業を目指し、実体を伴った形だけではないCSR経営を継続して実践、積極的な活動を続け、持続可能な社会の実現に貢献しております。また、社会課題の解決に寄与し、企業価値を向上させる企業であり続けるためには、ESG(環境・社会・企業統治)への配慮が必要不可欠であると認識し、積極的な取り組みを行っております。( https://www.yamada-denki.jp/csr/ )
[店舗数について]
当連結会計年度末の店舗数(海外含む)は、24店舗の新規出店、19店舗の退店により、直営店舗数975店舗(単体直営667店舗、ベスト電器160店舗、その他連結子会社148店舗)となり、FC含むグループ店舗数総計は12,570店舗となっております。
[業績のまとめ]
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,600,583百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益27,864百万円(前年同期比28.1%減)、経常利益36,889百万円(前年同期比22.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益14,692百万円(前年同期比50.7%減)となり、前年同期比につきましては、減益となりました。その主な要因は、第2四半期連結累計期間に実施した取り組み等(前記①~②をご参照)による販売費及び一般管理費の増加、為替差損の発生によるものです。
なお、第3・4四半期連結会計期間(2018年10月1日~2019年3月31日)は、新しい収益モデルへの改革の成果が表れ、経常利益ベースで大幅な改善が図られ、概ね計画通りに推移いたしました。
[ご参考] (個別)株式会社ヤマダ電機の概況は以下のとおりです。
[(個別)各会計期間の業績の推移(※売上高は、卸売上高等除く調整後)]
(単位:百万円・%)
上期
(2018年4月1日
~2018年9月30日)
下期
(2018年10月1日
~2019年3月31日)
通期
(2018年4月1日
~2019年3月31日)
売上高593,790608,7331,202,523
経常利益4,76021,26626,027
経常利益率0.83.52.2

[(個別)各会計期間の「為替差損益を除く」業績の推移(※売上高は、卸売上高等除く調整後)]
(単位:百万円・%)
上期
(2018年4月1日
~2018年9月30日)
下期
(2018年10月1日
~2019年3月31日)
通期
(2018年4月1日
~2019年3月31日)
売上高593,790608,7331,202,523
経常利益3,77021,65325,424
経常利益率0.63.62.1

②財政状態
[概要]
当連結会計年度末の総資産額は、前連結会計年度末に比べ8,473百万円増加(前期比0.7%増)して1,184,042百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加によるものであります。
負債は、5,621百万円増加(前期比1.0%増)し592,448百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加によるものであります。
純資産は、利益剰余金の増加等により、2,852百万円増加(前期比0.5%増)して591,593百万円となりました。この結果、自己資本比率は49.7%(前期比0.1ポイント減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ151百万円減少して51,175百万円(前期比0.3%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、36,023百万円の収入(前年同期は61,689百万円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が前年同期を下回ったことと、売上債権の増減額の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,469百万円の支出(前年同期は12,668百万円の支出)となりました。
これは主に、店舗改装等に伴う有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、27,461百万円の支出(前年同期は32,920百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2015年3月期2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期
自己資本比率(%)43.246.648.449.849.7
時価ベースの自己資本比率(%)33.337.238.543.437.5
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)10.5-5.43.76.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)14.1-30.046.328.8

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)2016年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
④販売の実績
a.販売実績
当社グループの事業セグメントは、家電・情報家電等の販売事業及びその他の事業でありますが、家電・情報家電等の販売事業の全セグメントに占める割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、下記は品目別の販売実績であります。
品目別当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
売上高(百万円)構成比(%)
家電・情報家電1,341,51183.81.4
非家電259,07116.23.1
合計1,600,583100.01.7

(注)上記金額は消費税等を含んでおりません。
b.単位当たり売上高
項目当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期増減比(%)
売上高(百万円)1,600,5831.7
売場面積(期中平均)(㎡)2,644,0781.2
1㎡当たり売上高(千円)6050.5
従業員数(期中平均)(人)28,850△0.9
1人当たり売上高(百万円)552.6

(注)1. 売場面積は、大規模小売店舗立地法(届出時期により大規模小売店舗法)に基づく店舗面積を記載しております。
2. 上記金額は消費税等を含んでおりません。
3. 従業員数は臨時雇用者数を含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、重要となる会計方針については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、引当金、資産の評価等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を反映して連結財務諸表を作成しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上高・売上総利益)
当連結会計年度の売上高は、2018年12月1日に「新4K8K衛星放送」がスタートし、4Kテレビや有機ELテレビ等への関心がさらに高まったことから、高単価商品の構成比の増加及びテレビ全体の販売台数の増加により好調に推移しました。冷蔵庫・洗濯機は、高機能・高単価商品への関心が高く買い替え需要が進んだことにより好調に推移しました。エアコン等の季節商品は、夏の酷暑や寒冷地を含む通年で使えるエアコン需要の高まりにより、好調に推移しました。携帯電話は、秋に発売された新型機種に伸び悩みが見られたものの、高機能・高単価商品が好調に推移しました。パソコン等のデジタル関連商品は、ライフスタイルの変化等により、主流がパソコンからスマートフォンにシフトしており、個人向けを中心に伸び悩みが続いております。ブロードバンドは、通信各社の大容量データ通信プランの普及により市場が縮小しました。その結果、当連結会計年度の売上高は、1,600,583百万円(前年同期比1.7%増)となりました。売上総利益は、第2四半期連結累計期間(2018年4月1日~2018年9月30日)に家電事業強化として新しい収益モデルへの改革(「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 [当社の取り組みについて]」をご参照)に取り組みました。この改革による成果が第3・4四半期連結会計期間(2018年10月1日~2019年3月31日)に表れ、実績が計画通りに進捗し、売上総利益率が前年同期比で第2四半期連結累計期間の4.9%減から6.4%増に大幅に改善されました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は、440,990百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益・営業外損益・経常利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、継続した経費の削減及びコントロールを行ったものの、酷暑及び全国的な人手不足に伴う人件費及び物流費の増加、前年と当年との戦略の違いによるポイント経費の上昇、Yahoo!ショッピング(2017年8月)及び楽天市場(2018年7月)並びにWowma!(2018年10月)への出店に伴う手数料の増加等で413,126百万円(前年同期比3.4%増)となり、営業利益は、27,864百万円(前年同期比28.1%減)となりました。
営業外収益は、15,850百万円(前年同期比1.3%増)。営業外費用は、6,825百万円(前年同期比3.5%減)となりました。
その結果、経常利益は、36,889百万円(前年同期比22.1%減)となりました。
(特別損失・特別利益・税金等調整前当期純利益)
特別利益は、店舗及び有価証券の売却等により1,123百万円となりました。特別損失は、豪雨・台風・地震等に伴う災害による損失や店舗等の減損損失及び関係会社の展示場の減損損失等の発生により、12,915百万円(前年同期比76.4%増)となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ14,917百万円減少し、25,097百万円(前年同期比37.3%減)となりました。
(法人税等合計・当期純利益・非支配株主に帰属する当期純利益・親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は10,302百万円、当期純利益は14,794百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は、101百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ15,087百万円減少し、14,692百万円(前年同期比50.7%減)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金と設備投資資金です。
運転資金は、販売商品の仕入の他、販売費及び一般管理費等、設備投資資金は、新規出店及び店舗改装等によるものであります。
(財政政策)
当社グループは、運転資金と設備投資を、営業活動によるキャッシュ・フローで充当することを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等を実施しております。
なお、安定的かつ効率的な調達を行うため、金融機関からは十分な融資枠を設定していただいているとともに、500億円のコミットメントライン契約を結び、資金需要に備えております。
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すとともに、一層の資金効率化を進め、財務体質の改善を図っていく方針であります。
c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
(経営上の目標の達成状況)
当社は、目標とする経営指標として、売上高経常利益率5%以上としておりましたが、上述の各要因により、当連結会計年度につきましては2.3%となりました。2020年3月期につきましては、2019年10月に予定されております消費税率引上げに伴う需要とその反動減から、売上高は、若干のプラスで推移すると予想されますが、人手不足による人件費の上昇や物流配送費の上昇等、各コストの上昇が見込まれることから、売上高経常利益率3%以上を目標としております。

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