有価証券報告書-第78期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

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2015/06/26 15:03
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対処すべき課題

前中期経営計画の3ヵ年において、当社グループは、高水準の利益、固定費カバー率の改善、信用格付の向上等、所期の成果を残すことができました。これは、アベノミクスにより市場が活性化する中、強靭な経営基盤の確立に向けて、ビジネスの多様化及び安定収益の拡大に取り組んだ結果であります。
当社を取り巻く環境に目を向けると、“貯蓄から投資の時代”が本番入りを迎えるための4つの条件、即ち、①デフレ脱却、②投資の成功体験の広がり、③政策・制度の後押し、④企業の稼ぐ力の向上、は全て充たされつつあります。
そのような中、平成29年度までを対象期間とする新グループ中期経営計画~“Passion for the Best”2017~を策定しました。本格化する“貯蓄から投資の時代”の中で、業界トップのクオリティによりお客様に選ばれ、ベストパートナーとなることを基本方針に据え、成長戦略を実施していきます。グループの総力を結集し、「貯蓄から投資の時代をリードする投資サービスの提供」及び「企業価値向上に資するソリューションの提供」に取り組むことで、わが国において、「貯蓄から投資と企業価値向上の好循環」を実現し、資本市場の発展をリードしていきます。
新グループ中期経営計画の初年度である平成27年度は、「幅広い投資家層のニーズに対応する商品・サービスプラットフォームの構築」、「資産運用力の強化」、「次世代成長企業の発掘・育成と成長資金の供給」、「企業のグローバル化、M&Aニーズへのソリューション提供」を重点テーマに掲げ、アクションプランを着実に実行していきます。資本市場のパイオニアとして、“貯蓄から投資の時代”を切り拓き、日本の成長戦略に貢献していきます。
平成27年度の各事業部門の事業計画は、以下のとおりであります。
(1) リテール部門
① 質・量両面での営業力の拡充
② インバウンドを中心とした新しい顧客層の拡大
③ AI(注1)、ビッグデータの活用による営業効率向上及び提案サポート機能の強化
④ フィーベース型商品・サービスの拡充
⑤ 証銀連携ビジネスモデルの進化
(2) ホールセール部門
① 顧客ニーズを的確に捉える商品提供能力の向上
② アジアを中心としたグローバル戦略の推進
③ 次世代成長企業の発掘・育成と成長資金の供給
④ 企業のグローバル化、M&Aニーズへのソリューション提供
(3) アセット・マネジメント部門
① 運用体制の強化・パフォーマンス追求
② 証券・銀行窓販の両チャネルにおける主力ファンドの構築・拡充
③ 投資家のすそ野拡大および長期資産形成に適する商品の開発
④ タイムリーな情報発信、販売サポート体制の更なる強化
⑤ 不動産アセット・マネジメント事業の一層の強化
(4) 投資部門
① 投資運用力の強化によるリターン確保
② 自己資金の活用によるグループビジネスと連携した投資の実行
③ 成長資金の供給等による企業の持続的成長及び新規産業育成支援
(5) その他(大和総研グループ)
① 経済・金融・環境を柱とした積極的な情報発信
② 国内・アジアにおけるコンサルティング力の強化
③ 国内金融機関で最高水準のIT環境を整備
(6) その他(大和ネクスト銀行)
① 新規顧客層の拡大
② 証銀連携強化による顧客取引促進
③ ALM(注2)運営の強化
④ 各種管理態勢の強化
(注1)AI(Artificial Intelligence):人工知能
(注2)ALM(Asset Liability Management):資産と負債の量を総合的に管理するリスク管理手法