有価証券報告書-第122期(2025/04/01-2026/03/31)
(3)【監査の状況】
① 監査委員会監査の状況
監査委員会監査の組織、人員および手続き
本有価証券報告書提出日現在、当社の監査委員会は、社外取締役2名および執行役を兼務せず業務執行を行わない常勤取締役1名の計3名で構成されています。監査委員会は、米国企業改革法ならびに関連する米国証券取引委員会規則およびニューヨーク証券取引所規則で定めるところにより、委員の全員は独立でなければならないとしており、また、原則として委員のうち1名以上は財務専門家としています。
当社は、監査委員会による監査の実効性を高めるため、監査委員の中から常勤監査委員を選定しています。また、監査委員会および取締役の職務を補助する専任の部署として「取締役会室」を設置しています。取締役会室の業務執行からの独立性を確保するため、同室の使用人の人事考課は、監査委員会または監査委員会が選定する監査委員が行っており、同室の使用人にかかる採用・異動・懲戒についてもその同意を必要としています。
<当社の監査委員会の特徴>・ 監査委員会は、監査活動を通じて重要と判断される事項について、取締役会への四半期に一度の定期的な職務執行
状況報告の中で「監査活動所見」として指摘または提案を行い、監査委員以外の取締役とも意見交換を行っていま
す。これにより、監査委員会で把握した問題意識を経営の議論に反映させるよう努めています。
・ 監査委員長は、主たる子会社である野村證券の監査等委員長を兼務しており、さらに、国内外の主な子会社の監査
委員、監査等委員および監査役等を当社の常勤監査委員や野村證券の監査特命取締役等が兼務することで、当社を
中心にグループ各社が密接に連携する監査体制を構築し運営しています。これにより、グループ横断で共通課題を
把握しやすい体制を確保しています。
・ 監査委員会では、グローバルかつグループワイドな連携強化の観点から、野村證券、野村アセットマネジメント、
野村信託銀行の監査等委員や、海外3地域(欧州、米州、アジア)のそれぞれを統括する持株会社に設置された
監査委員会の議長(海外地域監査委員会議長)と、監査業務上の課題や問題意識に関する情報共有と意見の交換
を行っています。これにより、地域・会社ごとの個別論点だけでなく、グループ共通のリスクやガバナンス課題を
把握し、監査の重点に反映しています。
・ 内部監査部門の主たるレポーティング・ラインは監査委員会としており、監査委員会は、内部監査に係る実施計画
および予算の策定を承認しています。また、内部監査部門の責任者の選解任については、監査委員会の同意を必要
としており、内部監査の独立性と客観性を確保しています。
監査委員会の活動状況
当期において監査委員会は、海外地域監査委員会議長が参加するグローバル会議を含め13回開催され、1回あたりの平均所要時間は約2時間50分でした。期初に監査基本計画を策定し、四半期ごとに監査活動の進捗を点検するとともに、期中には内部統制上の重要事象やグループガバナンス上の課題等を審議しました。期末には自己評価を実施し、翌期の監査基本計画に反映しました。
当期における監査委員会の主な取組みと認識は、次のとおりです。
監査委員会では、代表執行役をはじめとする執行役、執行役員、内部統制関連部署等の主要な社員等および会計監査人等にヒアリングを実施し、常勤監査委員および野村證券の3名の監査特命取締役から監査活動の報告を受けたほか、監査委員自らが重要な会議への出席や、執行役、執行役員等および会計監査人へのヒアリング等を行い、取締役および執行役等の職務執行の状況や内部統制システムの整備・運用状況について検討しました。
(9月は監査委員会の開催はありませんでした。)
当期において監査委員会が聴取した主な報告の内容は、次のとおりです。
当期の各監査委員の監査委員会以外の重要な会議への出席の主な状況は、次のとおりです。
当期において常勤の監査委員、野村證券の監査特命取締役、または国内子会社の監査役を務める取締役会室員は、執行役、執行役員、それらの傘下の国内外の主要な社員等および会計監査人等とのヒアリング等を行ったほか、国内の営業部店および本社部署ならびに欧州、米国、アジアの海外拠点への往査を行いました。
<内部監査部門および会計監査人との連携>上記のとおり、監査委員会は、内部監査部門担当執行役員および会計監査人から報告を受ける一方、内部監査部門担当執行役員は監査委員会のほぼすべての議事に出席し、会計監査人は監査委員会で行うヒアリングに出席しています。これにより、監査委員会は内部監査部門および会計監査人と問題意識を共有するとともに、内部統制上の重要論点について継続的に確認しています。
また、監査委員長、常勤監査委員および野村證券の監査特命取締役は、会計監査人および内部監査部門担当執行役員との月次会議(三様監査定例)を行い、監査上の論点、重点リスク、内部統制上の課題、ならびに各監査活動から得られた示唆を共有するとともに、監査に限らずさまざまなテーマについて情報共有等を行っています。当期において月次の三様監査定例は11回開催されました。
この他にも、常勤監査委員と野村證券の監査特命取締役は内部監査部門担当執行役員から月次で報告を受けており、監査委員は会計監査人と適宜にコミュニケーションを実施しています。
<監査基本計画および重点監査項目>監査委員会は、事業年度に合わせて監査基本計画を策定しております。
当期の監査基本計画では、野村グループの経営戦略、野村グループを取り巻く経営環境、および前期までの監査活動の結果を踏まえ、1)健全な企業文化の定着、2)ガバナンス態勢の実効性強化、3)内部統制システムの高度化とリスクへの対応、4)中長期的な経営目標の実現に向けた取組み、を重点監査項目とし、監査を行いました。
(監査委員会の認識)
当期、当社は創立100周年という大きな節目を迎え、これまで進めてきたビジネス・モデルの変革の成果が着実に表れてきました。2026年4月には、部門やカンパニーのヘッドが交代するなど新たな体制がスタートしており、収益の更なる安定化など、2030年の経営ビジョンの実現に向けて、新たな成長ステージに進んでいくことが重要です。また、市場変動をはじめ外部環境の変化やさまざまなリスクへ備え、プロアクティブに対処していくため、内部統制体制の強化・高度化にも注力する必要があります。
こうした持続的な成長に向けた各種施策の推進にあたっては、野村グループのパーパスを役職員一人ひとりに浸透させることが不可欠であり、経営陣は、野村グループのパーパスに対する理解と共感を土台として、役職員のエンゲージメント向上を促進し、ステークホルダーからの信頼獲得および企業価値の向上につなげていく必要があります。
<監査活動のPDCA>監査委員会は、監査基本計画に沿って監査を行い、四半期毎に監査活動の振り返りを実施するとともに確認または発見された事項や今後確認が必要なポイントなどを整理し、取締役会へ監査活動所見として指摘または提案を行っており、期末には自己評価を実施し監査委員会活動を総括しています。こうすることで、監査基本計画から始まる個々の監査活動や監査活動所見などの報告の有機的なつながりを強化するとともに、問題認識を翌期の監査基本計画に反映しています。また、監査委員会は、その問題認識を内部監査部門の担当執行役員に伝え、翌期の内部監査に係る実施計画にも反映させるなど、内部監査部門との連携も図っています。
常勤監査委員および野村證券の監査特命取締役は、執行側から監査活動所見への対応状況を四半期に一度聴取し、その内容を監査委員会へ報告することで、執行との双方向のコミュニケーションを確保し、監査活動所見による執行の対応の監視・検証の実効性を高めています。


<監査委員会の自己評価>監査委員会は、グループワイドな監査委員会活動、リスク・ベースでの監査、監査活動PDCAの定着、会計監査人の評価などにおいて、高度化を推進しています。これらの活動について自己評価を行うことで、課題を明確にし、更なる高度化に向けた取組みを検討しています。
2026年3月に実施した自己評価では、①監査委員会の監査活動、②取締役会との連携、③内部監査部門からの報告、④監査法人との連携、⑤内部統制部門との連携、⑥監督当局とのコミュニケーション、⑦監査委員会の実効性、の7項目について、3段階評価および評価が低い場合の理由について、各監査委員に対し意見を求めました。
自己評価の結果、リスク・ベースの観点で必要と考える論点についてのタイムリーな報告の聴取・ディスカッションの実施や、内部監査部門および内部統制部門との更なる連携強化等については、改善の余地があると考えています。監査委員会としては、これらを今後の重点課題として認識し、グループワイドな監査の実効性向上に取り組みます。
② 内部監査の状況
内部監査部門は、独立にして、リスク・ベースで、かつ客観的な保証、助言、洞察および予見を付加価値として提供し、豊かな社会の実現の一助となることを目的として定めており、野村グループの統制環境の向上を促し、ビジネス目標を達成するための変化のカタリストとなることを方針としております。
内部監査の組織、人員および手続き
当社は内部統制の有効性および妥当性を確保するため、業務執行から独立し監査委員会に直接報告を行う内部監査部門を設置しており、当社にグループ・インターナル・オーディット部を置くとともに、傘下の国内外の主要な子会社にも同様に内部監査専任部署(人員)を設置し、野村グループにおけるビジネスやコーポレート機能を横断的に監査する態勢を構築しております。
内部監査部門は、国内外合わせ総勢約230名の陣容で、機能と地域によるグローバル・マトリックス体制で運営しております。監査対象となるビジネスやコーポレート機能単位に、内部監査等のスキルが高く経験豊かな人材を、Global Portfolio Directorとして指名し、グループ全体の整合性を高めることで、グローバルにグループ全体の内部統制を、一貫性をもって評価しております。
特に、内部監査活動におけるテクノロジー活用をグループ全体で推進すべく、専任のデータ・アナリティクスチームを組成、上述のGlobal Portfolio Directorの他、データ分析・管理に長けた人材を各地域にも配置の上、各内部監査活動でのデータ分析活用を進めるほか、データ分析による継続的なモニタリング等への取組みを図っております。
[グループ内部監査運営]

野村グループの内部監査部門では、監査資源を有効かつ効率的に活用するために、原則としてリスク・ベース・アプローチをとっており、内部監査の対象となるビジネスや業務毎にリスク・アセスメントを行い、内在するリスクの種類や程度に応じて監査資源を割り当てるべく、内部監査実施計画の策定や実施に努めております。また、上述のグループ全体での内部監査対応を支える内部監査業務の基盤として、グローバルに統一された内部監査手法(The Institute of Internal Auditors(以下「IIA」)が定める「専門職的実施の国際フレームワーク」(以下「IPPF」)に準拠)の他、各種内部監査に係る活動や承認等のプロセスに係るワークフロー機能、または内部監査活動に関連する内部監査報告書、調書、証跡等の保存といった機能を備えたプラットフォームを全地域で導入しており、グループ全体の内部監査活動の状況や結果が容易に確認、分析できる環境を整備しています。
内部監査、監査委員会監査および会計監査の相互連携ならびにこれらの監査と内部統制部門との関係
<内部監査と監査委員会との連携>内部監査部門の主たるレポーティング・ラインは監査委員会であり、内部監査部門は、各監査の結果を監査委員会へ報告する他、定期的に監査委員会へ内部監査体制の整備・運用状況、内部監査の実施状況の報告を行うなど、監査委員会との連携を図っており、特筆すべき事項については、監査委員会から取締役会への定期的な報告の中で内部監査部門の状況について報告しています。なお、内部監査に係る実施計画および予算の策定については、監査委員会の承認が必要であり、内部監査の実施計画の策定に際し、別途、監査委員会より考慮すべき事項等が内部監査部門に対して連携されています。
当期においては、内部監査部門から監査委員会への報告は計11回あり、年間を通じタイムリーな報告が行われています。主な報告内容として、内部監査活動を通じて得られる、内部統制全般に係る重要事項および傾向の他、年度の内部監査の実施計画やその変更等、監査委員会への付議事項が含まれます。なお、監査委員会への報告以外にも、常勤の監査委員、野村證券の監査特命取締役に対しては、月次で内部統制全般に係る重要事項および傾向等の報告を行っております。
<内部監査と監査委員会、会計監査人との連携>会計監査人について、監査委員会は、会計監査人の年次監査計画を承認し、会計監査人から四半期に一度以上の頻度で会計監査に関する報告および説明を受けるほか、随時会計監査人と情報交換を行い、会計監査人の監査の方法および結果の相当性について監査するとともに、計算書類等につき検証しています。なお、内部監査部門の担当執行役員は、監査委員会に出席し、監査委員会からの報告の他、会計監査人からの報告内容についても連携されています。加えて、内部監査部門から監査委員会への報告時には、会計監査人も出席しており、内部監査部門からの報告内容について連携を受ける等の相互連携を図っております。
更に、内部監査部門は、監査委員長と常勤の監査委員および会計監査人が参加する月次会議(三様監査定例)に参加しており、監査上の問題認識、リスク・統制環境、内外規制動向などについて情報共有・意見交換等を行っており、内部監査活動の充実に努めております。
<内部監査と会計監査人との連携>内部監査部門は会計監査人と定例の会議を設け毎月連携しており、双方の主たる責任者が出席の上、双方の監査活動にともなうトピックスや直近でのリスク評価等について共有し、監査活動における活用を図っております。また、双方の監査活動の効率化を高めるべく、往査のタイミングや被監査部署等からの受領資料およびデータの共有等、業務レベルでの連携も図っており、内部監査による監査報告書も会計監査人と共有しております。
<内部監査と内部統制部門との連携>内部監査部門は、監査委員会において承認された内部監査にかかる実施計画にもとづいた監査活動以外にも、継続的なモニタリングを実施しており、内部統制部門へのヒアリングや資料確認等を通じてリスク概況を確認の上、その結果、必要に応じて内部監査にかかる実施計画の変更を監査委員会へ申請しております。
内部監査の実効性を確保するための取組み
上述のとおり、内部監査部門の主たるレポーティング・ラインは監査委員会であり、内部監査を担当する執行役員から監査委員会に対し直接に、内部監査体制の整備・運用状況、内部監査の実施状況の報告を行うほか、監査委員会から今後確認が必要と考える監査のポイントを踏まえた内部監査計画の策定を内部監査部門に要請するなど、内部監査部門と監査委員会の連携を図ることで内部監査の実効性を確保しております。なお、内部監査を担当する執行役員は、経営会議にも陪席しており、経営レベルでの情報を受領する他、定期的に内部監査を通じて得られた内部統制に係る事項を報告しております。
さらに、内部監査にかかる実施計画および予算の策定については、監査委員会の承認を得るものとし、また内部監査部門の責任者の選解任については、監査委員会の同意を必要としており、内部監査の業務執行からの独立性・客観性を確保しています。
加えて、内部監査部門は、内部規定ならびにIPPFの基準に則り、継続的に概ね5年毎に外部専門家による内部監査に対する品質評価を受けており、一般的にIIAが制定した国際基準に対して総合的に適合していると評価されております。
グループ全体の内部監査部門としての外部品質評価の受検は3回実施しており、各種基準への準拠に留まらず、同業他社と比較したパフォーマンスと有効性、および業界のベストプラクティスや内部監査部門の改善に役立つ推奨事項等の提供を受け、今後更なる内部監査の高度化に向けた取組みとして、内部監査部門の中期戦略策定にも活かしております。なお、IIAが定める「グローバル内部監査基準」(2025年1月施行)を踏まえた規程を整備しており、当該規程において監査委員会との連携に係る事項も明記しております。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.継続監査期間
1973年以降(1978年から2002年までの他の監査人との共同監査期間を含む)
c.業務を執行した公認会計士
(注)監査年数については7年以内であるため記載を省略しております。
d.監査業務にかかる補助者の構成
(注) その他は、公認会計士試験合格者、システム監査担当者等であります。
e.監査法人の選定方針と理由、監査委員会による監査法人の評価
監査委員会は、監査委員会が定めた「監査法人に関する評価基準」に基づき、会計監査人の年次評価を実施した結果、監査委員会の定める「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」に該当する事実は認められないため、現任会計監査人を再任するのが妥当と判断しました。会計監査人には、一層の監査活動の高度化に向けた要望等とあわせて、年次評価の結果を監査委員会において直接伝達しました。
なお、監査委員会は、複数の監査法人を評価し会計監査人候補を選定するプロセスを2023年3月期に実施し、提案書を受領のうえプレゼンテーションを実施するなどにより評価を行い、現任会計監査人を候補とすることを2023年4月に決定しています。当期の年次評価においては、監査の高度化やグループとしての観点から適切な評価を実施するため、以下の内容もあわせて検討しました。
1)2023年3月期に実施した複数の監査法人の評価プロセスの中で受けた提案のうち主要な以下の事項の状況
・監査報酬(テクノロジー利用等による効率化の反映状況等)
・テクノロジーを利用した効率的かつ高度な監査
・内部監査部門との連携
2)監査委員会の各委員、野村證券監査等委員会の各委員、主要国内子会社の監査等委員長、および海外地域監査
委員長による、会計監査人または会計監査人の海外地域のメンバーファームに関する評価
また、監査委員会は、会計監査人候補の選定プロセスの実施方針について検討し、選定プロセスの実施サイクルを定め、実施時期については、当社の事業環境や会計監査人候補の状況等を考慮のうえ、監査委員会にて決定することにしました。
f.会計監査人の解任または不再任の決定の方針
(a) 会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当する場合、監査委員会は会計監査人の解任を検討し、解任が相当であると認められるときは、監査委員会の委員全員の同意により会計監査人を解任します。この場合、監査委員会が選定した監査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨および解任の理由を報告します。
(b) 監査委員会が、会計監査人に適正性の面で問題があると判断する場合、またはより適切な監査体制の整備が必要であると判断する場合は、会計監査人の解任または不再任を株主総会の提出議案とします。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、公認会計士法第2条第1項に規定する業務以外の会計事項にかかる助言等の役務提供等およびコンフォートレター作成業務等があります。
b.監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織に対する報酬(a.を除く)
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、税務申告サポート業務および税務コンプライアンスに関するアドバイザリー業務等があります。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
監査公認会計士等に対する監査報酬については、財務統括責任者(CFO)が、過年度の実績、監査の実施範囲、監査手続き、監査体制、年間計画等を勘案し、品質の高い会計監査を実施するために妥当な金額であるかを検討の上、監査委員会の同意または事前承認を経て決定しています。また、EY新日本有限責任監査法人、その提携会計事務所であるアーンスト アンド ヤングならびに同一のネットワークに属している関係会社等が野村に対して提供する非監査業務の内容および報酬については、CFOの申請を受け、監査委員会で協議・事前承認および事前了解を行う手続きを定めています。
e.監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査委員会は、財務統括責任者(CFO)、社内関係部署および会計監査人から必要な資料を入手し報告を受け、会計監査人の監査チーム体制、監査計画、監査の実施状況、監査法人の品質管理体制の整備状況および報酬見積もりの算出根拠等について確認しました。また、監査委員会は、米国企業改革法(サーベンス・オクスリー法)第202条等に基づく事前承認手続きならびにIFAC倫理規程(Code of Ethics for Professional Accountants)および関連する諸規則に基づく事前了解手続きを行っております。監査委員会は、これらの確認および手続きの結果を踏まえ、会計監査人の報酬等について検証を行い、監査品質を維持向上していくために合理的な水準であると判断し、会社法第399条第1項の同意をいたしました。
① 監査委員会監査の状況
監査委員会監査の組織、人員および手続き
本有価証券報告書提出日現在、当社の監査委員会は、社外取締役2名および執行役を兼務せず業務執行を行わない常勤取締役1名の計3名で構成されています。監査委員会は、米国企業改革法ならびに関連する米国証券取引委員会規則およびニューヨーク証券取引所規則で定めるところにより、委員の全員は独立でなければならないとしており、また、原則として委員のうち1名以上は財務専門家としています。
| 役職 | 氏名 | 監査委員 在任年数 | 経験・知見 |
| 監査委員長 (社外) | 石塚 雅博 | 3年 | 長年の公認会計士としての経験から国際的な会計制度に精通し、米国企業改革法上の財務専門家に該当する高い専門性を有しています。 |
| 監査委員 (社外) | Victor Chu [ビクター・チュー] | 4年 | 企業経営および金融業についての豊富な経験ならびに法律、規制およびコーポレート・ガバナンスに関する高い専門性を有しています。 |
| 監査委員 (常勤) | 小川 祥司 | 5年 | グループ・インターナル・オーディット担当を務めるなど、野村グループのガバナンス、内部統制および内部監査分野における豊富な経験と知見を有しています。 |
当社は、監査委員会による監査の実効性を高めるため、監査委員の中から常勤監査委員を選定しています。また、監査委員会および取締役の職務を補助する専任の部署として「取締役会室」を設置しています。取締役会室の業務執行からの独立性を確保するため、同室の使用人の人事考課は、監査委員会または監査委員会が選定する監査委員が行っており、同室の使用人にかかる採用・異動・懲戒についてもその同意を必要としています。
<当社の監査委員会の特徴>・ 監査委員会は、監査活動を通じて重要と判断される事項について、取締役会への四半期に一度の定期的な職務執行
状況報告の中で「監査活動所見」として指摘または提案を行い、監査委員以外の取締役とも意見交換を行っていま
す。これにより、監査委員会で把握した問題意識を経営の議論に反映させるよう努めています。
・ 監査委員長は、主たる子会社である野村證券の監査等委員長を兼務しており、さらに、国内外の主な子会社の監査
委員、監査等委員および監査役等を当社の常勤監査委員や野村證券の監査特命取締役等が兼務することで、当社を
中心にグループ各社が密接に連携する監査体制を構築し運営しています。これにより、グループ横断で共通課題を
把握しやすい体制を確保しています。
・ 監査委員会では、グローバルかつグループワイドな連携強化の観点から、野村證券、野村アセットマネジメント、
野村信託銀行の監査等委員や、海外3地域(欧州、米州、アジア)のそれぞれを統括する持株会社に設置された
監査委員会の議長(海外地域監査委員会議長)と、監査業務上の課題や問題意識に関する情報共有と意見の交換
を行っています。これにより、地域・会社ごとの個別論点だけでなく、グループ共通のリスクやガバナンス課題を
把握し、監査の重点に反映しています。
・ 内部監査部門の主たるレポーティング・ラインは監査委員会としており、監査委員会は、内部監査に係る実施計画
および予算の策定を承認しています。また、内部監査部門の責任者の選解任については、監査委員会の同意を必要
としており、内部監査の独立性と客観性を確保しています。
監査委員会の活動状況
当期において監査委員会は、海外地域監査委員会議長が参加するグローバル会議を含め13回開催され、1回あたりの平均所要時間は約2時間50分でした。期初に監査基本計画を策定し、四半期ごとに監査活動の進捗を点検するとともに、期中には内部統制上の重要事象やグループガバナンス上の課題等を審議しました。期末には自己評価を実施し、翌期の監査基本計画に反映しました。
| 石塚 雅博 監査委員長 (社外) | Victor Chu 監査委員 (社外) | 小川 祥司 監査委員 (常勤) |
| 13回/13回 | 12回/13回 | 13回/13回 |
当期における監査委員会の主な取組みと認識は、次のとおりです。
| 監査委員会の主な取組み | 取組みの例と監査委員会としての認識 |
| 1)グループワイドでの監査委員会活動の高度化 | 監査委員会における野村アセットマネジメントおよび野村信託銀行の監査等委員との情報共有と意見交換、ならびに監査委員会のグローバル会議等における海外地域監査委員会議長等とのディスカッションを行い、グループ横断の論点把握と問題意識の共有を行いました。 監査委員会としては、グループワイドな視点を持つことが、監査の実効性向上に資すると認識しています。 |
| 2)リスクとコントロールの適切な理解に基づく内部統制の監視・検証 | オペレーショナル・レジリエンスおよびブッキング戦略、AI戦略とガバナンス、カルチャー&エンゲージメントおよびコンダクト推進体制等、グループ横断的なテーマ監査を実施しました。また、ビジネスの拡大と内部統制、サイバーリスクとフィッシングへの対応等について検証を行いました。 監査委員会としては、リスクや課題を横断的に把握し、内部統制の強化に向けた取組みにつなげることが重要と考えています。 |
| 3)企業価値向上に向けた取組み | 中長期的な収益目標達成に向けた戦略・施策の実施状況を確認しました。また、監査委員長は、株主等との対話ミーティングに参加しました。 監査委員会としては、持続的な企業価値向上のためには、収益力の向上と株主等のステークホルダーとのコミュニケーションが不可欠であると認識しています。 |
| 4)組織監査の更なる追求と監査委員会運営のベストプラクティスの追求 | 監査委員会の指示への内部監査部門の対応結果のレビューの充実等、内部監査部門との協働・連携の強化を図りました。また、日本監査役協会の活動への取締役会室員の参加を拡充するなど人材育成の取組みを強化し、生成AIの活用等による業務効率化も図りました。 監査委員会としては、これらの取組みを通じて監査活動の高度化につなげていくことが重要と認識しています。 |
監査委員会では、代表執行役をはじめとする執行役、執行役員、内部統制関連部署等の主要な社員等および会計監査人等にヒアリングを実施し、常勤監査委員および野村證券の3名の監査特命取締役から監査活動の報告を受けたほか、監査委員自らが重要な会議への出席や、執行役、執行役員等および会計監査人へのヒアリング等を行い、取締役および執行役等の職務執行の状況や内部統制システムの整備・運用状況について検討しました。
| 監査委員会の主な内容 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
| 監査基本計画に関する審議 | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
| 監査活動所見に関する審議 | ● | ● | ● | ● | |||||||
| 監査報告書に関する審議 | ● | ● | |||||||||
| 会計監査人の評価に関する審議 | ● | ● | |||||||||
| 監査委員会自己評価に関する審議 | ● | ● | |||||||||
| 執行役、執行役員等の報告 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 内部監査に係る実施計画と予算の承認および内部監査部門の報告 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 会計監査人の報告 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
| 常勤監査委員等の監査活動報告 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| グループの監査等委員、海外地域監査委員会議長等との意見交換等 | ● | ● | ● |
(9月は監査委員会の開催はありませんでした。)
当期において監査委員会が聴取した主な報告の内容は、次のとおりです。
| 執行役、執行役員等の主な報告 | ・職務執行状況報告:代表執行役社長グループCEO、代表執行役副社長、執行役副社長チーフ・オブ・スタッフ、ビジネス部門長等、CFO、CRO、Joint CCO、CIO等 ・四半期決算概要報告:CFO、グループ・ファイナンス担当執行役員 ・野村證券における国債先物取引に関する法令違反および元社員の逮捕・起訴事案の経緯と対応:Joint CCO |
| 会計監査人の主な報告 | ・監査および期中レビュー計画(日本基準および米国基準) ・四半期ごとの期中レビュー結果 ・独立性に関する報告 ・監査上の主要な検討事項(Critical Audit Matter/Key Audit Matter、“CAM/KAM”) ・会社法監査結果、連結財務諸表ならびに財務報告に係る内部統制に関する統合監査の状況および結果 ・日本公認会計士協会の品質管理レビューおよび公認会計士・監査審査会検査の結果等 ・先端デジタル技術を活用した監査の推進状況 ・グローバルな規制のアップデート、AIとその利活用 |
当期の各監査委員の監査委員会以外の重要な会議への出席の主な状況は、次のとおりです。
| 会議 | 石塚 雅博 監査委員長 (社外) | Victor Chu 監査委員 (社外) | 小川 祥司 監査委員 (常勤) |
| 取締役会 | 11回/11回 | 10回/11回 | 11回/11回 |
| リスク委員会 | - | - | 5回/5回 |
当期において常勤の監査委員、野村證券の監査特命取締役、または国内子会社の監査役を務める取締役会室員は、執行役、執行役員、それらの傘下の国内外の主要な社員等および会計監査人等とのヒアリング等を行ったほか、国内の営業部店および本社部署ならびに欧州、米国、アジアの海外拠点への往査を行いました。
<内部監査部門および会計監査人との連携>上記のとおり、監査委員会は、内部監査部門担当執行役員および会計監査人から報告を受ける一方、内部監査部門担当執行役員は監査委員会のほぼすべての議事に出席し、会計監査人は監査委員会で行うヒアリングに出席しています。これにより、監査委員会は内部監査部門および会計監査人と問題意識を共有するとともに、内部統制上の重要論点について継続的に確認しています。
また、監査委員長、常勤監査委員および野村證券の監査特命取締役は、会計監査人および内部監査部門担当執行役員との月次会議(三様監査定例)を行い、監査上の論点、重点リスク、内部統制上の課題、ならびに各監査活動から得られた示唆を共有するとともに、監査に限らずさまざまなテーマについて情報共有等を行っています。当期において月次の三様監査定例は11回開催されました。
この他にも、常勤監査委員と野村證券の監査特命取締役は内部監査部門担当執行役員から月次で報告を受けており、監査委員は会計監査人と適宜にコミュニケーションを実施しています。
<監査基本計画および重点監査項目>監査委員会は、事業年度に合わせて監査基本計画を策定しております。
当期の監査基本計画では、野村グループの経営戦略、野村グループを取り巻く経営環境、および前期までの監査活動の結果を踏まえ、1)健全な企業文化の定着、2)ガバナンス態勢の実効性強化、3)内部統制システムの高度化とリスクへの対応、4)中長期的な経営目標の実現に向けた取組み、を重点監査項目とし、監査を行いました。
| 重点監査項目 および監査の主なポイント | 主な監査内容 |
| 1) 健全な企業文化の定着 ①コンダクトの徹底、リスク・カル チャーの浸透 | ・経営陣は、コンダクト・コンプライアンスを役職員の日々の行動の中で実践されるものとして定着させるべく諸施策を実施しているか。 ・経営陣は、役職員一人ひとりが主体となり、かつ協働してリスクと正しく向き合い行動できるよう、リスク・カルチャーの更なる浸透と質の向上に取り組んでいるか。 |
| 2) ガバナンス態勢の実効性強化 ①グループ統合的な業務運営、グロー バルに一貫性のある統制体制構築・ 3線管理 ②ステークホルダーとの対話強化 ③国内外子会社管理 | ・経営陣は、野村グループとしてあるべきガバナンスおよび内部統制の強化に向けて、抜本的な施策に取り組んでいるか。 ・経営陣は、業務運営においてグローバルに一貫性のある統制体制を構築するとともに、1線におけるリスク管理のオーナーシップの徹底など3線管理を強化しているか。 ・経営陣は、適時適切な情報提供をはじめステークホルダーとの対話を強化し、相互理解の深化に取り組んでいるか。 ・経営陣は、国内外の子会社管理のフレームワークの実効性向上に取り組んでいるか。 |
| 3) 内部統制システムの高度化とリスクへの対応 ①さまざまなリスク管理の高度化 ②レジリエンス ③適切な情報開示のための体制整備 ④AIガバナンス | ・各コーポレート・ファンクションは、リーガル・コンプライアンス・コンダクト、IT・サイバー、業務継続、人的資本などのさまざまなリスクの管理を高度化させているか。 ・経営陣は、中長期的にグループ全体のオペレーショナル・レジリエンスを高めるための施策に取り組んでいるか。 ・経営陣は、財務報告にかかる内部統制および今後拡充が求められる非財務情報への対応を含め、適切な情報開示のための体制の整備と運用の強化に取り組んでいるか。 ・経営陣は、AIの活用に関して、金融サービス充実に向けたユースケースの拡大やガバナンス態勢の強化に取り組んでいるか。 |
| 4) 中長期的な経営目標の実現に向けた取組み ①2030経営ビジョンへの取組み ②次世代を見据えた総合的な人材戦略 の強化と適切な評価の実施 | ・経営陣は、2030年経営ビジョン達成に向けて、経営の注力テーマやビジネス戦略に取り組んでいるか。 ・経営陣は、中長期的な視点から総合的な人事戦略を策定し、実行しているか。 |
(監査委員会の認識)
当期、当社は創立100周年という大きな節目を迎え、これまで進めてきたビジネス・モデルの変革の成果が着実に表れてきました。2026年4月には、部門やカンパニーのヘッドが交代するなど新たな体制がスタートしており、収益の更なる安定化など、2030年の経営ビジョンの実現に向けて、新たな成長ステージに進んでいくことが重要です。また、市場変動をはじめ外部環境の変化やさまざまなリスクへ備え、プロアクティブに対処していくため、内部統制体制の強化・高度化にも注力する必要があります。
こうした持続的な成長に向けた各種施策の推進にあたっては、野村グループのパーパスを役職員一人ひとりに浸透させることが不可欠であり、経営陣は、野村グループのパーパスに対する理解と共感を土台として、役職員のエンゲージメント向上を促進し、ステークホルダーからの信頼獲得および企業価値の向上につなげていく必要があります。
<監査活動のPDCA>監査委員会は、監査基本計画に沿って監査を行い、四半期毎に監査活動の振り返りを実施するとともに確認または発見された事項や今後確認が必要なポイントなどを整理し、取締役会へ監査活動所見として指摘または提案を行っており、期末には自己評価を実施し監査委員会活動を総括しています。こうすることで、監査基本計画から始まる個々の監査活動や監査活動所見などの報告の有機的なつながりを強化するとともに、問題認識を翌期の監査基本計画に反映しています。また、監査委員会は、その問題認識を内部監査部門の担当執行役員に伝え、翌期の内部監査に係る実施計画にも反映させるなど、内部監査部門との連携も図っています。
常勤監査委員および野村證券の監査特命取締役は、執行側から監査活動所見への対応状況を四半期に一度聴取し、その内容を監査委員会へ報告することで、執行との双方向のコミュニケーションを確保し、監査活動所見による執行の対応の監視・検証の実効性を高めています。


<監査委員会の自己評価>監査委員会は、グループワイドな監査委員会活動、リスク・ベースでの監査、監査活動PDCAの定着、会計監査人の評価などにおいて、高度化を推進しています。これらの活動について自己評価を行うことで、課題を明確にし、更なる高度化に向けた取組みを検討しています。
2026年3月に実施した自己評価では、①監査委員会の監査活動、②取締役会との連携、③内部監査部門からの報告、④監査法人との連携、⑤内部統制部門との連携、⑥監督当局とのコミュニケーション、⑦監査委員会の実効性、の7項目について、3段階評価および評価が低い場合の理由について、各監査委員に対し意見を求めました。
自己評価の結果、リスク・ベースの観点で必要と考える論点についてのタイムリーな報告の聴取・ディスカッションの実施や、内部監査部門および内部統制部門との更なる連携強化等については、改善の余地があると考えています。監査委員会としては、これらを今後の重点課題として認識し、グループワイドな監査の実効性向上に取り組みます。
② 内部監査の状況
内部監査部門は、独立にして、リスク・ベースで、かつ客観的な保証、助言、洞察および予見を付加価値として提供し、豊かな社会の実現の一助となることを目的として定めており、野村グループの統制環境の向上を促し、ビジネス目標を達成するための変化のカタリストとなることを方針としております。
内部監査の組織、人員および手続き
当社は内部統制の有効性および妥当性を確保するため、業務執行から独立し監査委員会に直接報告を行う内部監査部門を設置しており、当社にグループ・インターナル・オーディット部を置くとともに、傘下の国内外の主要な子会社にも同様に内部監査専任部署(人員)を設置し、野村グループにおけるビジネスやコーポレート機能を横断的に監査する態勢を構築しております。
内部監査部門は、国内外合わせ総勢約230名の陣容で、機能と地域によるグローバル・マトリックス体制で運営しております。監査対象となるビジネスやコーポレート機能単位に、内部監査等のスキルが高く経験豊かな人材を、Global Portfolio Directorとして指名し、グループ全体の整合性を高めることで、グローバルにグループ全体の内部統制を、一貫性をもって評価しております。
特に、内部監査活動におけるテクノロジー活用をグループ全体で推進すべく、専任のデータ・アナリティクスチームを組成、上述のGlobal Portfolio Directorの他、データ分析・管理に長けた人材を各地域にも配置の上、各内部監査活動でのデータ分析活用を進めるほか、データ分析による継続的なモニタリング等への取組みを図っております。
[グループ内部監査運営]

野村グループの内部監査部門では、監査資源を有効かつ効率的に活用するために、原則としてリスク・ベース・アプローチをとっており、内部監査の対象となるビジネスや業務毎にリスク・アセスメントを行い、内在するリスクの種類や程度に応じて監査資源を割り当てるべく、内部監査実施計画の策定や実施に努めております。また、上述のグループ全体での内部監査対応を支える内部監査業務の基盤として、グローバルに統一された内部監査手法(The Institute of Internal Auditors(以下「IIA」)が定める「専門職的実施の国際フレームワーク」(以下「IPPF」)に準拠)の他、各種内部監査に係る活動や承認等のプロセスに係るワークフロー機能、または内部監査活動に関連する内部監査報告書、調書、証跡等の保存といった機能を備えたプラットフォームを全地域で導入しており、グループ全体の内部監査活動の状況や結果が容易に確認、分析できる環境を整備しています。
内部監査、監査委員会監査および会計監査の相互連携ならびにこれらの監査と内部統制部門との関係
<内部監査と監査委員会との連携>内部監査部門の主たるレポーティング・ラインは監査委員会であり、内部監査部門は、各監査の結果を監査委員会へ報告する他、定期的に監査委員会へ内部監査体制の整備・運用状況、内部監査の実施状況の報告を行うなど、監査委員会との連携を図っており、特筆すべき事項については、監査委員会から取締役会への定期的な報告の中で内部監査部門の状況について報告しています。なお、内部監査に係る実施計画および予算の策定については、監査委員会の承認が必要であり、内部監査の実施計画の策定に際し、別途、監査委員会より考慮すべき事項等が内部監査部門に対して連携されています。
当期においては、内部監査部門から監査委員会への報告は計11回あり、年間を通じタイムリーな報告が行われています。主な報告内容として、内部監査活動を通じて得られる、内部統制全般に係る重要事項および傾向の他、年度の内部監査の実施計画やその変更等、監査委員会への付議事項が含まれます。なお、監査委員会への報告以外にも、常勤の監査委員、野村證券の監査特命取締役に対しては、月次で内部統制全般に係る重要事項および傾向等の報告を行っております。
<内部監査と監査委員会、会計監査人との連携>会計監査人について、監査委員会は、会計監査人の年次監査計画を承認し、会計監査人から四半期に一度以上の頻度で会計監査に関する報告および説明を受けるほか、随時会計監査人と情報交換を行い、会計監査人の監査の方法および結果の相当性について監査するとともに、計算書類等につき検証しています。なお、内部監査部門の担当執行役員は、監査委員会に出席し、監査委員会からの報告の他、会計監査人からの報告内容についても連携されています。加えて、内部監査部門から監査委員会への報告時には、会計監査人も出席しており、内部監査部門からの報告内容について連携を受ける等の相互連携を図っております。
更に、内部監査部門は、監査委員長と常勤の監査委員および会計監査人が参加する月次会議(三様監査定例)に参加しており、監査上の問題認識、リスク・統制環境、内外規制動向などについて情報共有・意見交換等を行っており、内部監査活動の充実に努めております。
<内部監査と会計監査人との連携>内部監査部門は会計監査人と定例の会議を設け毎月連携しており、双方の主たる責任者が出席の上、双方の監査活動にともなうトピックスや直近でのリスク評価等について共有し、監査活動における活用を図っております。また、双方の監査活動の効率化を高めるべく、往査のタイミングや被監査部署等からの受領資料およびデータの共有等、業務レベルでの連携も図っており、内部監査による監査報告書も会計監査人と共有しております。
<内部監査と内部統制部門との連携>内部監査部門は、監査委員会において承認された内部監査にかかる実施計画にもとづいた監査活動以外にも、継続的なモニタリングを実施しており、内部統制部門へのヒアリングや資料確認等を通じてリスク概況を確認の上、その結果、必要に応じて内部監査にかかる実施計画の変更を監査委員会へ申請しております。
内部監査の実効性を確保するための取組み
上述のとおり、内部監査部門の主たるレポーティング・ラインは監査委員会であり、内部監査を担当する執行役員から監査委員会に対し直接に、内部監査体制の整備・運用状況、内部監査の実施状況の報告を行うほか、監査委員会から今後確認が必要と考える監査のポイントを踏まえた内部監査計画の策定を内部監査部門に要請するなど、内部監査部門と監査委員会の連携を図ることで内部監査の実効性を確保しております。なお、内部監査を担当する執行役員は、経営会議にも陪席しており、経営レベルでの情報を受領する他、定期的に内部監査を通じて得られた内部統制に係る事項を報告しております。
さらに、内部監査にかかる実施計画および予算の策定については、監査委員会の承認を得るものとし、また内部監査部門の責任者の選解任については、監査委員会の同意を必要としており、内部監査の業務執行からの独立性・客観性を確保しています。
加えて、内部監査部門は、内部規定ならびにIPPFの基準に則り、継続的に概ね5年毎に外部専門家による内部監査に対する品質評価を受けており、一般的にIIAが制定した国際基準に対して総合的に適合していると評価されております。
グループ全体の内部監査部門としての外部品質評価の受検は3回実施しており、各種基準への準拠に留まらず、同業他社と比較したパフォーマンスと有効性、および業界のベストプラクティスや内部監査部門の改善に役立つ推奨事項等の提供を受け、今後更なる内部監査の高度化に向けた取組みとして、内部監査部門の中期戦略策定にも活かしております。なお、IIAが定める「グローバル内部監査基準」(2025年1月施行)を踏まえた規程を整備しており、当該規程において監査委員会との連携に係る事項も明記しております。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.継続監査期間
1973年以降(1978年から2002年までの他の監査人との共同監査期間を含む)
c.業務を執行した公認会計士
| 業務を執行した公認会計士の氏名 | 所属する監査法人名 |
| 指定有限責任社員 業務執行社員 深田 豊大 | EY新日本有限責任監査法人 |
| 指定有限責任社員 業務執行社員 林 慎一 | EY新日本有限責任監査法人 |
| 指定有限責任社員 業務執行社員 長尾 充洋 | EY新日本有限責任監査法人 |
| 指定有限責任社員 業務執行社員 桒田 俊郎 | EY新日本有限責任監査法人 |
(注)監査年数については7年以内であるため記載を省略しております。
d.監査業務にかかる補助者の構成
| 公認会計士 | 49 | 名 |
| その他 | 129 | 名 |
(注) その他は、公認会計士試験合格者、システム監査担当者等であります。
e.監査法人の選定方針と理由、監査委員会による監査法人の評価
監査委員会は、監査委員会が定めた「監査法人に関する評価基準」に基づき、会計監査人の年次評価を実施した結果、監査委員会の定める「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」に該当する事実は認められないため、現任会計監査人を再任するのが妥当と判断しました。会計監査人には、一層の監査活動の高度化に向けた要望等とあわせて、年次評価の結果を監査委員会において直接伝達しました。
なお、監査委員会は、複数の監査法人を評価し会計監査人候補を選定するプロセスを2023年3月期に実施し、提案書を受領のうえプレゼンテーションを実施するなどにより評価を行い、現任会計監査人を候補とすることを2023年4月に決定しています。当期の年次評価においては、監査の高度化やグループとしての観点から適切な評価を実施するため、以下の内容もあわせて検討しました。
1)2023年3月期に実施した複数の監査法人の評価プロセスの中で受けた提案のうち主要な以下の事項の状況
・監査報酬(テクノロジー利用等による効率化の反映状況等)
・テクノロジーを利用した効率的かつ高度な監査
・内部監査部門との連携
2)監査委員会の各委員、野村證券監査等委員会の各委員、主要国内子会社の監査等委員長、および海外地域監査
委員長による、会計監査人または会計監査人の海外地域のメンバーファームに関する評価
また、監査委員会は、会計監査人候補の選定プロセスの実施方針について検討し、選定プロセスの実施サイクルを定め、実施時期については、当社の事業環境や会計監査人候補の状況等を考慮のうえ、監査委員会にて決定することにしました。
f.会計監査人の解任または不再任の決定の方針
(a) 会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当する場合、監査委員会は会計監査人の解任を検討し、解任が相当であると認められるときは、監査委員会の委員全員の同意により会計監査人を解任します。この場合、監査委員会が選定した監査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨および解任の理由を報告します。
(b) 監査委員会が、会計監査人に適正性の面で問題があると判断する場合、またはより適切な監査体制の整備が必要であると判断する場合は、会計監査人の解任または不再任を株主総会の提出議案とします。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 監査証明業務に 基づく報酬(百万円) | 非監査業務に 基づく報酬(百万円) | 監査証明業務に 基づく報酬(百万円) | 非監査業務に 基づく報酬(百万円) | |
| 提出会社 | 835 | 35 | 586 | 90 |
| 連結子会社 | 399 | 103 | 423 | 101 |
| 計 | 1,234 | 138 | 1,009 | 191 |
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、公認会計士法第2条第1項に規定する業務以外の会計事項にかかる助言等の役務提供等およびコンフォートレター作成業務等があります。
b.監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織に対する報酬(a.を除く)
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 監査証明業務に 基づく報酬(百万円) | 非監査業務に 基づく報酬(百万円) | 監査証明業務に 基づく報酬(百万円) | 非監査業務に 基づく報酬(百万円) | |
| 提出会社 | - | 24 | - | 2 |
| 連結子会社 | 3,423 | 552 | 3,777 | 549 |
| 計 | 3,423 | 576 | 3,777 | 551 |
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、税務申告サポート業務および税務コンプライアンスに関するアドバイザリー業務等があります。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
監査公認会計士等に対する監査報酬については、財務統括責任者(CFO)が、過年度の実績、監査の実施範囲、監査手続き、監査体制、年間計画等を勘案し、品質の高い会計監査を実施するために妥当な金額であるかを検討の上、監査委員会の同意または事前承認を経て決定しています。また、EY新日本有限責任監査法人、その提携会計事務所であるアーンスト アンド ヤングならびに同一のネットワークに属している関係会社等が野村に対して提供する非監査業務の内容および報酬については、CFOの申請を受け、監査委員会で協議・事前承認および事前了解を行う手続きを定めています。
e.監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査委員会は、財務統括責任者(CFO)、社内関係部署および会計監査人から必要な資料を入手し報告を受け、会計監査人の監査チーム体制、監査計画、監査の実施状況、監査法人の品質管理体制の整備状況および報酬見積もりの算出根拠等について確認しました。また、監査委員会は、米国企業改革法(サーベンス・オクスリー法)第202条等に基づく事前承認手続きならびにIFAC倫理規程(Code of Ethics for Professional Accountants)および関連する諸規則に基づく事前了解手続きを行っております。監査委員会は、これらの確認および手続きの結果を踏まえ、会計監査人の報酬等について検証を行い、監査品質を維持向上していくために合理的な水準であると判断し、会社法第399条第1項の同意をいたしました。