有価証券報告書-第141期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/12 12:26
【資料】
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【項目】
198項目
② 戦略
A 気候変動関連のリスク・機会の特定
気候変動に伴うリスク(物理的リスク・移行リスク)と機会については、短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、定性的な分析を行っています。
リスクと機会概要時間軸
リスク
物理的リスク
信用リスク・水害等に伴う不動産担保(建物)の毀損短期~長期
・お客さまの事業施設が被災することによる事業停滞・業績悪化短期~長期
オペレーショナル・リスク・当行事業施設が被災することによる事業中断短期~長期
移行リスク
信用リスク・気候変動に関する規制や税制等の強化によるお客さまの業績悪化中期~長期
・低炭素・脱炭素製品への移行コストの増加や消費者の製品嗜好の
変化等への対応の遅れなどによるお客さまの業績悪化
短期~長期
風評リスク・当行が十分な情報開示を行っていないと判断された場合の当行の
レピュテーションの低下
短期~長期
機会
ビジネス機会の増加・脱炭素社会への移行を支援するための新たな金融商品やサービス
の提供機会の増加
短期~長期
・気候変動に伴う災害対策のための公共事業や企業の設備資金需要
等の増加
短期~長期
コスト削減・当行事業施設の省資源・省エネルギー化による事業コストの低下短期~長期

B 機会
脱炭素社会への移行や生物多様性などへの対応要請の高まりに伴い、お客さまの経営課題は多様化しています。当行では、中期経営計画でパーパス営業の深化を掲げ、多様化するお客さまの経営課題に対し、2022年10月より導入した事業性評価「つなぐプロセス」を起点にお客さまのゴールやニーズを深掘りし、新たな金融商品サービスの提供や資金需要への対応など、質の高いソリューションの提供に取り組んでいます。
気候変動への対応について、お客さまとのエンゲージメントを強化し積極的に支援することが、地域全体の脱炭素化や経済活性化に貢献することとなり、結果として当行の収益機会の拡大、持続的な成長につながるものと考えています。
C シナリオ分析
当行では不確実な将来に対する経営の耐性(レジリエンス)を把握し意思決定に活かすため、戦略の一環としてシナリオ分析を実施しました。分析に活用したシナリオや前提条件は以下の通りです。
枠組基準
年度
1.5℃シナリオ(2050年)4℃シナリオ(2050年)
TCFD2025移行シナリオ:NGFS/NetZero2050,IEA/NZE2050,IPCC/RCP2.6
(1.5℃目標に近いケースとしてRCP2.6を併せて参照している)
想定される主な動き:気温の上昇を抑制するために、必要な規制や技術革新が導入される
物理シナリオ:IPCC/RCP8.5
想定される主な動き:規制の導入が鈍く、地球温暖化がさらに進む
TNFD※12025自然シナリオ#1:Ahead of the game※2
市場の移行が進む×生態系サービスの低下が小さい
自然シナリオ#3:Sand in the gears※2
市場の移行が遅れる×生態系サービス低下が大きい

※1 TNFDの枠組によるシナリオ分析は、以下の「(3)自然資本・生物多様性への対応(TNFD提言への取組み) ② 戦略」をご参照ください。
※2 出典:TNFD Guidance on scenario analysis (2023年9月)
<気候変動関連リスクのシナリオ分析結果>物理的リスクおよび移行リスクについて、複数の温度帯シナリオを用いて分析しました。
当行財務への影響は限定的であると評価ができる結果となりました。
<物理的リスク>物理的リスクについては、気候変動に起因する自然災害の大半を占め、国内で発生確率の高い水害による影響を分析しました。
分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、ハザードマップを利用して推計した「当行担保不動産の価値毀損額」および「浸水に起因するお客さまの事業停滞日数」から、2050年までの当行の与信費用の増加額を試算しました。
また、同シナリオを前提に2050年までの当行事業施設の損害額を試算しました。
分析対象国内に本店を置く融資先中堅・中小企業当行事業施設
分析内容ハザードマップを利用して推計した当行
担保不動産(建物・マンション)毀損額・お客さまの業績悪化による売上減少額から、与信費用への影響を推計
ハザードマップを利用して推計した当行事業施設(建物・設備等)損害額および浸水被害が発生する拠点割合を推計
分析結果2050年までの与信費用増加額
:最大で43億円
2050年までの損害額:最大で1億円
浸水被害が発生する拠点割合:19%

<移行リスク>TCFD提言で気候関連の財務影響を受けやすいとされるセクターのうち、気候変動への影響度と当行のエクスポージャーという観点から、分析対象セクターを選定しており、2025年度は「不動産管理・開発」「加工食品・加工肉」セクターを新たに加えました。
地域の基幹産業のひとつである「自動車」セクターの分析においては、モデル企業以外の取引先についても、取扱製品等の影響度に応じた売上予想に基づいて与信費用増加額を試算するなど、分析結果の精緻化に取り組んでいます。
分析対象「自動車」「エネルギー(電力、石油・ガス)」「トラックサービス」「金属・鉱業」「不動産管理・開発」「加工食品・加工肉」
分析内容・セクターに対して想定される事業インパクトを定性的に評価
・定性分析に基づき、セクターごとにモデル企業を選定してシナリオの予測データや公開情報等を基に将来の業績変化を予想
・上記分析結果をセクター全体に展開し、与信費用の増加額を試算
分析結果2050年までの与信費用増加額:累計で266億円

D 炭素関連資産の状況
当行の与信残高に占める炭素関連資産の割合は、25.2%となっております。
エネルギー運輸素材・建築物農業・食料・林業製品
与信額780億円3,285億円12,278億円1,993億円18,336億円
割合1.1%4.5%16.9%2.7%25.2%

(2026年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、私募債等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く)

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