有価証券報告書-第57期(2025/07/01-2026/06/30)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善とインバウンド需要の増加が支えとなり、国内の消費活動は緩やかな回復の動きが続いております。一方で、国際情勢の不確実性や米国の通商政策、為替相場の変動の影響などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況であります。
外食業界においては、物価高騰による消費者の節約志向が継続しているものの、外食需要は堅調に推移いたしました。しかしながら、原材料価格や人件費をはじめとする運営コストの上昇も続いており、依然として厳しい経営環境が継続しております。
このような環境の中、当社グループは経営理念である「Smile & Sexy」および長期経営ビジョンの実現を目指し、2030年をターゲットとした「物語ビジョン2030」ならびに「中期3カ年経営計画2026~2028」を策定しております。「物語ビジョン2030」においては、「業態開発型リーディングカンパニー実現に向けた全方位成長戦略」を掲げ、「『業態開発力×人財力』で勝ち抜く成長戦略」のもと、「選ばれるブランドづくり」「成長を加速させる新業態・新事業開発」「海外事業の拡大」の3つを重点テーマに据えました。これらを踏まえて業態開発を推進するとともに、「人財力」を競争優位性かつ差別化の源泉と捉え、人財の育成と活躍を後押しする取り組みを通じて、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
「選ばれるブランドづくり」では、主力ブランドである『焼肉きんぐ』『丸源ラーメン』『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』において、ブランド競争力を強化するため、顧客体験価値の向上に取り組んでおります。具体的には、看板商品の磨きこみや期間限定フェアの開催、サービスの質を高める仕組みづくり、多様なニーズに対応した営業時間の拡大、既存店舗の内外装の改装やテレビCMをはじめとするプロモーションの強化を実施いたしました。加えて、収益性の向上に向けて、都市型価格の導入などの価格改定の実施や、新型特急レーンの開発、配膳ロボットの導入台数を拡大するなどの店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)への投資を継続いたしました。
これらの施策により、国内既存店(注)の当連結会計年度における売上高は、直営店において前期比5.0%増、フランチャイズ店において前期比3.3%増となりました。
店舗出店においては、国内63店舗(直営50店、フランチャイズ13店)、海外59店舗(直営42店、フランチャイズ等17店)を出店した結果、当連結会計年度末における当社グループの店舗数は919店舗(国内808店舗[直営548店、フランチャイズ260店]、海外111店舗[直営73店、フランチャイズ等38店])となりました(後掲表2)。
「成長を加速させる新業態・新事業開発」では、主力ブランドに続く新たな収益の柱を育成すべく、焼肉ファストカジュアル業態『焼きたてのかるび』の展開を推進したほか、2025年7月に郊外ロードサイド型カフェ&ショップ業態『果実屋珈琲』の3号店を、2026年5月に郊外ロードサイド型フルサービスうどん業態『肉讃岐 もっちりうどん源次郎』の1号店を出店いたしました。
「海外事業の拡大」では、中華圏、東南アジア、北米を注力地域と定め、ハンバーグ専門店『肉肉大米』を中国において積極的に出店したほか、2025年8月にシンガポール、2025年10月に台湾、2026年3月にはタイに初出店いたしました。さらに、2025年8月には『焼肉きんぐ』の海外1号店をフィリピンに初出店したほか、2026年4月には、米国の鉄板焼きレストラン『HIBACHI STEAK HOUSE』をグループ化いたしました。
「人財力」においては、「多様な理念型人財の採用と活躍」「個の覚醒とD&I」「プロフェッショナルリーダーの育成」の3つを重点テーマに据えております。多様な理念型人財の採用や、教育・研修機会の拡充による理念経営の推進と能力開発に取り組み、従業員一人ひとりが自分らしくイキイキと働くことができる企業文化の醸成を図っております。加えて、環境負荷の軽減やガバナンス体制の強化に向けたサステナビリティ戦略の推進やコーポレート機能の強化にも取り組んでおります。
以上の結果により、売上高151,689百万円(前期比22.4%増)、営業利益12,145百万円(前期比31.4%増)、経常利益12,122百万円(前期比34.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,743百万円(前期比42.0%増)となりました。
(注)国内既存店とは、新規開店から18カ月以上経過している国内の店舗と定義しております。
セグメント別の概況について
当社グループの事業は単一セグメントであるため、その概況をカテゴリー別に示すと次のとおりであります。なお、2026年6月期より開示しているカテゴリーを従来の7部門から新たに6カテゴリーへ再編いたしました。
表1 「新旧対比表」
(注)FCとはフランチャイズを指します。
①焼肉カテゴリー
当連結会計年度中において、『焼肉きんぐ』は21店舗の出店(直営15店、フランチャイズ6店)を実施しました。これにより、焼肉カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は369店舗(直営238店、フランチャイズ131店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は69,599百万円(前期比12.8%増)となりました。
②ラーメンカテゴリー
当連結会計年度中において、『丸源ラーメン』は19店舗の出店(直営14店、フランチャイズ5店)、『熟成醤油ラーメン きゃべとん』は1店舗の出店(直営1店)を実施しました。これにより、ラーメンカテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は251店舗(直営143店、フランチャイズ108店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は25,088百万円(前期比15.2%増)となりました。
③ゆず庵カテゴリー
当連結会計年度中において、『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』は10店舗の出店(直営9店、フランチャイズ1店)を実施しました。これにより、ゆず庵カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は116店舗(直営99店、フランチャイズ17店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は25,609百万円(前期比23.8%増)となりました。
④専門店・新業態カテゴリー
当連結会計年度中において、『お好み焼本舗』は3店舗の出店(直営2店、フランチャイズ1店)、『焼きたてのかるび』は7店舗の出店(直営7店)、『果実屋珈琲』は1店舗の出店(直営1店)、『肉讃岐 もっちりうどん源次郎』は1店舗の出店(直営1店)を実施しました。これにより、専門店・新業態カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は72店舗(直営68店、フランチャイズ4店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は9,351百万円(前期比20.2%増)となりました。
⑤フランチャイズカテゴリー
主にフランチャイズ加盟企業からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。当連結会計年度中において、フランチャイズ店舗については13店舗の出店を実施しました。これにより、当連結会計年度末のフランチャイズ店舗数は260店舗となりました。
以上の結果により、売上高は7,809百万円(前期比6.3%増)となりました。
⑥海外カテゴリー
主に連結子会社である「物語(上海)企業管理有限公司」、「PT. Agrapana Niaga Gemilang」、「物語香港有限公司」、「物語台湾股份有限公司」、「Storytellers USA, Inc.」、「Storytellers(Thailand)Co., Ltd.」による取り組みと、海外フランチャイズ加盟企業からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。当連結会計年度中において、59店舗の出店(直営42店、フランチャイズ等17店)を実施しました。これにより、海外カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は111店舗(直営73店、フランチャイズ等38店)となりました。なお、「Storytellers USA, Inc.」およびその傘下6社は、前連結会計年度は貸借対照表のみを連結し、当連結会計年度より損益計算書を連結しております。
以上の結果により、売上高は14,230百万円(前期比202.1%増)となりました。
表2 「カテゴリー別店舗数の状況」
(単位:店)
(注)「FC等」は、合弁会社を含む直営以外の形態を指します。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し4,654百万円増加し、16,993百万円(前期末比37.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は16,033百万円(前期は11,839百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益11,687百万円、減価償却費6,031百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は10,927百万円(前期は13,954百万円の使用)となりました。これは主に新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出10,039百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は494百万円(前期は2,707百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出9,000百万円、短期借入れによる収入8,000百万円によるものです。
(生産、受注及び販売の実績)
当社グループは、単一セグメントであるため品目別及び部門別に記載しております。
ⅰ.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によるものであり、部門間の内部振替前の数値であります。
ⅱ.受注実績
当社は一般消費者への直接販売を主としており、また、生産についても見込生産を行っておりますので、記載すべき事項はありません。
ⅲ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をカテゴリー別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.主に連結子会社である「物語(上海)企業管理有限公司」、「PT. Agrapana Niaga Gemilang」、「物語香港有限公司」、「物語台湾股份有限公司」、「Storytellers USA, Inc.」、「Storytellers(Thailand)Co., Ltd.」による取り組みと、海外フランチャイズ加盟企業からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。
2.当連結会計年度において、海外カテゴリーの販売実績に著しい変動がありました。これは、前期末に設立した米国現地子会社「Storytellers USA, Inc.」等について、当連結会計年度より損益計算書を連結したことの影響です。
3.主にフランチャイズ加盟企業からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
ⅰ.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べて6,653百万円増加し、27,792百万円となりました。これは主に現金及び預金が4,472百万円増加、売掛金が1,079百万円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べて6,317百万円増加し、59,205百万円となりました。これは主に有形固定資産が4,837百万円増加、繰延税金資産・差入保証金など投資その他の資産が1,155百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べて3,737百万円増加し、22,548百万円となりました。これは主に未払法人税等が1,082百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が1,030百万円増加、買掛金が727百万円増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べて2,382百万円増加し、17,233百万円となりました。これは主に長期借入金が2,100百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて6,851百万円増加し、47,215百万円となりました。これは主に利益剰余金が7,279百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.1%(前連結会計年度末は54.3%)となりました。
ⅱ.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前期比22.4%増加し151,689百万円となりました。
当社グループにおきましては、経営理念「Smile & Sexy」および長期経営ビジョン「『とびっきりの笑顔と心からの元気』で世の中をイキイキさせる」の実現を目指し、2030年までの中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」と「中期3カ年経営計画2026~2028」を策定しております。
「物語ビジョン2030」においては、「業態開発型リーディングカンパニー実現に向けた全方位成長戦略」をテーマに掲げ、業態開発を軸に既存ブランドの強化や新たな成長エンジンの創出に取り組み、国内外での事業拡大と売上・利益の最大化を図ります。また、成長を支える「人財力」を競争優位性かつ差別化要因の源泉と捉え、育成と活躍を最大化する環境を整備することで、持続的な企業価値の向上を目指しております。
これらの取り組みにより、国内既存店(注)の当連結会計年度における売上高は、直営店において前期比5.0%増、フランチャイズ店において前期比3.3%増となりました。
焼肉カテゴリーでは、直営店において15店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は69,599百万円(前期比12.8%増)となりました。
ラーメンカテゴリーでは、直営店において15店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は25,088百万円(前期比15.2%増)となりました。
ゆず庵カテゴリーでは、直営店において9店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は25,609百万円(前期比23.8%増)となりました。
専門店・新業態カテゴリーでは、直営店において11店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は9,351百万円(前期比20.2%増)となりました。
フランチャイズカテゴリーでは、フランチャイズ店において13店舗の新規出店を実施しました。フランチャイズ加盟店舗数の増加によるロイヤルティ収入の増加などにより、売上高は7,809百万円(前期比6.3%増)となりました。
海外カテゴリーでは、59店舗の新規出店を実施しました。この結果、売上高は14,230百万円(前期比202.1%増)となりました。
(注)国内既存店とは、新規開店から18カ月以上経過している国内の店舗と定義しております。
売上原価は売上高の増加に伴い、前期比20.3%増加し52,068百万円となりました。売上高原価率は34.3%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比22.5%増加し87,474百万円となりました。販管費率は、前期比0.0ポイント増の57.6%となっております。販売費及び一般管理費が増加したのは、新規出店に伴う人員増員により給料及び手当が前期比21.8%増の37,329百万円となったことなどによります。
この結果、営業利益は前期比31.4%増加し12,145百万円となりました。
営業外収益は前期比179.5%増加し330百万円となり、営業外費用は前期比8.8%増加し353百万円となりました。営業外収益が増加したのは、為替差益が193百万円発生したことによるもので、営業外費用が増加したのは、支払利息が前期比201.6%増加し280百万円となったことなどによります。
この結果、経常利益は前期比34.1%増加し12,122百万円となりました。
特別利益は、保険金収入131百万円等を計上し、148百万円となりました。特別損失は、減損損失368百万円等を計上し、582百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比42.0%増加し8,743百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗の設備投資、システム開発投資などによるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金および金融機関からの長期借入金および社債の発行により行っております。
なお、当連結会計年度末における社債、借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は17,424百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は16,993百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成する上では、固定資産の減損損失、のれんの評価、繰延税金資産の回収可能性など様々な会計上の見積りを行うことが必要となりますが、会計基準では、会計上の見積りを「資産及び負債や収益又は費用等の額に不確実性がある場合において、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出すること」と定義されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善とインバウンド需要の増加が支えとなり、国内の消費活動は緩やかな回復の動きが続いております。一方で、国際情勢の不確実性や米国の通商政策、為替相場の変動の影響などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況であります。
外食業界においては、物価高騰による消費者の節約志向が継続しているものの、外食需要は堅調に推移いたしました。しかしながら、原材料価格や人件費をはじめとする運営コストの上昇も続いており、依然として厳しい経営環境が継続しております。
このような環境の中、当社グループは経営理念である「Smile & Sexy」および長期経営ビジョンの実現を目指し、2030年をターゲットとした「物語ビジョン2030」ならびに「中期3カ年経営計画2026~2028」を策定しております。「物語ビジョン2030」においては、「業態開発型リーディングカンパニー実現に向けた全方位成長戦略」を掲げ、「『業態開発力×人財力』で勝ち抜く成長戦略」のもと、「選ばれるブランドづくり」「成長を加速させる新業態・新事業開発」「海外事業の拡大」の3つを重点テーマに据えました。これらを踏まえて業態開発を推進するとともに、「人財力」を競争優位性かつ差別化の源泉と捉え、人財の育成と活躍を後押しする取り組みを通じて、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
「選ばれるブランドづくり」では、主力ブランドである『焼肉きんぐ』『丸源ラーメン』『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』において、ブランド競争力を強化するため、顧客体験価値の向上に取り組んでおります。具体的には、看板商品の磨きこみや期間限定フェアの開催、サービスの質を高める仕組みづくり、多様なニーズに対応した営業時間の拡大、既存店舗の内外装の改装やテレビCMをはじめとするプロモーションの強化を実施いたしました。加えて、収益性の向上に向けて、都市型価格の導入などの価格改定の実施や、新型特急レーンの開発、配膳ロボットの導入台数を拡大するなどの店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)への投資を継続いたしました。
これらの施策により、国内既存店(注)の当連結会計年度における売上高は、直営店において前期比5.0%増、フランチャイズ店において前期比3.3%増となりました。
店舗出店においては、国内63店舗(直営50店、フランチャイズ13店)、海外59店舗(直営42店、フランチャイズ等17店)を出店した結果、当連結会計年度末における当社グループの店舗数は919店舗(国内808店舗[直営548店、フランチャイズ260店]、海外111店舗[直営73店、フランチャイズ等38店])となりました(後掲表2)。
「成長を加速させる新業態・新事業開発」では、主力ブランドに続く新たな収益の柱を育成すべく、焼肉ファストカジュアル業態『焼きたてのかるび』の展開を推進したほか、2025年7月に郊外ロードサイド型カフェ&ショップ業態『果実屋珈琲』の3号店を、2026年5月に郊外ロードサイド型フルサービスうどん業態『肉讃岐 もっちりうどん源次郎』の1号店を出店いたしました。
「海外事業の拡大」では、中華圏、東南アジア、北米を注力地域と定め、ハンバーグ専門店『肉肉大米』を中国において積極的に出店したほか、2025年8月にシンガポール、2025年10月に台湾、2026年3月にはタイに初出店いたしました。さらに、2025年8月には『焼肉きんぐ』の海外1号店をフィリピンに初出店したほか、2026年4月には、米国の鉄板焼きレストラン『HIBACHI STEAK HOUSE』をグループ化いたしました。
「人財力」においては、「多様な理念型人財の採用と活躍」「個の覚醒とD&I」「プロフェッショナルリーダーの育成」の3つを重点テーマに据えております。多様な理念型人財の採用や、教育・研修機会の拡充による理念経営の推進と能力開発に取り組み、従業員一人ひとりが自分らしくイキイキと働くことができる企業文化の醸成を図っております。加えて、環境負荷の軽減やガバナンス体制の強化に向けたサステナビリティ戦略の推進やコーポレート機能の強化にも取り組んでおります。
以上の結果により、売上高151,689百万円(前期比22.4%増)、営業利益12,145百万円(前期比31.4%増)、経常利益12,122百万円(前期比34.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,743百万円(前期比42.0%増)となりました。
(注)国内既存店とは、新規開店から18カ月以上経過している国内の店舗と定義しております。
セグメント別の概況について
当社グループの事業は単一セグメントであるため、その概況をカテゴリー別に示すと次のとおりであります。なお、2026年6月期より開示しているカテゴリーを従来の7部門から新たに6カテゴリーへ再編いたしました。
表1 「新旧対比表」
| (旧)2025年6月期以前 | ⇒ | (新)2026年6月期以降 | ||
| 部門 | 各部門に含まれるブランド等 | カテゴリー | 各カテゴリーに含まれるブランド等 | |
| 焼肉部門 | 焼肉きんぐ | 焼肉 | 焼肉きんぐ | |
| ラーメン部門 | 丸源ラーメン 二代目丸源 熟成醤油ラーメン きゃべとん | ラーメン | 丸源ラーメン 二代目丸源 熟成醤油ラーメン きゃべとん | |
| お好み焼部門 | お好み焼本舗 | ゆず庵 | 寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵 | |
| ゆず庵部門 | 寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵 | 専門店・新業態 | お好み焼本舗 焼きたてのかるび 魚貝三味 げん屋 しゃぶとかに 源氏総本店 和牛焼肉 NIKUGEN 牛たん大好き 焼肉はっぴぃ 果実屋珈琲 町中華 丸福飯店 熟成肉とんかつ ロース堂 肉讃岐 もっちりうどん源次郎 | |
| 専門店部門 | 焼きたてのかるび 魚貝三味 げん屋 しゃぶとかに 源氏総本店 熟成焼肉 肉源 牛たん大好き 焼肉はっぴぃ 果実屋珈琲 濃厚中華そば 餃子 丸福 熟成肉とんかつ ロース堂 | |||
| FC部門 | 国内FC事業 | FC | 国内FC事業 その他事業 | |
| その他部門 | 海外事業会社 その他事業 | 海外 | 海外事業会社 海外FC事業 | |
(注)FCとはフランチャイズを指します。
①焼肉カテゴリー
当連結会計年度中において、『焼肉きんぐ』は21店舗の出店(直営15店、フランチャイズ6店)を実施しました。これにより、焼肉カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は369店舗(直営238店、フランチャイズ131店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は69,599百万円(前期比12.8%増)となりました。
②ラーメンカテゴリー
当連結会計年度中において、『丸源ラーメン』は19店舗の出店(直営14店、フランチャイズ5店)、『熟成醤油ラーメン きゃべとん』は1店舗の出店(直営1店)を実施しました。これにより、ラーメンカテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は251店舗(直営143店、フランチャイズ108店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は25,088百万円(前期比15.2%増)となりました。
③ゆず庵カテゴリー
当連結会計年度中において、『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』は10店舗の出店(直営9店、フランチャイズ1店)を実施しました。これにより、ゆず庵カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は116店舗(直営99店、フランチャイズ17店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は25,609百万円(前期比23.8%増)となりました。
④専門店・新業態カテゴリー
当連結会計年度中において、『お好み焼本舗』は3店舗の出店(直営2店、フランチャイズ1店)、『焼きたてのかるび』は7店舗の出店(直営7店)、『果実屋珈琲』は1店舗の出店(直営1店)、『肉讃岐 もっちりうどん源次郎』は1店舗の出店(直営1店)を実施しました。これにより、専門店・新業態カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は72店舗(直営68店、フランチャイズ4店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は9,351百万円(前期比20.2%増)となりました。
⑤フランチャイズカテゴリー
主にフランチャイズ加盟企業からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。当連結会計年度中において、フランチャイズ店舗については13店舗の出店を実施しました。これにより、当連結会計年度末のフランチャイズ店舗数は260店舗となりました。
以上の結果により、売上高は7,809百万円(前期比6.3%増)となりました。
⑥海外カテゴリー
主に連結子会社である「物語(上海)企業管理有限公司」、「PT. Agrapana Niaga Gemilang」、「物語香港有限公司」、「物語台湾股份有限公司」、「Storytellers USA, Inc.」、「Storytellers(Thailand)Co., Ltd.」による取り組みと、海外フランチャイズ加盟企業からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。当連結会計年度中において、59店舗の出店(直営42店、フランチャイズ等17店)を実施しました。これにより、海外カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数は111店舗(直営73店、フランチャイズ等38店)となりました。なお、「Storytellers USA, Inc.」およびその傘下6社は、前連結会計年度は貸借対照表のみを連結し、当連結会計年度より損益計算書を連結しております。
以上の結果により、売上高は14,230百万円(前期比202.1%増)となりました。
表2 「カテゴリー別店舗数の状況」
(単位:店)
| カテゴリー | 直営 | FC等 | 2026年6月末 店舗数 |
| 焼肉 | 238 | 131 | 369 |
| ラーメン | 143 | 108 | 251 |
| ゆず庵 | 99 | 17 | 116 |
| 専門店・新業態 | 68 | 4 | 72 |
| 国内計 | 548 | 260 | 808 |
| 海外 | 73 | 38 | 111 |
| 合計 | 621 | 298 | 919 |
(注)「FC等」は、合弁会社を含む直営以外の形態を指します。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し4,654百万円増加し、16,993百万円(前期末比37.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は16,033百万円(前期は11,839百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益11,687百万円、減価償却費6,031百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は10,927百万円(前期は13,954百万円の使用)となりました。これは主に新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出10,039百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は494百万円(前期は2,707百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出9,000百万円、短期借入れによる収入8,000百万円によるものです。
(生産、受注及び販売の実績)
当社グループは、単一セグメントであるため品目別及び部門別に記載しております。
ⅰ.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) | 前年同期比(%) |
| 生麺(百万円) | 1,893 | 105.2 |
| 液体調味料(百万円) | 825 | 105.9 |
| 合計(百万円) | 2,719 | 105.4 |
(注) 金額は販売価格によるものであり、部門間の内部振替前の数値であります。
ⅱ.受注実績
当社は一般消費者への直接販売を主としており、また、生産についても見込生産を行っておりますので、記載すべき事項はありません。
ⅲ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をカテゴリー別に示すと、次のとおりであります。
| カテゴリー | 当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) | 前年同期比(%) | |
| 直営店 | 焼肉(百万円) | 69,599 | 112.8 |
| ラーメン(百万円) | 25,088 | 115.2 | |
| ゆず庵(百万円) | 25,609 | 123.8 | |
| 専門店・新業態(百万円) | 9,351 | 120.2 | |
| 海外(百万円) (注)1、2 | 14,230 | 302.1 | |
| 小計(百万円) | 143,879 | 123.4 | |
| フランチャイズ(百万円) (注)3 | 7,809 | 106.3 | |
| 合計(百万円) | 151,689 | 122.4 | |
(注)1.主に連結子会社である「物語(上海)企業管理有限公司」、「PT. Agrapana Niaga Gemilang」、「物語香港有限公司」、「物語台湾股份有限公司」、「Storytellers USA, Inc.」、「Storytellers(Thailand)Co., Ltd.」による取り組みと、海外フランチャイズ加盟企業からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。
2.当連結会計年度において、海外カテゴリーの販売実績に著しい変動がありました。これは、前期末に設立した米国現地子会社「Storytellers USA, Inc.」等について、当連結会計年度より損益計算書を連結したことの影響です。
3.主にフランチャイズ加盟企業からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
ⅰ.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べて6,653百万円増加し、27,792百万円となりました。これは主に現金及び預金が4,472百万円増加、売掛金が1,079百万円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べて6,317百万円増加し、59,205百万円となりました。これは主に有形固定資産が4,837百万円増加、繰延税金資産・差入保証金など投資その他の資産が1,155百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べて3,737百万円増加し、22,548百万円となりました。これは主に未払法人税等が1,082百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が1,030百万円増加、買掛金が727百万円増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べて2,382百万円増加し、17,233百万円となりました。これは主に長期借入金が2,100百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて6,851百万円増加し、47,215百万円となりました。これは主に利益剰余金が7,279百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.1%(前連結会計年度末は54.3%)となりました。
ⅱ.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前期比22.4%増加し151,689百万円となりました。
当社グループにおきましては、経営理念「Smile & Sexy」および長期経営ビジョン「『とびっきりの笑顔と心からの元気』で世の中をイキイキさせる」の実現を目指し、2030年までの中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」と「中期3カ年経営計画2026~2028」を策定しております。
「物語ビジョン2030」においては、「業態開発型リーディングカンパニー実現に向けた全方位成長戦略」をテーマに掲げ、業態開発を軸に既存ブランドの強化や新たな成長エンジンの創出に取り組み、国内外での事業拡大と売上・利益の最大化を図ります。また、成長を支える「人財力」を競争優位性かつ差別化要因の源泉と捉え、育成と活躍を最大化する環境を整備することで、持続的な企業価値の向上を目指しております。
これらの取り組みにより、国内既存店(注)の当連結会計年度における売上高は、直営店において前期比5.0%増、フランチャイズ店において前期比3.3%増となりました。
焼肉カテゴリーでは、直営店において15店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は69,599百万円(前期比12.8%増)となりました。
ラーメンカテゴリーでは、直営店において15店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は25,088百万円(前期比15.2%増)となりました。
ゆず庵カテゴリーでは、直営店において9店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は25,609百万円(前期比23.8%増)となりました。
専門店・新業態カテゴリーでは、直営店において11店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は9,351百万円(前期比20.2%増)となりました。
フランチャイズカテゴリーでは、フランチャイズ店において13店舗の新規出店を実施しました。フランチャイズ加盟店舗数の増加によるロイヤルティ収入の増加などにより、売上高は7,809百万円(前期比6.3%増)となりました。
海外カテゴリーでは、59店舗の新規出店を実施しました。この結果、売上高は14,230百万円(前期比202.1%増)となりました。
(注)国内既存店とは、新規開店から18カ月以上経過している国内の店舗と定義しております。
売上原価は売上高の増加に伴い、前期比20.3%増加し52,068百万円となりました。売上高原価率は34.3%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比22.5%増加し87,474百万円となりました。販管費率は、前期比0.0ポイント増の57.6%となっております。販売費及び一般管理費が増加したのは、新規出店に伴う人員増員により給料及び手当が前期比21.8%増の37,329百万円となったことなどによります。
この結果、営業利益は前期比31.4%増加し12,145百万円となりました。
営業外収益は前期比179.5%増加し330百万円となり、営業外費用は前期比8.8%増加し353百万円となりました。営業外収益が増加したのは、為替差益が193百万円発生したことによるもので、営業外費用が増加したのは、支払利息が前期比201.6%増加し280百万円となったことなどによります。
この結果、経常利益は前期比34.1%増加し12,122百万円となりました。
特別利益は、保険金収入131百万円等を計上し、148百万円となりました。特別損失は、減損損失368百万円等を計上し、582百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比42.0%増加し8,743百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗の設備投資、システム開発投資などによるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金および金融機関からの長期借入金および社債の発行により行っております。
なお、当連結会計年度末における社債、借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は17,424百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は16,993百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成する上では、固定資産の減損損失、のれんの評価、繰延税金資産の回収可能性など様々な会計上の見積りを行うことが必要となりますが、会計基準では、会計上の見積りを「資産及び負債や収益又は費用等の額に不確実性がある場合において、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出すること」と定義されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。