有価証券報告書-第47期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/17 15:19
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済・金融政策等の効果もあり、景況は緩やかな回復基調となりました。しかしながら、その後は新興国経済の減速等により我が国の景気先行きも不透明となり、加えて、物価が円安による原材料価格高騰や人手不足による人件費上昇の影響を受け上昇したため、個人消費は伸びを欠く状態となっております。こうした中、外食業界におきましては、業界の垣根を越えた激しい顧客獲得競争が続いております。
このような環境の下、当社グループ(当社及び連結子会社)は、「おいしさ、しあわせ創造企業」の理念に基づき、2015年度から始まった新・中期経営計画『Building The Future 2017』に沿って、着実な成長に向けて取り組んでまいりました。ケンタッキーフライドチキン、ピザハット共に、①「原材料、素材、手づくり調理へのこだわり」②「商品開発力の強化」③「現場力の更なる強化」を基本方針とし、差別化された強いブランドの下、強力に販売活動を展開した他、地域や立地のニーズに合わせた新業態開発やメニュー開発・経費の最適化を行い、次なる成長へ向けた施策を実行しております。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、既存店の大幅な増収に伴い、売上高は881億8千万円(対前連結会計年度比4.2%増)となりました。営業利益はピザハット事業の損益を大幅に改善した結果、20億1千1百万円(同200.1%増)、経常利益は18億6千6百万円(同179.6%増)となりました。当社グループでは、ポートフォリオの入替を検討し、自社の保有する物件の売却を行い、また、不採算店舗の整理を実施致しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7億3千万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失5億2千4百万円)となりました。
報告セグメント別の業績は次のとおりであり、利益は営業利益ベースの数値であります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
1)KFC事業
当連結会計年度は、厳しい競合環境の中、お客様から「やっぱり、ケンタッキー」とご支持いただけるブランドを目指し、①KFCブランドの再強化、②顧客ニーズを分析し施策立案へ活用、③現場力の強化、この3つを基本戦略として実行し「お客様・現場視点からの経営」の実現に努めてまいりました。
具体的には、主力商品であるオリジナルチキンに関しては、従来から指定農場・国内産素材を1ピースずつ店内で手づくりという価値を強みとしてまいりましたが、全国キャンペーン及び店頭で、チキンは全て「国内産」であることを訴求し続け「ブランド力」再強化を図りました。平成27年3月には価格改定を実施し、結果として単価が上昇すると共に客数が増加し、売上を大幅に伸長することができました。
チキンの新商品として、「さくさくケンタッキー」や「辛旨骨なしケンタッキー」、揚げてから焼く、新たな製法の「焼きフライドチキン」「香ばし醤油チキン」を投入致しました。またチキン以外では、皮付きじゃがいもを輪状にくりぬいて揚げた「カーネリングポテト」、北海道産天然の秋鮭を使用した「フライドサーモン」、「プレミアムフィレサンド」を投入し、お客様から大変ご好評をいただきました。加えて、カフェ業態では、「ケンタッキー+ベジタブル」の「ベジケンタ」メニューを販売し、健康志向の女性を中心に高い評価をいただいております。
新業態としては、平成27年11月に万博記念公園(大阪府吹田市)にレストランタイプの店舗をオープン、「オリジナルチキン」をはじめとした定番メニューやカーネルのオリジナルレシピを再現した料理、ドリンク・スイーツなど、常時60種類ほどのメニューを全て食べ放題でご提供しております。
従来のケンタッキーの「オリジナルチキン」(コア)の販売をベースとして、立地毎に新たな利用機会を創出する取り組みを実行し、引き続き、素材・手づくりを更に磨きをかけて、お客様に提供してまいります。
その一方、原価が売上総利益に与える影響は食包材コストの増加、販売費及び一般管理費においては人手不足・人件費単価の上昇がある反面、ITコストの抑制を始めとする経費最適化により、今後の営業利益に対する影響を最小限にする活動を展開しております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は684億1千万円(対前連結会計年度比6.0%増)、営業利益は20億2千万円(同9.2%増)となりました。
2)ピザハット事業
当連結会計年度は、「おいしさ、もっと!」を理念に、①最適な店舗収益モデルの構築②事業規模と本社経費バランスの見直し③全体戦略と整合した最適な店舗開発の3つを実行し、売上・収益の目標達成に努めました。また、テイクアウトのマーケティング施策を強化したことで、宅配に加え持ち帰り需要の獲得増を図りました。この他にも、新たな利用機会の創出として、業態開発した「PH Express」に加え、客席を保有するタイプの店舗も出店し売上の増加に努めました。新商品として、ボリュームたっぷりの「シュプリーム」シリーズを春から投入、平成27年6月には‘みみ’部分がポケットになった4ピザに4種ポケットが楽しめる「クレイジーポケット4(フォー)」を、また平成27年8月からは更にパワーアップした「ミートクレイジー4」を販売致した他、冬のパーティー需要に合わせ、4種のトッピングと香ばしいチーズを‘みみ’にのせた豪華な、「ゴールデンプレミアム4」を販売致しました。
その一方、経費はデジタルマーケティングを強化し顧客の利便性を高めつつ、WEB広告・TVメディア・チラシコストの最適化を図ることで、大幅に抑制致しております。
これらの結果、激化する競合環境の中で、当連結会計年度の売上高は154億2千5百万円(対前連結会計年度比0.6%減)と減収となったものの、営業損失は3億5千1百万円(前連結会計年度は営業損失14億7千7百万円)と利益改善につながりました。
3)その他事業
当連結会計年度は、ビュッフェスタイルのイタリアンレストラン「ピザハット・ナチュラル」を現在1店舗で展開しております。これまでの営業で培った経営ノウハウは、今後KFC・ピザハットの店舗運営に反映させてまいります。
なお、当連結会計年度より、従来KFC事業・ピザハット事業に含まれておりました、持株会社であり各事業会社の業務受託や経営指導を行っている日本KFCホールディングス株式会社及び各事業会社の広告宣伝関連を取り扱う子会社である株式会社ケイ・アドの売上高・セグメント損益に関して、その他事業セグメントとして記載する方法に変更しております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は123億9千3百万円(対前連結会計年度比3.0%増)、営業利益は2億3千9百万円(同65.6%減)となりました。
4)店舗展開
KFC事業・ピザハット事業共に、出店立地に合わせた業態開発を進める一方で、特にKFC事業においては各地域での不採算店舗を見直しスクラップ・アンド・ビルドを実行致しました。これらの結果、当連結会計年度末のチェーン全体の店舗数は、KFC1,144店(対前連結会計年度比11店減)、ピザハット368店(同増減無)、ピザハット・ナチュラル1店(同7店減)となりました。
5)サポートセンター(本社)及び連結子会社
サポートセンター部門では、経営効率の改善と諸経費の抑制に努める一方で、中期経営計画の実現に向けて、人材の育成・強化そして効率化を図ると共に、情報システムやマーケティング、商品開発分野に積極的な投資を実施致しました。
連結子会社については、KFC、ピザハット、ピザハット・ナチュラルを運営する3つの事業会社、KFC・ピザハット事業の全国キャンペーン活動を主とする広告宣伝の代行業務を行う会社1社、大阪・四国地区のKFC一部店舗を運営する会社1社、東北・関東地区のピザハット一部店舗を運営する会社1社の合計6社により構成されており、これら6社は当社の100%子会社となっております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して4億6千5百万円減少し、153億3千9百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは15億1千9百万円の収入となりました。その主な要因は税金等調整前当期純利益14億7千5百万円、減価償却費26億4千9百万円、未払消費税等の減少額11億3千4百万円、法人税等の支払額6億9千5百万円、売上債権の増加額3億5千7百万円及びたな卸資産の増加額3億円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2億9千8百万円の支出となりました。その主な要因は、定期預金の払戻による収入10億円、有形固定資産の売却による収入4億4百万円、店舗譲渡による収入3億1千6百万円及び有形・無形固定資産の取得による支出20億5千7百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは16億8千6百万円の支出となりました。その主な要因は、配当金の支払額11億2千3百万円、リース債務の返済による支出5億5千6百万円及び自己株式の取得による支出6百万円によるものであります。